こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 

親の否定的な言葉に傷つき、
自分の価値を見失いそうになっていませんか？
 
「なぜ私だけがこんなに否定されるのだろう」
と悩んでいる方は多いと思います。
 

昨日のコラムでは、
否定をする親の心理について解説をしました。
 
今日のコラムでは、
実は否定されることは悪いこと
ばかりではないという
お話をしたいと思います。
 

「親からの否定」について、
新たな視点を手に入れてほしいと思っています。
 
心が楽になる新しい考え方をお伝えします。
 

実は、否定されることは悪いことばかりではない

多くの方が「親からの否定」を恐れ、
それによって心を痛めています。
 
しかし、否定される経験は
必ずしも悪いことばかりではありません。
 
私のカウンセリングルームに
来られる方の多くは、
親の否定的な言葉に苦しんでいました。
 
小さい頃から、
「こんなこともできないの？」
「あなたはダメな子ね」
「期待はずれだわ」
といった言葉を浴び続け、
自分の存在価値さえ疑うようになっていました。
 
このように今まで
つらい思いをしてきた「親からの否定」ですが、
ここで、視点を変えてみるということに
チャレンジしたいと思います。
 
親からの否定をされることは、
実は、あなたが成長し、
自立していることのサインかもしれません。
 

親から否定されているときの新しい5つの視点

１．否定されるときは、あなたが親に自己犠牲をしていないとき

「こんなにも苦労して育ててきたのに」
「親のためにもっと考えるべきだ」
 
親に尽くすことを美徳とする考え方が、
日本には根強く残っています。
 
特に、
「子どもは親に恩返しすべき」
という価値観を持つ親は、
あなたが親のために生きないと、
裏切られたように感じます。
 
しかし、
親が子どもを育てるのは
当然の責任です。
 
なぜなら、
夫婦となり、子どもを生み、
親になると決断をしたのは、
親自身なのですから。
 
それなのに、
まるで子どもが勝手に生まれてきて、
まるで子どもから苦労させられてきた
かのようなことを言っているなら、
その親は責任放棄をしている状態です。
 
あなたは親に尽くすために
生まれてきたわけではありません。
 
自分の人生を生きることは、
「わがまま」でも
「自己中心的」でもありません。
 
それは当然の権利です。
 

２．否定されるときは、あなたが自分の価値観で判断しているとき

「そんな考え方はおかしい」
「そんなのは非常識だ」
 
親の世代と現代では、
価値観が大きく異なることがあります。
 
「終身雇用」「結婚」「家庭」など、
親が「当たり前」と思っていることが、
現代では必ずしも絶対的な価値ではなくなっています。
 
あなたが自分自身の価値観で判断し始めると、
親は混乱し、否定的な反応を示すことがあります。
 
それは、親自身の価値観が絶対だと信じているからです。
 
しかし、あなたには自分の価値観で
人生を選択する自由があります。
 
時代は変わり、選択肢は日々広がっています。
 

３．否定されるときは、あなたが自分の生き方を貫いているとき

「なぜ皆と同じようにできないの？」
「普通はこうするものだ」
 
世間体や評判を気にする親は
『普通』や『みんなと同じ』を
重視しがちです。
 
それは、親たちの生育歴や時代が
影響しているのかもしれません。
 
だから、あなたが「親の普通」とは
違う道を選ぼうとするとき、
親は不安を感じ、
否定的な言葉を投げかけることがあります。
 
でも、「普通」とは何でしょうか？
 
それは、
親が自分の価値観が正しいと思い込み、
それを強化しようとするときに
よく使う言葉です。
 
「普通」のほかにも
「当たり前」「常識」などがあります。
 
「親の普通」に惑わされないでください。
 
あなた自身の幸せは、
「普通」かどうかではなく、
あなたが本当にやりたいことを
しているかどうかにかかっています。
 

４．否定されるときは、あなたが親から自立するための第一歩を踏み出そうとしているとき

「一人では何もできないくせに」
「私がいないとダメなんだから」
 
親からの否定は、
実はあなたが自立しようとしている証かもしれません。
 
親の価値観や期待から離れ、
自分の道を歩み始めたとき、
それは親子関係の変化の始まりです。
 
この変化は、
親にとっては受け入れがたい
ものかもしれません。
 
特に、あなたを
「子ども」のままでいてほしい
と願う親は、あなたの自立を
阻もうとするでしょう。
 
しかし、親子関係も成長します。
 
対等な大人同士の関係へと
変わっていくことは、
健全な親子関係に発展していくということです。
 

５．否定されるときは、親があなたに依存せず自立するための第一歩を踏み出そうとしているとき

「もう私のことなんか気にしなくていい」
「あなたには期待していない」
 
一見、冷たく聞こえるこれらの言葉も、
実は親自身が自立しようとしている
サインかもしれません。
 
あなたに依存していた親が、
その依存から脱しようとする過程で、
このような冷たく感じる否定的な言葉を使うことがあります。
 
今までは当たり前のように
子どもに頼ってきた親が、
 
子どもの自立とともに
頼れる頻度や量が減ってきて、
 
そのことについて
何度か子どもを否定しながら
以前の親子関係に引き戻そうとします。
 
しかし、
子どもが自立することをやめなかったので、
親のほうはだんだんと
依存できるという期待を持てなくなり、
 
徐々にあきらめの心理が
強くなっていくことで生みだした
『拒絶の言葉』です。
 
これは、親自身の成長の過程であり、
長い目で見れば健全な変化です。
 
あなたも親も、
それぞれが自立した一人の人間として
生きていくことが理想的な関係です。
 

否定されるのはあなたが成長している証

支配や依存を受けていた人が
自立するまでの過渡期には、
たくさんの否定を受けるのが自然な成り行きです。
 
これまで
「親に否定されたら自分がダメな人間だ」
と思い込み、
否定される恐怖から自由に行動できなかった方も多いでしょう。
 
しかし、先ほどお伝えした5つの視点から考えると、
親からの否定は実はあなたの成長の証であり、
自立への道のりで必ず通る道となります。
 
否定されるからといって、
あなたの価値が下がるわけではありません。
 
むしろ、
自分らしく生きようとしているからこそ、
否定されるのだと考えることができます。
 

自分の力を信じて、自分の人生を生きよう！

親からの否定的な言葉に傷ついても、
それはあなたが悪いわけではありません。
 
あなたは自分の人生を生きる権利があります。
 
もちろん、
親を尊重したいとき感謝したいときに、
心のおもむくままに接してみることは大切です。
 
しかし、親の期待や価値観に合わせるために、
自分の人生を犠牲にする必要はありません。
 
あなたの中にある強さを信じて、
一歩ずつ前に進んでください。
 
否定されることを恐れずに、
自分の選択に自信を持ちましょう。
 
そして何より、
あなた自身の人生を、
あなた自身の手で切り開いていってください。
 
あなたの人生は、あなたのものです。