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ご相談事例

[相談事例]母から結婚するなら縁を切ると言われます。

母から結婚するなら縁を切ると言われます。

コラムのリクエストをいただきました

お名前 : K.Y.さん
 
いつもお世話になっております。
以前、一度カウンセリングしていただいた者です。
その後もメルマガに毎日励まされています。
コラムのテーマにしていただけたらと思います。
 
親に結婚を反対され、辛い思いをしているときに川島さんのカウンセリングを受け、「その親の傾向は依存で、親の意向と関係なく結婚しても良い。その後に認めてもらうのでも構わない」、とお話いただきました。
 
その後、母から手紙で、結婚するなら縁を切ると言われました。
説得にも応じてくれそうにもないため、母か彼のどちらかを選ぶしかないと思い、そうは言っても大切な親なので、なかなか踏ん切りがつかないでいましたし、本当はわかってもらって仲直りしたい気持ちがあります。
 
何度か手紙のやりとりを続けていますが、謝罪する割には許せないと言う母に、疲れてしまい何もかも捨てて母などいなかったように生きたい気持ちと、最後に母に納得してもらえるよう話すとしたらどう話すべきだろう、という気持ちが毎日交互にやってきます。
 
「怒り方が分からなかった」とか「ただ仲良くしていたかっただけ」などと書かれると、情が湧いてくる一方で「こんなみじめな孫の姿を見せたくないから、祖父母が元気なうちはお願いだから結婚しないでくれ」といわれ、そんなに酷いことをしてるのだろうか、と自信を失ってしまいます。
 
自分がどうしたいのかわからず、毎日揺れ動いているときに取るべき行動があれば教えてください。
また、最後にこれだけは言っておくべき、ということがあればアドバイスお願い致します。
 

ご質問にお答えします

K.Y.さん
以前はありがとうございました。
 
今回は母を見て気持ちが揺れ動いてしまうというお悩みでしたね。
謝罪をしてくる割には許せないとも言っているなど、ちぐはぐな態度を見せてくるのですね。
 
わかりました。
あなたの母親が今どのような心理状態にあって、どうしたらあなたが納得して前に進んでいけるのかについて、アドバイスいたします。
 

依存的な母親の精神構造

まずは、改めてあなたの母親の精神構造についてお伝えしておきたいと思います。
 
以前のカウンセリングでもお伝えしましたが、あなたの母親は依存傾向が強い人です。
依存とは、自分自身に問題があるという認識を持てず、でも苦しくて不安に感じるから、その不安をやわらげるために、なにか別のものにのめり込んでいるような心理状態です。
 
そして、あなたの母親の依存先はK.Y.さん、あなたなのでしょう。
 

子どもに依存をする母というのは、子どもなしでは生きられないと決めていて、だからこそ子どもの自由を制限しようとします。
 
たとえば、いつ、どこで、誰と、何をしているのか、を根掘り葉掘りと質問攻めにして子どものすべてを知って安心しようとします。
 
ほかには、少しでも親が不安を感じるようだったりすると、あれはダメこれもダメ、ああしろこうしろ、と否定と命令が多くなり、母が望んだ子どもの行動にしようとします。
 
子どもを自由にさせたら自分が依存ができなくなりそうで不安だから、一生懸命に自由を制限して、親のもとから離れていかないようにします。
 

納得させようとすると母の問題はますます大きくなる

そして、今回のアドバイスでいちばん重要なことは、依存的な親を納得させようとすると、母親の問題もあなたの心の傷も、ますます大きくなってしまう可能性があるということなんです。
 
どういうことかというと、あなたが母を納得させてから結婚をしようと思うと、母にとっては目の前にまだ結婚をしていない娘の姿を見続けることになります。
 
今までずっと子どもにすがって頼ってきた親は、自分の力で生きていかないと決めているし、子どもがいなくなったら不安が現実になると決めているものです。
だから、必死になってがむしゃらに行動します。
 
そんな心理状態の母親があなたから説得されるということは、結婚を反対している限りこの先もコミュニケーションが続けられることになるし、母だって結婚をいつまでも実行しないあなたを説得できるチャンスが残るわけです。
 
とすると、母親はずっと自分の思い通りにならないあなたを見て、不安定な心理状態のまま生き続けなければならず、ますます自分の問題に向き合えなくて依存心はさらに強くなっていくでしょう。
 
あなたも結婚を認めてもらえず、親を納得させることもできず、この先ずっとかなわない可能性の高い理想と現実の狭間で心が揺れ動いて、傷ついていくのだと思います。
 

不憫を演じるパフォーマンス

現在の母親は、自分が娘のあなたに依存をしているという異常な状態を認識していないし、それによってあなたの自由を制限していることにも気づいていません。
 
ようするに、母は自分が間違っていることをしているなんて、まったく考えていないということです。
言い換えれば、間違っていないのだから、今までの考えを変えてあなたの自由を認める必要はないと考えているかもしれないということ。
 
祖父母の話を引き合いに出して、「こんなみじめな孫の姿を見せたくないから、祖父母が元気なうちはお願いだから結婚しないでくれ」と言うのも、その気持ちの現われなのでしょう。
 
依存的な親というのは、よく親戚親類の話を出してきては、子どもの考えを否定し変えようとします。
でもそれ、依存的な親がよくやる「不憫を演じるパフォーマンス」なんです。
 

依存的な親はとにかく自分の依存先を失いたくありません。
そんな親が子どもの結婚を反対しても従ってくれないと見るや、作戦を変えて不憫な親を演じることがあります。
 
あなたはただ好きな人と一緒に生きていきたいと思っているだけなのに、依存的な親は子どもから裏切られたような気持ちになるから、一生懸命に不憫さを演じて引き留めようとします。
 
「縁を切る」と言うのもパフォーマンスの一つ。
そう言えばあなたが結婚をあきらめてくれるのではないかと考えるから出てくる言葉です。
 

しかし、それでもあきらめてくれないとわかると、今度は第三者を巻き込みます。
 
おじいちゃんも心配しているとか、おばあちゃんも反対していたとか、親戚みんな認めるはずがないとか、そんなふうに言われると、あなたも感じていたように「自分はそんなに酷いことをしているのか?!」と思って、自分を責めてしまいますよね。
 
親も傷ついているし、祖父母も傷ついているぞと、それほどに罪の重いことをしているんだと言われて、平気な人なんてあまりいません。
 

母との新しい関係をつくる

もっとも重要なことは、あなたが母親の依存を受け入れないことです。
 
母から「祖父母が元気なうちはお願いだから結婚しないでくれ」と言われて結婚を延期するとか、もうすでに自分の考えは決まっているのにまた母と話し合いをするとか、それをしていると母の依存心は少なくなっていきません。
それをしていると、母もあなたも苦しいままで、いつか共倒れになってしまいます。
 

あなたの気持ちや考えは、あなたにとって正しいです。
問題なのは、あなたの正しさによって決めたあなたの生き方を母親が変えようとしていることです。
 
だから、あなたが嫌だと感じたことは断ってもいいし、聞きたくないことは聞かなくてもいいです。
そうやって、「私には私の生き方がある」って母に見せてほしいんです。
 
それに加えて、あなたの母親は依存先を失いたくない人ですから、あなたから嫌われることも避けようとするはずなんです。
 
もし母がまた結婚を反対してきたら「そんなふうに言われても私の考えは変わらないし、それでも反対してくるなら私もお母さんと会いたいとは思えないよ」と伝えてもいいですね。
 
怒り方が分からなかったとか、ただ仲良くしていたかっただけと言うだけで態度が変わらないのであれば、「そんなふうに言われても行動にあらわれていないなら信じることができないよ」と伝えてもいいですね。
 
そうやって、今までの「母が上であなたが下」という関係性を変えていかなければいけません。
 
母とあなたの関係が対等になれば、母もあなたの話に耳を傾けられることが多くなるはずです。
それにはまず、あなたが母の下でいることをやめなければなりませんね。
 

以前のカウンセリングでもお伝えしたように、結婚したあとに親に認めてもらうのでもいいんです。
その理由は、あなたが自分の権利である結婚をすることによって、母の下にいることをやめるという態度を見せ、自らの行動で対等になっていくことです。
 
私は、今までたくさんの人たちが親との関係性を変えて幸せな結婚をしていく姿を見てきました。
母との関係性を変えると決めて、適切な行動をしたら、みんなと同じようにあなたもそうなっていくはずです。
 
結婚はあなたの権利ですから、母から何を言われても自分の思ったとおりに実行していきましょう。
あなたの人生はあなたのものですから、誰から何を言われても自分で決めたように生きていきましょう。
 

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