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コラム 親がヒステリックで困る

母親のヒステリックを理解するための3つのポイント

母親のヒステリックを理解するための3つのポイント

こんにちは
 
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 

親子関係に悩む人たちの中には、
母親のヒステリックな振る舞いに
苦しんでいる人も多いのではないでしょうか?
 
母親がヒステリックになって
感情を爆発させるたびに

  • 「自分が悪いのかもしれない」
  • 「もっと努力すれば母親の機嫌が良くなるのでは?」

と自分を責めてしまう人も少なくありません。
 

しかし、
母親が怒りを爆発してしまうのは
あなたのせいではありません。
 
このコラムでは、
母親がヒステリックな状態になる
背景について解説していきます。
 
このコラムを読むことで、
母親との関係を冷静に見つめ直すための
ヒントを見つけられるはずです。
 

ヒステリックとは何か?

ヒステリックとは、
感情的になりすぎて
冷静さを失っている心理状態のことです。
 
心のなかでは
強い不安感が充満していて
心に余裕が持てなくなっています。
 
そのような状態で
新たに不安を感じる出来事が起こると、
感情が爆発してしまいます。
 
ヒステリックには以下の特徴があります。

  • 怒りや不安、恐怖などの感情が強く表に出てしまう
  • 冷静な判断ができず、過剰に反応してしまう
  • 他人に対して攻撃的、もしくは過剰に依存的になってしまう

 

【ポイント1】母親は執着心でヒステリックになる

執着心とは、
大切だと思う対象に対して過剰にこだわり、
手放せない心理的な状態を指します。
 
子どもに対する執着心の強い母親にとって
「大切な対象」は子どもそのものだったり、
 
子どもが自分にとって
どのような存在であるかを表す
「イメージ」だったりします。
 

例えば、
執着心の強い母親は
このようなことを考えています。

  • 「いつまでも母親を必要としてくれる子どもであってほしい」
  • 「常に親に感謝を忘れない子どもでいてほしい」

このように考える母親にとって、
子どもは親の理想を叶えてくれる
期待の対象です。
 

しかし、
理想と現実が一致しない状況に直面すると
強いストレスを感じます。
 
その結果、
理想をかなえてくれない子どもに対して
被害者意識を感じて
怒りが込み上げてきます。
 
怒りやヒステリックな言動で
子どもを自分の理想通りに
変えようとしてしまいます。
 

また、
執着心が強いタイプの母親は
「見捨てられ不安」が強く、
子どもが自分のそばから
離れていこうとするときに
不安が強くなって感情が爆発します。
 
いつでも自分のそばから
子どもが離れないように、
子どもの些細な行動にも過剰に反応して
感情的になって否定・批判をくり返してしまいます。
 

執着心が強い母親の行動パターン

1.進路や職業への干渉

「あなたは医者になりなさい」
「このくらいの会社に就職しないと恥ずかしい」
といった過度な期待を押し付ける母親は、
子どもがそれに反する選択をすると感情的に爆発します。
 

2.交友関係や恋愛への介入

子どもの友人関係や恋愛について
「この人はやめなさい」
と制限をかけたり、
逆に自分が気に入った相手を
押し付けたりします。
 

3.日常生活への過剰な干渉

服装、食事の内容、生活習慣など、
細かい部分まで干渉し、
自分の理想通りの子どもにならないと
感情的に不安定になります。
 

執着心でヒステリックになる母親の事例

※公開可能な事例を記載しています。
 

事例1

30代女性Aさんは、
大学進学時に母親から
「地元の大学以外は許さない」
と言われました。
 
母親は、
「私のそばにいれば安心だから」
と説明しましたが、
 
Aさんが東京の大学を選んだ際、
母親は激怒して「親不孝者」と罵倒しました。
 
母親の執着心は
「子どもが自分のそばにいるべき」
という固定観念に基づいていました。
 

解説:

このタイプの母親は、
自分の理想通りに子どもが行動しないと
感情的に反応します。
 
「子ども=自分の所有物」
という無意識の思い込みが根底にあるため、
子どもの独立や自立に強い抵抗を感じます。
 

事例2

20代男性Bさんの母親は、
彼が就職試験に失敗すると
「私の顔に泥を塗った」と責めました。
 
逆に、彼が良い成績を取ったときは
「私があれだけ頑張って育てたから」
と自分の手柄にしました。
 

解説:

母親が子どもの成果や失敗を
自分自身の評価と直結させる場合、
子どもは過剰なプレッシャーを感じることになります。
 
この執着心は、
母親自身が満たされなかった
自己実現を子どもを通じて
補おうとする心理から来ています。
 

【ポイント2】母親は依存心でヒステリックになる

依存心は、
自分自身の精神的な安定や
幸福を他者に頼る心理状態です。
 
この傾向が強い母親は、
子どもを「自分を満たしてくれる存在」
と見なすことが多く、
 
子どもが自立しようとすると
自分を支えてくれる人がいなくて
強い不安や怒りを感じます。

例えば、
依存心の強い母親は
このようなことを考えています。

  • 「いつまでも親のそばにいてくれる子どもであってほしい」
  • 「この先もずっと親を支え続けてほしい」

このように考える母親にとって、
子どもは親の心の安定を叶えてくれる
期待の対象です。
 

そんな母親は
子どもが思ったとおりに
支えてくれなかったりすると、
感情を爆発させて
ヒステリックになります。
 

依存心が強い母親の行動パターン

1.心理的な支えの要求

母親が
「あなたがいないと私はやっていけない」
といった発言を繰り返し、
子どもに罪悪感を与えることがあります。
 
例えば、
「電話を毎日しないなんて冷たい」
「一緒に住んでくれないと寂しくて死んでしまう」
といった極端な表現をする場合もあります。
 

2.経済的な依存

子どもが独立してからも、
必要以上に金銭的な援助を要求することがあります。
 
例えば、
「あれがけ苦労して子どもを育てたんだから親孝行しなさい」
と言って圧力をかけるケースです。
 

3.社会的な役割の押し付け

「家族のために協力しなければならない」
という理由で、
子どもに対して家族の問題や責任を
押し付ける場合があります。
 
これが期待通りにいかないとき、
母親はヒステリックな反応を示すことがあります。
 

依存心でヒステリックになる母親の事例

※公開可能な事例を記載しています。

事例1

40代女性Cさんの母親は、
父親が亡くなった後、
「あなたがいるから生きていける」
と頻繁に電話をかけてきました。
 
Cさんが仕事や家事で忙しく
電話に出られないと、
「私を見捨てるの?」と
泣きながら責めることが増えました。
 

解説:

このタイプの母親は、
子どもが自分を支えるべき存在
であると考えています。
 
子どもが自分の期待に
応えられない状況に直面すると、
不安が爆発しヒステリックになる
傾向があります。
 

事例2

20代女性Dさんは、
彼氏ができたことを母親に伝えると、
「私を置いて結婚する気なの?」
と怒られました。
 
その後、頻繁に
「今どこにいるの?」
「誰と会っているの?」
と詮索されるようになり、
Dさんの自由が制限されました。
 

解説:

依存心の強い母親は、
子どもが「自分から離れる」ことを極度に恐れます。
 
そのため、子どもの恋愛や
交友関係を過剰に監視・干渉し、
自分を「見捨てない」ように
コントロールしようとします。
 

【ポイント3】母親は劣等感でヒステリックになる

劣等感は、
自分を他者と比較して
「自分は価値がない」
「劣っている」と感じる心理状態です。
 
この劣等感を隠すために、
母親は子どもを「完璧な存在」として
自分の代わりに周囲に示そうとします。
 
そうすることで
母親自身の価値の低さが
打ち消されたように感じられて
安心が得られるからです。

例えば、
劣等感の強い母親は
このようなことを考えています。

  • 「どこに出しても恥ずかしくない子どもになってほしい」
  • 「いつでも親を満足させてくれる子どもでいてほしい」

このように考える母親にとって、
子どもは親の価値を高めてくれる
期待の対象です。
 

しかし、
子どもが母親の期待に応えなかったり、
満足な成果を出さなかったりしたときに、
子どもが努力不足であるかのように感じて
怒りや攻撃的な態度で責めることがあります。
 

劣等感が強い母親の行動パターン

1.過剰な競争心の強要

他の家庭の子どもと比較して
「○○さんの子どもはもっと優秀なのに、
どうしてあなたはできないの?」
といった言動を繰り返す場合があります。
 
このような発言は、
母親自身が周囲との比較で
劣等感を抱いていることを反映しています。
 

2.外見やマナーの否定や強要

「見た目が良くなければ恥ずかしい」
といった理由で、子どもに過剰な
要求をすることがあります。
 
例えば、
「その服はダサいからやめなさい」
「姿勢を良くしないとみっともない」
といった指示を繰り返すことです。
 

3.他者評価を過剰に気にする

母親が周囲から
どう見られるかを気にしすぎて
過剰に反応します。
 
子どものせいで
自分の評価が傷付けられたと考えて
怒りを感じます。
 
子どもの行動に対して
「近所の人に笑われる」
「恥ずかしい」と言うなどして
ヒステリックになります。
 

劣等感でヒステリックになる母親の事例

※公開可能な事例を記載しています。

事例1

30代女性Eさんの母親は、
近所の子どもが大企業に就職した話を聞くたびに
「どうしてあの子にできて、あなたにはできないの?」
「どうしてもっと勉強してこなかったの?」
と責めてきました。
 
また、親戚の集まりでは
Eさんと周囲を比較して
「○○ちゃんはすごいね」
「うちの子はできが悪いから」
と欠点ばかりを言っていたり
バカにすることもありました。
 

解説:

このタイプの母親は、
自分自身の劣等感を
子どもに投影する傾向があります。
 
他人と子どもを比較することで、
「自分の子どもは劣っている」と感じ、
さらに自分の劣等感が刺激されます。
 
その結果、子どもに
過剰なプレッシャーをかけるようになります。
 

事例2

10代男性Fさんの母親は、
学校の成績が1位ではないと
「努力が足りない」と怒りました。
 
運動会のリレーで2位だったときには
「こんな情けない姿を見たくなかった」
と叱責しました。
 

解説:

劣等感を持つ母親は、
自分が満たされない不満の解消を子どもに託し、
子どもが完璧であることで自分の価値を補おうとします。
 
しかし、
子どもがその期待を満たせないと、
母親は失望感から
ヒステリックな態度を取りがちです。
 

事例3

20代女性Gさんの母親は、
彼女が普段着で買い物に行こうとすると
「そんな恥ずかしい格好で出歩くな」
と怒りました。
 
さらに、地域の集まりでは
Gさんの言動を逐一監視し、
少しでも「みっともない」と感じると
その場で叱りつけました。
 

解説:

他者の評価を重視しすぎる母親は、
周囲からの視線に過剰に反応します。
 
自分が「恥をかいた」と
感じることで劣等感が刺激され、
それを避けようとして
子どもに厳しく接します。
 

母親がヒステリックになるのはあなたの責任ではない

ここまでお伝えしてきたとおり、
母親のヒステリックな発言や行動の背景には、
母親自身が抱える心の問題があります。
 
そして、その問題は
母親自身の生育歴や人生経験から生まれたものであり、
子どものあなたが引き起こしたものではありません。
 

今までのあなたは
母親が突然怒り出したり、
些細なことで感情的になったりしたとき、
自分自身を責めてきたかもしれません。

  • 「また私が何か悪いことをしたのか?」
  • 「またお母さんの気持ちを傷つけてしまったのか?」
  • 「なんで私はいつもお母さんの気持ちをわかってあげられないのだろう」

自分が悪いから母親が怒るんだと考えて
自分を責めたり、
私の努力が足りないから
お母さんが悲しい気持ちになるんだと考えて
自己犠牲をしている人は少なくありません。
 

でも、
母親がヒステリックになるのは、
決してあなたの責任ではありません。
 
ヒステリックな状態とは全て、
母親自身が抱える問題であり、
子どもであるあなたに責任はありません。
 
むしろ、
ヒステリックな言動に
耐え続けてきたあなたこそ、
心の傷を負っているかもしれません。
 
そのことに気づけたからこそ
あなたは今、このコラムを
読んでくれているのだと思うのです。
 
自分を責めるのではなく、
まずは自身の心を大切にしてください。
 

それに、
親との関係を変えていくための方法は
たくさんあります。
 
すでに心が疲れていたり、
自分だけではどうすることも
できなくなっていたりするなら、
 
カウンセリングを受けて
適切な解決方法を手に入れる
という方法もあります。
 
あなたは一人ではありません。
 

母親の発言や行動に振り回されるのではなく、
冷静に背景を理解し、
自分自身を守るための行動を起こすことが重要です。
 
このコラムで
あなたが母親との関係を見直し、
自由で幸せな人生を歩むための
きっかけになればうれしいです。
 

カウンセラー
川島崇照

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