COLUMN
コラム 親がヒステリックで困る
ヒステリックな母親との関係を絶縁せずに改善するには?適切な距離の取り方8つの方法
こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
昨日のコラムで
「いつかヒステリックな母も丸くなるんじゃないか?が現実にならない理由」
について書きました。
そこでは、
自分が傷つかない程度の関わり方を
見つけることが大切であり、
そのためには、
ヒステリックな母親の影響を
しっかりと伝えること、
母自身が自分の問題に気づいて
感情をコントロールしようとしない限りは
良好な親子関係を築けないことを
気づかせることが重要であるとお伝えしました。
今日は、そのコラムで少し触れていた
適切な距離の取り方について
より詳しくお伝えしていきます。
絶縁は最後の手段
「このままだと本当に絶縁しなくてはいけないのだろうか」
「でも、そこまで親を嫌いな訳ではないし…」
そんな思いを抱えている方は少なくないでしょう。
ヒステリックな親との関係は、
あなたの心を蝕み続けます。
会うたびに傷つき、
電話一本で一日中気分が落ち込んでしまう。
そんな状態が何年、
何十年も続いているならば、
絶縁を考えることも不思議ではありません。
でも、絶縁まで考えたくないし、
そこまでして家族を失いたくない
という気持ちにもなって
悩み続けてきたかもしれません。
絶縁は最後の手段です。
なぜなら、絶縁することで
これまでの関係性に区切りをつけられる一方、
新たな問題が生じる可能性も高いからです。
親族からの非難、
自分自身の罪悪感、
それらによって
また悩み続ける日々が
続くかもしれません。
ただし、
すでに親に信頼も安心も
感じられなくなっているのであれば、
一時的な距離を置くことや、
場合によっては絶縁することが
あなたの心の健康を守るために
必要な選択となることもあります。
絶縁するか、しないかは、
あなたの気持ちを最優先してもいい
ということです。
今回は、絶縁する前に試してほしい
「適切な距離感」を保つための
具体的な方法をお伝えします。
適切な距離感を保つとは、具体的に何をすることなのか?
適切な距離感とは、
完全に関係を断つのではなく、
自分が傷つかない程度の関わり方を見つけることです。
これは、親と自分との間に引く
「境界線(バウンダリー)」
を設定することと言い換えることもできます。
具体的には、次の8つの方法が効果的です。
1.自分がやるべきではないことは断る(課題の分離が大切)
ヒステリックな親は、
しばしば子どもに過剰な要求をします。
「こんなこともできないの?」
「私のために○○してくれないの?」
このような要求に対して、
全て応えようとすると疲弊してしまいます。
自分の責任ではないこと、
親が自分でできることは、
きちんと断りましょう。
「それは私の役割ではないと思う」
「今は手伝えないから、まずは自分でやってみて」
このように、
自分と親の課題を
分離することが大切です。
2.親に許可を得ようとしないで、自分のタイミングで行動する(主導権を握り返す)
「お母さん、これをやってもいいかな?」
「こういうふうにしたいと思うんだけど、どうかな?」
こんなふうに、何かをするたびに
親の許可や承認を求めていませんか?
親があなたの決断を
尊重してくれる人なのであれば
問題はありません。
しかし、あなたが
親に否定されないために
許可を得ようとしているとか、
不機嫌にさせないために
していることなのであれば、
それはあなたが
親に人生の主導権を
握らせている状態です。
大人になった今、
あなたの決断に
親の許可は必要ありません。
自分のタイミングで行動し、
必要に応じて
「こうすることに決めたよ」
と報告するスタンスに変えていきましょう。
これが、人生の主導権を
取り戻す第一歩です。
3.親にわからせようとしないで、自分が思ったとおりにやる(主導権を握り続ける)
「どうして私の気持ちをわかってくれないの?」
「なぜ私の立場になって考えられないの?」
ヒステリックな親を
「わからせよう」とする試みは、
ほとんどの場合失敗します。
なぜなら、
感情的になっている人は、
冷静に説明を受け入れる準備が
整っていないことが多いからです。
むしろ、説明すればするほど
議論が泥沼化することが多いものです。
親を説得しようとするエネルギーを、
自分の人生を思ったとおりに
生きることに使いましょう。
思ったとおりにやりながら、
「母に理解してもらおうとするより、自分の幸せを優先する」
「私は私の道を進む。それでいい」
と自分の気持ちを優先するようにしていきましょう。
結果を見せることが、
時に最大の説得になります。
4.親が穏やかに話ができないようなら、「今日は無理だね」と伝えて離れる(冷静な自分を見せる)
会話が感情的になり、
建設的な対話ができなくなったとき、
その場にとどまって応戦する必要はありません。
「今日はお互い冷静に話せる状態じゃないみたいだから、また今度にしよう」
このように伝えて、
その場を離れる勇気を持つことが大切です。
あなたが冷静さを保ち続けることで、
親子関係のパターンを
少しずつ変えていくことができます。
5.親から否定されたら、「そんなこと言われたら傷つくよ」と伝えて離れる(心に傷を負ったことを伝える)
「あなたはいつもダメね」
「なんでそんなこともできないの?」
このような否定的な言葉を浴びせられたとき、
黙って耐えるのではなく、
自分の気持ちを伝えましょう。
「そんなふうに言われると、とても傷つくよ」
「そういう言い方は辛いから、やめてほしい」
そして、改善が見られないなら、
その場を離れることも大切です。
あなたの気持ちを伝え続けることで、
親に自分の言動の影響を
認識させるきっかけになります。
6.親が感情的になったら、「そんな態度を取るなら一緒にいられない」と伝えて離れる(感情的な親を受け入れない態度を示す)
怒鳴る、物を投げる、泣き叫ぶなど、
感情的な爆発が起きたとき、
あなたはその場にいてはいけません。
「そんな態度では一緒にいられないから、落ち着いたらまた話そう」
このように伝えて、
その場を離れましょう。
感情的な振る舞いを
「受け入れない」
という態度を示すことで、
親に自分の行動を
見直すきっかけを与えます。
7.親に「自分でできるでしょ」と行動を促しお世話しない(親に力があることを自覚させる)
過剰な依存や甘えは、
ヒステリックな親によく見られる特徴です。
何でも子どもにやってもらおうとしたり、
できることも「できない」と言ったりします。
しかし、実際には
親には自分でできる力があります。
今ある条件の中から
その時にふさわしい方法を
考え出す力もあります。
「それ、お母さん自身でできることだよね」
「一度やってみたら?意外とできるかもしれないよ」
このように促すことで、
親に自分の力に気づかせる
きっかけを作りましょう。
8.親に「できたね、がんばったね」とほめて自己犠牲しない(親に子どもに頼らなくてもできることを認識させる)
親が自分で何かをできたとき、
それを認めて褒めることも大切です。
「自分でできたね、すごいじゃない」
「一人でやれたんだ、頑張ったね」
このような言葉かけは、
親に自信を与え、
子どもに頼らなくても
自分でできるという認識を強めます。
ただし、あなた自身が
自己犠牲になるような
サポートは避けましょう。
ゴールは「これ以上傷つけたら子どもとの関係を壊してしまいそう」と親に思わせること
これらの新しい関わり方の最終的なゴールは何でしょうか。
それは、親に
「これ以上子どもを傷つけたら、関係が壊れてしまう」
と認識させることです。
多くのヒステリックな親は、
子どもがいつまでも
自分のそばにいる、
自分のために行動してくれる、
いつでも自分の世話をしてくれる、
と思い込んでいます。
時には、
『どんなに酷いことを言っても、結局は子どもが戻ってくる』
と思い込んでいる親もいます。
しかし、あなたが一貫して
境界線を示し続けることで、
親は少しずつ気づき始めるでしょう。
「このままでは子どもとの関係が危うい」と。
それが、親自身が
変わるきっかけになることがあります。
ゴールに向かおうとしない攻撃的な親とは絶縁しなければならないかもしれない
ここまで試してみても、
一切変化せず、
むしろ攻撃性を増すような親もいます。
そのような親とは、
一時的な絶縁や接触の制限を
考えることも必要かもしれません。
ただし、それは決して
「親を見捨てる」
ということではありません。
あなたと親が、
お互いに自分の力で生きていくという、
本来あるべき自然な形に戻るだけです。
大人と大人の関係では、
お互いを尊重することが基本です。
それができない関係は、
どんなに血がつながっていても
健全とは言えません。
あなたには、
幸せになる権利があります。
そのために必要な選択をすることを
決して責めないでください。
ヒステリックな母親との関わりは、
長い年月をかけて形成された複雑な関係性です。
一朝一夕に改善することは難しいかもしれません。
しかし、今日お伝えした方法を
少しずつ実践していくことで、
徐々に関係性が変化していく可能性があります。
最も大切なのは、
あなた自身が傷つかないこと。
自分を守りながら、
できる範囲で関係改善に
取り組んでみてください。
このコラムでお伝えした
新しい8つの方法を実践することが
自分一人だけでは怖くてできないとか、
罪悪感で迷うと感じるなら、
専門家のサポートを受けながら
取り組んでいくことも
検討してみてください。
その際は、
あなたに合った方法を
一緒に考えていくこともできます。
一人で抱え込まず、
周りの力を借りながら
前に進んでいきましょう。
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