親が長女長男を差別する3つの理由

2016年6月10日

 

親が長女長男を差別する3つの理由

FROM:親子関係カウンセラー川島崇照

 

相談者の約7〜8割程度が長女長男であるという事実

 

当相談所にご相談に来られる方たちの約7〜8割程度が長女と長男です。(※ひとりっ子も含む)

そのうちの半数以上の方たちが過去にきょうだい間差別を受けてきた経験がありました。
幼少の頃から妹や弟と比べられ、目に見える差別や精神的な差別を受けてきました。
差別されてきた方たちに共通して言えることは、親から愛されなかったことにずっと悩まされてきたということです。

多くの方たちが『自分の性格が悪いから愛されないんだ』『なんでこんな性格で生まれてきたのだろう』と考えていました。
『私がわがままだから愛されないんだ』『私は不必要な子だったんだ』と思い込んでいました。

ずっと自分の責任であるかのように思って傷ついてきたのです。
小さい頃からとても我慢してきました。

少しでも愛されるようにしようと自分の意見を言わないできました。
言えば否定されると知っていたからです。
わがままだと言われ、自分勝手だと言われたからです。

だから、自分の気持ちを言わないで従順でいることが親から愛されるための方法だと考えてしまったのです。
さらに、親の態度の違いにも悩みました。

自由にふるまっている下のきょうだいたちは否定されません。
自分の意見を言っても否定されません。

自分はダメで他のきょうだいは良いとする親の行動は理解できませんでした。

だから、『私が悪い子だから…』と無理矢理に納得しようとしていたのです。
差別を受けてきた方たちは、こうやっていつでも愛されない事実と愛されたい気持ちの間で翻弄されてきました。

 

きょうだい間差別のケース

 

差別にはさまざまなケースがあります。
見てはっきり分かるものから、表面上はわかりにくいものまでいろいろとあります。

 

一方をとにかく否定し、一方をとにかく肯定する

きょうだいで同じことをしているはずなのに、長男長女は否定され、それ以外の子は肯定されるようなパターンです。
このパターンを経験した方「お姉ちゃんなんだから我慢しないさい!」とよく言われていたかもしれません。

あなたが大人になっても同じことが続きます。
あなたはダメで、下のきょうだいは許されていたなんていう状態はきょうだい間差別の典型的なパターンです。

 

一方には良いモノを与え、一方には粗末なモノを与える

ありとあらゆる『モノ』が対象となります。
食べ物、着る服、行く学校、、、色んな場面で差別を受けるでしょう。

例えば、おやつの質や量も目に見えて優劣をつけられることもあります。
自分はもらい物の服を着ているのに、下のきょうだいはいつも新品を買ってもらっているなんてこともあります。

自分は学費を出してもらえず大学とバイト先との往復だったのに、下のきょうだいは学費から家賃、遊興費までなにからなにまで出してもらっていたなんてこともあります。

結婚後、正月に帰省すると宴会の用意はあるが、自分の分だけ用意されていなかったなんてこともあります。

 

家のなかの問題やきょうだい間の争いの責任を押し付ける

何か問題がおこると理由も聞かれずに一方的にあなたの責任であるかのように言われます。
きょうだい喧嘩があったときも、あなたが加害者であるかのように言って責めたでしょう。

「どうせおまえが悪い」「いつでもお前が悪い」「やっぱりお前が悪い」
こんなふうに、いつでも決めつけて責任を押し付けられ、『ダメ』という烙印を押されます。
こういった差別は、直接的に傷つけているわけでなくても大きな傷として心に残ります。

長いあいだ差別を受けてきた方は自分に自信を持てなくなるでしょう。
いつでも自分と誰かを比べては『やっぱり自分はダメ』と過去に親から言われたそのままに感じてしまいます。

体に傷は残りませんが、人生を左右するぐらいに傷つけられたことは確かです。

 

親がきょうだい間差別をする理由

 

なぜ親はあなたを差別したのでしょうか?
差別する親の心理は大きく分けて3つに分けられます。

 

理由1.あなたがそこにいたから

心に問題を抱えている親は、さまざまなコンプレックスを持っています。
劣等感や虚栄心、孤独感、、、などなど。

親に心の問題があったとき、ストレスの発散先としてのターゲットになりやすいのが第一子です。

理由は簡単です 、、、あなたがそこにいたから。

とても視野が狭い親なのです。そしてその親の目の前に偶然にも『あなた』がいました。
あなたが『はじめての子ども』としてそこにいたことでターゲットにされてしまったということです。
差別する親というのは基本的にネガティブな思考プロセスを持っているものです。
否定的なことを言っていることが多いでしょうし、『どうせうまくいかない』のような決め付けや思い込みも強いです。

本来であれば親子であっても他人ですから、個性や価値観は尊重されなければなりません。
それなのに不健全な親は『親だから正しい、子どもだから未熟で間違っている』と思い込んでしまいがちです。

きょうだい間差別を受けたのは、あなたに問題があったからではなく、心に問題を抱えている親のもとに最初に生まれてきたことでターゲットになってしまった可能性が高いでしょう。

子どもたちに対して平等に係ることができなかったのは親の心の問題があったからです。

 

理由2.強い劣等感をもっていたから

1の説明を受けて、「それならばなぜ妹や弟は優遇されるのか?」という疑問もあるかもしれません。

それには強い劣等感が関わっています。
劣等感の持ち主は、子どもの一方を冷遇し、一方を優遇して『比較差別』をします。

理由は、自分より下を作って自分の劣等感を補おうとするのと、『良い子』という幻想を一方の子に抱いてその子を可愛がることにより、自分が上がった気になりたいからです。

長女長男が冷遇を受け、下のきょうだいが優遇されていたというケースはとても多く、ご相談者の方たちから聞かれるお話にもよく出てきます。
妹や弟は、親に対しての立ち回りが上手だと感じたことはないでしょうか?
もしあなたが同じように感じていたのであれば、妹や弟は『あなた』を見て親への対応を決めていたかもしれません。

「◯◯すると怒られるな」「こういうときは■■と言えばいいんだな」のように、あなたが親から否定されている姿を見ていて、そこから学んだということです。

したがって、親の目には妹や弟が『手がかからない子』として見えたかもしれません。

しかも、表面的にでも親の言うことを聞いていたとすれば、『素直で良い子』として扱われたでしょう。
そして、その反面あなたは『わがままで悪い子』として差をつけられたでしょう。

 

理由3.親にも差別されてきた過去があったから

親自身も同じように差別を受けながら育ってきたのかもしれません。
そもそも劣等感という心の問題は、子ども時代に経験してきた比較差別が元になっていることが多いからです。

親からいつも否定されていると、自分でも否定的な考え方が身についてしまいます。
ずっと自分に自信が持てず、苦しい人生を送ってきたかもしれません。

ずっとずっと我慢してきた子ども時代が終え、そして結婚し、親となった時に状況は一変します。
今度は否定される側から否定する側に回ってしまうのです。

過去に個性や価値観を受け入れてもらえなかった親は、自分の子どもにも同じことをしてしまう傾向にあります。

信じて任せてもらった経験がないので、自分も同じようにはできません。
だから、いつでも否定して子どもを思ったとおりにコントロールしようとします。

それが親にとっては安心なのです。
子どもが知らないところに行かないように、いつでも羽をむしっておくのです。
また、親が他のきょうだいと比べて優遇されてきたという場合でも同じことが起こります。

親から他のきょうだいを見下すような言い方やそうする考え方をいつも聞かされていれば、同じように人を見下す価値観が身についてしまったかもしれないからです。

いつでも目に見える成果ばかりに気を取られ、人間の本質的なところを学んでこなかったのでしょう。
自分が受けてきた子育てを自身が親となって再現してしまいます。

 

はたして下のきょうだいは愛されていたのか?

 

ここで一つ疑問が生じるかもしれません。それは、、、
「下のきょうだいは愛されていたのか?」という疑問です。

多くの方は、『愛されなかった自分』と『愛されていた下のきょうだい』という愛情の有無で苦しみます。
同じ親のもとに生まれたのに、同じように愛情を受けられなかったことは非常につらいことです。

その感覚が自分の存在意義までをも傷つけてしまい、自分は愛されるはずがないと感じて恋愛や結婚に前向きになれない方はたくさんいらっしゃいました。
はたして本当に下のきょうだいは愛されていたのでしょうか?

私はこれまでの経験上、きょうだいのうち一方を愛することができて、もう一方を愛していないというのは考えにくいのではないかと思います。

なぜなら、『愛する』ということは子どもと対等な関係をつくり、支え合う関係だからです。

『親が上で子どもが下』なんてことはありません。
親だって完璧ではありません。

だから子どもの気持ちを大切にしようとします。
間違ったことをしたら謝ります。

そういったことが対等にできるのが良い親子関係です。
結果、子どもは親から愛されている感覚を憶えます。

これが『愛されている』という状態です。

親が何をしたから愛しているということではありません。
大切なのは子ども自身が愛されている感覚があるかどうかです。
こういった親子関係がつくれている親は差別もしませんし、勝手な思い込みで否定もしません。

自分の問題を自分の力で解決できる自立した心の持ち主なので、子どもをターゲットにしてストレスを発散しなくてもいいのです。

したがって、一方を愛していて、一方を愛していないのではなく、実は劣等感を解消するためのニセモノの愛になっている可能性が高いのだと考えます。

きょうだい間で差別、比較する親というのは、 「自慢の子とそうでない子」のように優劣をつけたり、「従順で都合の良い子とそうでない子」というふうに、いつでも親の都合で起こっているのです。

 

差別から自分を解放する

 

『差別する親』の背景には、親の心の問題や親自身も差別があった家庭環境で育ってきたという理由が隠されています。

確かに親も差別されて育ち、そのことで心に問題を抱えてしまった被害者かもしれません。
しかしだからといってあなたが差別されていい理由にはなりません。

自分が受けた悲劇を今度は自分が加害者となって繰り返してはいけないのです。
今この記事を読んでいるあなたは、これまでの親子関係に苦しさを感じ、その解決策を探してここに行き着いたのかもしれません。

実はもうそれだけでもあなたは親を超えています。

あなたは自分の心と向き合い、そして悩み、答えを見つけようとしています。
実は悩みを解決するときに大切なのは、『自分の苦しみを知っている』ということなのです。

自分の苦しみを知っている人は、他人に同じような苦しみを味わってもらいたくないと思える人です。
その気持ちがあるからこそ、傷ついたこころと向き合えますし、過去に起きたことを受け入れることもできます。
しかし、差別する親はその一連の作業をできなかったのでしょう。
そもそも、自分の心の苦しみに気づけなかったのかもしれません。

『気づけなかった親』と『気づいたあなた』

これは天と地ほどの違いがあります。
気づいたあなたは自分の身に降りかかった不幸は自分のせいではなかったと思えるはずです。
そして、もし親だったとしたら、「同じ思いはさせたくない」と考えて、そうしないための方法を学ぶこともできます。

しかし気づけなかった親は、今でも過去に恨みを持っているかもしれません。
今でも腹立たしくなってストレスを溜めこんでいるかもしれません。

そして罪もないあなたをまた傷つけようとするのです。
子どもに優劣を付けて差別することは心を傷つける行為です。

もしあなたが今でもその苦しみの渦中にあるのであれば、まずは自分のなかにある苦しさを受け入れてあげましょう。

そして、立ち上がる勇気を持ってください。
親の差別で傷つく毎日から自分自身を解放してあげましょう。
あなたはいつでも自由になることができます。

それは、あなたが「自分を自由にする」と決めた日から実現に向かっていきます。


Posted by おとなの親子関係相談所 at 20:52 / コラム

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