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親から愛されたいという心の叫び

親から愛されたいという心の叫び
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照

※これは公開OKな事例です。
※個人が特定されないように内容は改変しています。

 

人には、いくつになっても「親から認められたい」「親から愛されたい」という願望があります。

かつてこんなご相談者さまがいらっしゃいました。

 

まるでロボットのような扱いです、、、

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彼女は、両親の経営する会社で働いていました。リーマンショック後の不景気に会社の業績も落ち続けていて、「何とかしないといけない」と不安を抱えていました。そこで、経営や財務の知識はあまりありませんでしたが、自分なりに勉強をし、新しい企画や業績改善案をいつも考えました。数日後、その企画が完成し、社長である父親に見せたところ、父は中身を見ずに捨てられてしまったそうです。そして、「なんで、こんな時に新しいことをしなければいけないんだ」「言われたことだけやっていればいいんだ」と冷たく言われてしまいました。その言葉を聞いた彼女はすっかり自信をなくしてしまい、「まるでロボットのような扱いです」「わたしがあの会社にいる意味が感じられません」と言って私のところに相談に来られました。

 

褒められなかった子ども時代

お話を聴いていくと、、、

彼女には、幼少のころから両親から褒められた記憶がありません。

父親はいつも恐い顔つきをして、あまりしゃべらなかったそうです。

母親はヒステリックな性格で、いつもカリカリとしていては火がついたように怒りが爆発させる人でした。

 

いつ怒り出すかもわからずビクビクしていたそうです。

理由もわからず怒られるのがとても恐怖だったそうです。

 

しかし、そんな両親に対して、彼女は両親と関わろうとしたそうです。

何か話題を見つけては親に話しかけました。

上手く絵が描けたときは父親に見せ、テストで良い点数が取れたときには母親に報告し、自分の存在をアピールしていました。

 

それでも両親からは期待したような返答はありません。

 

  • ここをこうすればもっと良くなる。これじゃダメだ
  • なんでこんな簡単な問題を間違ったの?はずかしい

 

温かい言葉はかけられず、いつも傷ついていたのです。

 

「親から認められたかった」
「親から愛されたかった」

会社を思って行動したのは、「今度こそは褒めてくれるかもしれない」というわずかな期待があったからでした。

このご相談者は親からの愛を感じたかったのです。

 

「こんな私でも愛されたかった」

彼女がぼそっと言いました。

 

こどもは、いつも親からの愛を欲しています。

いつも心のなかで叫んでいます。

 

親の愛情を感じてこなかった影響

親から愛情を受けられなかったこども達は、大人になってからも苦しみ続けます。

自己愛が育まれず、自信が持てなかったり、自己嫌悪、依存、劣等感とさまざまな心の悩みに苦しみます。

 

彼女も例に漏れずたくさんの悩みを抱えていました。

自分に自信が持てず、はっきりと気持ちや考えを伝えられなくなっていました。

自分が決めたこと、やったことの結果を他人に批判されるのではないかといつも恐れてしまいます。

 

それゆえに自分よりも他人を優先していました。

自分の気持ちを我慢して相手に従っていました。

 

 

カウンセリング後の彼女

その後、彼女は元気に暮らしています。

 

カウンセリングの結果、自分に自信が持てなかったことの多くが親から受けた影響だということがわかりました。

これまで悩んできたことが自分の責任ではないことを知りました。

彼女はずっと親の愛情を求めていましたが、これ以上期待しても落胆を生むだけだと知りました。

そして、親と別れることを決断したのです。

 

そして彼女はメンタルトレーニングを受け、親に対する恐怖心と罪悪感を少なくしていきました。

そして今まで言えなかった正直な気持ちを伝える練習をしました。

  • 親子関係がつらかったこと
  • ずっとほめてもらいたかったこと
  • 長い親子関係のなかで自信を失ってしまったこと
  • 親との関係を終わりにしたいこと
  • 親の顔色を伺いなら生きていくことがつらいこと
  • これからは自分の人生を生きたいと思っていること

 

現在の彼女は親と離れて暮らしています。

家庭を持ち、理解ある旦那さんと、自分を愛してくれる子どもたちに囲まれ暮らしています。

ときおり現状を報告を知らせてくれる彼女は、はじめてあった時とは別人のように笑顔です。

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