こんにちは
おとなの親子関係相談所
カウンセラー川島崇照です。
 

「自分が嫌い」
「自分には価値がない」
そう感じることがありますか？
 
もしも、
そんな気持ちを抱えているなら、
それはあなたの責任ではないかもしれません。
 
今日は、
その感覚がどこから来ているのか、
そして、どうすれば
本来のあなたを取り戻せるのか
についてお話しします。
 

「自分が嫌い」は自尊心が傷ついているときの感覚

「自分が嫌い」
 
このような気持ちは、
自尊心が傷ついているときに
生まれやすくなります。
 
そして、
この感覚が作られてしまう
大きな要因の１つが、
10歳になるまでの経験です。
 
幼少期は、
私たちが自分自身について
学ぶ重要な時期です。
 
周囲の大人、
特に親からの言葉や態度を通して、
「自分は愛される存在なのか」
「自分には価値があるのか」
を学んでいきます。
 
10歳までの頃を思い出してみてください。
 
周囲にいた人たちの中で、
あなたの心を傷つけていたのは
誰だったでしょうか？
 
多くの場合、
一番身近な存在である親や養育者が、
その役割を担っていたかもしれません。
 

子どもの自尊心を傷つける親の行動

１．子どもの人格を否定する

• 「あなたなんか生まなきゃよかった」
• 「あなたのことを好きな人なんて誰もいない」

このような言葉を
浴びせられた経験はありませんか？
 
これらは子どもの存在そのものを否定する言葉です。
 
子どもは親の言葉を
そのまま受け取ります。
 
「私は生まれてこない方が良かった存在なんだ」
「私は誰からも愛されない人間なんだ」
と無意識のうちに刻み込まれてしまうのです。
 

２．子どもを比較し差別する

• 「どうしてお姉ちゃんみたいにできないの？」
• 「そんなことしたらお兄ちゃんに迷惑がかかるでしょ」

兄弟間で比較や差別を
されることは深い傷となります。
 
常に他の兄弟姉妹と
比べられていたとか、
 
他の兄弟姉妹を優遇され
自分自身は冷遇されていたとか、
 
そんなことが長年続いていれば、
「私はダメな子なんだ」
「私は劣っているんだ」
という自己イメージが形成されていきます。
 

３．子どもに価値があることを伝えない

• 「こんなの努力したうちに入らない」
• 「こんなのできて当たり前でしょ」

「なんででもっと上手にできないの？」

頑張ったことを
褒めてもらえなかったり、
 
良い成績を取っても
当然と思われたり、
 
努力が足りないと
否定されたり、
 
こうした経験は、
「私には価値がない」
「私の感情は重要ではない」
という思い込みにつながりやすくなります。
 
子どもは親からの承認を通して
自尊心を育みます。
 
しかし、その機会がなければ、
自分の価値を見出すことが
難しくなってしまいます。
 

４．子どもの気持ちに共感しない

• 「泣くのはやめなさい」
• 「そんなことで落ち込むなんて甘えている」
• 「我慢しなさい」

感情を表現することを
否定されたり、
 
辛いときに「大丈夫？」と
声をかけてもらえなかったり、
 
共感してもらえない環境では、
子どもは自分の感情を
大切にすることを学べません。
 
親が子どもの気持ちに寄り添い、
共感し、労わることで、
子どもは自分の感情を認め、
適切に表現する方法を学びます。
 
これがなければ、
子どもは感情を抑え込み、
自己否定をすることが多くなります。
 

５．子どもの考えを尊重しない

• 「そんなことをするな」
• 「あなたには無理」
• 「そうじゃなくて、こうするべきでしょ」

自分の意見や考えが常に否定され、
認められない環境では、
自分の考えや価値観を信じられなくなります。
 
子どもの考えを尊重し、
時には間違いも許容することで、
子どもは自分の考えに
自信を持てるようになります。
 
しかし、常に否定されれば、
「私の考えは間違っている」
「私は何をやってもダメだ」
という思い込みが強化されてしまいます。
 

６．子どもを信じようとしない

• 「嘘つき！」
• 「どうせあなたは〇〇するでしょ！」
• 「ちゃんとやっているの？見せなさい！」

親が子どもを
疑い、脅し、過干渉することは、
子どもの自立と自信を奪います。
 
信頼されない環境では、
子どもは自分自身を信頼できなくなります。
 
「私は信頼に値しない人間だ」
という思い込みが生まれ、
他者との関係にも影響を与えます。
 

自尊心を傷つけられた子どもは、無意識に自分に愛される価値がないと思い込む

これらの親の行動によって、
子どもは無意識のうちに
「自分には愛される価値がない」
「自分は十分ではない」
という深い思い込みを抱えるようになっていきます。
 
この思い込みは、大人になっても
私たちの心の奥底に残り続けます。
 
そして、人間関係や仕事、
日常生活のさまざまな場面で表面化します。
 
「上司から私だけが冷たくされていそう…」
「パートナーに裏切られているのではないか」
「友人から影で嫌われているのではないか」
 
こうした不安や恐れは、
幼少期に形成された自己イメージが
周囲の人や環境に投影された結果です。
 

無意識の思い込みを他者に投影して、周囲から嫌われているように感じて辛くなる

無意識の思い込みは、
私たちの現実認識を歪めます。
 
「自分には価値がない」
と思い込んでいると、
 
他者の何気ない言動を
「私を否定している」と
解釈してしまいがちです。
 
例えば、
友人が忙しくて連絡が遅れただけなのに
「私のことを避けているのだ」
と感じたり、
 
職場での建設的な批評を
「私は能力がないと思われている」
と受け取ってしまいます。
 
そして、
周囲から嫌われていると感じる自分を
さらに自分自身で嫌うようになります。
 
「こんなふうに思ってしまう私はダメだ」
「人から嫌われる私は価値がない」
 
こうして「自分が嫌い」という感覚は完成し、
負のスパイラルに陥ってしまいます。
 

親の影響を脱ぎ捨てて、本来のあなたを取り戻す

ここまで読んで、
「そうだったのか」と
気づかれた方もいるでしょう。
 
それと同時に、
どうやったら親の影響を
解消できるのかと
不安を感じたかもしれません。
 
親の影響は、
あなたが生まれた後に
身についたものです。
 
つまり、後天的なものであり、
生まれ持ったものではありません。
 
だからこそ、今からでも
解消することを目指すことはできます。
 

まず大切なのは、
「自分が嫌い」という感覚が、
あなた自身から生まれたものではなく、
幼少期の環境によって
形成されたものだと理解することです。
 
生まれたときのあなたは、
「自分が嫌い」などと
思っていませんでした。
 
むしろ、好奇心にあふれ、
誰かの目を気にすることなく、
愛されることを当然のように
信じていたはずです。
 

本来のあなたは、今もあなたの中に存在しています。
 
親の影響を脱ぎ捨て、
本来のあなたを取り戻す
旅を始めてみませんか。
 
あなたは生まれながらにして、
十分に価値のある存在です。