親子間モラルハラスメントの実態と影響

2015年1月1日

親子間モラルハラスメントの実態と影響

FROM:親子関係カウンセラー川島崇照

 

モラルハラスメントとは?

 

モラルハラスメントとは「精神的虐待・暴力」のことです。

ハラスメントを日本語にすると「苦しめること、悩ませること、迷惑の意」となります。
わたしは、この日本語の訳し方にいつも不足があると考えています。

日々、このモラルハラスメントで苦しんでいる方たちにしてみれば、
「虐待・暴力」という表現のほうがピッタリくるのではないでしょうか。

「モラル・バイオレンス」のほうがふさわしい名称かもしれませんね。

 

モラルハラスメントの特徴

 

モラルハラスメントでは、「精神的虐待・暴力」が日常的に繰り返されます。

精神的な言葉の責め、罵倒、暴言
無視
差別・比較

このようなことが、毎日のように繰り返されていきます。
モラルハラスメントの特徴は、

●相手の考え方や行動を否定し、あらゆる理由を用意して支配しようとする。

●相手の欠点をことさらに大きくして追及を繰り返す。

●相手が自立しようとすると、中傷や罵倒などの精神的な暴力をふるい始める。

●自分の言動を外部に漏らさないようにする。

●相手の人格・人権を認めない。

●上記のことが限度を超えて行われている。

これらのことは、家庭内だけの秘密になりやすく、外に漏れにくいという特徴も持ち合わせています。

体罰的な暴力を伴っていないので、周囲からは分かりにくく、理解もされにくいということも言えます。

 

どんなケースがあるのか?

 

主に地位、体力、経済力など、家族のなかの強者から弱者へ行われています。

代表的なのが親子(親から子へ)や夫婦(夫から妻へ)といった関係でしょう。

例えば、、、

●「おまえは何をやってもダメだ」と否定する

●「おまえは常識がない/おまえは非常識だ」と否定する

●「自分のことしか考えていない」と否定する

●親があなたと兄弟、姉妹とで態度を変えて差別する

●あなたには非常に厳しく冷たく接するのに、ほかのきょうだいには甘いなどの差別をする

●「おまえは頭がおかしい」と人格を否定する

●「そんなふうに育てたおぼえはない」と人格を否定する

●「おまえなんて産まなければ良かった」と存在を否定する

●「おまえにできるわけがない」と能力を否定する

●「そんなことやっても無駄だ」と行動を否定する

このとき、モラルハラスメントを行っている側もそれを受けている側も「精神的虐待・暴力」があるという認識がとても薄いという特徴があります。
親は子に対してのシツケのつもり、
夫婦関係であれば、愛情のつもりというふうに
心の中で「あなたのために」とすり替えられています。

そして、「あなたのために」という言葉がメッセージの中にはいってくると、
罪悪感でいっぱいになり、相手から離れることが悪いことのように感じてしまいます。

子ども側は、「じぶんが悪いんだ、、、」と考え方、感じ方まで支配されている方も多く見られます。
このことから、
長年の間、モラルハラスメントを受けていたことに気付かなかったということが多いのです。

 

モラルハラスメントの影響

 

モラルハラスメントを受け続けると、さまざまな心と体の不調が現れます。

●恐怖による極度の緊張

●離人感(自分が自分で無いような感じ)

●強いストレスによる心身症状

●判断力の低下

●自己否定のくりかえし

●孤立無援な感じを常に抱いている

 

自分が自分であってはならない感じを抱き続け、
受けた言葉をストレートに取ってしまい、
感情をすり減らしながらの生活は非常に辛いものです。

さらに、「悪いのは自分なんだ」と自己否定をくりかえし、
自己肯定感も低下していきます。

いったんこの負のスパイラルにはまると、
自己回復が難しいケースが多く見られます。

 

回復に必要なことは?

 

●自分がモラルハラスメントを受けているかもしれないということを疑うこと

●相手の言っていることに疑問をもつこと

●自分の意見を持って立ち向かうこと

●「強者には従わなくてはならない」という固定観念を捨てること

●依存しない環境をつくること(時間・財力・判断…etc)

このように、
相手と自分の境界線をしっかり引いていくことが重要です。

※本人が努力してできないこともあります。
専門家・信頼ある理解者とともに歩んでいくのが回復への近道です。


Posted by おとなの親子関係相談所 at 22:24 / コラム

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