こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 

親との関係に苦しい思いをしてきた人たちの多くは、
幼い頃から親に恐怖を感じて従っていたり、
罪悪感で自己犠牲をしてきたというケースがあります。
 
親は子育てをする中で
家庭がうまく機能するために
一定の権威を持たなければなりませんでした。
 
しかし、時が経ち、
あなたが大人になってからも
依然として親からの強い支配を受け続けているのはなぜでしょうか。
 

毒親と呼ばれる
支配的で過干渉な親のもとで育った人は、
自分の人生を自分で決められないでいます。
 
親が気に入りそうにないことは我慢して、
親の機嫌を損ねまいと常に気をつかっています。
 
結果的に自分の本当の願いを押し殺し、
親が望むように生き方を仕方なく選んでいる人は
たくさんいます。
 

しかし今まで、
自分の親しか知らないあなたは
自分自身の心が支配されているなんてことは
考えてもみなかったかもしれません。
 
自分の親が正しくて
親を不機嫌にさせてしまう自分が
間違っていると考えていたかもしれません。
 

しかし、
そう感じてしまうのも
仕方のないことです。
 
子どもは親から多くのことを学び取り、
親の言葉を信じて、
親と同じような考え方をしようとして、
認められようとしますから。
 
だから、あなたも
認めてもらいたくて
親が正しくて
自分が間違っていると
思い込んできたのかもしれません。
 

もし、今のあなたが
今日まで親から心を支配されていたのであれば
あなた自身の考え方や行動にも
何らかのサインは現れているはずです。
 
何事もまずは知ることが大切です。
 
あなたが安心できる人生を生きていくためには、
今の自分の心理状態を知る必要があります。
 

このコラムでは、
不具合のある親子関係を経験している人に見られる
特徴的な考え方や行動についてお伝えしていきます。
 
まずは、
これからお見せするいくつかのパターンの中から
自分自身に該当するものを探してみてください。
 

親から心を支配されているときのサイン５つ

1. 親に何を言われるのかと怖くて本心を伝えていない

あなたは親の機嫌を悪くしないようにと思って
従っているということはありませんか？
 
親の言葉に傷ついていても
本当の気持ちを伝えたら
またひどく怒らせてしまうのではないかと考えて
伝えないでいるということはありませんか？
 
親に本音を伝えられないのは
強い恐怖心で心が支配されているサインです。
 

2. 親の顔色をうかがって態度を変えている

親がどんな気分なのかを常に気にしてしまい
楽しくもないのに楽しそうにしていたり
嬉しくもないのに喜んでみたいりと、
自分の気持ちとは違う態度を見せていませんか？
 
親が怒っているときは緊張して小さくなり、
機嫌が良いときでも気を使って振る舞うなど、
親の態度を常に気にして行動しているのということはありませんか？
 
親を見て態度を変えてしまうのは
傷つけられるのではないかという不安を感じ取り
避けようとしているときです。
 
親の顔色を気にして
自由に振る舞えないのは
心が支配されているサインです。
 

3. 親が怒りそうで怖いから嫌なことでも断れない

苦労している親の要望を
かなえてあげないといけないとか、
親を悲しませてはいけないと思って、
嫌なことでも無理してやっているということはありませんか？
 
断れないという状態は
恐怖心のほかにも、
強い罪悪感が影響している
場合があります。
 
親に申し訳なくて断れないのは
強い罪悪感で心が支配されているサインです。
 

4. 親を不機嫌にさせたくないから好きなことをあきらめていたり隠れてやっていたりする

親の機嫌を損ねてしまいそうで恐くて、
自分の好きなことをあきらめてしまっていた
ということはありませんか？
 
親に見つかったらまた厄介なことになると思って
隠れてやっているということはありませんか？
 
いつでも親の目を気にして
気づかれないように、
悟られないようにしようするのも
心が支配されているサインです。
 

5. 親の機嫌を良くしようとして親が気に入りそうなことをやっている

親を怒らせまいと、
あれこれと親の機嫌を伺い、
親が気に入りそうなことをして
機嫌を取ろうとしていませんか？
 
親が喜んでくれると嬉しくなって
親が悲しんでいると自分も悲しくなって
いつでも親の態度を見て
一喜一憂しているということはありませんか？
 
そんなふうに親の態度次第で
自分の気持ちが浮いたり沈んだりしてしまうのも
心が支配されているサインです。
 

自分の偏った考え方に気づいていくための新しい視点

たしかに、
親から支配から抜け出すのは
簡単なことではありません。
 
親に感じる恐怖心や罪悪感など、
長年の心の癖を変えるのは
多くの努力が必要だからです。
 
しかし、
一歩ずつ着実に進めば、
必ず光明が差し込むはずです。
 

もし、あなたが親との関係を変えていくことに
難しさを感じるのであれば、
ここでわかっておいてもらいたいことがあります。
 
それは、あなたの人生は
あなたの決断によって作られていく
ということです。
 
親の気持ちや考えが
あなたの人生にどのように影響していくかは
あなた自身で決められるということです。
 

あなたが親に従わないで
自分の決断で行動すると決めるなら、
親があなたの行動を変えることはできないはずです。
 
逆に言えば、
あなたが親に従っているなら
あなた自身が従って行動すると
決めているということになります。
 
たとえば、
「親が怖いからできない」のではなくて、
親を怖いものと決めて、
自分はその怖いものから傷つけられるはずだと決めて、
だから我慢してしないと決めているということです。
 

この先、
あなたがもう二度と親から
心を支配されないようにするためには、
長年の慣習を変えていくために大切です。
 
そのためには、
あなた自身が親に考え方を歪まされていた
ということに気づくことです。
 
そして、正しい視点を手に入れて
親の言葉や態度に惑わされることなく
判断していくことです。
 

これからお見せするのは、
長年親から心を支配されてきた人が
 
自分自身で考えて決めて生きていくという
自立した人生にしていくための
新しい考え方についてです。
 

この新しい考え方で
惑わさない心をつくっていきましょう。
 

１．親の言葉や態度は誰にとっても正しいものなのかと考えてみる

まずは親の言葉や態度に疑問を持てる自分を目指しましょう。
 
親の言葉や態度は本当に正しいのでしょうか？
この世にあなたの親が間違っていると思う人は一人もいないのでしょうか？
 
いつの時代でも、どんな場面でも、誰にとっても、
あなたの親の言葉や態度は正しいのでしょうか？
 
そのように考えてみて、
もしあなたの親の言葉や態度を
間違っていると思う人がいそうだったり、
ある場面では成立しないようだったら、
 
必ずしもあなたの親が
正しいとは限らないということになります。
 

今まで親の言葉や態度を疑うことなく、
それでも辛く苦しい思いをしてきたのであれば、
あなたは心のなかで「親は正しいはず」と
決めていたからかもしれません。
 

２．私の気持ちや考え方は誰にとっても間違っているのかと考えてみる

今まで親からたくさん否定されてきた人であれば
自分の気持ちや考えに自信が持てずにいたかもしれません。
 
そして常に自分が間違っているように感じて
自分自身を自己否定しながら
親に従ってきたかもしれません。
 

でも本当にあなたは間違っているのでしょうか？
 
あなたと同じように感じ、
あなたと同じように考える人は
一人もいないのでしょうか？
 
あなたの親と同じようなことを言われて
傷ついている人は一人もいないのでしょうか？
 
この世のすべての人が
親を大切に思い
親の考えがすべて正しいと信じ
従順に従っているのでしょうか？
 

いろいろと調べてみると、
じつは今までに
親が言っていたことのほうが間違っていて、
本当は自分の考え方のほうが
正常だったなんてこともあるはずです。
 
それでも今までずっと
自分に自信が持なかったのであれば、
あなたは心のなかで
「自分が間違っているはず」と
決めていたからかもしれません。
 

３．親が怒ったり不機嫌になったりしたら自分は何を失うのかと考えてみる

今までの親の発言や態度を思い出してみてください。
 
そして、
親の言葉や態度のどこに
恐怖心や罪悪感を覚えるのかを考えてみましょう。
 

もし、親が怒っている姿を見るのが怖いと感じるなら、
親が怒ったら自分は何を失うのかと考えてみてください。
 
もし良く考えてみて
怒られても失うものはないと感じるなら、
じつはあなたが感じていた恐怖心は錯覚です。
 
自分は弱くて強い親には抗えないと
決めていたからこそ生み出した錯覚です。
 

４．親が悲しむ姿を見て罪悪感を感じるときは自分の何が悪いと決めているのかと考えてみる

親が悲しむ姿を思い出して
罪悪感を感じるときは、
 
あなたが親は弱い人だと決めていて
そんな親を支えない自分が悪いと
決めているときです。
 
じつはそれも錯覚です。
 

罪悪感を煽られてきた人の多くが
親を弱い人だと思いこんでいて
本当はやりたいことではないのに
親に対して自己犠牲をくりかえしている
という特徴があります。
 
親にも生きていくための力は備わっています。
 
それなのに、
あなたが支え続けていたら
親は生きていくための力を使おうとせず
相変わらず弱いままです。