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父親が憎いと感じる5つの背景|不安や罪悪感の本当の理由

腕を組み、思いつめた表情で視線を落とす女性。父親が憎い気持ちを抱えている

この記事が向いているのは、こんな方です。

  • 殴られたわけでも、怒鳴られ続けたわけでもないのに、父親が憎いと感じている
  • その気持ちを誰かに話しても、「お父さんは優しそうだったのに」と言われて終わる
  • 母親の話ばかりで、父親との関係に悩んでいることを誰にも言えずにきた
  • 実家に帰る日が近づくと、理由もなく気分が重くなる
  • 父親を嫌う自分のほうが、おかしいのではないかと考えてしまう

ひとつでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書いています。

なぜ、父親が憎いという気持ちが消えないのか

こんにちは。
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。

「何でこんなにも、
父親のことが憎いのだろう」

その問いを、何年も自分の中だけで
くり返してきた方が、
とても多くいらっしゃいます。

父親が憎い、という気持ちは、
人に話しにくいだけでなく、
自分の中でも説明がつきません。

殴られたわけではない。

毎日怒鳴られ続けたわけでもない。

学費も出してもらったし。

友人に話しても、
お父さんは優しそうだったのに、
と言われて終わる。

それなのに、父親の顔を思い出すと、
いまも胸の奥が硬くなる。

実家に帰る日が近づくと、
理由もなく眠りが浅くなる。

書類や手続き、
年賀状の宛名など、
父親の名前を書く手が、
そこで止まる。

はっきりとした理由を
言葉にできないまま憎んでしまっている。

そんな自分のほうが、
おかしいのではないか。

そう考えて、この気持ちを誰にも
言えずにきた方が、
本当に多くいらっしゃいます。

私はこれまで、
たくさんの方たちのお悩みを
聞いてきました。

実際のところ、
母親との関係に悩んでいるケースが
多かったです。

ただし、
「そのときお父さんはどうしていましたか?」
とお聞きすると、
多くの方が一度言葉に詰まります。

そして、しばらくしてからこう
続けられます。

「父は、何もしてくれませんでした…」

その「何も」の中身を
一緒に紐解いていくと、
だんだんと問題点の輪郭が
明確になっていきます。

父親への憎しみが説明しにくいのは、
あなたの感じ方が
おかしいからではありません。

父親の態度や言葉が
はっきりと目や耳で
捉えられなかっただけで、
そこには子どもの心を傷つける行動が
ありました。

この記事では、
父親を憎んでしまう心理を
5つの背景に分けて整理していきます。

あなたがこの記事を読み終わったとき、
心の中のモヤモヤに名前がついて、
今まであなたを縛っていた
さまざまな気持ちが整理できるかもしれません。

なお、この記事では距離の取り方や
具体的な対処法は扱いません。

まず、心の整理をしていくことだけに絞ります。

父親が憎いという気持ちが、言葉にしづらい理由

この気持ちが
説明しにくい理由は、
傷の残り方が母親とは
違うところにあるからです。

ヒステリックだった母親の言葉や態度は、
不安や悲しみとして記憶に刻まれやすいです。

あのときこう言われた。

このときは我慢させられた。

そうやって、いつでも頭の中で
子どもの頃の記憶が
いつでも再生されてしまいます。

いつ、どこで、
どんな声や態度で言われたか。

数十年前のことなのに、
まるで目の前で実物の母親が
本当にしゃべっているかのように
思い出されてしまうことも
珍しくないでしょう。

一方、
何もしてくれなかった父親の
沈黙や不在、無関心は
記憶に残りづらいはずです。

目で見て、耳で聞いたわけでは
ないからです。

母親が感情的になっているとき、
父親は自分の部屋へ消えていった。

父親は自分勝手に好きなものを食べて
家族と食卓を囲まなかった。

父親は子どもに興味関心を示さなかった。

父親は厄介事を嫌って何も言わなかった。

これらは、
出来事として語れる形をしていません。

だから、
いくら自分の中で自問自答しても
毎回、父親から傷つけられた
はっきりとした証拠が見つかりません。

ここで、ひとつ知っておいて
いただきたい数字があります。

虐待の内訳は、
身体的虐待が20%、
精神的虐待が70%、
性的虐待が3%、
ネグレクトが7%とされています。

つまり、大多数は
目に見えない形で起きています。

ニュースで報道されるような、
体に痕が残るものは
ごく一部にすぎません。

そして父親からの加害は、
この70%の中でも、
さらにわかりにくいところに
あることが多いです。

心理学の分野でも、
幼少期に父親との間に
どんな愛着を持ったかが、
その後の学校生活と
関係することが報告されています(教育心理学研究)。

父親に対して
不信や拒否の感覚を持った子どもは、
学校の先生など
ほかの大人への信頼感も
低くなりやすいこともわかっています(パーソナリティ研究)。

母親に比べると、
父親についての研究は
まだ少ないのが現状です。

はっきりと
父親から傷つけられたことに
気付けないまま、
心の傷を長く抱えていると、
人はどうなるでしょうか。

そんな人は、
父親を疑うのではなく、
自分の感じ方のほうを
疑うようになります。

証拠がないのだから、
自分の記憶が
大げさなのかもしれない、
と。

その疑いが何年も続いた先に、
いまの、うまく説明できない
という状態ができあがってしまいます。

カウンセリングの場でも、
わかりにくい傷つけられ方をした人に
父のことをお聞きして
最初に出てくる言葉は、
たいてい決まっています。

「父は、母に比べて穏やかな人でした」

「厳しい人ではありましたけど、
母に比べて普通でした」

そうおっしゃったあとで、
少し間があいて、
こうも続きます。

「思い出そうとすると、
父の顔だけが出てきません」

「何をされたかも、思い出せません」

「父が何を考えているのか、
よくわかりません…」

これは、
忘れてしまったのではなく、
父親が「父」としての
関わりを持とうとしなかった
という状況でよく起こることです。

父親が憎い気持ちの裏にある、5つの背景

ここから、その
気持ちの背景に何が隠れているのかを、
5つに分けてお伝えしていきます。

ご自身に当てはまる背景があるか、
確かめながら読んでみてください。

全部に当てはまらなければ
ならないというものではありません。

ひとつあれば、
それはもう立派な理由です。

1. 父親が母親を止めてくれなかった

これが、
いちばん多く見られる背景です。

ヒステリックな母親が
感情的になっているとき、
父親はそこにいましたが
何もしてくれなかった。

隣の部屋にいて母親の怒鳴り声が
聞こえていたはずなのに
止めてくれなかった。

新聞を見ているだけで
こちらに目も向けてくれなかった。

テレビの音量を上げて、
何も聞こえていないふりをしていた。

父親は、子どもを守ってくれませんでした。

心理的に健康な父親であれば、
子どもを守ろうとします。

感情的に怒っても
子どものためにならないとわかっているので
母親を落ち着かせようとします。

母親が止まらないのであれば、
子どもを母親から引き離そうとします。

子どもの傷ついた気持ちを
癒そうとします。

外へ連れ出すこともできたはず。

別の部屋へ避難させることもできたはず。

あとで一言かけることもできたはず。

どれかはできたはずです。

父親が何もしなかったことは、
何もできなかったことではありません。

父親自身が何もしないことを選んだ、
ということです。

たくさんの方たちから
お話をお聞きしていると、
感情的な母親を止めなかった父親は、
だいたい三つの種類に分かれます。

1つ目は、
母親の顔色を伺っている父親です。

家の中でいちばん強い人に
合わせることで、
自分の居場所を保っています。

ときには母親と一緒になって
子どもを責めることもあります。

2つ目は、
母親がヒステリックになること自体を
恐れている父親です。

母親が不機嫌になれば
厄介事に巻き込まれるから、
波風が立たないようにします。

ときには母親を擁護して
子どもに我慢させようとします。

3つ目は、自分のほうに
火の粉が飛んでくるのを避けて、
その場から逃げる父親です。

子どもが矛先になっているあいだは、
自分が安全だと知っています。

ときには、その場から姿を消して、
あとで何も
知らなかったことにします。

どのパターンも、
父親は自分を守ることを
優先していました。

そして、
子どもの側からは、
この構造が見えません。

見えるのは、
目の前で激しく
傷つけてくる人の姿だけです。

だから、父親の姿は
傷つけてくる人の影に
隠れてしまいます。

さらに、問題は続きます。

激しく傷つけてくる人と
そうでない人とを比べると、
どうしても安全そうに見えてしまい、
「もしかしたら助けてくれるのではないか」
という期待が出てくるようになります。

「父親が母親を止めてくれるかもしれない」

「今日は味方をしてくれるかもしれない」

そう思いながら、
何度も父のほうを見た
日があったのではないでしょうか。

見たけれど、目を合わせてくれなかった。

その積み重ねが、
守ってもらえなかった怒りとして
今も心の中に残ってしまう。

これが、言葉にしづらい
父親への憎しみの正体の1つです。

同じ怒りが「嫌い」という形で
出ている方は、
父親を嫌いだと感じる5つの背景
も合わせて読んでみてください。

2. 母親は子どもと二人きりのときだけ態度が変わった

母親の態度が変わるのは、
あなたと二人きりになった
ときだけだったかもしれません。

母親は父親がいる前では、
おだやかに笑っている。

声も荒げない。

ところが、
父親が仕事に出た後、
父親が仕事から帰ってくる前は、
怒られてばかり。

子どもであったあなたは
気づいていたかもしれません。

父親にこのことを伝えたら、
私はもっと怒られるのではないかと。

そうやって、
誰にも言えないまま
密室が作り上げられます。

密室で起きたことは、
家族の誰にも共有されません。

父親は、その場面を
一度も見ていません。

それでも、我慢できずに
勇気を出して伝えたことも
あったかもしれません。

しかし、父親から返ってきたのは、
「お母さんがそんなことを言うはずがない」
「気にしすぎだよ」
という言葉。

父親は見ていないから、
自分が被害を受けていないから、
あなたの話を
軽く受け取ったのかもしれません。

けれど、家の中で子どもの身に
何が起きているかを知っておくことは、
親の重要な役割のひとつだったはずです。

父親は、知らなかったのではなく、
知らないままでいられる場所を
選択していました。

そして、
話してもわかってもらえない
という経験が積み重なると、
人は話すこと自体をやめます。

わかってもらえなかったときの
ショックは大きいので、
それならそもそも期待しないほうを
選ぶようになります。

でも、期待しないことを選んだ後も
傷ついた感情だけが残ります。

行き場のない感情は、
わかってもらえなかった憎しみとして
心の中に残っていきます。

3. 父親は家にいるのに、いなかった

物理的には家の中にいるのに、
存在感がなく、
家族としての関わりがない。

これも、
子どもの心を傷つけてしまう父親に
多く見られる背景です。

母親が声を荒げると、
どこかに消える。

休日はずっと
趣味の部屋にこもっている。

ふらっと出かけて
ひとりで好きなものを食べている。

家族と食卓を囲まない。

学校での様子を
聞かれた記憶がない。

危険な言動が少ないので、
その人は安全な人の
ように見えます。

事実、あなたも長いあいだ、
父は悪い人ではないと
思ってこられたのではない
でしょうか。

けれど、家庭の中に助けを
求められる大人が一人も
いなかった、という事実は残ります。

何もされなかったことが
傷つかなかったことには
なりません。

4. 父親から「お母さんの気持ちもわかってあげなさい」と言われた

いちばん分かりにくいのが、
この背景です。

あなたが傷ついて父親に
助けを求めたとき、
返ってきた言葉が、
「お母さんの気持ちもわかってあげなさい」
だった。

「お母さんも疲れているんだよ」

「お母さんに何を言っても無駄だから、
君が我慢しなければならない」

このとき何が起きたか。

味方だと思っていた人が、
加害の側に立ちました。

しかも、
思いやりを説く表情で
子どもを守らないという判断をしました。

親の正論に反論できる子どもは
なかなかいません。

そしてそのとき、
あなたは別のことも
知ってしまいました。

この家には、自分の側に
立ってくれる人が
一人もいない。

母が怖いという話ではなく、
逃げ場がどこにもないという
話になります。

この衝撃は、母親から何かを
言われたときよりも、
深いところに残ります。

さらに、父親からも
自分の感じ方を
否定されたように受け取ります。

傷ついたと感じる自分のほうが、
心が狭い、と。

自分の気持ちを否定して、
その場をおさめることを優先する
癖がつきます。

この気持ちを、
いまも言葉にしにくいのは、
このときにできた癖が
まだ心の中で働いているからかもしれません。

大人になった今も、
誰かに何かをされたとき、
まず相手の事情を
考えてしまうことはないでしょうか。

5. 頭ではなく、体が覚えている怖さ

父親の場合、
体格や声の大きさだけで
威圧が成立します。

声を張り上げる。

テーブルを叩く。

物に当たる。

黙って立ち上がる。

手が出ることもあります。

回数は少なかったかもしれません。

一度きりだったかもしれません。

そして、ここでもうひとつ
起きていることがあります。

怖い父親、冷たい父親、
関心を向けてくれない父親に、
子どもは早い段階で
期待を持たなくなります。

何度か期待して、
何度か裏切られると、
子どもは期待することをやめます。

この人はこういう人だ、
と決めてしまえば、
同じことが起きても
驚かなくなります。

驚かないので、
ショックも受けません。

ここに落とし穴があります。

ショックを受けなかった
出来事は、記憶に残りづらい。

傷つけられたという感覚そのものが、
ますます記憶に
残りづらくなっていきます。

それでも、体のほうは覚えています。

大人になったいまでも、
大きな物音や
誰かの声が強くなった瞬間に、
身構えてしまう。

職場で年上の男性が
不機嫌になると、
理由もなく心臓が速くなる。

言葉では何も出てこないのに、
体だけが反応する。

これは気の持ちようの
問題ではありません。

危険を早く察知するために、
体が身につけた反応です。

当時のあなたを守るために
心の防衛本能が
いまも過剰に働き続けている可能性があります。

父親が憎いのは、何もしなかったからかもしれない

ここまで見てきた5つには、
共通することがあります。

どれも、父親が
「した」ことではありません。

止めなかった。

見ようとしなかった。

関わらなかった。

味方にならなかった。

守らなかった。

どれも「しなかった」ことです。

親子関係のご相談を受けていて、
私がくり返し
お伝えしてきたことがあります。

両親のうち、
一方の親が問題を抱えていて、
もう一方の親が何も抱えていない、
ということはほとんどありません。

激しく傷つけてくる親のほうが
目立つだけで、
もう一方の親の問題は影に隠れています。

危険な言動が少ないから、
安全な人のように
錯覚してしまう。

けれど、「しなかった」親にも問題はあります。

加害行為をする人を
止めなかったことも、
加害行為でした。

あなたが父親が憎いと感じながら
理由を言えずにきたのは、
この錯覚の中にいたからでしょう。

理由がわからないまま
憎しみの気持ちを抱えていると、
人は自分を責めはじめます。

自分は心が狭いのではないか。

恩知らずなのではないか。

育ててもらったのに、
何が不満なのか。

その問いには、答えが出ません。

出ないので、何年でも続きます。

けれど、理由はありました。

ただ、見える形ではなかったから
わかりづらかった。

もちろん、ここで私が、
あなたの父親は毒親です、
と決めることはできません。

毒親かどうかを決めるのは、
あなた自身です。

何をした親が毒親だ、
という決まった基準はありません。

毒親とは、
「子どもの心に毒を残す親」です。

だから、
親の言葉や態度で傷つき、
その影響がいまも
自分の心の中に残っているかどうかで
判断します。

その判断ができるのは
あなただけです。

父親が憎いままで、これからを選んでいい

こうやって、
父親を憎いと感じてしまう理由が見えてくると、
次に多くの方が悩まれるのが、
この気持ちを
どうすればいいのか、
というところです。

憎しみを消さないと
いけないのではないか。

許さないと前に
進めないのではないか。

みんな悶々と
考え続けるばかりで
答えを出せない方ばかりでした。

けれど、私がいちばん
大事だと思っているのは、
憎しみを消すことではありません。

憎しみがあったとしても、
その気持ちに支配されなければ
いいと考えています。

憎しみを消す消さないではなく、
父親のことも母親のことも気にせずに
自分で選んだ人生を生きていくことが
大事です。

「支配」と言われても、
ピンとこないかもしれません。

支配されている状態は、
とにかく親にわからせたくなります。

謝らせたくなったり、
反省させたくなったりもするでしょう。

また、
親のことを長時間考え続けてしまうのも
支配されている状態です。

昔のことを思い出して、
「何で守ってもらえなかったのだろう」

「父親は何を考えているのだろう」

「何で私はあんな父親のもとに
生まれてきてしまったのだろう」

このように考えたとき、
じつは憎しみを消すことは
支配から脱出していくための条件になりません。

憎んだままで、
かまいません。

大事なのは、
その感情に支配されず、
自分の人生を
自分で選んでいけるかどうかです。

まとめ|父親が憎いあなたへ

その気持ちの
背景を、
5つに分けて見てきました。

父親が母親を
止めてくれなかった。

母親は、二人きりのときだけ
態度が変わった。

父親は家にいるのに、
いなかった。

父親から、母の気持ちを
わかれと言われた。

体が怖さを覚えている。

その5つの背景は、
どれも、目に見える加害行為では
ありませんでした。

止めなかった。

見ようとしなかった。

関わらなかった。

味方にならなかった。

守らなかった。

どれも「しなかった」ことです。
形のないものばかりです。

けれど、形がないからと言って
あなたが傷つけられていなかった
わけではありません。

あなたが長いあいだ
言葉にできなかったのは、
感じ方が弱いからではありません。

言葉にしにくい形で
加害行為が起きていたからです。

正直にお伝えします。

この記事を読んでも、
父親への憎しみは消えません。

消すための記事ではないからです。

ここでお渡ししたかったのは、
消し方ではなく、理由のほうです。

理由がわかると、
少なくとも、自分を責める
材料がひとつ減ります。

説明できない憎しみを
抱えているのは、
あなた一人ではありません。

同じところで長く
立ち止まってきた方に、
私は何人もお会いしてきました。

そのほとんどが、まじめで、
我慢が上手な方でした。

あなたが感じてきたことは、
なかったことではありません。

そのうえで、
ひとつだけ確かめてみませんか。

あなたが育った家庭で
何が起きていたのかを、
いくつかの質問に答える形で
整理できるチェックがあります。
↓↓↓
毒親度診断で、いまの状態を確認してみる

答えを出すのは、あなたです。

父親を嫌いになりたいわけじゃない。ただ、このままでいいのかわからない。

憎しみを消せなくても、人生は選べる。そうわかっても、実家に残る母のことや、親子だからという罪悪感が、足を止めることがあります。それは、あなたの覚悟が足りないからではありません。

その足を止めているものの正体と、離れる前に知っておきたいことを確認してみる →

父親が憎いと感じるときによくある質問

Q. 父親が憎いと感じるのは、おかしいことでしょうか
→ おかしいことではありません。殴られていない、怒鳴られ続けたわけではない場合でも、父親が母親を止めなかった、関わりを持たなかったという「しなかったこと」によって、心が傷つくことは十分にあります。まずはその気持ちを打ち消さずに置いておくところから始めてみてください。

Q. 暴力を受けたわけではないのに、父親が憎いのはなぜでしょうか
→ 虐待の内訳は精神的なものが70%を占め、身体的なものは20%にとどまります。父親からの加害は、この中でもさらにわかりにくい、沈黙や不在、無関心という形で起きることが多いため、証拠として残りにくく、自分の感じ方を疑ってしまいやすくなります。

Q. 父親が母親を止めなかったことも、問題なのでしょうか
→ はい。激しく傷つけてくる人が目立つだけで、止めなかった側にも問題があります。加害行為をする人を止めなかったことも、加害行為のひとつです。危険な言動が少ないからといって、安全な人だったとは限りません。

Q. 育ててもらったのに父親を憎むのは、恩知らずでしょうか
→ そうではありません。学費や生活を支えてもらったことと、心が傷ついたことは、どちらも同時に本当です。片方を認めるために、もう片方を消す必要はありません。

Q. 父親が憎いという気持ちは、いつか消えるのでしょうか
→ すぐに消えるものではありません。大事なのは気持ちを消すことではなく、その感情に支配されずに、自分の人生を自分で選んでいけるかどうかです。理由がわかると、少なくとも自分を責める材料がひとつ減ります。

この記事を書いた人

川島崇照(かわしまたかあき)
親子関係カウンセラー
おとなの親子関係相談所 代表

これまでに延べ4万人以上の相談に向き合い、毒親・共依存・アダルトチルドレンなど親子関係に苦しむ方々の回復をサポートしている。

著書に『嫌いな親との離れ方』(すばる舎)がある。

川島崇照

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