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さよなら、私のアダルトチルドレン

さよなら、私のアダルトチルドレン
From:親子関係カウンセラー川島崇照
 

親から心を傷つけられながら育った方は、その多くが「小さい頃の記憶がない」と言います。
しかし記憶としては残っていないわけではありません。潜在意識下にはしっかりと記録されています。
 

なぜ小さい頃の記憶が思い出せないのでしょうか?

それは人間の生存本能によるものだと考えられます。
脳は自分に都合の悪いものを思い出さないようにすることがあります。
危険な記憶はわざと思い出さないようにして身を守っているのです。
 

自分でもどこに記録されたものかわからない危険を感じていた記憶が、
ある日ヒョコっと顔を出すことがあります。

その記憶は自分に悪さをします。
怖い気持ちや不安な気持ちなどがよみがえり、日々の生活が苦しくなってしまいます。
 

潜在式に記憶されている感覚

わたしたちは大人になっても、子ども時代に味わった恐怖体験と似た状況に遭遇したときに、当時の恐怖心や不安感が再現されます。

ですから、あなたが誰かから否定、批判されることを異常に恐れてしまうなら、過去に母親から強く否定されたときの「悲しい感覚」が記録されているかもしれません。

もし、男性を見るだけで嫌悪感を覚えたり、威圧的な人、権力者に訳もなく反発心を感じたりするなら、過去に父親からひどく叩かれたときの「怖い感覚」が記録されているかもしれません。

パターンはさまざまですが、感じる気持ちには必ず何らかの理由があるものです。

 

この感覚は簡単には改善できません。
潜在意識(自分で認識できない領域)に記録されているので、自分でも気づけないのです。
だから、いつどこでこの感覚が顔を出すかもわかりません。
 

こう考えてください・・・

頭のなかに壁面があり、その壁面には100個の引き出しが並んでいます。
その引き出しには1つずつ記憶が入っています。

そのうち、10個の引き出しには色が付いています。
色が付いているので目に見えます。
 

残りの90個は無色透明です。
透明なので存在もわかりません。

10個の色付きの引き出しは顕在意識です。
顕在意識とは、決断したり、選択したりなど、自分でコントロールできる意識のことです。
会社へ行く、食事をする、遊びに行く、などの日常わたしたちが生存していくために使っている意識です。
 

90個の無色透明の引き出しは潜在意識です。
潜在意識とは、感情や価値観、信念観念、直感、第六感などのコントロール出来ないものが入っています。
また、記憶の貯蔵庫とも言われ、過去の膨大は記憶が整理されて置かれています。
 

自分が憶えていない記憶でも、この潜在意識の引き出しには必ず入っています。
そして、どれかの記憶にはトラウマ(=心の傷)も入っているわけです。
 

引き出しに色をつける=「思い出す」

なんでかわからないけど、いつも自分に悪さをするトラウマを解消するには、無色透明の90個の引き出しに色をつける必要があります。

色を付けて、トラウマが入っているのがどの引き出しなのかをちゃんと知ることが大切です。
そして、トラウマとあなたが普段感じている不具合を結びつけることです。
 

親に何をされていたかを「思い出す」ことは、アダルトチルドレンにとっては非常に重要な回復の作業です。
しかし、多くの方が「思い出したくない」と言っては心の傷をそのままにして、見て見ぬ振りをしてしまいます。
 

それも無理のないことかもしれません。
親と距離が取れているのにわざわざあの嫌な過去を掘り起こすのはツラい作業でしょう。

だけど、もし過去にツラい親子関係があった親と距離が取れているのに、それ以外の人間関係(夫婦の関係、恋人との関係、会社の人間関係、友人との関係)に悩んでいるなら、、、

さらに、自分が親となって、自分の子どもに親からされたことと同じことをしてしまうようなら、、、
今のあなたには「思い出す」という回復の作業が必要なタイミングに来ているということです。
 

心の傷をギュッと握りしめている人はたくさんいます。
あまりにも強い力で握っているので、自分でも握りしめているものの正体はわかりません。
だからいつまでたっても手放せません。
 

手放すことは「知ること」です。

思い出してツラくなるのは悪いことではありません。
ツラくなるのは親の毒が外に出ているから感じる感覚です。
 

思い出して、自分を苦しめていた心の傷(=トラウマ)を知りましょう。
そして、握りしめていた手をパッと開き、「さよなら」と言って別れを告げましょう。

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