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親の過干渉から心を守るための方法4つのステップ

親の過干渉から心を守るための方法4つのステップ

子どものことを何でも知っていないと気がすまない過干渉な親がいます。
 

【過干渉な親によく言う言葉】

  • きのうはどこに行っていたの?
  • 今日はどこに行くの?
  • 何時に返ってくるの?
  • 誰と会うの?
  • ◯◯しなきゃダメ!
  • ◯◯に決まっている!
  • あなたのことを考えて言っているの
  • あなたのためを思っているの

【過干渉な親によく見られる行動】

  • 電話に出ないと怒る
  • すぐにメールを返信することを要求する
  • 年齢に見合わない門限を設定する
  • 季節に関わらず頻繁に帰省を強要する
  • 急に押し掛ける
  • 手紙を盗み見る
  • 電話を盗み聞く
  • 尾行する

子どものことを何でも知っていたいと思う気持ちは、自分の監視の目が及ぶ範囲に子どもを置いておかなければ気が済まないことの現れです。
 
子どもをいつでも監視しておきたいのは、親が自立できていない真理状態です。
簡単な言葉で表現するなら「子ばなれできていない」ということです。
 

過干渉な親というのは無趣味であったり、友達が少なく、自分の人生を楽しむということがとても下手です。
だから、そのぶんエネルギーが子どもに向かってしまいやすいということになります。
 

あなたが過干渉を受け入れない人になることが大切

なんでもあなたのことを知りたがり、行動を制限してくる過干渉な親に対処するには、あなた自身が過干渉を受け入れない人になることが大切です。
 
そして、「あなた(親)にはコントロールされません」という意思表示をすることがもっとも重要です。
 
でも、今までのあなたは自分の気持ちを上手く伝えられなかったかもしれません。
 
言えばまた何をされるのかと、怖くて気持ちを言葉にできないという人は多いからです。
 

今まで、あなたの気持ちを知らなかった親は、またあなたの気持ちなどおかまいなしに自分の気持ちや価値観を押し付けてくるでしょう。
 
そのとき、恐怖心や罪悪感から親の言動を受け入れて従ってしまえば、親はまたあなたがどんな気持ちでいるのかにも気づかず、あなたの心の中にどんどん侵入してくるようになります。
 
これまであなたの身になって考えてみるとか、気持ちを察するということができなかった親が、ふと何かのキッカケで変わるということはほとんどありません。
 

過去にあったことは将来にもおこります。
 
ということは、あなたが今までのように親に対して自分の意志を表示していかないということは、今の苦しみはずっと続いていくということです。
 
それはとてもつらいことです。
 

だからこそ、あなたが自分の本心を伝えて、嫌なことは嫌だとはっきりと伝えて断るということが大切です。
 
あなた自身が親の過干渉を受け入れることをやめて、自分の気持ちに正直に生きていくということが大事です。
 
それこそが、あなたが親の過干渉を受け入れない人になるということです。

 

心に侵入されないためのルールをつくる

しかし、だからと言って親に対して面と向かって本当の気持ちを言える人というのはそう多くはないでしょう。
 
そもそも、インターネットの記事を見たくらいではっきりとストレートに気持ちを言えるようになるのであれば、長い間こんなに苦労はしなかったはずです。
 

そんなときに考えておきたいのが親との間にルールつくることです。
 
ルールをつくることはたくさんのメリットがあります。
 
ルールはあなたの行動の指針にもなります。
ルールをつくっておけば、親の急な侵入にも対応することができます。
 

逆にルールを持っていない状態は危険です。
 
ルールが決まっていないということは、親に侵入されたときにその場で対応策を考えなければならないということです。
 
しかし、これまでずっと心を傷つけられてきたわたしたちは、親に対して大きな恐怖心と罪悪感を持っています。
 
そして、その二つの感情が邪魔をして冷静な行動を取れなくさせています。
 
だから、ルールを持っていないというのはとても危険なことなのです。
 

ルールを持ったあなたは、悩みや不安に時間を費やすことが少なくなるでしょう。
 
なぜなら、決まったルールを粛々と守っていけばいいからです。
 
先にやることが決まっていることで安心感が得られます。
 
心の余裕もできるので、感情に流されて失敗することが少なくなります。
 

ルールをつくって親が心に侵入してくることを防ぎましょう。
 
そして、もう二度と過干渉に支配されない自分になるためにルールをつくりましょう。
 

新しいルールのつくり方 4つのステップ

 

【ステップ1】親があなたにする過干渉にはどういったものがあるかを考える

  • 過去、実際に親から言われて傷ついた言葉はなんでしたか?
  • いつもお決まりの親の過干渉パターンはどんなものですか?
  • この先、親がしてきそうなことはどんなことですか?

 
<考え方のポイント>
●これまで何度も繰り返されてきたことは将来にも起こる可能性が高くなる
●過去に何度もあったことをもとに予測してみる
 

【ステップ2】あなたの素直な気持ちを確かめる

  • あなたの素直な気持ちはどんなことを言っていますか?

<考え方のポイント>
●胸に手を当てて自分に問いかけてみてください。
●「本当はどうしたいの?」と聞いてみてください。
 

例)もう根掘り葉掘りと質問されたくないし、いちいちこたえたくない
例)いい加減はっきりと断りたい
例)黙って従うことはもうしたくない
 

3.自分の素直な気持ちに従ってルールをつくる

  • もしあなたの取った態度や行動がすべて正しいとしたら、あなたは親にどんな自分を見せていたいですか?

<考え方のポイント>
●「〜しない」「〜させない」ではなく、「〜していい」「〜にする」「〜になる」のような肯定的な文末のルールをつくります。
 

例)私は親に伝えたくないことは伝えなくてもいい
例)私は親から何を言われても自分の考えのとおりに行動する
例)私は親から何を言われても自分が納得できている考えに従うようにする
例)私は親が考えを押しつけてきても自分の気持ちに正直になって発言する
 

4.親に断るときの言葉がけをつくってみる

  • 自分の気持ちに正直に断るとしたらどんな言葉になりますか?

 
<考え方のポイント>
●ポイントは「きっぱりと断ってもいい」「曖昧に答えてもいい」「嘘をついてもいい」の3つ
●親を否定せず、攻撃することもなく、自分の気持ちを裏切らない言葉をつくってみる
●親に従順にならず、自分の気持ちに従って行動すること
 

例)それについては答えたくない
例)もう私も子どもじゃないから自分のことは自分で決めるよ
例)お母さんは心配して言ってくれているかもしれないけど、それは私が決めることだよ
 

<ケース1>

(1)親の言動:親が私の一日の行動を全部聞いてくる/教えないと不機嫌に怒り出す
(2)私の素直な気持ち:毎日自由がなくて息が詰まる/干渉してほしくない
(3)ルール:本当のことを言わず、あいまいに答える
(4)親への言葉がけ:「きょうは◯◯に行こうと思ってるけど、行かないかもしれない。行った先で決めようと思っているの」
 

<ケース2>

(1)親の言動:親と離れて暮らしているが、ある日突然約束もなく急に押しかけてきた
(2)私の素直な気持ち:これ以上親の都合を押し付けられたくない
(3)ルール:急に来られたら断る/約束がなければ家に上げない
(4)親への言葉がけ:「ごめんね。今日これから出かけなきゃいけないから。来るときは前もって言ってね。」
 

<ケース3>

(1)親の言動:親はいつも私が好きになった人のことを否定する/「あなたの為を思っていっているんだ」と言って気持ちを押し付けてくる
(2)私の素直な気持ち:好きになった人のことを否定されたくない/わたし自身も否定されたようで悲しい気持ちになる/彼氏と別れたくない
(3)ルール:はっきりと自分の気持ちを伝えて断る
(4)親への言葉がけ:親に恋人を否定されたときは「恋人を否定されて私は悲しい」「私自身も否定されたようで悲しい」と傷ついた気持ちを伝える。「私は彼と別れません」とはっきりと断って、思ったとおりに行動する。
 

電話で過干渉のケース

なかには、親が電話をむやみにかけてくるようなケースもあると思います。
そのときは決まった曜日や時間にしか出ないとか、約束した時だけしか出ないなどのルールを作ります。
 

もし留守番電話に電話に出てくれるようにお願いされたり、電話に出ないことを罵倒するような言葉があっても罪悪感は感じなくてもいいです。
こういった言葉の数々は、あなたをコントロールするためのパフォーマンスであることが多く、いつものように恐怖心や罪悪感から受け入れてしまえば、親は学習し、更にコントロール強めてくるということも考えられます。
 

強い否定をされたら、、、

また、「親の言うことを聞けないなら縁切りだ」などの強い否定を受けたときは、反抗せず、素直に受け入れてしまうことも有効な場合があります。
 
悲しい表情で「残念だけど、仕方ないね…」と言うのもいいでしょう。
 
「縁切りだ」と言って、そのとおりに行動に移す親はほんの数パーセントと言ったところです。
 

親が過干渉をするのは、あなたのことを目の届く範囲に置いておきたいがための言葉です。
 
実は本当に縁切りされたら困るのは親のほうかもしれません。
 

ほとんどの親が縁を切りたくないし、縁を切ると言えば子どもが弱くなるだろうと考えて、その言葉を言います。
 
そういった親の真理を逆手にとって利用していくと、親は「縁を切る」という言葉の有効性を感じなくなり、使う頻度が減っていくようになります。
 

無理せずあなたのスピードで変化する

上のケースのように、親やあなたの状態によって断り方はさまざまです。
 
無理せず、あなたのできる範囲ではじめていくのが成功するコツです。
 

最初はあいまいに答えていくのもいいでしょう。
 
そして、徐々に断ることが慣れてきたら、「ごめんね。約束していないから今日は無理」と断ってみましょう。
そして改めて約束したときだけに会うようにします。
 
罪悪感が少なくなってきたら、こんどはきっぱりと気持ちを伝えてストレートに断ってみましょう。
 

  1. 親がどんなに傷つくことを言ってきても、それは親の心の問題だと考えましょう。
  2. 親に時間を費やすよりも、自分を幸せになるために使いましょう。
  3. あなたの心の状態に合わせて親への態度を変化させてあきらめさせていきましょう。

 

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