COLUMN
ご相談事例
[相談事例]すぐに謝る母は毒親ですか?
コラムテーマのリクエストをいただきました
はなこです。
イメージで毒親は謝らないで子供のせいにするというイメージがあるんですが、こんなに私のせいだって自分を責めている母のことを毒親って呼ぶのはかわいそうなことなんでしょうか。罪悪感があります。
でも、毒親診断などで当てはまる部分は沢山あるんです。自分の母を毒親って思ったら少し気持ちが楽になることもあります。
こんな私でも毒親に苦しんでるって言ってもいいんでしょうか。教えて頂けたら嬉しいです。
ご質問にお答えします
こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
コラムテーマのリクエストをいただきありがとうございます。
母親がすぐに謝るのですね。でも毒親度診断で当てはまる項目も多いのですね。
親の態度がコロコロと変わるときって判断しづらいですよね。しかも謝っている姿を見ると、かわいそうに見えてしまいますからね。
それでは、あなたのお悩みにお答えしますね。心を傷つけるようなことをしてくるのに、時にはすぐに謝る親の心理を解説していきます。
すぐに謝る親の心理
親があなたに心傷つく言葉を言っていたり、そんな行動を繰り返していたり、でもすぐに謝ったり、そういったことが今まで何度も繰り返されていて、しかも母親の言動が以前と変わらず改善されていないのなら、それは『謝罪のパフォーマンス』をしている可能性があります。
謝罪のパフォーマンスをしている親は、謝るフリだけしてじつは謝るつもりはありません。そんな親は自分自身があなたを傷つけたとは思っていません。
それなのに、なぜ謝るのか?
それは「自分を守りたいから」です。
すぐに謝る親というのは、そのほとんどが子どもに依存していて、嫌われることや突き放されることを恐れています。一人ぼっちになりたくなくて、さみしがり屋です。だから、あなたに依存して心のスキマを埋めようとするんです。
でも、だからといってあなたを大切に思っているのかと言うとそれは違います。依存母というのは自分が大事なんです。自分が不安にならないかどうかが大事です。安心できるかどうかが大事です。結局自分のことばかりが気になるから、あなたが傷ついているかどうかに気づけません。
だからまた、母は自分の気持ちを優先して、自分自身が不安を解消して安心するために、あなたに何かをするんです。
思い出してみましょう。
母親はあなたに何をしていましたか?
あなたは母親の何でもかんでも知ろうとする質問が重苦しく感じていたのかもしれません。あれはダメこれはダメと否定的で心配性な母親のもとで息苦しい感覚があったのかもしれません。何でも手を出し口を出してきて、不自由さを感じていたかもしれません。
依存母は、自分の不安を解消したくて、あなたのすべてを支配したがります。
でも、あなたもそんな母親の言動が受け入れられない時もあって、はっきりと気持ちを伝えたのでしょうね。そんなとき依存母は恐怖を感じることがあります。あなたを失いそうで怖いって。
依存母って、自分ひとりの力では生きていけないって決めています。だから、いつでも誰かに頼らなければ生きていけないとも決めています。だからあなたを失うことが怖いのでしょう。
あなたから嫌われそうで怖くてすぐに謝ります。あなたが離れていきそうに感じてすぐに謝ります。ぜんぶ、生きる力のない自分が一人ぼっちにならないための謝罪です。
そして、残念ながら反省して謝っているわけではないので行動が改善されません。あなたの身になって考えることができないんです。
本当に反省している人って、「これを言ったらあの子は傷つくな」とか。「あの子の身になって考えたら、私だったらこう思うな」って考えようとします。だから同じことを繰り返しません。
しかし、何度言っても謝るばかりで行動が改善されていかないなら、あなたの母親は『謝罪のパフォーマンス』をしているということになります。
これも毒親の状態の一つです。
謝罪のパフォーマンスをする親の5つの特徴
謝罪のパフォーマンスをする親の特徴を紹介します。
不安を解消したくて謝ったフリをする親はこれからお伝えする5つの行動を繰り返しますよ。
1.言い訳をする
謝罪のパフォーマンスをしている親は、自分を守るために言い訳を良くします。あなたを傷つけているという認識がないので「でも」「だって」という言葉が多いです。傷つけるつもりはなかったとか、しょうがなかったのってよく言いますね。
表面的には謝っていますが、何をどう改善したらいいのかがわからないので、行動が変化していきません。だからまた同じことを繰り返します。
2.話をすり替える
謝罪のパフォーマンスをする親は、話をよくすり替えますよ。ぜんぜん関係のない話をあたかもそれが原因であるかのように言います。そうやって自分が悪くなかったことをあなたにアピールしようとします。
話をすり替える親は、あなたから嫌われないことを自分自身が納得したいんです。だから一生懸命に話をすり替えて、自分に責任がなかったかのように思いたいんです。そうやって自分を慰めようとします。
3.自分の過去を話す
謝罪のパフォーマンスをする親はなんとか自分を正当化しようとして、過去の話題にすり替えることもあります。苦労話とかが多いですね。
自分が子どものときは親がかまってくれずさみしかったとか、あなたの子育てで苦労したとか、あなたのために頑張って働いたなどの話です。
4.誰かのせいにする
謝罪のパフォーマンスをする親は自分を正当化しようとして、誰かのせいにしようとします。よくあるケースでは「お父さんが心配しているから」とか「私もそうやって育てられてきたから」なんて言うことです。
そのほかにはあなたのせいにすることもありますよ。「あなたが親を心配させたから」なんて言いますね。
5.あなたのためだと言う
そしていちばんよくあるケースは「あなたのためを思って」という言葉です。じっさいに親は本当にそう思っています。それをすることがあなたのためにもなって、一番正しいことだと信じているんです。
「あなたのためを思って言ったけど、傷つけたのならゴメンね」なんて言われると、反省してくれているように感じますよね。でも、こういうふうに言う母親はまた同じことを繰り返すんです。
だって、自分が正しいことをしていて、あなたのためになっているって信じているから。またその信念に従って、あなたに傷つくことを言い続けます。
わからせようとしないで、離れる
自分を守ろうとしてあなたを傷つける依存母は、いつでも自分が不安にならないかどうかで、安心できるかどうかで考えて、行動します。自分の不安解消を優先しているから行動が改善いかないんです。
そんな親は何を言ってもわかろうとしません。だって、自分が間違っていないっていう意識があるからです。心の中でいっぱい言い訳をして、あなたにも謝罪のパフォーマンスを見せられて、しかもあなたが離れていかないから「これでいいんだ」って信じ込んでしまったんです。
説明と説得を繰り返していても、目の前に依存させてくれるあなたが居続けるのだから、母親は変わる必要がないんです。
そんな親にはわからせようとしないで離れることが大切です。言ってもわかろうとしない親には、「それをやり続けるなら私を失うよ」っていうあなたの態度と行動を見せましょう。
- 「この前、それをしないでほしいって言ったよね。お母さんとはもう一緒にいたくないよ」と伝えて立ち去る
- 「何度言ってもやめてくれないなら、もうお母さんとは話をしたくないよ」と伝えて会話をしない
- 「言い訳ばかりでやめてくれないなら、もう一緒には住めないね」と伝えて家を出る
どう行動するかはあなた次第ですが、母親が行動を改善しようとしないなら、あなたも行動を変える必要があります。
何度言っても母親が謝罪のパフォーマンスを続けて行動を変えていかないのなら、あなたが母と距離を取りながら、母親が自ら行動を変えざるを得ない状況を作らなければならないということになります。
母の言葉と行動を観察する
あなたがちゃんと断って、自分がどのように傷ついているのかも伝えられて、しかも距離を取れているのであれば、親も変化していくでしょう。
しかし、その変化のスピードはとてもゆっくりです。いつでも何かのせいにして、自分の力で生きるというトレーニングをしてこなかった母親です。そんな母親の心が自立して、あなたの身になって考えられるようになって、健康的な人に変化していくというのには相当な時間がかかります。
もしかしたら、母本人が自分の心の問題に気づいてカウンセリングを受けるなどしなければ本当の改善はないかもしれません。どれをとっても、母の心は母次第です。
だからこそ、あなたは母親を変えようとしないことが重要ですよ。わからせようとしないで、改善しないなら距離を取りましょう。そして、母親の言葉と行動が一致しているかどうかを観察しましょう。
ただ観察するだけです。観察して言葉と行動が一致しないなら、距離を取り続けます。母親がどんなに謝ってきても、行動が変化していることが目で見て確認できないなら距離を近づけてはいけません。
もし、謝り続けている母親を見て不憫に思って、また以前のような距離感にしてしまったら、母はまた「謝れば許してもらえる」って思いますよ。
そう思わせてしまったら、母親は変わる必要がなくなってしまいます。いつでもあなたが目の前に居るので安心して変わらなくなりますから注意が必要です。
依存母が行動を変えるときというのは、恐れを感じるときです。このままではあなたを失いそうで怖いとか、また寂しい思いをするのではないかと怖い気持ちになっているときです。
母もあなたも自立して健康的な関係を目指す
大切なことは、母もあなたも自立して健康的な関係を目指すことです。
依存母を助けていると、あなたは自分の人生が生きられなくなります。母だってあなたに頼り切りの人生では、自分を生きているとは言えません。このまま持たれ合っていれば、終着点は共倒れです。あなたが母の言葉や行動に苦しさを感じていて、何度言ってもそれを止めてくれないなら、何かが間違っている証拠です。
そしてこのコラムを見て、今までの母の態度や自分の振る舞いに当てはまるところがあったなら、まずは母親に見せている自分の態度や行動を変えてみましょう。
依存母を安心させていると変わりません。ダメなものはダメって伝えて、受け入れないという行動を見せていきましょう。そしていつしか、母も心の自立を果たし、あなたも母を支えない自分になって、健康的な関係になってもらえたらいいと思います。
少しずつ、一歩ずつです。
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