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親と離れた後の関係Q&A

親と離れた後の関係Q&A

こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
今日もこのメルマガを開封していただきありがとうございます。
 

つらい親子関係の解消って、親と離れるまえばかりが注目されやすいですが、じつはそれだけではありません。本当に重要なのは親と離れた後なんです。

親と離れた後に、「親を裏切って見捨てたみたいでつらい」っていう罪悪感を感じて自己批判をしてしまう人ってとても多いんです。でも、また関わってしまえば傷つけられるのが明らかだし、そんな二つの気持ちの板挟みになって、迷っている人は多いですからね。
 

自己批判をしないようにするためには、親と離れるまえに離れた後の事を考えておくことです。ここが決まっていないとその都度悩むことになりますからね。

今日はね、すでに親と離れた人にも、これから離れようとしている人にも重要な知識をお伝えします。この知識を身に着けて、自分のための人生を生きてください。
 

Q.学費や養育費を返済するべきか?

A.お金は返さなくていいです

あなたが離れていった後、親は「これまで大変な思いをして育ててやったのに、親から離れたいなら今までにかかったお金を返して!」と言って、あなたを責めるかもしれません。

あなたもその言葉を聞いて、「たしかに今の自分があるのは親のおかげだし、お金もかけてもらったし、、、」なんて思ってしまうかもしれません。私が日々ご相談を受けているときも、こういう話はよく出てきます。
 

私たちは親からこう言われた時にどう考えたらいいのでしょうか?

人って生まれてすぐに何でも自分の力でできるわけではありませんよね。親にも頼らなければいけないし、お金もいっぱいかかるから親に出してもらわなければなりません。

でもそれって、あなたが親にさせたことなのでしょうか。いいえ、違いますよね。あなたがさせたのではなくて、親が「そうする」って決めてあなたを生んだんです。

子どもを養育するのってお金がかかりますよ。生活費だって夫婦二人のころよりはたくさんかかります。学費だってかかります。外食するのだって家族旅行するのだって、ぜんぶお金がかかります。

でもそんなことは親が前もって知っていなければいけないことで、それでも覚悟して子どもを生まなければいけないことだったんですよ。

ですから、「今までにかかった金を返せ」って言っている親は、『親』としての覚悟を持っていない人でした。
 

それは絶対に言ってはいけない言葉です。そういうふうに覚悟を持っていない親と付き合っていこうとするとこの先もたくさん傷つけられますから気をつけてください。

そういうことを言う親は、自分がうまくいかないことをぜんぶあなたのせいにしてくる可能性がとても高いんです。「愛情を注いで育てたのに裏切られた」みたいなことを言いますよ。
 

お金は返さなくても大丈夫です。

でも、あなたが経済的に余裕があって、あなた自身が返したいと思うなら返してもいいです。でも、罪悪感を感じて返すことはしなくてもいいですからね。

罪悪感に駆られて行動していると、また罪悪感を感じさせるような言葉を言われて、またコントロールされてしまいますから。
 

老後の面倒を見るべきか?経済的援助をするべきか?

A.面倒を見る必要も経済的援助をする必要もありません

親がお金を要求してくることもよくあります。そういう親は「育ててやったんだから親の面倒を見るのは当たり前」って言いますね。でもこれだって、親があなたにお金をかけることが親として当たり前でしたから、面倒を見る必要も経済的援助をする必要もありません。
 

お金を要求してくる親の特徴として、節約もしないし貯金もしないという、お金にだらしないという傾向があります。性格はわがままで自己中心的、平気で人が傷つくような事を言ったりする精神的に未熟な人が多いですね。

だから、自分の老後のための計画もしません。もちろん貯金もしませんでしたし、あればあっただけ使っていた親も多いです。
 

こういうタイプの親の老後を面倒見ていると、要求と批判をされることが每日のように起こるから注意してください。あなたの都合も考えず、「あそこに連れてけ、これを買ってこい」と言われる可能性が高いでしょう。まるで子どもを奴隷のように扱います。

経済的援助をしたときは、お金の要求がどんどんエスカレートしていくようになります。予定を決めてお金を使うとか、残額を見て節約するということができないので、欲しい物を買って、足りなくなったらあなたに頼るということを繰り返すでしょう。

あなたが一度でも親を支えてしまうと、親はそれを前提に生活をし始めます。そうなれば、あなたがどんなに嫌だと感じても、親から手を引くことに罪悪感を感じてしまうものです。
 

今まで、あなたの努力を認めてくれなかったり、否定が多くて感謝が少ない親だったのなら、あなたが支えれば支えるほど、親はモンスターになっていきます。

あなたが自己犠牲の人生を生きたくないなら、危険な親の面倒を見るのも、お金を渡すことも、慎重に考えたほうがいいでしょう。
 

Q.病気や怪我をしたときにかけつけるべきか?

A.後悔しないように行動しましょう

親も高齢になってくると病気や怪我が増えます。もし親が病気や怪我で入院したときに、自分はどう行動したらいいのか?悩む人も多いでしょう。

結論からお伝えすると、親の元に行っても良いです。

あなたが行かないことで後悔を残しそうなら、自分のために行きましょう。この先、清々しい気持ちで生きていくためには後悔がないことが重要ですからね。自分の気持ちに従いましょう。

逆に、行って親にも会いたくないし、行かないことで感じてしまいそうな後悔はないということであれば行かなくていいですね。ここでも自分の感覚を信じて行動することが大事です。
 

大切なことは、やりたいことをやって、やりたいくないことはやらないことです。

もし、親から駆けつけてこないことを批判されても罪悪感を感じる必要はありませんよ。あなたが親の元に行きたくないのは、親に問題があるのですからね。危険な人のもとに行かないことはとても自然なことですからね。
 

親のもとに見舞いに行ったりする際は事前にルールも決めておきましょう。

●目的を遂げたらすぐに帰ってくること
●不必要に長居しないこと
●不必要な会話をしないこと
●受け入れられないことははっきりと断ること

目安は30分です。それ以上に居ると、またあなたが傷つく可能性がどんどん高くなっていきます。
 

Q.年末年始、お盆の帰省をするべきか?

A.帰省する必要はありません

日本は『家族主義』という考え方が主流の国です(ちなみに欧米は『個人主義』)。ですから、家族を大切にしようとか、家族は仲が良いことが当たり前だなんていう考え方が多くを占めてしまうものです。

そんなときに悩むのが実家への帰省ですね。自分だけなら帰らなくてもいいけど、お子さんがいたりして「おじいちゃんおばあちゃんに会いたい」なんて言われると、どうしていいのかわからなくなってしまいます。
 

結論から言うと、あなたが帰りたくないなら帰らないようにしましょう。危険な親がいる実家は、あなたがこれまでたくさん傷つけられてきた場所でもあります。実家に近づくだけで心が緊張してきて恐怖が強くなってしまいます。

実家の中に入っても居場所は感じられません。リラックスできません。親は最初は優しいかもしれませんが、時間が経てば昔話が始まって、また以前のように否定や押しつけが多くなります。
 

家族というのは、血がつながっているから家族になれるのではありません。まずは親が子どもの個性や価値観を尊重し、子どもには子どもの生き方があると認めて上げるような関係を持とうと努力するから、家族が形成されていくんです。

親がそれもしないで、親だからといって権力を振りかざしていたり、あなたの考えや行動を否定し、自由を認めてこなかったのであれば、そもそも家族ではないかもしれないんです。心が緊張して恐怖を感じてしまうような親のもとには戻らなくていいですね。

それに、帰省したくないと思うことはなにも悪いことではありませんよ。あなたはちゃんと親が危険であることを認識していて、近づけば傷つけられると気づいているから帰りたくないのでしょ。

大切なことは、自分の感覚を信じることです。いくら親でも、その人たちが危険なら、あなたのためになりませんからね。
 

それに、10歳以下の子どもにとって重要なのは、親であるあなたの心がリラックスできていることです。子どもは親の表情や態度からたくさんのことを読み取ります。あなたが不安になっていると子どもも不安になりますよ。

もし、あなたが嫌なのに無理して帰省して、結果ストレスを溜めてしまい子どもにつらく当たってしまうなら、あなたが子ども時代に経験したようなことが繰り返されてしまいます。それはしたくありませんね。

おじいちゃんおばあちゃんという人たちは、あなたがリラックスできていて初めて子どものためになる存在です。
 

Q.葬儀には参加するべきか?

A.葬式に参加したい人だけ参加しましょう

これも結論からお伝えすると、葬儀に出席しなければならないなんてことはありません。

葬儀とはただ単にイベントであって、参列するかどうかはすべて個人の自由意志です。したがって、あなたが参列したくないなら自分の気持ちに従って行動してください。

仮に誰も葬儀を執り行う人がいなかったとしても考え方は同じです。そもそも、葬儀を行うかどうかは遺族個人の自由意志です。あなたが喪主となるような人が亡くなったとしてもあなたの気持ちを優先してもいいということです。
 

実際に日本でも子どもに縁を切られて葬式をあげないで亡くなっていく方たちはとても多いです。親が子どもから縁を切られて、身寄りもなくひっそりと亡くなったなんて聞くと、世間がざわつきそうですが、それだって親が作った状況ですからね。

親が子どもの個性や価値観を尊重せず、ずっと力づくで子どもをコントロールした結果がそういう状況を招いているのですから、あなたが責められることではありません。
 

心が健康的な親は、自分と子どもは親子であっても違う人格であり、違う価値観を持っているとわかっています。だから子どもが真剣に考えて決めたことを認めようと努力します。そういう親に育てられた人は、親から肯定されながら成長していくでしょう。

親がそうやって子どもを尊重して生きてきたから、子どもだってお葬式を挙げてあげたいと思うだろうし、死に目を看取ってあげたいと思います。
 

親から心を傷つけられていた人だって、葬式に参加したくない、挙げたくないと思うまでさまざまな葛藤を抱えていたことがほとんどです。悩まない人なんて一人もいませんよ。

悩んで考えた末に決めたことです。それがあなたの正直な気持ちなのであれば、自分に従いましょう。あなたを責められる資格のある人なんてこの世に誰もいないのですからね。
 

親から離れた後に傷つけられない考え方

最後に親から離れた後に、もう二度と傷つけられないようにするための考え方をお伝えします。

1.親にも力があることを信じてみる

親にも生きていく力があることを信じましょう。

まずは親がやるべきことを親の手に戻します。親があなたに何かを要求してきても、それを受け入れる必要はありません。お金だって介護だって同じです。

お金が足らなくなれば節約します。体がつらいのであれば自分のできる範囲の生活にします。それでも生活していけないのであれば外部のサービスを使うことだってできます。

それなのに、あなたが手を貸していれば、親はそれが当たり前になっていきます。本当は親がやらなければならないことを、あなたが代わりにやっていれば、親は当然のようにやらなくなります。でもそれでは、あなたは一生親から離れられません。

まずは、親にも力があることを信じて、あなたが肩代わりしている部分を手放すことからはじめてみましょう。
 

2.親にも果たすべき責任があることを知る

そもそも、親には自分の力で生きていく責任があります。あなたが親に労力やお金、時間を捧げるのは、あなたが親の責任を肩代わりしている状態です。それはとても異常な状態です。

親が過去に何かをしてくれたからと言っても、あなたが恩返しをしなければならないなんてことはありません。親があなたにしたことは、親がそうすると決めたことだったからです。

あなたが親に感謝を感じていて、親に何かをしてあげることであなた自身も幸せになれるなら、なんでもやってみてください。

しかし、あなたが罪悪感を感じて、申し訳なくて何かをしようとしているならそれは自己犠牲です。親にとことんまで吸いつくされて身を滅ぼします。

親に自分の力で生きていく責任を果たさせましょう。そしてあなたは、あなたの責任で自分の人生を幸せにしていきましょう。

もう自己犠牲をやめてください。自分のために生きるのです。
 

3.他人の価値観に迷わされない

あなたが親から離れ、親の要求を断るとき、必ずといっていいほどあなたの決断を批判してくる人たちがいます。それが、家族です。もしかしたら、親と共通の友人や知人からも批判されるかもしれません。

でも恐れないでください。そういう人たちは、『心に問題を抱える親と心を傷つけられ支配されている子ども』という現象を理解できないのです。

子どもが親を支えるのは当たり前のことだって考えていて、あなたの気持ちなんてちっとも考えてくれません。

さらに、そういう人たちは自分も同じように傷つけられたくないとか、子どもに離れていってもらいたくないと思っている人たちでもあります。

例えば、あなたのきょうだいが親から傷つけられたくないから、あなたを生贄に捧げていることもあります。おじさんやおばさんなどの親戚があなたを責めているなら、その人たちも親子関係が悪くて、子どもから離れていかれている可能性もあります。結局、自分の問題を誰かに押しつけているということが多いんです。

問題のある親に味方する人も問題のある人たちです。その人たちの言葉に耳を貸していると、あなたは傷つくばかりですから注意してください。

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