COLUMN
ご相談事例
[相談事例]罪悪感を感じてしまい家を出られません。
コラムテーマのリクエストをいただきました
あきこです。
いつもメール配信を読ませていただいて、同じ境遇の人のためになるかもしれないと思い、リクエストしました。
母にどんなことをされても、毒だと思えなくて、苦しいです…
私の母はヒステリックで過干渉です。昔から仕事や家族の愚痴を聞くのは私の役目でした。また、小さい頃から私の友達は母が決めていて、出掛けるのも誰とどこにいくか、帰ってきたら何があったのかすべて話をしてました。社会人になるまでそれが当たり前だと思っていました。
私の父も姉も、ずっと世界の中心は母だから、従うしかないと口癖のように言っていました。私も実際その通りだと思っていたので、母に逆らったことがありませんでした。
社会人になり、彼氏ができて干渉がエスカレートしていきました。出掛ける時には泣いて嫌がり、一晩中泣いてるのに付き合うこともありました。
父と姉も私が母の干渉を受け入れることが当たり前だと思っていて、父からは母とうまくやれ、姉からは母が怒らないようにどうしてできないのかと言われ続けています。
また彼のことを母は、悪魔に魂を売った人間だから、周りの人を幸せにできないから、縁を切りなさいと言われています。 でも私自身彼とは結婚も考えているので、別れる気はありません。
そんな私のことを母は友達や兄妹に相談したところ、母が間違っていると言われたそうです。その日から『みんな私を全否定する、あなたのせいで友達を失い、兄妹とも連絡が取りづらくなった』と言われました。
さらに、私は家政婦じゃないから、家事はやりたくないと言い始めました。姉に相談しても、うまくやれないあなたがいけないから、あなたのせいで母は友達なくしたんだから、母の要求を受け入れるしかないといわれ、今は家事もやっています。
どんなことをされても、母を突き放したり毒だと思うことができません。どこか罪悪感を感じ、家を出られません。
ご質問にお答えします
こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
コラムテーマのリクエストをいただき
ありがとうございます。
母親のことを毒親だと思えず
離れられないのですね。
家族全員から責められていると、
自分だけが間違ったことをしているみたいで
罪悪感を感じてしまうことってありますよね。
そしてますます親の顔色をうかがってしまい、
やりたいことができずやりたくないことばかり
してしまうものです。
それでは、あなたのお悩みにお答えしますね。
結婚を反対する母親と
そんな母親に従えと迫ってくる
その他の家族の心理を解説していきます。
子どもの結婚や自立を妨げる母親の心理
子どもの結婚や自立を妨げる
母親に共通して見られるのは
強い依存心を抱いている状態です。
依存心が強い母は自分で考えて
決めることができません。
自分で決めたことに自信を持てないので
いつも誰かに許可を求めます。
だから誰かに代わりに決めてもらいたいし、
代わりに選んでもらいたくなるのです。
なぜなら
誰かに代わってもらえたら
自分が責任を負わなくて済むからです。
責任感が乏しく責任転嫁を良くします。
だいたいそのターゲットになるのは
子どもである「あなた」です。
あなたのせいで傷つけられたとか、
あなたに裏切られたとか、
何ならあなたのせいで病気になるとか
早死するなんて言うかもしれません。
被害者意識がとても強いのも依存母の特徴です。
仕事や家族の愚痴を聞かされていたのも
そのせいなのでしょう。
被害者意識が強い母親は
少しでもうまくいかないと
何でも他人のせいにしますし、
自分自身がどんな被害を受けたのかを
誰かに聞かせて同意させようとしますからね。
同意してもらえたら
「やっぱり私は悪くなかったんだ、
やっぱりあの人が悪いんだ」
と思って安心できるからです。
母は友人に同意してもらいたかったのでしょう。
でも逆に否定されてしまい、
また被害者意識を感じたのでしょうね。
だから「みんな私を全否定する、
あなたのせいで友達を失い、
兄妹とも連絡が取りづらくなった」
と言ってあなたを批判しているのだと思います。
そんな母親はまさに
自分の問題に向き合えなくて
あなたに責任転嫁をしているのかもしれません。
それに依存母は
過剰な期待を子どもに押し付けますよ。
たとえば
「私はこんなにも苦労して
子どもを育てたのだから、
あなたが世話してくれるのが当たり前だ」
なんてね。
病気のこと、
老いていること、
苦労していることなどを理由に
あなたに頼ろうとしています。
さらに依存母はあまり努力をしません。
もう自分は十分に苦労をしてきたから
楽をしてもいいという論理で
また依存を正当化しようとします。
そして仕事や家事が
おざなりになっていき、
子どもに生活費を出させたり、
老後の生活資金を頼ったりするのです。
依存母の心のなかでは
子どもが養ってくれて当たり前
になっているので、
節約も貯蓄も
できていないことが多いです。
老後の生活資金も用意せずに
無計画に生活してきたので、
本当にお金がないといった
ケースも少なくありません。
こういう依存母は依存先である子どもを
何が何でも手放そうとしません。
なぜなら依存する相手無しでは
生きていけるはずがない
という強い意識があるからです。
だから依存先であるあなたが
いなくなりそうだと感じると
急に心が不安定になったりしますよね。
そんなときの母親は
心のなかでは絶望状態になって、
それによって被害者意識が湧き上がり、
「私を不安にさせているあの子が悪い」
「私からあの子を奪おうとしているあの男が悪い」
と思い込み、また感情的になって
怒り出すのです。
でもなかには
「あなたを大切に育ててきた」
「あなたにすべてを捧げてきた」
なんて言っている依存母も多いです。
しかし実際はいつも
愚痴や悪口を子どもに
聞かせてきたし、
子どもが断ったら
感情的になって
ひどい言葉で責め続けるなんて
ことばかりをしてきた母親です。
その理由は、
依存母が自己正当化ばかりを
していたからです。
「私は正しい子育てをしてきたはず」
「私は子どもに愛情を注いできたはず」
と自己暗示をかけて、
自分の心の問題に向き合わず、
とにかく子どもであるあなたに
依存をし続けてきたからこそ
出てくる言葉なんです。
だからこそ、今やあなた無しでは
生きていけなくなっているのかもしれません。
母は自分の力で生きていけると
思えないからこそ、
依存先であるあなたを
手放したくないという意識が
強い執着心となり、
結婚を認められないのかもしれません。
依存母に育てられた子どもは罪悪感を償い続ける
あなたのように
親から離れることに罪悪感を感じている人は
とても多いです。
昔から母親に従わなければいけない、
母親を悲しませてはいけないと
教え込まれてきた方たちは
強い罪悪感で心が支配されてしまうのです。
罪悪感で心が支配されてしまうと、
自分の思ったとおりにやることさえ
悪いことをしているかのように感じてしまいます。
頭のなかで
「お母さんがあんなに
苦労しているのに私ばかりが
楽しい思いをしていいのだろうか?」
なんていふうな言葉で自分を責めてしまうのです。
だから恋愛をしていても楽しくなかったり、
友だちと遊んでいてもどこかで
不安を感じてしまったりすることもあるでしょう。
誰かから誘われても、
母親からなんと言われるかばかりを
気にしてしまい断ってしまうかもしれません。
そうやって自分のほうから
自由に行動しないことを選んでしまい、
いつでも母親の機嫌をうかがってしまうのです。
そんなふうに母親の機嫌ばかりを
うかがっていると、
母親はそれが「あなた」だと思いますよ。
仕事帰りは寄り道しない子、
休日は家にいる子
なんていうふうに思われて、
いざ外出しようとすると
「どこに行くの?誰と行くの?何しに行くの?いつ帰ってくるの?」と不安になって、
質問攻めをする母親を見て、
またあなたは心苦しくなってしまうかもしれません。
今のあなたが
母親の代わりに家事をしていることも
同じ構造です。
もしかするとあなたは
母からも姉からも責められて
仕方なく家事をしているのかもしれません。
しかし母親は自分が家事をやらなければ、
きっとあなたがやるだろうと
考えているのかもしれないのです。
そして家事を理由に家から出さないとか、
家事を理由に早く家に帰ってこさせるとか、
また一つあなたを支配する方法を
手に入れたのかもしれないのです。
あなたのように、
母親が抱える依存心や
それによって起こる被害者意識で
責任を押し付けられ、
幼少のころから罪悪感を感じ続けて、
まるで罪を償うかのような心理状態で
毎日を生きている人はたくさんいるのです。
でもほとんどの人が
「親が悪い」だなんて思っていません。
罪悪感があると
「私が悪い」と感じてしまい、
「親を悪く思ってはいけない」
と考えてしまうのです。
もしこの解説を見て納得できるなら、
あなたは今まさに罪悪感で
心を支配されているのかもしれません。
毒親と健康的な親の違い
心が健康的な母親は責任を押し付けません。
依存もしませんし、
子どもを支配しようとも思いません。
むしろ結婚を喜びます。
自分の娘を愛してくれる人が
いたことを嬉しく思います。
そして娘が結婚し
自分の家庭を持ち生きていくことを
誇らしく思います。
心が健康的な母親は
自身がそうしてきたように、
子どもにもやりたいことをやり
後悔しない人生を生きてもらいたい
と願います。
だからこそ、娘自身の価値観で
決めることが大切だと考え、
否定もしませんし
考えを押し付けるなんてこともしません。
そんな母親は
心が自立しているので、
依存心がほとんど生み出されないのです。
自分の問題は自分の力で解決してきたし、
これからもそれができるって
自分を信じているから
子どもに頼る必要がないのです。
心が自立していて健康的な親と
依存心が強く心が不健康的で
いわゆる「毒親」と呼ばれる人の
決定的な違いはここです。
あなたをスケープゴートにしている家族
姉も父も、あなたを
スケープゴートにしているかもしれませんよ。
スケープゴートとは
生贄(いけにえ)という意味です。
ちょっと過激な言葉だけど、
こういったことは
感情のコントロールができない
ヒステリックな依存母がいる
家庭ではよく起こります。
最初は父親が依存の対象だったのかもしれません。
でもヒステリックな妻に向き合えない夫は
「従わないと厄介だ」と思って
心が折れたのかもしれませんね。
そして母親の支配下に落ちたか、
もしくは家族関係から離脱したのかもしれません。
こういう父親は母親に向き合わず、
家族の問題にもほとんどノータッチです。
そして「お母さんとうまくやれ、
おかあさんの気持ちもわかってやれ」
と言うばかりで、とにかく逃げ腰ですね。
あなたがつらい思いをしているのに、
そこに分け入ってあなたを助けるとか
母親をたしなめるということはしないわけです。
母親は自分に向き合ってくれない
父親を見限ったのか、
次は姉が依存の対象になったのかもしれません。
もしくはあまりにも感情的になる
母親に傷つけられたくなくて、
姉は良い子を演じている可能性もあるでしょう。
そして姉は母親の顔色をうかがって
不機嫌にさせないように
一生懸命に気を使って
生きているのかもしれません。
さらにあなたにも
そうするように迫って
いるのかもしれないのです。
父も姉も、
母親がヒステリックになると
自分たちが被害を受ける
のではないかと恐怖を感じていて、
そうさせているのは
あなただと思いこんでいるのかもしれません。
そしてあなたがしようとしている
結婚をあきらめさせれば
母親の機嫌が良くなるだろうと考えて、
一生懸命に母と一緒に
反対をしているのかもしれません。
このように問題を抱える親からだけでなく、
その親から被害を受けている
きょうだいからも心を傷つけられている
というケースは非常に多いのです。
結婚はあなたの権利
結婚とはあなたが幸せになるために、
あなたの価値観で感じ、
あなた自身が考えて、
あなたの選択によって決めることです。
そして、母親だって
幸せは母親自身の力で作らなければなりません。
もしあなたがこの先も家事をやり続けたり、
母親の機嫌をうかがって
聞きたくない愚痴を聞いていたり、
やりたいことがあるのにあきらめたり
先延ばしにしてしまうなら、
それは母親の依存を
受け入れていることになります。
母親にとって都合の良い状況になっていて、
その状況をあなたがつくってしまっているなら、
あなたはまさに
「どうぞもっと依存してください」
と母親に伝えているのと同じになっています。
それをしていると、
母親はますます自力を失います。
そしてますます依存心が強くなり、
あなたを手放せなくなっていきます。
あなたが好きな人と
好きなタイミングで
好きな場所で生きていくことは、
あなたが持っている当然の権利です。
その権利を行使していかないと、
それが「あなた」だと母親は思い込みますね。
いつまでも自分のそばに
いてくれるに違いないと
勘違いさせてしまいますね。
だからこそ、
あなたは当然の権利を行使してもいいんです。
母が毒親なのかそうではないのか迷ったとしても、
あなたが権利を持っていることに
変わりはありません。
もう依存を受け入れなくていいのですよ。
母は自分の力で幸せになるしかないのです。
自分の権利を行使して幸せになってくださいね。
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