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コラム 自分が毒親にならないために

自分が”毒親”にならないために知っておきたい子どもへの5つの接し方

自分が"毒親"にならないために知っておきたい子どもへの5つの接し方

こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 

今日は、多くの子育て中の
お母さんやお父さんが抱える不安
「自分が毒親になってしまうのではないか」
という悩みについてお話しします。
 
あなたは、ふと
「あれ?これって親からされて嫌だったことをしているかも…」
と気づくことはありませんか?
 

毒親の連鎖は無意識で起こっている

「絶対に親と同じ子育てはしない」
と誓っていたのに、
気づけば同じことを言っている自分に
愕然とすることがあります。
 
この「毒親の連鎖」は、
多くの場合、
無意識のうちに起こります。
 

まず、自分が親から
どのように傷つけられたのかが
明確に自覚できていないことが問題です。
 
幼少期に受けた心の傷は、
言語化される前に深く刻まれているため、
その痛みを認識できないまま
大人になることが少なくありません。
 
その結果、自分も親からされたことを
無意識のうちに子どもにくり返してしまいます。
 

また、正しい関わり方を学ぶ機会がなかったことも大きな要因です。
 
感情的になったとき、
『冷静に対応しよう』と思っても、
体が勝手に反応してしまうことはありませんか?
 
これは、自分自身が
感情の扱い方を学べなかったために、
無意識に感情に振り回されてしまっている状態です。
 

そして最も深刻なのは、
子どもの気持ちを想像することや
子どもの立場で考えることを
自分自身が親からしてもらえなかった経験です。
 
その結果、気づかないうちに、
子どもを親の価値観に当てはめてしまったり、
考えを押し付けたりすることがあります。
 

子どもが必要としているのは「信じてもらえている」「尊重してもらえている」という感覚

子どもたちは何を求めているのでしょうか?
 
それは
「自分が信じてもらえている」
「自分が尊重されている」

という安心感です。
 
あなたは子どもの頃、
親から心から信じてもらえていると
感じていましたか?
 
「どうせあなたには無理」
「あなたにはがっかり」
のような否定的な言葉を
浴びせられた経験はありませんか?
 
子どもの心が健やかに成長するためには、
親からの無条件の信頼と尊重が不可欠です。
 
そして、それは言葉だけでなく、
日々の関わり方を通して伝えられるものです。
 

子どもの心を傷つけないための5つの接し方

1.子どもの気持ちを聴く&子どもの気持ちを代弁する

「今どんな気持ち?」
とシンプルに尋ねることの力は
想像以上に大きいものです。
 
この問いかけをくり返し受けた子どもは、
自分の感情に目を向け、
それを言葉で表現する力を育みます。
 
そして何より、
「自分の気持ちは大切にされている」
という感覚が芽生えていきます。
 
あとは、子どもの年齢により
「聴く」と「代弁する」を
使い分けていけたらいいですね。
 

たとえば、5歳になる息子さんが転んで泣いているとき。
 
「ちゃんと前を向いて歩かないといけないでしょ」
と伝えるよりも、
「転んじゃったね、痛かったね」
と伝えてみましょう。
 
子どもは「怖かった」「悔しかった」など、
自分の本当の気持ちに気づくきっかけになります。
 

2.子どもの気持ちに共感する

「楽しかったんだね」
「それは嫌だよね」
と子どもの感情を言葉で返してあげることは、
子どもの心に
「自分の気持ちは理解されている」
という安心感をもたらします。
 
たとえば、
ある日、子どもが学校から帰ってきて
「今日、友達と喧嘩したんだよ」
と言ったとき、
 
すぐに
「何があったの?何されたの?」
と伝えるのではなく、
「そうなんだ、それは辛かったね」
と共感の言葉をかけると、
子どもは自分の気持ちを
安心して話せるようになります。
 

3.子どもの考えを聴く

「どうしたい?」という問いかけは、
子どもに「自分で考える権利がある」
というメッセージを送ります。
 
この問いかけをくり返し受けた子どもは、
自分の意見や考えを大切にする姿勢を
身につけていきます。
 
例えば、おもちゃの片付けをめぐってのトラブルが起こったとき。
 
「すぐに片付けなさい!」
と命令するのではなく、
「いつまでに片付ける?」
と問いかけると、
子どもは自分で考える機会を得られます。
 

4.子どもの行動を促す

「やってみたら?」という言葉には、
「あなたならできる」という信頼が込められています。
 
この言葉をくり返し受けた子どもは、
自分の決断を尊重され、
挑戦する勇気を育んでいきます。
 
新しい習い事に興味を示したとき、
「無理よ、あなたには向いてない」
と否定するのではなく、
「やってみたら?やりたいならサポートするよ」
と背中を押してあげましょう。
 

5.子どもが行動した結果を受け入れる

「頑張ったね」
と努力の過程を認めることは、
子どもの自信を育てます。
 
この言葉をくり返し受けた子どもは、
失敗を恐れず挑戦し続ける力を身につけていきます。
 
テストで思うような点数が取れなかったとき、
「なんでこんな点数なの!」
と叱るのではなく、
「準備頑張ったよね。次はどうしたらもっと良くなると思う?」
と問いかけることで、
子どもは自分の努力が認められていると感じられます。
 
結果がどうであれ
子どもは努力をしながら
生きています。
 
結果を重視しなければならない
場面もありますが、
子どもにとって最も大切なのは
親が努力の過程を認めてくれることです。
 

そもそも親とは別の人生を生きる存在として子どもと関わっていく

子育てをしていると、
ついつい「自分の分身」として
子どもを見てしまいがちです。
 
しかし、子どもは親とは
全く別の人生を歩む独立した存在です。
 
子どもを親の価値観に当てはめていませんか?
 
「うちの家族はみんな文系だから」
「私たち家族は音楽が得意なの」など、
無意識に子どもを枠にはめてしまっていないでしょうか。
 
また、親の理想を子どもに押し付けていませんか?
「私が叶えられなかった夢」
を子どもに託していないでしょうか。
 
親の人生は親自身でなんとかすることが大切です。
 
子どもに世話を求めたり、
心の支えを求めたりすることは、
子どもに過度な負担をかけることになります。
 
子どもの独自の価値観を尊重し、
子どもの決断を尊重する姿勢を持つことが、
健全な親子関係の基盤になります。
 

これらのことは、
できれば子どもが10歳になるまでに
親であるあなたが身につけておきたい心の状態です。

 
10歳になる頃から、
子どもは自分の意見や価値観を
はっきりと持ち始めるからです。
 
そのときに心の分離が行われていないと
親子間でさまざまなトラブルが起こってしまいます。
 

親ができることは「サポート」をすることだけ

最後にお伝えしたいのは、
親の本当の役割は
「サポート役」だということです。
 
子ども自身が考え、決めて、
行動して、その結果がどうであれ、
すべては子どもの経験と成長だと
受け止められる心を
親として持っておきたいものです。
 
もちろん、子どもを指導したり、
危険から守ったりすることも
親の大切な役目です。
 
しかし、それでも
子どもの主体性を奪わないよう注意が必要です。
 
子どもの人生の主役は、
あくまでも子ども自身であるべきです。
 

もしこれらのことが難しく感じるようであれば、
それはあなた自身が親から受け継いだ問題と
向き合う必要があるかもしれません。
 
自分自身の内面と向き合い、
癒やしていくことで、
より健全な親子関係を
築いていくことができるでしょう。
 
毒親の連鎖を断ち切るのは簡単なことではありません。
 
しかし、まずは「気づく」ことから始まります。
 
このコラムが、
あなたと子どもとの関係を
より良いものにするための第一歩になれば嬉しいです。
 

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