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過保護な親は子どもの自立を否定する

過保護な親は子どもの自立を否定する

こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
 

子どもに対してなんでも口を出したり、手を出したりして自立心を育てない親がいます。いつまでも子離れできず、世話を焼くようにする親です。先回りしてお膳立てをしたり、失敗しないように答えを与えてしまうようなこともあります。

これは過保護な親の代表的な特徴を言い表した文章です。

もし、あなたが親から自立することを否定されていたなら、
親は過保護な人だったかもしれません。

過保護な親は自分の人生を生きられていません。
そして、生き甲斐を子どもに関わることに求めてしまいます。

そして、子どものために自己犠牲になることが
自分の存在意義だと信じています。

そう、あなたは親から過保護という方法で
依存されていたということになります。

 

『過保護な親』はあなたの人生も奪った

過保護は、あなたの精神成長まで奪ってしまったかもしれません。

あなたは親から過保護にされたことで、
自分がどう感じるのか、どう考えるのか、何をすべきなのか、
それをしたことでどんな影響があるのかなど、
自分の気持ちと向き合うチャンスを奪われました。

これは、『自分の気持ちを感じるトレーニングをしてこれなかった』とも言えます。

通常、あなたが幼少のとき、親との関わりのなかでしてこなければならなかったトレーニングです。

 

もし、あなたが親の過保護が重たくて離れたいと思っているのに、
罪悪感で離れられないでいるなら、
過保護と愛情の区別をつけられていないのかもしれません。

これも過保護の影響です。

もし、親から離れても自分ひとりの力で生きていける気がしないなら、
それは自分で考えて決めるという『自立心』を育ててもらえなかったからかもしれません。
自立心が育っていないと自分の人生を自分の力で切り開いていこうという感覚が持ちにくいのです。

それだって過保護の影響です。

そんな状態を放置していれば、
いつまでも親から離れられず時間だけが過ぎていくということになります。
そのままだとあなたの人生は親から支配され続けることになります。

 

逆に健全な親から育てられた人たちは、
自分で考え、決断する機会を奪われなかったでしょう。

自分の考えに従って行動していくことで達成感を得ることができました。
そして、「自分ならできる」という感覚を養うことで「自立心」を育ててきました。

ときにはうまくいかなかったこともするでしょう。
でも、健康的な親はうまくいかなかったことも経験と捉えます。

「うまくいかなかったのは失敗ではない、
改善点を見つけられたんだよ」と教えてくれます。

うまくいかなかったとしても、
その困難を乗り越えた時こそ達成感を感じ、
自信につながるのです。

失敗体験があるからこそ、人は成長していけることを教えてくれます。

 

【親が過保護になる理由1】子どもを失敗から守っている

親が子どもに過保護に関わるのは、
あなたに問題を解決していける力があることを信じていないからです。

健康的な親のように、あなたが自分で考えて決められるとは思っていません。
むしろ、親が助けてあげなければ必ず失敗すると思っています。

失敗することをいけないことだと考えています。
だから、事あるごとに口や手を出します。

それも、子どものためだと信じてです。
 

過保護な親は、子ども時代に親から過保護にされた経験を持っています。

やはり、親から信じてもらえていませんでした。
自分の力で問題を解決させてもらえなかった人なんです。

自分で考えて決めるよりも、
親の出した答えしか選べなかったのかもしれません。

それが毎日のように当たり前にあったことで、
親も自分で考えて行動することができなくなったのかもしれません。
 

そんな親が成長し、大人になり、親になったら、
自分が信じてもらえた経験が少ないので、
自分の子どもを信じるということができなくなるのも当然です。

だって、ずっと失敗してはならないと教え得られてきたのですからね。

圧倒的に『信じる力』が育っていないということです。

信じられないから、疑います。

子どもの力を疑って、「この子ひとりでは失敗するに違いない。だから私が助けてあげなければならないんだ」って考えてしまうんです。
 

【親が過保護になる理由2】子どもを生き甲斐にしている

親が子どもに世話を焼くことを生き甲斐にしていることもあります。

子どもを生き甲斐にする親の特徴は、
夫婦関係が悪く、交友関係も広くありません。
あまり外に出歩かず、無趣味です。
寂しがり屋です。

夫婦はある程度の依存関係になるものです。
しかし、夫婦仲が良くないのでパートナーに依存できません。

そして、行き場のない依存心は
子どもに向かっていきます。

親は自分の生き甲斐を
あなたに見つけているということです。

 

あなたも親から過保護にされて重たく感じていたかもしれません。
しかし、いろいろと世話をしてくれるので断ることに罪悪感を持ってしまっていたかもしれません。

過保護ははたから見れば『子ども思いの良い親』のように思われます。
自分のことよりも子どもに心血を注いでいる姿を見ればそれも愛情と誤認してしまってもしょうがないことです。

「親は私のためにやってくれているんだから」と、
どこか拒否できない雰囲気がつくられていきます。

そしてあなたもその過保護な状態を
『親の愛情』だと信じこむことで我慢してきたのかもしれません。

 

過保護な親から自立しよう

しかし、過保護は立派な虐待です。
過保護な親はあなたの気持ちを無視して自分の気持ちを押し付けます。

毎日否定や考えの押しつけをされているのと
何も変わりません。

過保護とは、〈優しさ〉という真綿で首を絞める虐待行為です。

親が亡くなってみて、はじめて親からコントロールされていたことに気づく方は少なくありません。
親がいなくなった時、それまで何十年も口や手を出されていた環境がガラリと変わるのです。

でも、いままで車を運転したことのない人が、いきなりハンドルを握れと言われても無理なように、人生のコントロールを失ったあなたは行き先を見失って路頭に迷う可能性は非常に高いです。

だから、気がついた時からできるだけ過保護や親とは距離を取り、
できるだけ自分の力で生きる人生にシフトしていかなければなりません。

もうすでにあなたはひとりの立派な大人であり、
なんでも決めることができるようになっています。

親に頼らずとも生きていける力を持っているはずです。

 

親の人生から、自分の人生へとハンドルを握り換えてみましょう。

うまくいかなかったら、またチャレンジしたらいいんです。

うまくいかなかったことは、次にうまくやる方法がわかったんです。

心の中の「親」を減らし、「自分」を増やしていくことが、過保護の影響から手放していくために必要です。

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