COLUMN
コラム 親がヒステリックで困る
親から離れられない罪悪感の正体 – 30代女性の私が気づいた自己否定の呪縛を解除する方法
こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
幼い頃から親の言葉や態度に違和感を感じてきた方へ
もしかしたらその違和感は
「親による心の支配」のサインかもしれません。
親が抱える心理的な問題が、
家族全体を無意識のうちに巻き込み、
子どもであるあなたが
「我慢することが当たり前」という
環境に慣れさせられている可能性があります。
親から心を支配されていると気づかないまま、
あなたは苦しんでいたのかもしれません。
特に幼少期からずっと続く
「家族の一員としての役割」は、
もしかしたら
「親に従い、親の期待に応えなければならない」
という暗黙のルールに縛られているものかもしれません。
これに気づくのは、時に勇気が必要です。
しかし、この事実に向き合うことで、
本当の自分を取り戻し、
自由になる道を見つけることができるはずです。
このコラムでは、
あなたがこれまで感じてきた違和感や苦しみが、
どのようにして形成されてきたかについて触れていきます。
もし、ここに書いてあることについて
心当たりがあるのなら、
あなたが感じてきた苦しさや孤独は
決して小さなものではないはずです。
まずは、父親、母親、兄弟姉妹、
そして自分自身が心を支配されていたときに
どのような言葉を口にしていて、
どのように行動しているのかについて
一般的な例を確認していきましょう。
支配されている父親
1.父親は母親に対して恐怖を感じ、従うようになる
母親が感情的な人で、少しでも気に入らないことがあったりすると、すぐに怒って怒鳴るような人なのであれば、そんな母親に心を支配されている父親は、傷つけられることを恐れて従ってしまいます。
そのため、母親の意見や気持ちを優先し、何も言わず、何も逆らわず、ただ言いなりになって、自分の本心を押し殺しがちです。
2.父親は普段は子どもの気持ちを理解しているように見せながら、母親の前では味方になる
心が支配されている父親は、普段は子どもの気持ちを理解しているように振る舞いますが、母親の前では態度を変え、母親の味方をします。
これにより、あなたは自分の気持ちが軽んじられていると感じ、心に傷を負ってしまったかもしれません。
3.父親は問題を曖昧にして子どもにも責任があるかのように扱う
心が支配されている父親は、母親にも子どもにも問題があると主張して責任を曖昧にし、問題を見えなくする傾向があります。
これによって、あなたは自分が責められているように感じていたかもしれず、親から受ける否定の影響が大きくなって、自分の考えに自信が持てなくなり行動できなくなっていたかもしれません。
4.父親は変わらない母親の代わりに、子どもに我慢を求める
心が支配されている父親は、心の問題を抱える母親は変わらないと悟り、子どもに対して「我慢しなさい」と耐えることを求めることもあります。
これにより、あなたは自分に問題があるかのように感じて、自己否定や自己批判をくり返してしまい、自尊心が傷ついていたかもしれません。
5.父親は母親から距離を取り、家族とも距離を置こうとする
心が支配されている父親は感情的な母親が起こすトラブルを避けるため、家族との関わりを避けがちです。
見て見ぬふりをしたり、まるで家族なんていないかのように振る舞って、自分が被害者になることを避けようとします。
あなたはそんな父親の姿を見て、不安と孤独感じ、心の支えがない状況のなかで苦しみ続けていたのかもしれません。
支配されている母親
1.母親は父親に対する恐怖から従い、子どもにも従うよう求める
心を支配されている母親は、父親に傷つけられることを恐れて従うことを選びます。
その一方で、子どもにも「あなたも私と同じように我慢しなさい」と従うことを求めます。
これにより、あなたは自分の意思を押し殺し、親の期待に応えようとしているかもしれません。
2.母親は父親の愚痴を言いながら、父親の前では従う
心が支配されている母親は普段、父親への不満や愚痴を子どもに聞かせる一方で、父親と一緒にいるとその態度を急に変え、父親を立てるように振る舞います。
これにより、あなたは混乱し、母親の気持ちを優先しなければならないと感じやすくなっているかもしれません。
3.母親は子どもが従わないことに不安を感じ、無理に説得しようとする
心が支配されている母親は、子どもが父親に従わないと、母親自身にも被害が及ぶのではと感じてしまい、子どもに従うよう説得しようとします。
あなたももそんな圧力にさらされ、親の期待に応えなければならないというプレッシャーを感じるようになっているかもしれません。
4.母親は変わらない父親を見て、子どもに我慢を強要する
心が支配されている母親は、父親が変わらないとあきらめているため、その責任を子どもに転嫁し、「あなたが我慢して耐えなさい」のように言って求めます。
あなたは自分が家族の問題を抱えるべきだと思い込み、心に重荷を抱えていたかもしれません。
5.母親は父親とのトラブルを避け、子どもに対して「巻き込むな」と言っている
心が支配されている母親は父親から距離を取ろうとし、問題に巻き込まれないよう努めます。
そんな母親は子どもに対して「私を巻き込むな」と冷たく言い放ち、子どもが家族内で孤立を感じる状況を生み出しています。
子どもであるあなたはそんな状況で誰にも助けを求められず、ただじっと我慢して耐える人生を生きてきたかもしれません。
支配されている兄弟姉妹
1.兄弟姉妹も恐怖を感じ、あなたに従うよう強要する
心を支配されている兄弟姉妹は、親から傷つけられたくない一心で親に従っています。
そしてその恐怖をあなたにも共有し、「親に歯向かうな」「こちらに迷惑がかからないようにしろ」とあなたにまで従うことを強要します。
こうした態度は、あなたが一層孤立し、心を押しつぶされてしまう原因となります。
2.兄弟姉妹は普段の愚痴と親の前での態度を使い分ける
親の不満や愚痴を言う兄弟姉妹が、親の前では急に態度を変えて親の味方になると、あなたはどう感じるでしょうか?
兄弟姉妹が親に迎合しようとする姿は、あなたにとって親の影響がどれほど強いかを実感させ、同じように親の気持ちを優先すべきだと感じさせていたかもしれません。
3.兄弟姉妹は親の気持ちを代弁してあなたを説得しようとする
心が支配されている兄弟姉妹は、あなたが親に従わないことで自分にも被害が及ぶのではないかと感じ、一生懸命に「親の言う通りにするべきだ」とあなたを説得しようとします。
このような態度はあなたに「親に従うことが正しい」と思わせ、親への違和感を押し殺すよう強いてきたかもしれません。
4.兄弟姉妹は、親へのストレスをあなたにぶつける
親が変わるはずはないとあきらめている心が支配されている兄弟姉妹が奴隷のように言いなりになっている場合、その抑圧されたストレスをあなたにぶつけてくることがあります。
これにより、あなたは親からだけでなく兄弟姉妹からも傷つけられ、親と同じような感情的なダメージを受けてしまいます。
5.兄弟姉妹は親と距離を置き、他の家族の傷にも無関心
心を支配されている兄弟姉妹は、親との関わりを避け、トラブルから距離を取ろうとします。
あなたがどれほど傷ついていても何も気づいていないように振る舞い、家庭内で一人取り残されているかのように感じていたかもしれません。
支配されている自分
1. 親の思いばかりを優先して、自分の気持ちは後回しにしている
親の反応が怖くて、自分の気持ちを抑え「親がどう思うか」ばかりを気にしてしまいます。
親の期待に応えるために自分を犠牲にし続けていると、自分の価値観が見失われ、自己肯定感も低下してしまいます。
2. 安心感や信頼感が薄れているのに、義務感でつながり続けている
親への信頼が薄れているにもかかわらず、「生んでくれたから」といった義務感で関わりを続け、本音を隠してしまいます。
無理に親の期待に応えようとすることで、自分を消耗させている可能性があります。
3. 親が感情的になるのが怖くて、他の家族にまで親に従うよう説得している
親が感情的になるのを恐れて、家族が親に反抗するのを止めようとしています。
これは、親の支配を無意識に家族内にも広げ、親の気持ちを最優先にする姿勢を維持しようとする心理が働いているからです。
4. 罪悪感から本当は離れたいのに離れられない
「距離を置きたい」と思っても、親が傷つくのではないかと罪悪感を感じてしまいます。
罪悪感は、親の期待に応えなければならないという思い込みから生じ、あなたの自由な選択や自己実現を妨げています。
5. 親に愛されているから傷つけられても仕方ないと思い、自己否定している
親からの厳しい言葉に「愛があるから」と無理に感謝しようとし、同時に感謝できない自分を責めてしまいます。
この自己否定は「親を喜ばせるのが子の務め」という思い込みからきていて、あなたの自己肯定感を低下させています。
親子関係の距離感を安心感・親近感・信頼感の3つで判断する
いかがでしょうか。
自分やその他の家族が
どれほど心を支配されていたのかについて
わかってきたでしょうか。
心が支配されてきた時間が長いほど、
抱えているストレスも大きく、
心に余裕がなくなって、
自分の本心がわからなくなるという人はたくさんいます。
もしあなたが、
親からの否定や押しつけに疲れ、
心が傷ついていると感じていて、
それでも親と離れていいのかどうか
判断がつけられなくなっているのであれば、
一度「本当に安心して関われているか?」
と自分に問いかけてみてください。
親との関係に傷つき
、一緒にいることが苦痛に感じているのであれば、
これからお伝えする3つのどれか、
もしくは全部に該当するようになっているかもしれません。
基準1 安心感が感じられているかどうか
「安心感」とは、
親と一緒にいても自分が自由に意見を言えて、
好きなことをできると感じられること。
そして、否定される心配や、
傷つけられる恐れがない状態です。
もし親との関係にこの安心感がなければ、
常に心が不安でいっぱいになり、
自然と親との関わりを避けているとか、
親の顔色を気にして行動しているということが多くなるでしょう。
基準2 親近感が感じられているかどうか
「親近感」は、
相手と価値観や感覚を共有し、
一緒に喜びや感動を分かち合いたいと感じる感覚です。
親といてもこの親近感が得られなければ、
あなたは家族の中で
孤立したように感じる場面が増え、
自己肯定感も低下してしまいます。
親の言葉や考え方が
心に響かないし理解できない、
共感もできないという違和感があるなら、
親近感が少なくなっている可能性があります。
基準3 信頼感が感じられているかどうか
「信頼感」とは、
相手の誠実さや人間性を心から信じられる感覚です。
この信頼感がないまま親と関わると、
親が自分のプライベートな空間や
心の中に無遠慮に入り込んでくるように感じ、
素直な自分でいることができなくなります。
そして、親の前ではいつも本心を隠し、
無理してしまう自分になってしまいます。
安心感・親近感・信頼感をイメージしてみる
この3つの感覚を
親との関係で感じられているかどうか、
少し考えてみてください。
「安心感」「親近感」「信頼感」を
0から10の数字で評価するとしたら、
あなたは親に対してどのくらい感じていますか?
まったく感じられない場合は0、
非常に感じている場合は10とします。
もし7未満の数字であるのに
親と日常的に関わり続けているならば、
あなたは心にかなりのストレスを抱えている可能性があります。
特に5以下であれば、
信頼感が崩れ不信が強まっている状態です。
こうした場合、
できる限り早く親との距離を
見直すことが必要かもしれません。
もし親に対して
安心感、親近感、信頼感を
ほとんど感じられない場合、
それは単に親子関係がうまくいっていないだけでなく、
人としての関係の基礎が失われているサインです。
もし親が他人だったら…
あなたは親に対して
安心感・親近感・信頼感の3つ感覚を
どれくらい感じられたでしょうか?
もし、「あまり感じられない」と思ったり、
数字にしたら「5」以下だったときに、
まだ親と日常的に関わっているのであれば、
距離感が近すぎるということになるはずです。
でも、だからといってすんなりと
距離を取れる人はそう多くはないでしょう。
なぜなら、罪悪感が親から距離を取ることを邪魔するからです。
「それでも親だから離れられない」
「親を支えられるのは私しかいないから離れられない」
「生んでもらったから、育ててもらったから、お金をかけてもらったから離れられない」
このように考えて、
自分が親を傷つけてしまうのではないか、
距離を取ることはとても悪いことなのではないかと
考えて罪悪感で押しつぶされそうになってしまうからです。
もし、あなたも親から離れることに
罪悪感を感じるのであれば、
このように考えてみてほしいのです。
まず、「もし親が他人だったらどう感じるか?」を想像してみてください。
一旦親子関係を忘れて、
相手を他人として考えてみます。
その相手と関わるかどうかは自由です。
関わってもいいし、関わらなくてもいいです。
相手とあなたは何の利害関係もありません。
血縁関係もないし、責任もありません。
関わっても関わらなくても、
誰も何も思いませんし、
何も言いません。
あなたがどうするかはすべては自由です。
たとえば、相手を近所の
おじさんやおばさんだと
考えてみてもいいでしょう。
ただし、その相手があなたに対して行っていることが、これまでの親の発言や行動と同じだとします。
あなたはその人と関わりたいですか?
一緒にいて安心できますか?
親近感を感じて一緒にいられますか?
信頼できて心を開放できる相手ですか?
今、あなたが感じたことが「あなたの本心」です。
もしあなたがこれまで親との関係で悩み、
傷つき、そして今距離を取ろうとしているならば、
それは自分を大切にするための大切な一歩です。
たとえ周囲の声に惑わされることがあっても、
あなたの経験や心の声に耳を傾け、
しっかりと判断をしていってください。
親との距離を取ることで
得られる心の平穏や自由は、
あなたがこれからの人生を
安心して歩んでいくためのものです。
他人の価値観や過去の後悔にとらわれず、
自分自身の心に正直に、
あなた自身の道を歩んでいってください。
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