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ご相談事例 親が結婚や恋愛を反対する

[相談事例/前編]外国人の彼との結婚を親から反対されています。

[相談事例]外国人の彼との結婚を親から反対されています。

コラムのリクエストをいただきました

お名前 : ふうこさん
 
川島さんのホームページ拝見させていただいてます。
いつも、真っ直ぐな意見と、的確な分析にハッとさせられ、勇気をもらっております。
 
実家暮らしの40代です。
ごく普通の家庭です。
 
両親と3人暮らしです。
長い間彼もいなくて、ずっと結婚しないと思われていたと思います。
 

外から見たら、幸せいっぱいな理想的な家族にみえると思います。
父は、普段は優しいですが、感情が不安定で、たまにキレると怖いです。
昔の事(仕事などの後悔)を引きずっている感じです。
母は、明るくて父を支えてる感じです。
 
現在、外国人の彼との結婚を反対されております。
彼は、先進国ではない国の出身です。
仕事もしてますが、正社員ではないです。
私も、派遣社員です。
 

私も外国人の彼なので、世の中は甘くはない、最初は色々と考えましたが、彼となら、一緒にがんばっていきたいと思い結婚を決意しました。
 
きっと両親がお金の事を心配するのではと思い、私もよく考えて2人で働ながら、貯金もして、家計の計画表も作りました。
そして彼を両親に合わせたところ、その場はいい感じになっていたのですが、後になってから「やめろ」とひとこと言われただけで、話も聞いてもらえなくなりました。
 
その後は猛反対され、父には、自殺するぞと脅され、母と止めにはいりました。
彼を殺したいとも言われ、私は恐怖をかんじました。
 
「結婚せずにいままで通り3人で幸せに暮らしたい」と言われ、父には「お金目当てに決まっている、彼には、何もあげたくない、お前は、変わってしまった」とも言われました。
「恥ずかしい娘だ、自分の老後の事も一人で暮らせるようにしっかりと考えなさい」とも言われました。
 

妹と義理の弟に相談しましたが、彼らも、「ふうこは、自分がどんなに幸せがわかっていない、両親を悲しませないでくれ」と言われて、4人に囲まれ(両親、妹夫婦)彼と別れる約束を前でさせられました。
 
彼がお金持ちだったらいいけどとも言われました。
独身の方が気楽だよとも言われました。
 

母も、「訳のわからない人とは、結婚しないで欲しい、親戚の人に祝福されるような結婚をしてほしい」と言われて泣かれて、頼まれました。
「結婚するなら、遠くに引っ越してくれ、顔もみたくない、縁を切る」とも言われました。
 
やはり、私も川島さんのコラムに書いてあったとうりに、親の言葉に罪悪感を感じてます。
 
私は、彼と一緒になる事で、両親が不幸になってしまう、彼の身の危険も感じました。
今は、内緒でお付き合い続けてますが、早く結婚して、彼と一緒に暮らしたいです。
 
彼といると幸せを感じます。
悲しい事件にはしたくないです。
解決策はあるのでしょうか。
 

ご質問にお答えします

こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 
外国人の彼氏さんとの結婚を反対されているのですね。
そして、親が言う数々の言葉に罪悪感を感じてしまい、身動きが取れなくなっているのですね。
 
わかりました。
あなたがこれからどう考え、どう行動していったら、この問題が解決していけるのかについてアドバイスいたしますね。
 

父はなぜ結婚を反対するのか?

まずは、あなたのご両親がどういった心理状態なのかを知ってもらうために解説していきますよ。
いただいた情報から読み取れることを分析してみて、これまでの経験則に照らし合わせた結果をお伝えしていきたいと思います。
 

まずはお父さんのことから。
 
お父さんはあなたから見て、普段は優しいけど感情が不安定で、たまにキレるから怖く感じるのですね。
そして仕事の後悔など、昔の事を引きずっている様子があるのですね。
 

感情が不安定ということは、お父さんのストレス耐性が低いことを示しています。
感情的になって「キレる」という状態は、いわゆる心の余裕がなくて、ストレスを溜め込みやすい性格だということを示しています。
 
ようするに、ストレスを自己で解消できないから、過去の後悔も引きずりやすく、落ち込んで自信を失ったり、自己批判が続いて、ますます余裕がなくなっていくという悪循環の状態になっているのかもしれません。
 

これは可能性の話だと思って聞いてもらいたいのですが、お父さんは自分に価値を感じることができなくて、自己否定が強いのかもしれません。
 
子どもの頃から肯定されることが少なかったり、否定されながら育ってきたのかもしれません。
そういうい育ち方をすると、自分自身に価値を感じることができなくなって自己肯定感が上がっていきません。
「自分だったらできる」という感覚を感じられず、うまくいかないことがあるとすぐに落ち込んでしまうようになります。
 
それに、他人の顔色を非常に気にするようになり、少しでもうまくいきそうにないと誰かから否定されそうに感じて怖くなってあきらめてしまいます。
逆に、みんなと同じことをしていると安心するので、自分はやりたくないことでも周囲に合わせようとします。
 
これらは自分に自身が持てなくて自己否定が強い人の特徴です。
 

さらに、依存心も強そうです。
 
「結婚せずに、いままで通り3人で幸せに暮らしたい」や「お金目当てに決まっている、彼には何もあげたくない」「自殺するぞ、彼を殺したい」という言葉には、いつまでも娘を手放したくないという心理が隠れていそうです。
なぜかというと、これらの言葉は子どもに依存している親がよく使う言葉だからです。
 
子どもに依存する親というのは、自立心が乏しく、自分には生きる力が少ないと決めていて、いつでも誰かに頼ろうとしているという特徴があります。
心のなかでは、常に見捨てられる不安があり、いつでも誰かにそばにいてもらいたいという欲求を抱えています。
 

こういう親は、無意識のうちに自分の力で生きないと決めていて、いつでも過去の後悔をくよくよと引きずってしまい、周囲に依存することを求めます。
親子関係では、さみしさのあまり、いつまでも子どもを手放すことができず子離れできません。
 
よく子どもの自立を反対します。
実家から遠く離れることを嫌い、進学や就職は家から通えるところしか認めなかったりします。
 
結婚もよく反対しますよ。
県外の人と結婚してはダメ、遠いところに嫁いではダメと言います。
とにかくそばに置きたがります。
 

こうやって推察を重ねていくと、お父さんがあなたの結婚を反対する理由は、「世間一般の普通の結婚じゃないから反対だ」とか、「遠いところに行ってしまいそうだから反対だ」ということになりそうです。
 

母はなぜ結婚を反対するのか?

次はお母さんにです。
 
お母さんはあなたから見て、明るくて父を支えている人なのですね。
そして「訳のわからない人とは、結婚しないで欲しい、親戚の人に祝福されるような結婚をしてほしい」や「結婚するなら、遠くに引っ越してくれ、顔もみたくない、縁を切る」と言われて結婚を反対されるのですね。
 
この情報からすると、お母さんもお父さんと同じように、周囲の顔色を伺っている様子が見受けられますね。
訳のわからない人は嫌だということは、その背景には、安心できない人と結婚されるのは嫌だという気持ちが隠れていそうです。
 

さらに、「遠くに引っ越してくれ、顔も見たくない」と言っているということは、よく知らない人と結婚した娘に近くにいられたら嫌なのか、それとも、娘が親の思う理想のとおりに生きていない姿を見るのは嫌だ、と考えているのかもしれません。
 
こういう考え方の母親は、一見すると子ども思いで献身的な人なのですが、じつは過保護の傾向が強いことが多いです。
子どもを大切に思うばかりに、親の価値観を押し付けてしまい傷つけてしまう親です。
 
でも親自身は傷つけている意識はまったくなくて、むしろ子どものためになれていると考えます。
子どもが間違った道を歩もうとしていると思い込み、不幸になることから守ろうとして否定と押し付けをくり返します。
 
それでも子どもが従わないと、不安が大きくなって「顔も見たくない、縁を切る」という発言をします。
 

このタイプの親は、自分が作り出した不安なのに、子どもから不安を与えられたと感じます。
 
子どもが幸福になるのか不幸になるのかは子ども自身しか決められないことなのに、親のほうが「これが幸せな生き方だ」って決めていて、でもその考えに子どもが従わないと、「子どもが不幸になる」ってまた決めて、本当は親が勝手に不安視しているだけなのに、その親は子どもから不安を与えられているって思い込んで一生懸命に修正しようとします。
 
ようするに、親の期待がかなわなかったことで作り出されたは不安なんだけど、親はそんなことには気づいていなくて、まるで子どもから傷つけられているような気持ちになっているから、安心したくて子どもを否定しているということになります。
 
しかし、それでも子どもが従わないと、「こんなにもあなたのことを考えてあげているのに、裏切られた」とか「みんなから認めてもらえない結婚は不幸だ」と言います。
心のなかでは被害者意識が充満していて、親の不安なのか、子どもの不安なのかが見分けられなくなっています。
 

もしかしたら、過保護の傾向が強いお母さんにとっては、ストレス耐性が低くて弱々しいお父さんはちょうど良い組み合わせなのかもしれませんね。
 
でも、言い方を変えれば「共依存」です。
共依存とは、お互いに依存しあい、生きるための力を奪い合うことで、どちらも自立できずにもたれ合いが続いてしまう状態です。
それによって、自分も相手もいつか共倒れをしていきます。
 

これもお父さんの解説と同じく推察の域を出ないことですが、お母さんが結婚を反対する理由は「認めたくない結婚をされたら親が不幸になるから」「今までのバランスの取れた家族関係が壊されそうだから」になりそうです。
 

後編はこちらから

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