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コラム 親がヒステリックで困る

ヒステリックな母親との関係を改善していくための7つの方法

ヒステリックな母親との関係を改善していくための7つの方法

こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
 
ヒステリックな母親との関係って
苦しいですよね。
 
すぐ感情的になるし、
何を理由に怒り出すかわからないし、
思い通りにならないと「あなた」のせいにする
なんてこともあったりして、
 
いつ何が起こるかわからずに
あなたの心の中は不安でいっぱいに
なっているかもしれません。
 

でも、
もう二度と会わないようにするとか、
物理的に距離を取るのは後ろめたくて、
 
できれば、関係を改善して
以前のように仲の良い状態になりたいと
思っている人もたくさんいると思います。
 
しかし、
やり方がわからずに強い不安を感じ続けて
身動きが取れなくなっている
なんてこともあるでしょう。
 

それでは、
どうやったらヒステリックな母親と
良好な関係をつくっていけるのか?
 
このコラムでは、ヒステリックな母親と
この先どのように関わっていけばいいのかについて
お伝えしていきます。
 

ヒステリックな母親から傷つけられないための7つの方法

1.母親の生育歴を理解する

ヒステリックな母親は、
怒りを心のなかに溜め込んでいます。
 
まるで瞬間湯沸かし器のように
些細なことですぐに爆発して
子どもに感情をぶつけてしまいます。
 

このようなヒステリックな母親は
つらい生育歴を持っている人がたくさんいます。
 
幼少期のころから問題のある家庭、
問題のある親のもとで育ってきた
というケースがほとんどです。
 
たとえば、
支配的な親から育てられてきて
一切の自由もない環境でつらい思いをしてきたとか、
 
子どもに興味関心を示さない親のもとで
常にさみしい思いを抱えながらも、
親の愛情を獲得するために
『良い子ども』をアピールして
自己犠牲をしながら成長してきたとか、
 
どのようなケースにも共通して言えることは、
自分の気持ちを優先して生きてこれなかった
ということです。
 

人は自分の気持ちを優先して生きられないと
ストレスを感じ、そのストレスを溜め込んでしまいます。
 
幼少期のころから溜め続けてきたストレスは
大人になっても解消されず、
 
まるでドロドロとしたマグマのように
心のなかに残り続け、
いつ噴火してもおかしくないような
状態になってしまいます。
 

あなたの母親が
つらい生育歴を経験していれば、
 
ヒステリックな振る舞いの原因は
あなたの行動にあるのではなく、
 
母親のこれまでの人生経験に
隠れている可能性が高いということです。
 

2.母親のヒステリックな態度の背景にある心理を理解する

ヒステリックな母親の行動の背景には
劣等感や被害者意識が潜んでいます。
 
劣等感が強い人は
心のなかで自分を認めていなくて
否定を続けています。
 
だから、
周囲からバカにされて
見下されていると思い込んでいたり、
 
自分を守るために
常に自分の強さをアピールしていなければ
気がすまないという人もいます。
 

被害者意識が強い人は
他人に強い期待を抱いています。
 
自分は弱い人間だから
他人がやってくれて当たり前。
 
自分は頑張ってきたから
他人から敬ってもらって当たり前。
 
そんなふうに考えて
他人に満足させてもらおうと考えていますが
少しでもうまくいかないことがあれば
すべて他人のせいにするものです。
 

これと同じことが親子関係でも起こります。
 
劣等感が強い母親は
あなたが母親の意に反する行動をとれば
母親は「バカにされた」と受け止めるでしょう。
 
被害者意識が強い母親は
自分の思い通りにならないと
悲劇のヒロインを演じて
周囲を巻き込もうとすることがあります。
 
傷ついている姿を見せれば
誰かが味方をしてくれて
子どもを従わせられると考えるからです。
 

ヒステリックな母親の行動には
すべて理由があります。
 
ヒステリックになる理由がわかれば
母親の行動を予測することもできるでしょう。
 
予測できるようになれば
何が起こるかわからないという不安も
少なくすることができます。
 

ヒステリックになる母親の
心理構造がわかると
あなたにとってメリットになることが
たくさんあるでしょう。
 
どんなときに母親が
ヒステリックになるのかが
予測しやすくなるので
なにもわからずに不安を感じてしまう
という場面を減らすこともできます。
 
予測ができれば
対策を考えやすくもなります。
 

3.自分を責めることをやめる

あなたは今まで、
母親からたくさん否定されて
きたかもしれません。
 
否定されるたびに
母親と良好な関係を築けないのは
自分が悪いからだと思ってきたかもしれません。
 
母親のヒステリックさは、
あなたがどう努力しても
変えられない部分が大きいです。
 

心の問題というのは
その問題を抱えている本人が
「治したい」「変えたい」と思わない限り、
変わっていくことはありません。
 
母親自身が自分の心に向き合って
自分の生育歴を見つめ直し
もう二度と子どもを傷つけないと決めない限り、
根本的な問題が解決していくことはありません。
 

そんなとき、
あなたが自責の念にとらわれて
自分の本心を優先せずにいたら、
あなたこそストレスを溜めることになってしまいます。
 
それでは
母親と同じ道をたどることになってしまい
心身ともに蝕まれてしまいます。
 

母親の問題は、
あなたの問題ではありません。
 
母親の問題は
母親自身が解決していく
必要があります。
 

自分を責めることをやめられると
あなたは心の余裕を手に入れられるでしょう。
 
ただでさえヒステリックな母親の言葉や態度で
傷ついているのに、
さらに自分で自分を責めてしまえば
いつかあなたの心は折れてしまうかもしれません。
 
自分を責めることがやめられば
すべてではなくとも
心の傷は減らすことができます。
 

4.心のなかに境界線を引く

この先、あなたが
母親のヒステリックの標的にならないように
心のなかに境界線を引くことが大切です。
 
心のなかに境界線を引くとは
母親の人生と自分の人生を別のものと考えて
混ぜないように分けていくことです。
 

あなたの生き方は
すべてあなたが決めていいはずです。
 
母親がどう思っていても
あなたがやりたいと思うことは
やっていいはずです。
 
反対に、
母親がどんなにやらせたくても
あなたがやりたくないことは
やらなくてもいいはずです。
 
あなたの人生はあなたのもので
母親のものではありません。
 

それなのにあなたが母親に従っていたら、
母親はいっこうに自分の人生に向き合おうとしないでしょう。
 
境界線を引いて分けなければ
あなたもずっと母親に従い続けて
自己犠牲を強いられる人生に
なってしまいます。
 

まずはあなたの心のなかで
自分の側と母親の側で分けておくことが大切です。
 
自分の人生と母親の人生のあいだに境界線を引いて
ヒステリックな母親から
侵入されない心をつくっていきしましょう。
 

心の中に境界線を引くことができると
母親の言葉や態度に疑問を持つことが
できるようになります。
 
何が正しくて
何が間違っているのかがわかりやすくなるので
わけもわからず母親に従うということも
減っていくでしょう。
 
明確な判断基準が持てるので
迷うことも少なくできるし
適切な判断もしやすくなるはずです。
 

5.母親の期待を減らす

母親が怒っていると怖いですよね。
 
怒っている母親を見ていると
自分の人生が壊され奪われてしまいそうで
不安でしたよね。
 
だから、
母親の機嫌を少しでも良くしようと思って
やりたいことをあきらめたり、
やりたくないことも我慢してやってきましたよね。
 
母親に従えばいくらかでも穏やかになるので、
今までその方法が正しいと思って
やり続けてきましたね。
 
しかし、
今ではその方法でもうまくいかなくて
心が壊れそうになっているのではないでしょうか。
 

じつはその方法を続けていると
母親が感じる「子どもへの期待」は
どんどん強くなっていきます。
 
ここで言う「期待」とは、
前向きな意味ではありません。
 
たとえば、
「大きな声を出せばあの子は従うだろう」とか
「私が悲しい素振りを見せれば優しくしてくれるだろう」とか
 
きっと子どもをコントロールできるはずという
責任転嫁や他責の期待です。
 
そんな期待を増やさないためには、
母親に従わないことが大切です。
 
そのためには、
母親のヒステリックな態度に動じることなく、
毅然とした態度で対処することが不可欠です。
 

母親の要求を受け入れ続ければ、
母親の期待は高まっていき
あなたのことをいつまでも
コントロールし続けようとするでしょう。
 
ヒステリックな母親は、
怒鳴ることで子どもを
従わせることができると思い込んでいます。
 
そんなとき、
あなたが動揺や怯えの気配を見せれば、
母親はその手段が有効だと学習し、
さらにヒステリックな状態が進行してしまいます。
 

ですから、
母親の過剰な要求にはしっかりとNOと宣言し、
母親の期待に応えないことが大切です。
 
母親が怒鳴り散らしても、
決して動じずに冷静な態度を
見せましょう。
 
母親の感情の高ぶりに
動じないように気をつけましょう。
 

冷静な態度を見せられるようになると
母親はきっとさらに感情的になって
怒ったり泣いたりするかもしれません。
 
あなたが毅然とした態度で対処しても
母親がまだヒステリックになるのは、
 
今までに貯めてきた
「あなたへの責任転嫁や他責の期待」
の残高がまだまだたくさんあるからです。
 
あなたがコントロールされてきた
歴史が長ければ長いほど
期待の残高はたくさん貯まっているはずです。
 

そんな話を聞くと
まだ母親のヒステリックと
関わっていかなければならないのかと思って
不安になるかもしれませんが、
でも心配しないでください。
 
母親がヒステリックになるのは
あなたをコントロールできないからです。
 
母親が感情的になるのは
あなたを思いどおりに
従わせられていないからです。
 

だから、
この先に母親がヒステリックになるなら
あなたが従っていないときです。
 
あなたが従わなければ
母親の期待は増えていきません。
 
母親がヒステリックなときは、
あなたが自由を生きているときです。
 

6.母親をあきらめさせる

あなたをコントロールできなくなると
母親はしばらくヒステリックな状態を
続けるはずです。
 
あなたもそんな状態の母親を見て、
それがこの先ずっと続きそうで
不安になってしまうかもしれません。
 

しかし、
あなたが一貫して冷静沈着な態度を示し続ければ、
母親はやがてあなたをコントロールできないと学習して、
あきらめていくでしょう。
 
「学習してあきらめる」というのは、
あなたをコントロールするために
ヒステリックな状態になることを選んでいた母親が、
 
あなたをコントロールできなくなって
そもそもヒステリックな状態になるメリットが無くなって
やめていくということです。
 

一般的なケースでは、
母親に適切な対処をしていれば、
母親が子どもをコントロールできないと学習して
あきらめていくまでの期間は
およそ1ヶ月間です。
 
私も実際に相談者さまをサポートしていくときには
1ヶ月間を目安にしながら
対策を考えて対処方法などをアドバイスしています。
 

もし1ヶ月を過ぎても
母親が変化していかないのであれば
何らかの理由があるはずです。
 
母親のヒステリックな姿を見て
恐れ怯えてしまって
冷静に対処できていないとか、
 
断れることもあるけれど
強く否定されると怖くて
我慢して従ってしまうこともあるとか、
 
全部、もしくは一部で
適切に対処できていない
という可能性が高いです。
 

あなたが母親からコントロールされなくなると
一時的には母子関係が悪化するかもしれませんが、
長期的には母親のヒステリックさが和らぎ、
新たな関係を築く糸口が生まれるということです。
 
母親があきらめるよう導くことが
解決への大きな一歩となります。
 

7.新しい関係をつくる

ヒステリックな母親とのあいだに境界線を引き
毅然とした態度で対処ができるようになり
コントロールできないと学習をさせて
あきらめさせたあとは、
母親との新しい関係づくりを
目指していくことになります。
 

ただし、ここでわかっておかなければならいことがあります。
 
それは、
すべての親が子どもとの健全で良好な関係を
望んでいるわけではないということです。
 
なかには、絶対に自分は悪くなくて
従わなくなった子どもが自分勝手でわがままで
自分は完全な被害者だと信じている親もいます。
 
そんな親は、
子どもの気持ちを考えることなく
とにかく従わせようとします。
 
子どもの言葉に耳を貸さず
あいかわらず一方的に考えを
押し付けてこようとします。
 

そのほかには
コントロールできなくなった子どもを
拒絶する親もいます。
 
関わらないとか、
無視しているとか、
実家に寄せ付けないとか、
とにかく関わりを絶とうとします。
 

もし、あなたの母親がそこまでではなく
対話もできるし、子どもの気持ちを察する
こともできるということであれば、
 
健全で良好な新しい関係をつくれる可能性は
まだまだ残っているでしょう。
 
母親の言葉や態度で傷ついているのであれば、
はっきりと「傷ついた」と伝えましょう。
 
そして、その言葉の証拠を見せるように
母親の目の前から立ち去ってもいいでしょう。
 

そのほかにも
たくさんの対処方法がありますが
共通していることは、
 
母親に対して
何をすると子どもは傷つくのか、
何に気をつけなければならないのか、
何をしてはいけないのかを
あなたの言葉や態度で
母親に新しく学習させていくことです。
 
それによって、
母親が自身の問題に気づき
自分の言葉や態度によって子どもを傷つけて
いたことを認識できるようになれば、
今度は「傷つけないように気をつけよう」
と思える人に変わる可能性は十分にあります。
 

ただし、それでも母親は
ときおりヒステリックになるかもしれません。
 
ヒステリックになっているときというのは
心に余裕が持てずに感情のコントロールができないような
『乖離状態』なので、
 
母親自身が気をつけていても
あるふとしたきっかけでヒステリックに
なってしまうからです。
 

そんなときでも、
あなたが冷静に対処して
母親に毅然とした態度を見せる
重要性は変わりません。
 
そうやって一貫した態度を見せていくことで
母親の心のなかに「気をつけなければならない」
という気持ちが定着していきやすくなります。
 

母親とあなた、お互いに自立していく

ヒステリックな母親との関係を改善していくうえで
いちばん大切なことは、
母親の言葉や態度に振り回されないように
あなた自身が精神的に自立して、
母親自身もあなたから自立を果たすことです。
 
親子がお互いに自立を果たせば、
支配‐被支配の関係ではなく、
対等な大人同士の関係が築けます。
 
互いを受け入れ、
尊重し合えるようになります。
 
そして親は子どもへの期待を手放し、
子どもは親への恐れを手放せるようになるでしょう。
 
そうすれば、これまでのように
歪んだ親子関係で悩まされることもなくなります。
 
親は親の人生を、あなたはあなたの人生を、
それぞれが主体的に歩めるようになるのです。
 

親子の精神的な自立は、
お互いを自由にし、
本来あるべき健全な親子関係を取り戻すための
重要なステップです。
 
親子関係の改善を望むときは、
母親もあなた自身も、
精神的自立を目指すことが何より大切です。
 

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