COLUMN
毒親・機能不全家族とは 毒親・機能不全家族とは
父親が嫌いなのは自分だけ?その怒りが消えない5つの背景
この記事が向いているのは、こんな方です。
- 父親が嫌いという気持ちがあるのに、誰にも言えずにきた
- 「育ててもらったのに」と言われて、話を終わらされてきた
- 母娘の話ばかりで、自分の家庭の話がどこにも見つからない
- 暴力はなかったけれど、父親に関心を向けられた記憶がない
- 嫌いだと感じるたびに、そう思う自分のほうを責めてしまう
ひとつでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書いています。
父親が嫌いと感じる自分を、責めていませんか
「お父さんも、あなたのためを
思ってやったことだから」
そう言われて、飲み込んできた
言葉がありませんか。
父親が嫌い。
その気持ちを持っている自分のことを、
どこかで責めてきたかもしれません。
こんにちは。
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
これまでにのべ4万人の親子関係の
ご相談をお受けしてきました。
その中で気づいたことがあります。
それは、いただくご相談の数は、
母親についてのものが圧倒的に
多いということ。
けれどそれは、父親との関係に問題が
少ないからではありません。
そうではなく、語る場所そのものが
少なかったからだと感じています。
本を開いても、
インターネット記事を読んでも、
出てくるのは母と娘の話ばかり。
自分と父親との話が
どこにも見つからない。
だから相談できないまま、
何年も過ぎてしまう。
ご相談に来られる方が、
最初に口にされる言葉があります。
「こんなことを思う自分は、
おかしいのでしょうか?」
「父親が嫌いなんて、
人としてどうかと思うんです」
みなさん、
自分の感情そのものを
批判の的にしたような
言い方をされます。
そして、
そう感じるようになったきっかけは、
きちんと覚えていらっしゃる。
覚えているのに、
その出来事のほうを
「たいしたことじゃない」と
小さくしてしまう。
そういう方に、
たくさんお会いしてきました。
この記事では、
父親への嫌悪感が
どこから来ているのかを、
5つの背景に分けて整理していきます。
対処法や、
距離の取り方の話は
ここでは扱いません。
まずは、
何が起きていたのかを
見るところからです。
順番を飛ばすと、
たいていうまくいきません。
読み終えたときに、
少しだけ気持ちの輪郭が
はっきりするかもしれません。
なぜ「父親が嫌い」は、母親の関係より語られないのか
父親への嫌悪感とは、
過去に受け取った扱いへの
反応として、いまも体と心に
残り続けている感情のこと。
決して、
あなたの性格が悪いわけでも、
恩知らずなわけでもありません。
それなのに、
この感情はなかなか外に
出てきません。
理由は大きく3つあると考えています。
1つ目は、
言葉が用意されていないこと。
母親との関係には、
「毒母」「母娘問題」という
名前がすでにあります。
名前があるから、
ネット記事を検索できるし、
それについて書かれた本も見つかる。
けれど父親については、
その入り口になる言葉が
ほとんどありません。
名前のつかない苦しさは、
存在しないことにされやすいです。
2つ目は、
父親からの加害が形として
見えにくいこと。
うるさい、我慢しろ、
言うことを聞けなどと、
理由もなく怒鳴られた。
家庭にいなかった。
無関心にされた。
いずれも、
あざのように証拠が残りづらい。
「何をされたの」と聞かれても、
うまく説明できない。
説明できないから、
どうしても母親に意識が行きがちで、
自分の記憶のほうを疑って
しまうこともある。
ここで
知っておいていただきたい数字が
あります。
虐待の内訳は、精神的虐待が70%、
身体的虐待が20%、ネグレクトが7%、
性的虐待が3%。
つまり大多数は、
目に見えない形で起きています。
ニュースで報じられるような
出来事だけが、虐待ではありません。
言葉で人を萎縮させる。
機嫌で家の空気を支配する。
誰かと比べて、見下して、
笑いものにする。
どれも、写真には写りません。
形として写らないから、
まわりに伝わらない。
伝わらないから、
「大げさだ」と言われてしまう。
その積み重ねが、
父親への感情を話しにくいもの
にしています。
3つ目は、
「育ててやったのに」という一言で、
話が終わらされてきたことです。
学費を出してもらった。
家族旅行に連れて行ってもらった。
それは事実です。
けれど、してもらったことと、
傷ついたことは、打ち消し合いません。
たしかに両方あった。
それが真実です。
けれど、その一言を言われると、
たいていの方は黙ってしまいます。
反論の言葉を持っていないからです。
「育ててやったのに」という言葉に
対して、罪悪感と嫌悪感を
同時に感じます。
その感覚は、同時に存在していい。
その2つの感覚を分けられないまま、
「育ててもらったのだから、
怒ってはいけない。嫌ってはいけない。」
と、自分に言い聞かせてきた方が、
本当に多くいます。
父親が嫌いだと感じる5つの背景
ここからは、
父親を嫌いと感じる感覚が
消えないまま残る背景を
5つに分けて見ていきます。
自分に当てはまるものがいくつあるか、
数えながら読んでみてください。
ひとつでも当てはまるなら、
あなたの感情には
ちゃんと理由があります。
3つ以上当てはまるようなら、
一人で整理するのはかなり難しい
状態かもしれません。
なお、ここに挙げるのは
「父親が悪い人かどうか」を
判定するものではありません。
あなたの中に何が残っているのかを
確認するための視点です。
その視点の違いは、
思っている以上に大きいです。
1. 怒鳴られた記憶が、頭ではなく体のほうに残っている
「もう昔のことだ」と
頭ではわかっている。
それなのに、
玄関のドアが強く閉まる音に
心がドキッとなる。
低い男性の声に、
理由もなく緊張してしまう。
これはあなたが怖がりだとか、
意志の弱さなどではありません。
強い恐怖をくり返し受け取ると、
記憶は言葉ではなく体の反応として
保存されます。
だから、理屈で納得しても消えない。
「いい加減に忘れなさい」
「これからのこと考えよう」と
言われてきた方ほど、
それができなくて自分を責めています。
けれど、
忘れられないことは
体の反応であって、
性格ではありません。
ある方は、
職場で上司が少し語気を
強めただけで、
頭が真っ白になってしまうと
話されました。
上司のことは嫌いではない。
むしろ尊敬している。
それでも、
体のほうが先に反応してしまう。
その方が子どもの頃に見ていたのは、
食卓で急に声を荒らげる
父親の姿でした。
何がきっかけで
怒り出すのかがわからない。
だから、いつも身構えていた。
その身構えが、
大人になったいまも続いています。
もし、同じような反応があるとしたら、
それはあなたが弱いからではなく、
そうやって自分を守ってきた名残です。
2.「家庭にいなかった」ことも、傷として残る
暴力もなかった。
暴言もなかった。
ただ、父親はいつも仕事だったり、
家にいてもこちらを見なかった。
そういう場合、
「うちは普通だった」と思おうとします。
けれど、
関心を向けられなかった時間は、
空白として残り続けます。
両親の喧嘩を
黙って見ていた時間も同じです。
それはまさに「隠れ虐待」です。
直接何かをされたことだけが、
心の傷ではありません。
危険な場にいて、
何もしてもらえなかった。
守ってもらえなかった。
それだけで、子どもは
十分に傷つきます。
こういった経験をされてきた方は、
自分の苦しさを説明する材料を
持っていません。
「殴られたわけでもないのに」
「ごはんは食べさせてもらったのに」
「学校にも通わせてもらったのに」
そう考えて、
最後は必ず自分を責める側に
戻ってきます。
けれど、子どもが親から
受け取りたかったのは、
食事や住まいだけではありません。
見てもらうこと。
聞いてもらうこと。
関心を向けてもらうこと。
愛情の有る無しは、
親が何をしたのかではなく、
子ども自身が受け取れていたかで
決まります。
父親が「自分は十分に子どもを
愛していた」と思っていても、
あなたが温もりや安心などを
感じられなかったのなら、
愛情は届いていなかった。
父親が
「子どもを傷つけたことなんてない」
と考えていたとしても、
あなたが不安や嫌悪感を
持っているなら、
傷ついていた可能性がある。
父親から
何かされたかどうかではなく、
なかったことにも目を
向けてみます。
3. 母親の言葉を通してしか、父親を知らない
「お父さんは昔からああいう人だから」
「お母さんはずっと我慢してきたのよ」
そう聞かされて育った方は、
とても多くいます。
すると、何が起きるか。
父親についての印象が、
母親の感情ごと自分の中に
入り込んできます。
嫌っているのは自分なのか。
それとも、
母親の代わりに嫌っているのか。
その区別がつかなくなる。
こういったことは、
とても頻繁に起こることで
なかなか気づきにくい。
母親を支えたかっただけなのに、
いつのまにか
母親の感情の代理人になっている。
それによって、
家庭の中で、自分の役割が
決まってしまう。
そのまま大人になると、
父親に感じる感情の理由が
わからないままになります。
自分の感情なのか、母親の感情なのか、
区別がつけられません。
感情が誰のものなのか、
ここが曖昧なままだと、
父親が嫌いという感情が、
いつまでも落ち着き先を見つけられません。
一度、母親がどう言っていたのかと
考えるのをやめて、自分自身の
記憶だけを取り出してみる。
母親から聞いた話を
いったん脇に置いて、
自分が見たこと、
言われたことだけを思い出してみる。
そこに残るものが、
あなた自身の感情であるはずです。
そして、その作業をやってみると、
結果は二通りに分かれます。
自分の記憶だけでも
父親の言葉や態度にたくさん
傷ついていることがわかり
やはり苦しかった、という方。
意外と傷ついた経験は少なくて
実は父親の印象は
薄かったという方。
どちらでもかまいません。
大事なのは、
母親の感情を背負ったまま
生きなくていいということです。
そして、背負うことをやめても
母親を裏切ることにもなりません。
母親の苦しさは母親のもの。
あなたの感情はあなたのもの。
そう分けられたときに、
はじめて自分の気持ちが
自分のものとして
扱えるようになります。
青年期の親子関係を調べた研究でも、父親と心理的に分離できていることが、子どもの適応や発達を高めていたと報告されています(水本深喜「青年期後期の子の親との関係」教育心理学研究 2018年)。
4. 謝られないまま、時間だけが過ぎた
記憶は、
傷つけた側のほうから
先に忘れます。
覚えているのは、傷ついた側だけ。
久しぶりに実家へ帰ると、
父親は機嫌よく笑っている。
まるで何もなかったように。
その光景に、
説明のつかない怒りが
こみ上げてくる。
傷つけられた出来事は、
相手から謝罪があっただけでは
終わりを迎えません。
相手の謝罪があって、
反省が見られて、
改善しようと努力する姿があって、
少しずつ安心と信頼を
感じられるようになって
はじめて許せるかどうかと
考えられるようになります。
それなのに、謝られてもいないなら、
あなたの中で父親への怒りや嫌悪感が
続いているのは自然なこと。
時間が経ったのにまだ怒っているとか、
いつまでも昔の事にこだわっているのは
心が狭いから、などではありません。
まだ終わっていないから、
怒っている。
順番がまったく違います。
多くの方が経験する
失敗談のようなものがあります。
それは、
「自分から切り出してみる」
という試みです。
父親に、昔のことを話してみる。
けれど返ってくるのは、
「そんなことあったかな」
「お前も気が強かったからな」
覚えていないか、話をずらされるか。
そして、話す前より苦しくなる。
謝罪や反省、改善する努力などは、
求めて得られるとは限りません。
だからこそ、
父親の変化を待たずに、
あなたの怒りや嫌悪感などの
コントロールできない感情を
終わらせていく道が必要になります。
その道があることだけ、
いまは覚えておいてください。
5.「父親を悪く言うものではない」と、周りから止められてきた
勇気を出して周囲に話してみたときに、
返ってきた言葉。
「でも育ててもらったでしょう」
「お父さんも不器用なだけだよ」
「そんなふうに言うものじゃない」
そう言った人たちも
悪気はなかったと思います。
言った側は、
励ましたつもりだったのかもしれません。
けれど、受け取る側にとっては
「あなたの考えは間違っている」と
言われたのと同じでした。
一度そう感じると、
次に気持ちを打ち明けようとする
ハードルが一気に上がります。
そんなことが二度、三度と重なれば、
もう誰にも話せなくなります。
そうして、自分の中だけで
考え続けることになります。
一人で考えると、たいてい結論は
自分を責める方向へ向かいます。
気持ちを
理解してもらえないというのは、
思ったよりもショックの
大きなものになります。
そして、自分の感情や気持ちを
否定されるという経験をくり返すと、
人は自分の感覚を
信じられなくなります。
嫌いだと感じるたびに、
「こんなふうに思う自分がおかしい」
と、自分を責める癖がつく。
父親が嫌いという気持ちの上に、
罪悪感が重ねられていく。
苦しみが終わらないのは、
過去の傷が癒えず、
今また傷ついているという、
二重構造になっているからです。
そもそも毒親は母親に多いのか、父親に多いのかという問いについては、毒親って母に多い?父に多い?でもお話ししています。
父親が嫌いだという感情そのものは、
実はそれほど複雑ではありません。
嫌なことをされたから、
嫌だと感じている。
とてもシンプルです。
でも、それを
複雑に感じさせているのは、
そのあとに聞こえてくる
「父親を悪く思ってはいけない」
という声のほう。
その声は、たいていあなたの
声ではありません。
誰かに言われた言葉が、
自分の声のふりをして
あなたの心の中に
残り続けているからです。
一度、その声が
誰の声だったのかを
思い出してみてください。
じつは、「親を悪く言ってはいけない」
と言っていたほど、
親に心を支配されていた
ということがありますから。
もし、そんなことがわかれば
あなたの心はずいぶんと
軽くなるかもしれません。
気持ちは正直で、考えのほうが嘘をつく
ここまで読んで、
思い当たるものがあったでしょうか。
私が相談者の方たちに
くり返しお伝えしてきたことが
あります。
それは、
「気持ちは正直で考えのほうが嘘をつく」
ということです。
「父親が嫌い」は気持ちです。
誰かに教えられなくても、
あなたの心の中に
自然と湧き出てきたもの。
だから正直です。
一方で、
「父親を嫌ってはいけない」は
あなたを迷わせている考えかも
しれません。
生まれつき
持っていたものではありません。
家庭や学校や世間などの外側から、
あとになって入ってきた
外部のルールです。
どちらが正しいか、
という話ではありません。
順番が逆になっていたという話です。
あなたは、
自分の中から出てきたものより、
外から入ってきたルールのほうを
優先してきたのかもしれません。
だから苦しかった。
ここで気をつけたいことがあります。
もし私が
「嫌いでいい」と言い切ってしまうと、
それもまた外からのルールに
なってしまいます。
相談者さまの中には、
「できれば良好な関係になりたい」
とおっしゃる方もいます。
逆に「もう会いたくない」
と言う方もいます。
どちらも間違っていません。
親を嫌いだと感じる自分はおかしいのだろうか、という問いについては、親が嫌いっておかしいですか?でも書いています。
大切なことは、
「決めるのはあなた」
ということなんです。
いま必要なのは正しい正解ではなく、
あなた自身が「嫌いだと感じている」
という事実を、否定せずにそのまま
受け入れることかもしれません。
実際、カウンセリングをしていると、
相談者に最初の変化が現れるのは、
親との関係ではなく、自分の感情に
対する受け取り方のほうです。
「嫌いだと思ってしまった私が
間違っているのではないか」から、
「私は嫌いだと思っています」への変化。
自分の感情を否定する言葉が
消えるだけで気持ちが楽になります。
そして、そのあとで、
親と会うか会わないか、
どこまで関わるかを選べばいい。
親との関わり方は、
順番としてはあとになります。
自分の感情を否定したまま
父親と距離だけ取っても、
罪悪感はつきまといます。
離れたのに苦しい、という方が
多いのはそのためです。
まとめ|父親が嫌いなあなたへ
今回は、
父親が嫌いだと感じる背景を
5つに分けて見てきました。
体に残った恐怖。
家庭にいなかったという空白。
母親の感情との混線。
謝られないままの時間。
感情を否定してきた経験。
両親の喧嘩を見ているだけでも心の傷になることは、両親の喧嘩を見て育った方へ書いたこちらの記事でくわしくお伝えしています。
どれも、あなたが選びたくて
選んだものではありません。
子どもの側に、
好んで選ぶ余地などありませんでした。
その環境の中で、
できるかぎりの方法で生き抜いてきた
結果がいまのあなたの感情です。
だから、私は、その感情を
消そうとしなくていいと思っています。
正直にお伝えします。
この記事を読んでも、
父親への感情がすぐに
消えるわけではありません。
長く抱えてきたものは、
それだけの時間をかけて
形になっています。
けれど、あなたの心が
何に反応しているのかがわかるだけで、
自分自身を責める回数は
確実に減っていきます。
これまで、
あなたは名前のない苦しさを
抱えてきました。
そして、名前がつくと、
適切に扱えるようになります。
扱えるようになると、
はじめて、「どうするか」を
選べるようになります。
いきなり良好な関係にしようとしたり、
いきなり縁を切ろうとしたりしなくて
大丈夫です。
急いで決めた結論ほど、
あとで揺り戻しがやってきて
辛く感じてしまいます。
そして、
これだけ最後にお伝えさせて
ください。
あなたと同じような気持ちを
誰にも言えないまま抱えて続けてきた
人たちは、あなたが思っているより
ずっと多くいます。
父親が嫌いという言葉を、
一度も口に出せずに
大人になった人たちに
私は何人もお会いしてきました。
みなさん、まじめで、
頑張り屋さんで
やさしい方たちでした。
でも、やさしいから、
自分の感情のほうを先に切り捨ててきた。
もう、そんなふうにはしなくていい。
これ以上、自分を
切り捨てなくていいんです。
そのために、
まず必要なのは自分の状態を
知ることです。
あなたは、一人ではありません。
もしよければ、
次の一歩を確かめてみませんか。
あなたの父親が、
どんな形であなたに影響を与えてきたのか。
18の質問で、
あなたの親の心理状態を
確認することができます。
子どもであるあなたが
自分の感覚だけで判断しようとすると、
どうしても甘く見積もって
しまいがちになるでしょう。
この診断で、
今まで見えていなかった
部分が出てきます。
さあ、この記事を読み終えたいま、
あなたの中に残っているのはどんな
感覚でしょうか。
父親が嫌いだと感じるときによくある質問
Q. 父親が嫌いだと感じるのは、おかしいことでしょうか
→ おかしいことではありません。嫌悪感は、過去に受け取った扱いへの自然な反応として残っているものです。性格の問題でも、恩知らずでもありません。まずは、その気持ちを打ち消さずにそのまま置いておくところから始めてみてください。
Q. 暴力を受けたわけではないのに、父親が嫌いなのはなぜでしょうか
→ 虐待の内訳は精神的なものが70%を占め、身体的なものは20%にとどまります。怒鳴る、無関心でいる、両親の喧嘩を見せ続けるといった目に見えない形の傷は、証拠が残らないぶん、本人にも説明が難しくなります。関心を向けられなかった時間も、空白として残ります。
Q. 育ててもらったのに嫌うのは、恩知らずではないでしょうか
→ してもらったことと、傷ついたことは打ち消し合いません。感謝と嫌悪は同時に存在します。「感謝しているのだから嫌ってはいけない」と考えると、どちらの気持ちも扱えなくなります。両方あった、と分けて置いておくほうが楽になります。
Q. 父親が嫌いだという気持ちは、いつか消えるのでしょうか
→ すぐに消えるものではありません。ただ、自分が何に反応しているのかがわかると、感じるたびに自分を責める回数は減っていきます。感情を消そうとするより、その感情に理由があったと知るほうが先です。
Q. 父親と会わないほうがいいのでしょうか
→ 会う・会わないを先に決めなくて大丈夫です。感情を裁いたまま距離だけ取ると、罪悪感がついてきます。まず自分の状態を整理し、そのうえでどこまで関わるかを選ぶ、という順番をおすすめしています。
この記事を書いた人
川島崇照(かわしまたかあき)
親子関係カウンセラー
おとなの親子関係相談所 代表
これまでに延べ4万人以上の相談に向き合い、毒親・共依存・アダルトチルドレンなど親子関係に苦しむ方々の回復をサポートしている。
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