COLUMN
コラム
「助けない親」もあなたの心に傷をつけた
From:親子関係カウンセラー川島崇照
自分が片方の親から心傷つけられる行為で辛い思いをしていて、一方の親はそれを知っているのに助けてくれない、、、
「どうして助けてくれないんだろう」と思った経験はありませんか?
殴る、蹴る、度重なる否定や罵倒、価値観の押し付けなどは直接的に心を傷つける行為です。
親がいつも家にいない、困っていても助けないなどは間接的に心を傷つける行為です。
直接あなたに何かをしたわけではない親が実はあなたの心に傷を負わせていたというケースがあります。
これも立派な虐待です。
「助けない」は虐待に加担する行為
子どもだった時のあなたは親に自分の考えをはっきり示すなんてことはできなかったでしょう。
小さい自分にはそうするだけの言葉も知識もきっとなかったはずです。
でも、心が不健康な親はおかまいなしに自分の都合子どもに押し付けてきます。
そんなとき、片方の親が見て見ぬふりをしていたり、無視をしていたるすることも子どもにとっては非常に辛い経験となるでしょう。
不健全な行為を止めない親も不健全なのです。
やめさせないことは「もっとやっていいですよ」というメッセージを送っていることと同じです。
それは間接的に虐待していることになりますし、子どもが受ける影響は直接的に虐待しているときとさほど変わりません。
子どもを助けなかった理由
なぜ、虐待を目の当たりにして助けないのでしょうか?
多くのケースでは、『助けてくれない親』も虐待する親を恐れていたとうパターンがありました。
父親が虐待加害者のケース
父親が暴力や怒りの爆発などの行為をする人だった場合に多く見られます。
母親にも激情的な父親を恐れる気持ちはあるでしょう。
助けに入ったら自分が暴力を振るわれるのではないか、、、
恐怖支配の度合いが深ければ、自分も被害者になることを恐れてしまい、助けに入ることができなくなってしまいます。
子どもを生け贄(いけにえ)にして自分の身を守ろうとする親は少なくありません。
母親が虐待加害者のケース
母親がヒステリックであったり、過干渉や過保護な人である場合に多く見られます。
父親は、母親のヒステリックな言動を見ては“面倒だ” “問題を大きくしたくない”という気持ちがあるでしょう。
また、過干渉や過保護は一見、子どものためを思ってやっている行為にも見えることもあります。
苦しむ子どもの姿を見ても、“わがまま” “親の気持ちがわかっていない”と母親を擁護することもあります。
しかし心のなかでは、『母親がまた不機嫌になると面倒だ、、、』という本心があることもあります。
母親が不機嫌になれば自分にも火の粉が飛んで来ることを予想します。
子どもに対して「母の気持ちを受け入れろ」とは言いますが、それは自分を守ろうとする心の現れだとも言えます。
子どもの心を傷つけないための役割分担
もし、あなたが家庭を持っていたら、子どもに対してどのように接しているかを振り返ってみてください。
- 片方の親が子どもに行き過ぎた怒りを見せた時、もう一方の親は子どもを助けに入っていますか?
- 子どもの考えを聴き、代弁してあげていますか?
- 片方の親が叱ったら、片方の親が許すなど、役割分担はありますか?
この3つの方法はあなたが子ども時代にしてもらいたかったことかもしれません。
逆にこうされてこなかったので、逃げ場もなく苦しんでいたのでしょう。
あなたが親から心を傷つけられていたのなら、その行為を下の世代に連鎖させてはいけません。
あのつらかった時代を二度と繰り返してはいけないのです。
連鎖の鎖を断ち切ることは、あなたに残る親からの影響を手放すということです。
それはあなたが“あなた自身を救い出す”ということです。
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