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ご相談事例

[相談事例]恋人の職業で結婚を反対されています

[相談事例]恋人の職業で結婚を反対されています

コラムのリクエストをいただきました

お名前 : りいなさん
はじめまして。
現在、付き合って1年と少し経っている彼がいます。彼は年下で、お互い医療職なのですが、収入は私の方が上の関係です(はっきり申し上げると私が医師で彼はコメディカルです)。実家に帰省したとき、親に彼氏はいるのかと聞かれて諸々答えていたら、「年下で、しかも医者じゃない彼氏なんて情けなくなる」と言われました。「年上の医者じゃないと幸せになれない」とも言われました。先生のコラムなどを読み、親のステータス・世間体を守りたくてこのように言っていることはわかりました。
 

一つ厄介なのが、父親も町の医療を担う人であり、同じ町で彼と付き合っていることが尚更引っ掛かるようです。確かに一時期同棲していたことはありました。それは私としては言いたくなかったのですが、親が問い詰めてきて、ちゃんと言わないと職場に電話されたり彼にも迷惑がかかると思ったこと(実際電話もされてますし彼とコンタクトを取ろうともされました)、また私の罪悪感があったことからも言わざるを得ませんでした。父親は大変ショックを受けたと、母から何度も聞かされています。そして、それがもし町中の噂になったら、父親の面目が立たなくなると…。父の名に傷をつけるなと、町を穢すなと、こう言われます。
 

また、代々医者がいる家系でもあるため、家系を重んじろと、昔はそんなこと言ってこなかったのに子供が巣立っていったタイミングで、「○○の代表として行動しろ」などと、うちの代は医者でもないのにそう言ってきます。
 

完全に、毒親だと思っています。今でも連絡がきますが、母はいつも長文で何個も質問してきたり、返信がないと喚いたりしてきます。ヒステリックです。はっきり言って恐怖です。しかし、私は自分の幸せを、心の安らぎを手放したくありません。
 

駄文を長々と申し訳ございません。コラムのリクエストとしては、小さな町で親が少しでも社会的立場が上と世間的に見られる場合、子はたとえ自分の本当の幸せと感じられなくとも、親の顔を伺いながら人生を選ばなくてはならないのでしょうか。そして、私はこんな状態でも彼と幸せに結婚できる未来はあるのでしょうか。。先生のアドバイスを頂けると嬉しいです。
 

ご質問にお答えします

こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
 

コラムテーマのリクエストをいただき
ありがとうございます。
 

父親から好きな人の職業で否定されて、結婚を反対されているのですね。
そして母親からも感情的に批判されているのですね。
 

わかりました。
それではあなたの疑問にお答えします。
 

婚約者の職業で結婚を反対してくる父親や母親の心理を解説していきますね。
そして、あなたがこの先どんな判断基準で行動していけばよいのかをお伝えしていきます。
 

幸せな結婚は自分の気持ちを優先できた人が手に入れる

今までに幸せな結婚を成功させた人たちは、
ちゃんと自分の気持ちを優先してきた人たちでした。
 

結婚はゴールではありません。
そこからスタートする長い長い道のりです。
 

そんな長い道のりにはいくつもの問題もあるでしょう。
お金のこと、子育てのこと、老後のこと、
数え上げたらキリがないほど思いつきます。
 

でもどんな問題にも共通して言えるのが、
夫婦二人で協力しなければいけないということです。
 

協力するには、お互いで意見しあって、
信じあって、尊重しあって、
力を出し合っていかなければなりませんね。
 

だからこそ結婚には『信頼関係』が大切です。
 

じつは高いステータスの人と結婚をすることは、
夫婦の信頼を作ることにはほとんどと言っていいほど関係がありません。
 

たしかに高いステータスの人と結婚をするとお金の心配は減るかもしれません。
収入が良ければ日々の生活に感じるストレスも減るでしょうし、
将来を楽観視することもできるでしょう。
 

しかしお金を持っていることで
感じる幸福感はとても短命です。
3年程度しか保たないはずです。
 

それに高いステータスの職業に就いている人と
結婚することが必ずしも幸せというわけではありません。
 

その人も親から無理矢理に医師にさせられた人で、
結婚してみたら不平不満ばかりを口にしていて、
他人に対して横柄な態度を取る人かもしれません。
 

実際に医師家系に育ち、
支配的な親から医師になることが当たり前だ
と言われながら育てられ、親を満足させないと
否定され見下されてきた人が、
今は医師になって支配的な親の振る舞いを
そのままコピーしているなんていうケースはとても多いのです。
 

したがって職業で結婚相手を選ぶことはとても危険です。
 

だからこそ、信頼を感じられる人、
信じ合える人、一緒にいて安心できる人、
この人とだったら幾多の困難も協力して
乗り越えていけると思える人と結婚することを目指したいですね。
 

そしてそれができたのは自分の気持ちを優先できた人たちだけです。
 

親が医師との結婚しか認めてくれないときの代表的心理

日本では医師という働き方に対して
ステータスの高い職業だと位置づけている人が多いですね。
 

いわゆる『先生業』などと言われていて、
医師、弁護士、学校の教師などがそれに当たるでしょう。
 

こういった高いステータスの
結婚相手との結婚しか認めなかったり、
それを強要してくる人の心理背景には、
多くの場合『劣等感』が隠れています。
 

劣等感を感じている人には
大きく分けて2つのタイプがあります。
 

1つ目は他者と自分を比べて
「なんでこんなにも自分はダメなんだ」
と自己批判を繰り返して自信が持てないタイプ。
 

2つ目は他者と自分を比べて
「なんであの人ばっかりうまくいくんだ、
ずるい!私ばかり損している!!」
と他者批判を繰り返して妬(ねた)むタイプ。
 

2つ目の他者批判を繰り返して
妬(ねた)むタイプの親が
子どもと高いステータスの人と結婚させたがるし、
その子どもにも高いステータスを身に着けさせようとします。
 

劣等感が強くて、
さらに他者批判と妬みを繰り返す親では、
じつは自分に自信がありません。
 

自分自身に価値があるとは思えずに、
物やお金、高いステータスで自分の自信の無さを隠そうとします。
 

他人に対して横柄な態度を取り、
見下すこともたびたびあるでしょう。
 

そして自分は上流な人間だから
上流な人としか気も合わないし、
付き合いたくもないと考える傾向が強いですね。
 

そうやって他人に対して
高圧的な態度を取る人も、
いつでも自信満々な自分を
高く見せようとする人も、

自分の低い価値を隠して、
自分が傷つかないようにするための、
『自信の無さの裏返し』の行為です。
 

ようするに、こういう親が
子どもに高いステータスの人と結婚させたがるのも、
親の中で満足できないステータスの人と
結婚させたがらないのも、
すべて親の劣等感が関わっているということになります。
 

地域の評判を気にして結婚を反対してくる親の代表的心理

親によって、
劣等感を感じているときの気持ちはさまざまですが、
よく目にするのは「あんな人と結婚されたら恥ずかしい」
というような恥の意識を持っていることです。
 

地域の評判や世間体を気にしている親も
劣等感が強いのですが、
このタイプは自分を高く見せたいというよりも
「低く見られたくない」という意識が強い親です。
 

先ほど劣等感を感じている人には
大きく分けて2つのタイプがあるとお伝えしました。
 

そして恥をかきたくない親は、
他者と自分を比べて
「なんでこんなにも自分はダメなんだ」
と自己批判を繰り返して
自信が持てないタイプになります。
 

コミュニケーションが苦手で
他人を遠ざけたがります。
 

友人を作ろうとしなかったり、
地域のコミュニティに参加したがらない
なんてこともあるでしょう。
 

他人に対する愚痴や悪口ばかり言っていて、
不平不満が多いです。
 

自分がうまくいかないことは
すべて他人のせいにしているなんてケースも多いですね。
 

そんな親は自分に自信がないので、
『自分の力で頑張る』ということをしません。
 

しないというよりは、
その発想がないと言ったほうが正しいですね。
 

自分に自信がないわけなので、
頑張っても成功するイメージが持てないのです。
 

だから頑張ってもどうせ失敗するし、
失敗したら恥をかくはずだし、
周囲から変な目で見られるはずだと先に決めています。
 

そして自分が頑張らない分を子どもに頑張らせて、
自信の無さを打ち消そうとするんです。
 

こういった行動を
『劣等生の補償行為』と言い、
自己批判を繰り返して
自信喪失している親にはよく見られます。
 

地域の評判や世間体を気にする親は
総じて恥の意識が強いですね。
 

そんな親が結婚の反対をしているときというのは、
少なくとも子どもの幸せを考えて反対しているわけではありません。
 

親の自分が恥ずかしい思いをしないように、
自己都合だけで結婚を反対している可能性が高いです。
 

父と一緒になって責めてくる母親の代表的心理

りいなさんは母親からも結婚を反対されていますね。
 

「父親は大変ショックを受けたと、
母から何度も聞かされています。
そして、それがもし町中の噂になったら、
父親の面目が立たなくなると…。
父の名に傷をつけるなと、町を穢すなと、こう言われます。」
と、母は父を擁護して
一緒になってあなたの決断を批判していますから、
ここで母の心理も解説しておきたいと思います。

仮に、父親が主体的に結婚の反対をしている人で、
そんな父親の考えがいかに正しいのかと説得してきたり、
父親がいかにつらい思いをしていて、
いかに子どもの幸せを考えているのか、
親の気持ちをわかれと迫ってくるということであれば、
母親も相当に問題を抱えているはずです。

もし、りいなさんの母親が
父親とは違う独自の理由で結婚を反対してきたり、
父親と意見が食い違う部分もあったりするなら、
これからお伝えすることは読み飛ばしていただいて結構です。
 

あくまでも、母親に主体性がない状態での解説となります。
 

もし母親が父親を擁護して味方をしているようなら、
そんな母親の心理背景は
『自分に火の粉が飛んできてほしくない』
になる可能性が高いです。
 

そんな母親の心理は、
父親が一家の家長として絶大な権力を持っていて、
何をするにしても全部父親の許可が必要だったり、
家族メンバーがそんな父親の顔色を気にして
ご機嫌伺いを続けてきた家族関係ではよくあることです。
 

逆に母親が支配的で、
父親が母の顔色をうかがっている
というパターンもあります。
 

どちらにせよ両親のパワーバランスが
どちらか一方に圧倒的に偏っているのが特徴です。
 

こういうタイプの母親は
子どもを守るよりも自分を守ることを優先します。
 

支配的な父親が不機嫌になりそうだとわかると、
子どもに対して従うように我慢するように
一生懸命に促します。そうしないと自分がひどい言葉で
父親から傷つけられて責められるとわかっているからです。
 

常に問題回避で生きています。
少しでもうまくいきそうにないとあきらめたりしますし、
子どものことを信じる力が不足しているので
常に不安で過干渉と過保護を繰り返す傾向が強いです。
 

わからないこと、
うまくいきそうにないことに対しては
いつも否定的です。
 

だから、
うまくいかないと結論を先に決めて、
子どもの不安を煽ります。
 

「あなたは騙されているんじゃないか」
「あなたはなんで親の気持ちがわからないのか」
 

「あなたは洗脳されている」
「あなたは利用されているだけだ」
 

「その人と結婚をしたら家族全員が傷つく」
「父がどれほどあなたの将来を考えているのかわかってほしい」
 

「あなたに裏切られた、傷つけられた」
「そんな子に育てたおぼえはない」
 

こんなふうに、
子どもに対して罪悪感を感じさせるような言葉が止まりません。
 

しかしこれも自己保身の言葉である可能性が高いです。
それを言っていればあなたが結婚をあきらめて、
父親がおとなしくなって、
自分に火の粉が降りかからなくて済むから
言っている可能性が高いんです。
 

結婚はやってみなければ
わからないことだらけなのに、
最初から失敗すると決めつけていたり、
会ってもみていない結婚相手を
知ったような言い方が批判をしている親というのも、

あなたの幸せを考えているのではなく、
自分たちが安心したくて、
あなたに敷いたレールを歩ませて
満足したいという心理背景があります。
 

親にわからせなくてもいい

重要なことは、
あなたが自分で決めてそのとおりに
行動してみることです。
 

親が何を言っていても
どんどん進みたい道を歩んでいくことです。
 

なかには親にたくさん説明して
説得を繰り返している人もいるでしょう。
 

しかしそれを何度繰り返していても
親が批判をやめてくれなかったり、
一向に理解してくれなかったりするのであれば、
もう気づかないといけないタイミングになっているのかもしれません。
 

説明してわかってくれるのは、
わかろうと努力してくれる親だけです。
 

そもそも心が健康的で自立心を持っている親は、
子どもの人生は子どものであり、
結婚だって子どもが決めるから幸せになれると
感覚的に知っています。
 

そんな健康的な親たちには
何度も説明する必要はありません。
 

なぜなら子どもの決断を受け入れる努力をしてくれるからです。
 

あなたは何度も説明と説得を繰り返していますか?
 

いまでもそれをしているなら、
もうそろそろ次のステージに進まないと
いけないときなのかもしれません。
 

次のステージは、
自分で決めたようにしながら、
親に対して「これが私の幸せな生き方だ」と
見せることなのかもしれません。
 

結婚はあなたが幸せになるためのもの

結婚はあなたが幸せになるためのもの作業です。
 

誰かの意見は誰かのものであり、
あなたのものではありません。
 

家族の意見であっても同じです。
 

家族の意見を優先していても、
あなたは幸せに生きられないのです。
 

父が恥をかくかどうか、
母が責められるかどうかはあなたの問題ではありません。
 

実際にそうなったとしてもあなたが悪いのではなく、
父が自分の劣等感を克服してこなかったことや、
母が父と向き合ってこなかったことが原因であるはずです。
 

大切なことは、
誰もが自分の力で自分の人生を
幸せにしていくことです。
 

そしてその真実に気づいたあなたは、
まずは自分の人生を幸せにすると考えてもらいたいのです。
 

親の人生は親が頑張らなければいけません。
 

あなたが親の人生を優先して
自分の人生を我慢していると、
親はますます自分の人生を頑張らなくなるでしょう。
 

そんなことをしていると、
あなたはこの先もずっと親から
支配され依存されて生きていく
自己犠牲の人生になるかもしれません。
 

それでは自分を不幸に追いやるのと同じです。
 

だからこそ、
あなたが幸せに生きるためには、
自分の気持ちを優先してほしいのです。
 

あなたが生きる道はあなたが決めます。
 

そしてあなたが決めた道を歩んだ先にあなたの幸せがあるはずです。
 

もう犠牲にならなくていいんですよ。
あなたの人生はあなたのものであり、親のものではないのですからね。
 

幸せになってください。自分にとって幸せな生き方を選んでください。
親に問題があると気づけたあなたにならできるはずです。
 

親子関係カウンセラー
川島崇照
 

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