COLUMN
親がヒステリックで困る 親がヒステリックで困る
母親から離れたいと思って良い理由
こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
あなたはお正月やお盆など、実家でどのように過ごされますか?このコラムを読んでいる方たちのなかには、親との関係で嫌な思いをされている方もたくさんいるかもしれませんね。あなたはいかがでしょうか。
お正月やお盆をすぎると相談件数がぐっと増えます。心に問題を抱える親と関わる時間を多くなる分、心を傷つけられるような出来事がたくさん起こるからです。そして、親と距離を取るべきかどうか、自分でどう考えたらいいのかわからなくなって、相談に来てくれる方が多いですね。
今日はね、特に母親との関係で苦しい思いを感じていて、この先距離を取るべきかどうかと悩んでいるあなたに向けてこのコラムを書いています。
今回紹介するのは「依存する母親と依存を受け入れる娘や息子」の関係です。もしかするとあなたも「共依存」という言葉をどこかで聞いたことがあるかもしれません。
依存してくる母親と距離を取るためにはどのように考えたらいいのかをお伝えしますね。あなたが母親のことをを重く感じていたり、家にいても自由を感じられなくて苦しい思いをしているなら今回のコラムは役に立つはずです。
依存する母は自分がかわいそうだと決めている
依存的な母親は自分が傷ついていてかわいそうだと感じていて、しかもあなたから支えてもらうことが当たり前のように考えています。だから、当然のようにいろんなことを要求してくるけど感謝はないし、思い通りにならないと感情的になってあなたを責めますよね。
そして、あなたから傷つけられたとか裏切られたとか、いろんな事を言ってあなたに罪悪感を感じさせようとするんです。そうやって、いつでもあなたに依存を受け入れさせようとしてきた母親ですから、今や自分の力で問題を解決しようという発想はなくなっているかもしれません。
依存する母親というのは、自分の力で自分の問題を解決できない人です。そもそも「自分の問題」という考え方すらありません。なんなら、ぜんぶあなたのせいくらいに考えているものです。
依存的な母というのは、「私がつらいのはあなたのせい」「苦しいのはあの人が何もしてくれないせい」「私がこんなにもしてあげているのに感謝してくれないあの人が悪い」と決めています。
こうやって、いつでも不具合を他人のせいにして、自分の問題に向き合ってこれなかった人です。そして、あなたはそんな母親から問題を押しつけられ、責任転嫁されてきたのかもしれません。
依存する母親が言う代表的な言葉
責任を押し付ける言葉
- 生んでやったのに
- 育ててやった
- おまえには金がかかった
- 誰のおかげで生活できているんだ
- こんな老いた親にそんな事を言ってひどい
- おまえのせいで具合が悪くなる
- おまえが心配をかけるから病気が悪化した
- 死んでやる
- 私が死んだらおまえのせいだ
感情を押し付ける言葉
- 親を不安にさせているおまえが悪いんだ
- おまえが親を怒らせたんだ
- あなたには傷つけられた
- あなたには裏切られた
- あなたにはがっかりだ
- なんで親の気持ちをわかってくれないの
- なんであなたは親を不安にばかりさせるの
考えを押し付ける言葉
- 親の意見を聞くべきだ
- 親に逆らってはならない
- 親と同居するのが普通だ
- 親の世話をするのが常識だ
- 誰だってみんな親の考えに従っている
- 親の言うことが聞けないのか
- あなたのためを思って言っている
- おまえのためを考えてやっている
依存を受け入れていると共倒れの人生
あなたがいつまでもそんな母親の依存を受け入れていれば、親だって依存することが当たり前になっていき、本当に力を失ってしまい、いつまでたっても離れられなくなるでしょう。
そのうち、母は高齢になって体力も衰えます。自分の力でお金を稼げなくなっていき、新たに経済的な依存まではじまるかもしれません。
そうなったら、あなたはもっと離れにくくなるでしょう。「私が離れたら母は不憫な生活をするのではないか」や「母は一人寂しく不憫な生活をするのではないか」と感じてしまって罪悪感で支配されてしまうかもしれません。
それに、子どもに依存している母親というのは、そのほとんどが交友範囲が非常に狭いです。友達も数えるほどしかいないし、地域とのつながりも希薄です。
そうすると、母親が病気なったり怪我を負ったりしたときに誰にも助けてもらえないのではないかと考えてしまい、さらに離れることに罪悪感を感じてしまうようになります。
こうやって、いつまでも母親の依存を受け入れ続け、気づいたら精神的にも経済的にも離れることができなくなっていたという人はとても多いです。
だから、母親から依存されていることに気づいたあなたは、できる限り早い段階で離れてもらいたいのです。そうしなければ、あなたも母親もお互いに力を失い、共倒れの人生になってしまいますからね。
あなたが離れるから母は自立する
あなたに依存している母親は、わからないことがあると心配で居ても立っても居られないかもしれません。
あなたの帰りが少しでも遅いとどこかで事故にあっているのではないかとか、犯罪に巻き込まれているのではないかと不安になりますね。だから、あなたが出かけようとするときに不安になって誰と行くのか?何をしに行くのか?いつ帰ってくるのか?と根掘り葉掘りと質問攻めにしたりします。
依存の構造をよく知らないひとはそんな母親のことを「子ども思いの良いお母さんだね」と言うかもしれませんが、それは間違った認識です。本当は、子どものことを信じることができず、自らが不安を生み出しては、その不安を解消したくて子どものプライバシーを侵して、無理矢理にでも安心に変えようとする人なんです。
そんなふうにいつも不安でハラハラドキドキしているような依存的な母親から離れることはとても良いことです。なぜなら、依存している母親だって傷ついているからです。依存者というのはいつでも依存対象であるあなたの事ばかり考えています。母親はあなたのことでいつでも頭がいっぱいなんです。
考えてもみてください。あなたのことばかり考えている母親はいつ自分の人生を幸せにしようと思うのでしょうか。幸せとは、自分の力で自分の人生を切り開いているような状態です。やりたいことをやり、やりたくないことやらず、自分の思った通りに生きるからストレスもなくなり、自分に自信を持てるようになります。
でも、今まで自分のために生きずにあなたを生き甲斐にして依存してきた母親です。あなたが目の前に居続けるほど、母親は自分の人生を幸せにするよりも、あなたに関わり続けることを選ぶでしょう。今までそれしかしてこなかった母親ですから、依存することしか選択肢にないのかもしれません。
しかし逆から見れば、あなたが母親の依存を受け入れているわけですから、あなたが母親の幸せな人生を妨げているとも言えます。母親だけが問題を抱えているのではありません。依存を受け入れているあなたにも問題はあるのです。
ですから、依存する母親から離れることはあなたのためだけでなく、母親のためにもなるんです。あなたが母親と離れて自立して生きるということは、母親を依存という状態から救うことにもなるんです。
あなたも母親も自分の人生を生きる
母親から離れることは、母を捨てるわけでも裏切るわけでもありません。そうすることはお互いに自立して生きるというとても健康的な状態をつくることなんです。だから、罪悪感を感じて自分を責めなくてもいいんですよ。
あなたも母も自立して、お互いに自分の力で生きることができるようになったら、今度はあなたが心地よく感じられる距離感で付き合っていけばいいですね。
しかし、もうすでにあなたもたくさん傷つけられていて、母親を信頼することができなくなっているなら無理して付き合うこともありません。そう思うことだって母親があなたの心を傷つけてきた結果なんですからね。
自分の気持ちに正直に生きてもいいんです。
あなたは親は同じではありません。あなたにあなたの人生があります。その人生を親のために費やす必要はありません。ですからあなたが親と離れたいと思うなら、その気持ちに従ってみましょう。
自分の人生を生きましょう。
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