COLUMN
ご相談事例 過干渉で困る
[相談事例]毒母からの過干渉がひどく、ずっと苦しんできました。
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照
干渉や傷つく言葉を吐かれてしまうことは確実です。
川島様
もしブログにご掲載頂けましたら、是非これからの生き方の参考にさせて頂きたいと思っております。
わたしは毒母からの過干渉がひどく、ずっと苦しんできました。
両親は離婚していることもあり、母は独り身で寂しいのかとにかく依存され、一人の自立した人間として認めてもらえません。「貴女は永遠に私の子供なのよ」と金切声で言われ、また許せないと思えるほど傷つくことを言われ、もう付き合うのが無理だと思い電話もメールも着信拒否にしました。
兄がいるのですが兄のところにはメールが来るらしく、「もう何の楽しみもないから死んじゃおうかな」などと言っているらしいです。兄はドライな人なので、あまり気にしていないようで心配もしていなそうですが、私は本当に死なれてしまったらどうしようと不安で具合が悪くなりそうです。
でも、また交流を再開してしまうとひどい干渉や傷つく言葉を吐かれてしまうことは確実で、自分がまた苦しむことは目に見えているので、それはそれで恐怖です。今までは嫌々ながらも毎年年末に実家に帰っていたのですが、今年はとうとうそれも止めてしまいました。いつも帰ってくる娘が帰ってこないことにもショックを受けたらしく、落ち込んでいるそうです。
こういう母親への対処方法をブログに掲載して頂けるとありがたいです。
ちなみに今までも距離を取ろうとすると「私なんて死んだ方がいいのね」などと言われたことがあります。
また、父の悪口ばかり聞かされており、母は不幸せな人のだと思い込んでいました。寂しい母が可哀想だからと、今までずっと言いなりになって生きてきました。母を喜ばせるために大学も選び、嫌いな習い事も続けてきたようなところがあったのですが、自分の人生を生きられていないことに気づき、もう5年ほど前から距離を取ろうとしました。
「私に自分の人生を生きさせてほしい」
「お母さんはお母さんの楽しみを見つけてほしい」
などと訴えたりもしているのですが、離れようとするたび、
親はいつ死ぬか分からないのよ、貴女のせいでうつ病になりそうだから助けて、
などと脅しのような言葉も吐かれ自立を引きとめられる状況が続いています。
私も心療内科に通ったりしたこともあり、このままでは共倒れになりそうです。
このような状況となります。どうぞ宜しくお願いいたします。
ご質問にお答えします
はじめまして。
おとなの親子関係相談所
カウンセラーの川島です。
ご質問ありがとうございます。
努力せず、不具合を他人のせいにしているのは依存です。
母はあなたに依存して人生をよりよくしようとしているかもしれません。
しかし依存していても幸せにはなりません。
なぜならばあなたに依存してあれやこれやと期待してもあなたはその期待を受け止めきれないからです。
あなたが母の期待を受け取れないと母は落胆するでしょう。「娘は私を幸せにしてくれない」と考えてまた責めてくるでしょう。
さらに新たな責めを受けてあなたもまた落胆するでしょう。そうやって依存者である母と非依存者であるあなたは共倒れしてしまうのです。
まさに母親の道連れの人生です。
〈親が過干渉をする理由〉
心の中の不安を打ち消して安心したい
過干渉な親が持つ心理は『不安』です。
親は大きな不安を抱えていて、
その不安を子どもに干渉することによって解消しようとします。
自分の力で生きていける気がしません。
そして、子どもがいつまでも離れていかないように
「知っておきたい」という欲求を持っています。
「子どもが私から離れていくのではないか」
という不安を打ち消したいのです。
だから、子どもに『どこにでかけるのか?誰と会うのか?そこで何をするのか?いつ帰ってくるのか?』と根掘り葉掘りと質問攻めにするケースはとても多いのです。
質問攻めにして、子どもが離れていかないことを確認して安心したいのですが、、、
そもそも、子どもを信じていないので「どうせ私は捨てられる」などと考えて、また不安を生み出します。
そんなとき、「私なんて死んだほうがいいのね」と言って気を引こうとします。
傷ついていることをアピールして、子どもに罪悪感を植え付けて親の元から離れていかないように仕向けている過干渉な親はとても多いものです。
母の心のなかで「私はかわいそう」という気持ちでいっぱいでしょうね。
これまでずっとそうすることで自分をなぐさめてきたのでしょう。
しかしそれはとても依存的な考え方です。
「私はかわいそう」とアピールすることで誰かに助けてもらいたかったのかもしれませんが、それは「私はがんばらない」と決めているということでもあります。
母の過去に目を向ける
あなたはそれでも母の生死を不安に思ってしまうかもしれません。
しかし、あなたの母は生きています。今でも生きています。あんなに死ぬ死ぬと脅しておきながら生きているのですよ。
なぜ生きているのでしょうか?それは母が死にたくないからです。死ぬよりも自分をかわいそうに見せてあなたの気を惹くことを選んでいます。
これが事実です。
母のいつものアピールを受け取り、そして不安はあなたの心のなかで作り出されました。
それはあなたが母の思うどおりになっていたということです。
だからこそ寂しくなるとまたもやいつものようにアピールがはじまってしまうのです。
実はタフな人です。
自分を弱々しく演じることで子どもをコントロールしようとする人は実はとても心がタフな人です。演じながらあなたの表情や口調の変化を観察し、「このセリフを言えば娘をコントロールできるな」とわかってやっている人です。
依存を受け入れてはいけない
依存を受け入れてはいけません。依存を受け入れていればいつまでたっても母は自立しません。あなたが目の前にいるかぎりずっとあなたを頼ろうとします。そしてまた「死ぬ」と言ってあなたをコントロールしようとします。
大切なことはあなたが母親から心の自立を果たすことです。そしてあなたはあなたの思ったとおりに生きることが大切です。
残された母のことを心配する必要はありません。
あなたが離れた母はひどく落ち込むかもしれませんがそれが母の自立の第一歩となるはずです。
泣いても喚いてもあなたが戻ってきてくれないとをわかれば、あきらめて自分の世話は自分でするしかありません。
依存の解消方法
依存を解消していくときに取れる方法はとてもシンプルで簡単です。
それは、”何もしないで見捨てる”です。
びっくりしましたか?
あなたがやっていた方法と真逆のことですからね。
「お母さんはお母さんの楽しみを見つけてほしい、」と訴えるのではなく、母がそうせざるをえない状況をあなたがつくるのです。
●母が何かを求めてきたら
「ごめんなさい。私はそれをしたくありません。」と言って求めに応じず断ります。
●「死のうかな」と言ってきたら
「それは残念なことだけど、お母さんがそう決めたならしょうがないね」と言って立ち去ります。
●「あなたのせいで鬱病になりそうだから助けて」と言ってきたら
「そうなれば大変だけど、それなら病院にいったほうがいいよ」と言って断ります。
もしあなたが母と会話することも難しいと思うなら、今のまま電話もメールも拒否したままでもいいでしょう。
もしなにかあれば兄から連絡がくるかもしれません。逆に言うと連絡がないということは母は元気に生きているということになります。
母はひとりで生きていけます。ただ、自分の世話ができないので他人に押し付けようとしているだけです。
自分のための人生にする
母の不幸アピールにつきあっていると、あなたの貴重な時間や精神力を奪われるだけです。
不幸アピールをする人は依存的な人だと説明しましたね。
そういう人は他人のエネルギーを吸い取ってしまいますから注意が必要です。
吸い取って一瞬は安心しますが、時間がたてばまたもや吸い取りに来ようとします。なぜならすべては母の心の問題から起きていることだからです。
依存的な母が自立していくためには、あなたという依存先がいなくなり、母自身が自分のエネルギーを自分のために使うということを学ばなければなりません。
そのためにもあなたは母に近づいてはならないのです。
自信を持って母から離れてください。
そしてあなた自身のための人生にしましょう。
何年かかるかわかりませんが母も遅れて自立していきます。まずはあなたが母の依存先を辞めることです。
母は母の人生を生きます。
あなたはあなたの人生を生きれば良いのです。
親子関係カウンセラー
川島崇照
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