COLUMN
コラム
否定的な親にダマされない見極め基準
From:親子関係カウンセラー 川島崇照
王様と奴隷のおはなし
あなたは『奴隷』です。高い高い塔をつくる奴隷です。しかし、どのくらいの高さで完成なのかは知らされていません。
頂上には自分が正しいと信じて疑わない王様(=親)がいます。そして、あなたに塔の材料である重い石を運ばせます。
あとどのくらい重い石を運べばいいのかわかりません。
何も知らされていないので不満がつのります。
奴隷は王様に聞きました。
「私はいつまでこの作業をすればいいのですか?」
王様は言いました。
「私の気がすむまでだ。余計なことは考えるな」
「従わないものはこの塔から飛び降りろ!」
…と、ひどい言葉でののしり、ムチで体を打ち付けてくるのです。
王様の態度に恐ろしさを感じた奴隷は仕方なく従うことにしました。
「もう傷つけられるのは嫌だ」と思った奴隷は、できるだけ王様の怒りに触れないようにしようと考えました。
いつも、「王様にムチで打たれないだろうか?」と考えて、行動するようになりました。
でも、どんなに王様のことばかり考えていたとしてもムチは飛んでくるのです。
王様は気分屋なので、何が怒りに触るのかが奴隷にはわかりません。
とうとう奴隷は考えることをやめてしまいました。
なにをしてもムチで打たれるので、すべてがムダのように思えてしまったからです。
奴隷はいつもと変わらず黙々と塔をつくりつづけます。
いつ終わるともわからない作業をつづけます。
最後にはムチで打たれても痛みを感じないように心を閉ざしました。
それが自分を守るための唯一の方法だと思ったからです。
毎回毎回、打たれます。
昨日も今日も、そして明日も、、、
親が〈否定〉するときの心理背景
王様は『心を傷つける親』です。
奴隷は『子ども』です。
ムチは『「否定』です。
高い塔は『親が支配する家』です。
高い塔の話でもわかるように、親はあなたに落ち度があるから否定しているわけではありません。
親はいつまでも自分が君臨できる環境を持ち続けたいから否定するのです。
また、正しい考えを持とうとする子どもに対してもありとあらゆる方法で否定をしてくるでしょう。
否定して、親のやっていることは正しくて、子どもが間違っているのだと知らしめることで、「親>子ども」という親にとって都合の良い関係を取り戻そうとするからです。
否定されていると、ツラくてツラくてたまらなくなります。
「なんで理解してくれないんだろう、、、」と悲しくて胸が張り裂けそうになります。
いつも否定されていれば、いつしか自分の気持ちがわからなくなってしまいます。
親の否定を恐れて、自分の気持ちにフタをして、いつも行動を変えていれば、あなたと親の間に主従関係が生まれます。
それはまるで【王様と奴隷】の関係です。
親の否定にだまされない聞き方
親の否定の言葉を冷静になってよく聞いてください。
実は、そのほとんどは支離滅裂、根拠がない、勝手な決めつけ思い込みだったりすることが多いのです。
さっきは「白」と言っていたことが、一瞬で「黒」にすり替わったりすることは日常茶飯事です。
2.相手は親ではなく、あなたと対等な一人の人間として聞くこと
3.言っていることにちゃんとした理由があるか?筋は通っているか?と考えながら聞くこと
親の言っていることをまるごと受け取ってはいけません。
大切なことは、あなたが「感じて考えること」です。
親の「否定」に騙されないでください。
子どもにとって毒になる親は、「自分が頂点に立っていられる高い塔」(=親が子ども支配するための間違った秩序)をつくります。
そのためにあなたを毎日「否定」します。
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