COLUMN
ご相談事例 過干渉で困る
[相談事例]母親が過干渉な人で困っています。
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照
これまでに実際にあったご相談の事例を紹介いたします。
※これは公開OKなご相談事例です。
※個人が特定されないように内容は改変しています。
『勉強も運動も一番でなかければならない』と言われ続けた子ども時代
40代の会社員です。
80代後半の母に関してのご相談をさせていただきたく書き込みさせていただきます。
母親が過干渉な人で困っています。
しかも完璧主義です。私は子どもの頃から『勉強も運動も一番でなかければならない』と言われてきました。
「子供なんかつくる必要はない」「仕事で成功するためにも良い国立大学に必ず入れ」と言われたこともあります。いろいろと言われるのが嫌でひたすら勉強ばかりをしてきました。
反対された結婚
大学院を卒業後、実家から離れて就職しました。
そこで優しい人にめぐり合うことができて結婚を決めたのですが、母親は「学歴が気に食わない」「スーツが気に食わない」「靴が野暮ったい」といって猛反対します。
父が「娘の選んだ人であれば俺は文句はない」と言ってくれたことで結婚は了承されましたが、母親はその後毎日のように電話をかけてきて『あんなののどこが良いのか?』『母親に対する裏切りだ!』などど言い続けていました。
最後は父が見かねてやめさせましたが、それは1年半ほど続きました。
「母親の電話に殺されそうです」
結婚後は母親の過干渉もおさまっていたのですが、父が死後、連絡してくることがとても多くなりました。
「旅行に連れて行け」「これを買って」「あれをしなさい」等の要求をしてくるのです。
年齢からか足が悪くなってきたため、自分を引き取って欲しそうなことを言って来ましたが、そのつもりはないとはっきりと突っぱねました。電話をかけてくるのは少なくて2、3日に一度ぐらい、多い時は一日に2、3回もかけてきます。
適当にあしらってはいたのですが、出張中にに私自身が脳出血で入院することになった時に、「心配だから」といって夜中の2~3時に電話をかけてこられたときは、母親に殺されるかという恐怖を覚えました。
「やめて」と言っても、母親は『親が心配して何が悪い!』と言う始末です。
いまでは、母に認知症状も出てきたこともあって電話は更に頻回になっています。
減らしてくれるように伝えると、その場は「わかった」と言うのですが、数時間後にはかけてくるなど、毎日5、6回かかってくる状況で仕事にも支障が出ています。
電話がかかってくる度に私自身の血圧が上がるようになったため、一切出ないようにしました。
すると,今度は周囲に騒ぎ立てるという状況になりました。
留守電には哀願から罵倒まで、様々録音されています。
今後、正直落ち着いて対処できるかの自信はありません。
自分がどういうふうに行動をすることが大切なのか?、アドバイスをいただければ幸いです。
ご相談への回答
おとなの親子関係相談所
親子関係カウンセラーの川島です。
ご相談ありがとうございます。
拝見いたしました。
「勉強も一番、運動も人並み以上でなければならない」と母親から押し付けられていたこと。
子どもの成績に母親からの強く執着を感じていたこと。
「子どもなんかつくる必要はない」「仕事で成功するためにも良い国立大学に必ず入れ」と言われたこと。
結婚相手を両親に紹介しましたとき、「学歴が気に食わない」「スーツが気に食わない」「靴が野暮ったい」などの文句を言われたこと。
結婚後には、「あんなののどこが良いのか」「母親に対する裏切りだ」など、毎日のように電話で言われたこと。
さまざまなものがありましたね。
それぞれに共通点を見てみると、どれも娘の考えや個性を見ず、母親の価値観を押し付けていました。
小さい頃からこういった親からのコントロールがあったことは、とてもつらい経験だったと思います。
読んでいてホッとしたのは、お父様の存在でした。
母親の行動とは反対に、子どもの気持ちを尊重されているように見受けられました。
心が不健康な親がいる家庭では、価値観や考え方を押し付けられ、自分で考えることも許されず、さらに、反抗すれば否定、罵倒されるというケースがよくあります。
そして、子どもは「傷つきたくない」と考えて親の言いなりになってしまうのです。
そんな中でもお父様は良き理解者だったようですね。
一人でも理解してくれる人がいたことが大きな救いになっていたのではないでしょうか。
いるといないとでは雲泥の差です。
過干渉な親の特徴
ただ、今はそのお父様も他界され、母ひとり、娘一人という関係だということでしたね。
子どもに過干渉な親は、子どものことを何でも把握していないと気がすまなかったり、子どもを自分のそばにずっと置いておきたいという気持ちを持っていたりします。
無趣味で友達が少ない方に多いようです。
自分の人生を楽しむということがとても下手で、そのぶんエネルギーが子どもに向かってしまうのかもしれません。
また、親自身も干渉されて育ってきたということも考えられます。
子どもは自分の親からされてきたことを写し鏡のように身につけてしまいます。
もしかすると、母親もそのまた親からことあるごとに干渉され、自分の人生を生きれてこなかったのかもしれませんね。
過干渉な親にはルールをつくるのが有効
こういった過干渉な親に対処するには、「あなたの干渉は受け入れない。
私はコントロールされない。」という意思を持って行動することが大切です。
そのためにルールをつくりましょう。
例えば、もし、急に押しかけてきたときは、「約束していないから今日は無理」と断りましょう。
そして改めて約束したときだけに会うようにします。
また、電話をむやみにかけてくることがあれば、
決まった曜日、時間にしか出ないとか、約束した時だけしか出ないなどのルールを作ります。
留守電に哀願、罵倒の言葉があっても罪悪感は感じなくてもよいです。
こういった言葉の数々は、コントロールするためにしていることで、よく聞けば支離滅裂だったり、根拠のない言いがかりであったりもします。
もしそこで、罪悪感、恐怖心から要求を受け入れてしまえば、母親は「哀願、罵倒は有効な手段だ」と思い込みを更に強めるでしょう。
ルールを決めて、毅然とした態度を取らなければいけません。
「おまえとはもう縁切りだ!」と言われたら
「おまえとはもう縁切りだ!」「もう親でも子でもない」こんなふうに言ってくることもあります。
そのときは、反抗せず、素直に受け入れるということも有効です。
過干渉な親はそもそも縁を切ろうだなんて考えていません。
それよりも、もっと近づこうと考えて言っていることですから、本心ではないのです。
ですから、逆に受け入れてしまいましょう。
「残念だけど、あなたがそう思っているなら仕方ないね…」と言うのもいいでしょう。
こうすることで、親に「この方法は使えないな」と学習させます。
「私は死ぬ」「病気が悪化する」と言われたら
親が高齢になってくると、生死に関わることを言って脅してくることもあります。
「電話に出てくれないなら私は死ぬ」「お前のせいで病気が悪化する」のようなことを言われるかもしれません。
これは、親が子どもにどっぷりと依存しているから出てくる言葉です。
子どもが依存先になっていて、自立することができず、
親もわたしにとって子どもがすべてと考えるのです。
実際には「死ぬ」と生死に関わることで脅してくる人は、いつまでもしぶとく生き続けるものです。
人一倍、生への執着が強いのかもしれません。
新しい習慣で、新しい親子関係をつくる
罪悪感や恐怖心を感じても不安に思わなくていいです。
ルールをつくって、心の境界線を引いていきましょう。
毅然とした態度でそのルールを示します。
そして、自分もそのルールを守りましょう。
もし、どうしても恐怖心が感じてしまったり、罪悪感で親のコントロールを受け入れてしまうようなときは、カウンセリングが必要かもしれません。
しかし、◯◯さんはそこままではないように感じますので必要ないかもしれませんね。
まずは、ルールをつくってみてください。
そのルールが母親にたいして習慣化することができれば、
新しい親子関係がスタートできるかもしれませんね。
親子関係カウンセラー
川島崇照
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