COLUMN
コラム
あなたの心を傷つける親の職業ランキング
こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
今日もこのコラムをお読みいただきありがとうございます。
毒親と言われるような人は、自分の考えは正しいと信じていて、その正しさはあなたにとっても正しいと信じています。だから、気に入らないことがあると強く否定や批判をしたり、自分の正しい考えに従わせたくなって強制したりします。
今日はね、これまでのカウンセリングのなかで、毒親から心を傷つけられずっと悩んできた人たちがどんな親に育てられてきたのかを、『職業』という観点から見ていきます。
もちろん、今回紹介する職業を選んでいる人が全部毒親になるわけではありません。もともとそういう気質を持っていた人が、その職業に就いたことで、なおさら問題を大きくなったのだと考えてみてください。
あなたも自分の親を思い出しながら見てください。
一体どんな職業の親がどのように子どもの心を傷つけているのか、特徴的な行動や抱える問題など、照らし合わせながら見てみましょう。
1位 母が専業主婦
子どもの心を傷つけているのが母親というパターンでいちばんよく見られるのが『専業主婦』という働き方です。でも専業主婦だからといって、ぜんぶの母親が子どもを傷つけているわけではありません。
人付き合いが苦手で友人が少なく、趣味を持っていなかったり、夫婦関係が悪くて、いつも父親と喧嘩をしているなんていう母親が結果的に専業主婦で毒親という状態になっていたということです。
働きには出るけど人間関係がうまくいかなくて転職を繰り返していたなんていう母親も多いですね。あとは、ご近所づきあいや友人づきあいが苦手で、あまり外に出たがらない母親というのもたくさんいます。
そういった母親は自分を幸せにする生き方を知りません。やりたいことをやって、やりたくないことはやらないのが幸せにつながる近道なのに、いつでもやりたいことをあきらめて、やりたくないことを我慢してやっています。
だからストレスがたまります。そのストレスの発散先があなたになっているかもしれません。いつもイライラしていて、怒ってドカンと爆発するようなヒステリックな母親はその可能性が高いですね。
あとは、自分の生きがいをあなたを育てることに見出してしまった母親は依存してきますよ。あなたが進学や就職、結婚などで親から離れようとすると途端に反対しはじめます。それはあなたという依存先を失いそうで不安になるからです。
とくに多いのが結婚や恋愛の反対です。依存先であるあなたを他人に奪われそうで怖くなるので、あなたの婚約者のステータスや人格を否定して反対してみたり、結婚はまだ早いって言って反対したりします。
2位 父が会社経営者・役員クラス
子どもの心を傷つけている父親でよく見られるのは、『会社経営者や役員』などの高いクラスで働いているというケースです。
経営者と役員では、親の意識もだいぶ違います。まずは父親が経営者のケースです。断トツに多いのは世襲ではなく創業経営者の場合ですね。こういう人たちは、決断力も行動力もあって、とてもエネルギーに満ち満ちている人が多いものです。それに、自分の考えに自信があって、他人の意見に左右されづらいという特徴もあります。
その反面、柔軟性に欠けるところもあります。プライドが高くて自分の考えが正しいという自負が強いので、他人に譲れません。支配的で独善的です。自分に従わない人たちを批判することも多いです。
次に一般社員から役員クラスまで出世した父親のケースです。勤勉で真面目。コツコツと努力を重ねて出世してきた実直なタイプです。
でも、そういった人ほど下の人に抜かれる恐れも大きいですね。部下や同僚の批判が多かったりもします。そして上司には腰が低く良く思われたいという欲求が強いです。
どちらの親のタイプも高いステータスを持っていることを鼻にかけて、他人をよく見下したり馬鹿にしたりします。プライドが異様に強くなって、他人を許すことができません。
家の中でも家族を支配したがります。自分の考えにあわせようとしない家族を批判して、自分に従わせようとします。
成功談や苦労話が多く、いつでも自分の大きさをアピールしています。勝ち負けにこだわってばかりで他人に対して「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えません。
こういった父親が抱える心の問題は『強い劣等感』です。自分を大きく強く見せる必要があるのは、自分に自信がないからです。自分に自信がないから、自分よりも下をつくりたくなります。だから他人を見下してばかりです。
その逆で、世間体を非常によく気にするので、周囲からよく思われたくて良い人を演じるときもあります。あなたも周囲から「優しいお父さんだね」なんて言われることもあったかもしれません。
でもそんな父親は良く思われたいからニセモノを演じているので実はストレスも溜まります。厄介なのはそのストレスを家の中で発散することです。外では優しい分、家の中では非常に支配的になりやすいのも、劣等感が強くてプライドの高い親の特徴です。
3位 父が医師
父親が『医師』というケースです。医師という仕事って簡単になれる仕事ではありません。医師になった方たちは並々ならぬ努力をしてきた方たちばかりです。でも、自ら医師を目指した人と医師になることを強いられた人とではだいぶ意識は違ってきます。
例えば、父が医師で祖父も医師だったというように、代々医師を輩出してきた家柄だったりすると、問題を抱えやすくなりますよ。子どもの頃から勉強漬けで、高い期待をかけられてきて、しかも少しのミスも許してくれない親の元に育ってきたとしたらなおさらです。
そういう環境で育ってきた人は、良い点数を取ればほめられましたが、少しでもミスがあったりすると責められ続けます。少ない成功体験とたくさんの挫折体験を経験するようになります。
そこで親を反面教師にできたらいいのですが、もしできなかったりすると自分自身も支配的な人になりかねません。子どもにいつでも高いステータスをつけさせようとして、お金をたくさん使います。親が満足するように子どもを育てたいので、子どもの声は聞きません。
とにかく世間的に聞こえが良くて、価値が高くて見えて、自慢できる子どもを育てようとします。そしてまた、子どもの意志を無視して、自分と同じ職業にさせようとすることが多いですね。
子どもが結婚しようとする際は、自分の子どもの価値が上がるような相手でないと許せません。なぜなら、自分の価値まで下がってしまいそうで不安になるからです。
とにかく子どもを所有物として見たがります。自分の価値が上がっていきそうかどうかで物事を判断するのがこの父親です。
4位 母が音楽家(演奏家・ピアノ教室講師)
母親が『音楽家』というケースは、2位と3位のような劣等感が強くて支配的な父親の母親バージョンだと思ってください。この母親も小さい頃から、そのまた親から音楽を強いられてきたというケースがとても多かったです。
例えば、自分の母親も音楽家で小さい頃から厳しい指導を受けてきたとか、母親を喜ばせたくて一生懸命に音楽をしていたとか、もしくは本人は音楽に興味はなかったけど、母親の夢だった音楽家という夢を押しつけられてしかたなく従っていたなんてケースがありました。
いろんなケースがありますが、共通して言えるのは親は子ども時代に高い期待をかけられて、結果ばかりを重視され、途中の努力は認めてもらえていなかった可能性があるという点です。あとは、高いステータスになることを押しつけられて、自由に生きてこられなかったという点です。
こういう母親も子どもを所有物として見たがりますね。自分自身にあまり価値を感じられなくて、代わりに子どもの価値を高めて、自分の価値が高まったように感じることで満足したがります。
結局、子どもの意志は無視されることが多くなります。母親が満足しそうなことは許してくれますが、そうならないことは否定されてしまいます。
あとは、子どもが大人になって音楽を止めたい言い出したときとか、音楽関係ではない職業を選ぼうとしているとか、または母親が満足しない人と結婚をしようとしているとか、そういうときにトラブルが起こります。
子どもが決めた生き方を信じて見守るということができないので、とにかくあらゆる理由をつけては批判し、考えを変えさせようとしてきます。
5位 父や母が学校教師
親が『学校教師』というケースです。性別による偏りはありません。小中高校の教師、大学の教授など、職種による偏りもありませんでした。それに、親の一方だけが教師だったというケースもありますし、両親ともに教師だったというケースもありました。
これまでに紹介してきた親と同じように、やっぱり支配的です。自分の考えが絶対に正しくて、それに従わない人たちを強く批判します。プライドが高くて他人を見下します。自分と違う考えを持つ人を嫌います。
そして理屈っぽいですね。時代の流れはどうだとか、そんなことをする学生はうちの学校にはいないとか、本当かどうかわからないデータを出してきてはあなたの決断や行動を批判します。
あとは、多くのケースで教師をしている親は感情的になりやすいというデータもあります。カッとなってすぐ怒鳴ります。暴力的になる親も多く、子どもに恐怖心を植え付けてコントロールしようとします。
6位 父が警察官や自衛官
最後は父親が『警察官や自衛官』というケースです。他の親もそうですが、この親もやっぱり支配的です。無理矢理に従わせようとします。
そして特徴的なのが、まったくと言っていいほど聞く耳を持ち合わせていないところです。1位〜5位の親はどちらかというと、言葉で批判し、言葉で言いくるめるなんてことをするのですが、この親の場合は問答無用といったかんじで強制してくるんです。
ですから、小さい頃からいろんなことを強制されて、したがわなければ怒鳴られたり暴力を振るわれたりして、怖いを思いをたくさんしてきた人も多いでしょう。
仕事柄そうなるのか、もしくは問題を抱えている人がその仕事を選びやすいのかは、個人の事情なので不明ですが、それでもこれまでご相談いただいたケースでは共通するところがとても多かったです。
心を傷つける毒親職業の特徴
あなたの親はこの1位〜6位までの親の特徴に当てはまっていましたか?
毒親から傷つけられている人というのは、自分が傷つけられていることすら気づけていないことが多いです。それに自分の親が毒親であると思うことに強い罪悪感を感じてしまい、後ろめたくなって目を背けてしまう人もいます。
もし当てはまるところがあったら、毒親だと決めなくていいですから疑ってみることからはじめてみましょう。そうやって少しずつでいいですから真実を知ることが大切です。
今回紹介した毒親の職業ですが、共通していることは高いステータスで他人よりも上にいると思えることとか、誰かを指導するとか強制すると言った支配的な地位を手にできることだったりします。
実際にあなたの親もあなたに対してそうやって接していたのであれば、その親自身も小さい頃に毒親から育てられた経験を持っている可能性があります。
そして、自分が子どもの頃にされたようにあなたを傷つけていたり、子どもの頃に親から強制されて無理やりあきらめさせられたことをあなたにさせて満足したかったのかもしれません。
こうやって、毒親の影響は連鎖していきます。もしかすると、もうすでにあなたにその影響が連鎖していて、あなた自身が毒親になって自分の子どもを傷つけてしまっているかもしれません。
大切なことは、同じことを繰り返さないことです。大切な人を傷つけながら幸せを感じることはできません。もし、親が上に紹介した職業に就いていて、あなたも同じ職業に就いているなら気をつけてみてください。
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