COLUMN
コラム 親がヒステリックで困る
ヒステリックな母もいつか丸くなるんじゃないか?が現実にならない理由
こんにちは
おとなの親子関係相談所
カウンセラーの川島崇照です。
「歳をとればいつか丸くなるんじゃないか」
「いつか分かり合えるようになるんじゃないか」
母親との関係に悩み続けてきた方は、
こんなふうに期待を抱いたことが
あるのではないでしょうか。
特に、感情的な言動が激しい
ヒステリックなタイプの母親
との関係に悩んでいる方は、
「いつか変わってくれるかも」
という希望を持ち続けていることでしょう。
しかし、残念ながら多くの場合、
ヒステリックな母親が自然と丸くなり、
穏やかな関係が築けるようになる
というのは現実的ではないのです。
今日は、なぜそうなのか、
その理由と向き合い方について
お話ししていきます。
ヒステリックな母親の特徴
まず、ヒステリックな母親には
どのような特徴があるのでしょうか。
- 強い不安を抱え込んでいる:思い通りにならないことに常に不安を感じ、そのストレスを他人にぶつけてしまいます。自分の人生の不満や恐れが、子どもへの過剰な干渉や批判となって表れることが多くなります。
- 心に余裕がない:ちょっとしたことで不安が膨らみ、冷静に状況を判断することができません。そのため、些細なことでも過剰に反応してしまいます。
- 他人の気持ちを想像できない:自分の感情や考えに囚われすぎて、子どもを含む他者の気持ちや立場を想像することが難しい状態です。
- 他人への期待が大きい:特に子どもに対して自身の不安の解消を期待して、その期待が満たされないと激しく落胆したり怒ったりします。
- 被害者意識が強い:「私はこんなに頑張っているのに、誰もわかってくれない」という思いが強く、常に自分が犠牲になっていると感じています。
- 感情を爆発させる:イライラや怒りなどの感情をコントロールできず、子どもの前で爆発させてしまいます。時には、子どもに対して暴言を吐くこともあります。
- 感情をコントロールできない:自分の感情の波に振り回され、適切にコントロールする術を知りません。そのため、周囲が振り回されることになります。特に家族、そのなかでも子どもが被害を受けやすいです。
こうした特徴を持つ母親との関係は、
子どもにとって非常に困難で
傷つくものになりがちです。
では、なぜこのような母親は
歳をとっても
「丸くならない」のでしょうか。
ヒステリックな母親が丸くならない理由
1.自分に問題があると思っていないから変わろうとしない
ヒステリックな母親の多くは、
自分の行動や言動に
問題があるとは考えていません。
むしろ、
「自分は正しい」
「子どものためを思ってやっている」
と信じています。
問題の原因を
常に外部(特に子ども)に求め、
自分自身を振り返ることがありません。
変化の第一歩は自分を知ることですが、
自分に問題があると認識していないので
変わる必要性を感じることもできません。
2.自分が正しいと思い込んでいて他人の声に耳を傾けない
「私は正しい答えをわかっている」
「私は経験が豊富で正しい考えを持っている」
などのような思い込みが強く、
他者からのアドバイスや意見を
受け入れることができません。
そして、
子どもが成長して大人になっても、
「まだまだ子ども」と見なし、
対等な関係を築こうとしません。
自分の考えが絶対に正しい
という信念があるため、
子どもの意見に耳を傾ける
姿勢がありません。
自分が正しいと考えているから
変わる必要性を感じていません。
3.他人の気持ちを想像しようとせず自分の考えを押しつける
ヒステリックな母親は、
共感能力に乏しいという
特徴があります。
子どもの気持ちを理解しようとせず、
「こうあるべき」
という自分の考えを押し付けます。
子どもの個性や希望を尊重するのではなく、
自分の価値観に沿った行動を求め続けます。
その結果、
子どもは自分の感情や考えを
抑圧するようになり、
母親との間に深い溝ができてしまいます。
4.他人に過大な期待を抱いて自分の力で問題を解決しようとしない
子どもに対して過大な期待を抱き、
その期待が満たされないと
激しく失望したり怒ったりします。
また、自分の幸せや問題解決を
子どもに依存する傾向があります。
「あの子が私を幸せにしてくれるはず」
「あの子がいれば寂しくない」
など、子どもに対して
自分の感情を満たす存在としての
期待を抱きます。
こうした期待は子どもにとって
大きな重荷となります。
5.自分のことを大切にしてくれない人は冷たい人だと思っている
ヒステリックな母親は、
自分の要求に応えない子どもを
「冷たい」
「恩知らず」
と見なす傾向があります。
親としての愛情と
子どもからの見返りを
混同しているのです。
子どもが自立して
独自の人生を歩もうとすると、
それを「見捨てられた」と感じ、
感情的な反応を示します。
こうした母親にとって
子どもの自立は脅威であり、
それを阻止しようとする行動に
つながることがあります。
変わることができるのは、自分を変えたいと思った人だけ
「歳をとれば丸くなる」
という期待は、残念ながら
多くの場合実現しません。
なぜなら、
人が本当に変われるのは、
自分自身が変わりたいと思い、
そのために努力をする場合のみだからです。
外部からの圧力や時間の経過だけで
人は根本的には変わりません。
特に、長年にわたって
形成されてきた性格や行動パターンは、
本人に変化への意志がなければ変わらないのです。
ヒステリックな母親が変わるためには、
まず自分の問題に気づき、
それを認める必要があります。
そして、専門家のサポートなどを受けながら、
自分の感情をコントロールする方法を学び、
他者との健全な関係の築き方を
身につけていかなければなりません。
しかし、こうした変化を望まない、
あるいは自分には問題がないと
思い込んでいる母親に対して、
あなたができることは非常に限られています。
丸くなるのを待たないで、適切な距離を取る
「いつか母が変わるかもしれない」
と考えることは悪いことではありませんが、
それによって
あなたが我慢をしていたり、
夢をあきらめていたりするなら、
それはとても不幸なことです。
そんなときは母親に
期待をするのではなく、
自分自身を守るために
適切な距離を取ることが大切です。
適切な距離を取るというのは、
母親との関係を
完全に断つということではありません。
自分が傷つかない程度の関わり方を
見つけるということです。
-
例えば、以下のような対応が考えられます:
- やりたくないこと、できないことは断る
- 否定されたら、心が傷ついていることを伝えて離れる
- 感情的になったら、怖いと伝えて離れる
- 穏やかに話ができないようなら、今日は無理だねと伝えて離れる
- わからせようとしないで、自分が思ったとおりにやってみる
- 許可を得ようとしないで、自分のタイミングで行動する
このリストを見て、なかには
「こんなことをしたら母親がもっと感情的になるのではないか?」
と思う人もきっといますよね。
でも、このリストの行動には
「お母さんが感情的になるなら、私は傷つくので関わることはできません」
「お母さんが感情的になるなら、私は近づきたくありません」
というメッセージが込められています。
大切なことは、
ヒステリックな母親の影響を
しっかりと伝えることです。
そして、母自身が自分の問題に気づいて
感情をコントロールしようとしない限りは
良好な親子関係を築けないことを
気づかせることです。
あなたには、
自分の人生を幸せに
生きる権利があります。
母親との関係に悩みながらも、
自分自身の幸せを最優先にすることは、
決して「親不孝」ではありません。
ヒステリックな母親との関係改善は
簡単ではありませんが、
適切な距離感を保ちながら、
自分自身の心の健康を守ることで、
より良い人生を築いていくことは可能です。
そのためには、
現実を直視し、
「いつか変わるかもしれない」
という期待から自由になることが
あなたが幸福な人生を生きるための
第一歩となるでしょう。
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