COLUMN
コラム
親との支配関係を崩すための気持ちの伝え方3つの大原則
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照
心を傷つける親の大多数は、
自分のやっていることが悪いことだということを認識していません。
「いつでも自分(親)が正しくて、
あなた(子ども)のほうが間違っている」
…という、なんの根拠のない強い思い込みをしています。
そして、あなたを支配やコントロールするために、
《根拠のない思い込みの土台》の上に成り立っている『心を傷つける言動』で攻め込んできます。
親の言動に対してあなたははっきりと断れているでしょうか?
「あなたたちがやっていることは正しいことではない。私は受け入れない」と伝えられているでしょうか?
大切なことは、勝手な思い込みをさせてはいけないということです。
そのためにははっきりと自分の気持ちを伝えることが重要です。
親が思い込むときの典型的なパターン
なぜ気持ちを伝えないと親は勝手に思い込むのか?
親に対して自分の気持ちを言わないことは、
親の行為を肯定することになってしまうからです。
親にしてみれば、何も言われていないのでそれが悪いことだとは気づけません。
何も言われない親はまたいつものように勝手な思い込みをするでしょう。
↓
(親)私の考えに合わない子どもは間違っている。間違っているから否定する
↓
(あなた)否定されるのが怖い/罪悪感があって気持ちを伝えられない
↓
(あなた)我慢して何も言わない
↓
(親)やっぱり、私は正しい( 、、、そしてまた否定する)
こんなふうに親はいつでも自分のことを正当化してしまいます。
そして次も、そのまた次も、勝手に思い込んであなたを攻撃してきます。
このパターンを変えないかぎり、
あなたはいつまでも親の支配されてしまう可能性が高いのです。
気持ちを伝えるときの3つの大原則
原則1 感情をストレートに伝えるのが大切
親をなるべく怒らせたくないと考えてしまうと回りくどい言い方になってしまうことがあります。
しかし、言われた相手とっては何が言いたいのかがわからないので結果伝わりにくくなってしまいます。
こういったときは「感情」にフォーカスを当ててストレートに伝えます。
例えば、親から傷つくことを言われたら、、、
「そんなことを言われてとてもつらい。やめてください」のように「つらい、悲しい」といった感情をもとにして気持ちを伝えます。
原則2 毅然とした態度が大切
おどおどしたり、目線を合わせなかったりという仕草は親にとって見れば弱々しく見えてしまい、付け入る隙を見せてしまうことにもなります。
親は自信のない言動を見逃しません。
見つけたすき間からどんどん侵入してきます。
怖い気持ちもあると思いますが、そこは勇気を出して立ち向かうことが大切です。
そもそも、気持ちを伝えることは悪いことではありません。
自分がしようとしていることに自信をを持って正々堂々と気持ちを伝えましょう。
毅然とした態度は親に真剣さと覚悟を見せていくことにつながります。
原則3 相手を攻撃しないで伝えることが大切
親も自分たちのやっていたことを否定されれば腹が立つでしょう。
腹が立てば自分を守るために攻撃してしまうのが人間です。
これまで大きな声を上げて子どもを脅してきた親であればもっと大きな声で脅してくるものです。
ずっと否定のことばかり言って来た親であれば、やっぱり否定してくるものです。
それに、あなたも過去の恨みつらみが募ってきて感情的になってしまいます。
結果、いつものように言い争いになってしまえばまた傷つくのはあなた自身です。
ですから、自分を冷静に保ち、攻撃的な言葉ではなく、あくまでも自分が傷ついていることと、今後そのようなこと受け入れないという気持ちを伝えることが大切です。
[最後に+1]わかってもらおうとしないことが大切
わかってもらおうとすると、途端に言葉が説明口調になってしまい感情の部分がなかなか伝わりません。
それに、親によっては一向に理解を示そうとしないこともあります。
そういった親に対してわからせようとすることは出口にない迷路に入り込むのと一緒です。
ですから、「私の気持ちを伝えられたら十分だ」と考えてみましょう。
伝えてみて、親が変化するかどうかは親次第です。
変わる親もいれば、まったく変われない親もいます。
うまくいかなかったとしてもあなたの行動は無駄ではありません。
勇気をふり絞って自分の気持ちを伝えたことは相当な自信をもたらすでしょう。
それは親を乗り越えたということでもありますし、心の決別を果たしたということでもあります。
恐怖心と罪悪感を感じても、それを乗り越えることで翻弄されない強い心を作ることができます。
どうしても興奮状態になってしまいそうなあなたには、、、
とは言っても、人間なんだから冷静さを保てないこともあるでしょう。
どうしても親が怖いと感じて言葉が出てこなかったりすることもあります。
頭がまっしろになってしどろもどろになることもあります。
親が何歳であっても、もう体力的に衰えているとわかっていても【怖いものは怖い】と感じるのが子どもの心理です。
そんなときはどうしたらいいか?
冷静さを保てないと感じたときは、
事前に伝えることを決めておくことをおすすめします。
対面で伝える場合には台本を作ります。
どうしても怖くて面と向かって伝えられないときは手紙を書きます。
そうやって、事前に何を言うか、なにを伝えるのかを決めておくのです。
台本ができたら、あとは棒読みでもいいので読み上げましょう。
憶えておかなければならないなんてことはありません。
どんな形であっても伝えられたら素晴らしいのです。
そのとき、あなたはこれまで何十年と服従してきた親子関係を変えたのですからね。
伝えることができたら、あとは親がなんと言おうと自分の思い通りに行動してみてください。
伝えたことと、行動が一致しているからこそ、見せた毅然とした態度はより強力に効果を発揮します。
親に示すあなたの言動の一致が親に対して『以前のようにコントロールできない』と感じさせることになります。
そのあと親が攻め込んでくるたびに同じことを繰り返してみてください。
繰り返しているとどこかの段階で親は攻撃を弱めてくるか、違う方法に変えてくるでしょう。
それはまさにあなたの覚悟が伝わっているということになりますし、
そのときあなたは自分に自信を持っていいときです。
身も心もどんどん行動しやすくなっていきます。
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