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親がヒステリックで困る 親がヒステリックで困る
『罪子』が親と離れる時
こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
今日もこのコラムをお読みいただき感謝します。
今回は、ちょっと新しい言葉を皆さんにお伝えしたくてこのコラムを書いています。
その新しい言葉とは、『罪子』(つみこ)です。
罪子とは、罪悪感を感じて自分を罰しながら親に自己犠牲をする子のことです。「子」と言っても、小さい子供ではなく、あなたのような成長した大人だと思ってください。
罪子はいつでも不安です。いつでも過剰な責任を感じています。そして自分を我慢して、他人のために自分を犠牲にしているという特徴があります。昔から親の言葉や態度を見ながらたくさんの罪悪感を感じてきたので、自分を批判することが心の癖になってしまっています。
そして、本当は嫌なのに、罪悪感を感じてしまうからしょうがなく親に従って、人生まるごと捧げているなんて人もたくさんいます。
今日はね、この罪子のことについて解説していきますね。
もしあなたも罪子だったら、まずは何を止めなければならないのか、そしてどのように生きることが大切なのかを知ってください。あなたがこの先の人生を健やかに生きていくためにとても重要な知識をお伝えしていきますね。
罪子チェックリスト
まずは、自分が罪子の傾向があるのかどうかを確認してみましょう。下のリストを見て、自身に該当しそうな箇所にチェックを入れてみましょう。
- 理由なく自分に罪悪感を感じる
- やりたいことをやると罪悪感を感じる
- 他人に頼みごとをすることに罪悪感を感じる
- 他人の頼みごとを断ることに罪悪感を感じる
- 罪悪感からいつでも他人のお世話ばかりしている
- 罪悪感から他人の責任を肩代わりしてしまうことがある
- 自分は悪くないのに責任を感じて焦って謝ってしまう
- 自分は悪くないのに相手に怒られると焦って謝ってしまう
- いつも不安で何をしていても楽しくない
- いつも不安で心から楽しいと思ったことがあまりない
- いつも不安で感動できない
- いつも不安で喜べない
- 不安をまぎらわすためにいつも楽しいことを探している
- 責任を過剰に感じていつも自分がやるべきことを探している。
- 責任を過剰に感じて「自分は楽しいことをやってはいけない」と感じる
- 責任を感じるので楽しんだ後に罪悪感を感じる
- 責任を感じるので自分の好き嫌いが言えない
- 自分の好き嫌いという感情や感覚がわからない
- 「こうあるべき」というこだわりが強くて自由に行動できない
- 楽をしてはいけないと思って、わざわざと難しいほうを選んでいる
- 人生は苦しいものだと思って、わざわざと苦しいほうを選んでいる
- わざわざ苦労をしてやりがいを感じようとしてしまう
- この先に何が起こるかと不安を感じて寝られない
- 「自分は何かが違うのではないか」と感じるが、何を変えればいいかがわからない
罪子をつくる親の特徴
罪子をつくる親とは、自分に自信がありません。生きていく力がありません。うまくいかないことがあるといつでも言い訳をしているし、いつでも誰かのせいにしています。
被害者意識の固まりです。劣等感が強くて愚痴が多いです。他人をバカにしたり見下すようなことをよく言います。
そして、あなたが自分のもとから離れていくことを不安に感じて、なにがなんでも手放さないと決めています。そう、あなたがいなければ心の拠り所を失いそうで怖く感じているんです。
だから、罪子をつくる親は、あなたに依存します。
あなたに依存する親は、あなたの行動をぜんぶ把握しようとして、根掘り葉掘りと質問攻めにしますね。どんな人と?どこに行くのか?何をしに行くのか?いつ帰ってくるのか?ぜんぶ知らないと不安でしょうがないんです。
でも、親の質問にぜんぶ答えたとしても不安は解消されませんよ。そんな親は次々に不安を生み出すからです。あなたを信じて待つということができない親なので、あなたが答えたことも疑います。
そのうち、あなたも質問攻めにあうのが嫌で外出することが怖くなったかもしれません。そして、嘘をついてこっそりと出かけていたかもしれません。さらに、出かけていても落ち着かなくて楽しめなかったかもしれません。
もっとひどい場合は、外出してはならないと言われたり、そんな人とはつきあってはならないと否定されたりしたことでしょう。
それにあなたが従わなければ、親を傷つけたとか裏切ったとか、昔の苦労話を持ち出されて不憫さをアピールされたとかもありましたよね。
そのたびにあなたが悪いと言われて否定され、親を裏切った親不孝者と言われて批判されてきたかもしれません。ときには、親を捨てて勝手に生きればいいと突き放されたり、もう死んでやるなんて言葉も言われたかもしれません。
こうやって、罪子をつくる親はあなたにたくさんの罪悪感を植え付けて、「親に従わない子が悪い」というメッセージたくさん送って心を支配してきたんです。
罪子をつくる親のほとんどは、生育歴に問題がありました。
たとえば、親が完璧主義者で、どんなに頑張ってもミスばかりを責められていたとか、兄弟間で比較差別されていてほめてもらった記憶がないとか、いつでも両親が喧嘩をしていて、家の中で恐怖を感じるような緊張状態が続いていたとかです。
そんなふうに子どもにとって良くない家庭環境で、親もそのまた親から十分に愛されなかったり、従わなければたくさん怒られたり、比較差別されて劣等感を強く感じていたということが起こっていたんです。
そして、いつでも愛情に飢えていて、寂しさを抱えて、だからあなたにそばにいてもらいたくて、あなたをいつまでも自立させたくありません。
【罪子をつくる親の9つの特徴】
- 何を説明しても否定ばかりでわかろうとしてくれない
- 違う話にすり替えたり、論点をずらしたりして、否定ばかりする
- 親を裏切ったとか、親を傷つけたと言って責める
- 親の気持ちや家族の気持ちをもっと考えろと言って責める
- 常識がないとか非常識だと言って責める
- 感情的になって、怒ったり泣いたりを繰り返す
- 体が弱いことや病気になったことをアピールする
- 思い通りにならないと、縁を切ると言う
- 思い通りにならないと、死んでやると言う
罪子はなにを思う?
罪子の傾向が強い方に見られる思考パターンを紹介します。
親を傷つけているようで申し訳なく感じる
罪子は今まで不憫でかわいそうを演じる親を見続けてきたので、自分が自由に生きることが親を傷つけていると感じてしまいがちです。
お母さんはあんなに苦労してきたのに、私だけが自由に生きていいのだろうか?
こんなふうに罪悪感をいっぱい感じて自己批判を繰り返します。そして、申し訳なさで心の中をいっぱいにして、親に対して自己犠牲をします。
親よりも幸せになることが裏切っているように感じる
罪子は親よりも幸せになることが裏切っているように感じてしまいます。結婚や恋愛では、まず親を受け入れてくれる人でなければならないと考えています。親と同居してくれる人や親の介護を手伝ってくれる人ばかりを探している人も少なくありません。
お母さんはあんなに苦労してきたのに、私だけが幸せになってもいいのだろうか?
そもそも結婚や恋愛に躊躇している人もいます。幸せになることそのものが親を裏切っているようで罪悪感を感じてしまうので、独り身を選んで生きている罪子は多いものです。
親が病気になるのではないかと不安を感じる
罪子の思考はいつでもネガティブです。自分がそばにいてあげないと親がかわいそうと思い込んでいるので、親が不幸になる証拠ばかりを集めます。
私がそばを離れたら寂しさのあまりに病気になるのではないか?
いつでもこんなふうに悪い予測ばかりをして親のそばから離れられません。
親が死んでしまうのではないかと不安を感じる
罪子は極端で最悪な結果もよく予測します。昔から感情的になって泣き叫ぶような親を見続けてきたので、親が半狂乱になって、このまま死んでしまうのではないかと感じて怖くなってしまいます。
私が離れると親は自殺するのではないか?
親が苦しめているのは自分が親不孝だからであり、子供なんだから親のために生きなくてはならないと強く信じて自己犠牲を続けます。
親を見捨てたようで申し訳なく感じる
すでに親と離れた罪子たちも罪悪感で苦しんでいます。親のそばにいるのが嫌で、結婚してやっとのことで実家を離れられたのに、ずっと罪悪感を感じ続けて重い十字架を背負っています。
もうちょっとうまくやれたのではないか?
私がもっと良い子だったらよかったのではないか?
親に会いたいという気持ちにもなりませんが、過去の親子関係の責任を自分自身に感じて、每日のように自己批判をしながら生きてしまいます。
年末年始やお盆やGWが近づき、世の中が実家へと帰省するような時期になると、罪悪感がどんどん強くなって引きこもりのような状態になっている人も少なくありません。
親を依存させていたのは『罪子』
依存というのは、それをしたい人だけでは成立せず、依存を受け入れてくれる人の存在がいてはじめて成立することです。そして、依存を受け入れてくれる人とは『罪子』のことです。
あなたは今までたくさんの罪悪感を感じながら生きてきた罪子かもしれません。そんなあなたが罪悪感を感じて親に従って生きるということは、あの親に「もっとどうぞ依存してください」と言っているのと同じです。
あなたが依存を受け入れるから、親は依存を続けられるんです。もしかしたら、あの親を作ったのは『罪子』であるあなたかもしれません。
まずはあなたから依存の受け入れを止めていく必要があります。そうしなければ親は依存を続け、どんどん生きる力を失っていきますよ。
自分で考えて決めることもできなくなっていくから、すべてあなたに頼ろうとするでしょう。あれどうしたらいい?これはどうするの?とあなたの都合も考えてくれません。
決める力が無くなってくると、同時に我慢する力も無くなっていきます。そうなると感情のおもむくままに生きるようになっていきますよ。少しでも嫌なことがあればすぐにあなたを怒るようになりますね。少しでも不安なことがあればすぐにあなたを呼びつけてコントロールしようとしますね。
こうやって、あなたが罪悪感を感じて親の依存を受け入れ続けると、あなたの人生はぜんぶ親に吸い取られてしまいます。そして、いつしか離れられなくなるでしょう。
気づいた頃には親も高齢で病気持ちになって、経済的にも頼ってくるようになるので、そんな親から離れようとすればあなたはさらに強い罪悪感を感じてしまうからです。
依存されていることに気づいた時に離れることが大事
あなたの親が罪子を作る親の特徴を持っていて、あなた自身も罪子の特徴を持っているなら、時間はあまりかけられません。
なぜなら、依存は一分一秒ごとに強くなっていくからです。親は每日のようにあなたに頼って力を失っていきます。あなたが今日も親の依存を受け入れていたら、明日はもっと強く依存されてしまいます。
数日、数週間だったら、依存度の変化もそんなに大きくはないかもしれませんが、これが数年となるととてつもない差となっていきます。それに、あなたが親の依存を受け入れてきたのは今に始まった話ではないのであれば、もうすでに危険な水準まで依存が高まっている可能性も十分にあります。
あなたが親の顔色をうかがわず、やりたいことをやって、やりたくないことをやらないという自然な生き方をしたいと思うなら、今すぐ依存の受け入れをやめましょう。
依存の受け入れをやめることは親を傷つけることにはなりません。依存をしている親も苦しいんです。だって生きる力を日々失っていくのですからね。
あなたが親の依存を受け入れず罪子をやめられたときに、親も依存することから解放されて、やっと自分の力で生きる自然な生き方を始められるということになります。
あなたも依存の受け入れをやめて自立して、親も依存をやめて自立したら、そのときは居心地の良い関係を作っていけますね。
そのためにもあなたは罪子をやめてもいいんです。
罪悪感を手放して、自分の人生を生きてもいいんです。
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