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コラム 親が否定する

親が言う「常識」ってホントなの?

親が言う「常識」ってホントなの?

常識という言葉を使う親は自分自身を正当化したい

「常識」という言葉を使う親の心理背景は『子どもを親の考えに従わせたい』です。

じつはこの世に常識なんていう、すべての人に共通した正解なんてものはありません。どんな人にでも価値感があり、それぞれの人によってその価値感は違うのですから、共通の正しい正解なんてものは存在しないんです。

でも親は「常識」っていう言葉を使いますよね?!

その言葉を使うのは、親が自分の考えが正しいと思い込んでいて、あなたにも親の考えが正しく作用すると決めているからです。

簡単に言うと、親があなたの価値感を認めていないということであり、親から価値感を押し付けられているという状態なんです。

大切なことは、最初から常識なんてものはないんだとわかっておくことです。そして常識という言葉を使う親は自分の考えが正しくて、その考えに子どもを従わせたい人たちなんだと知っておくことです。

常識という言葉に惑わされないでください。その言葉を聞いて罪悪感に飲み込まれそうになったら、一旦冷静になって「常識なんて最初からないんだよ。誰にでも共通の正解ってないんだよ」と自分に言い聞かせてもらいたいのです。

一般化という話法の罠

あなたも学校で学んだことがあるかもしれませんが、「常識」という言葉を使うことを一般化話法と言います。一般化とは、あたかもそれが一般的なものだとするような言葉の使い方です。

みんなが知っていて、みんながそうしていて、すべての人がそう考えているかのような状態を言い表す話し方です。

常識という言葉の他にも、「こんなのできるのは当たり前」とか「これが普通だ」「みんなそうしている」「していないのはあなただけ」なんてのがありますね。あなたの親はこんな言葉を使いますか?

小さい子どもの頃から一般化の言葉を使われて叱られていたりすると、一般化の罠も見抜けなくなるし、その罠から抜け出せなくなります。

一般化の言葉を聞いてしまうとあなたも罪悪感でいっぱいになってしまったり、「私には常識がないんだ」とか「私は誰もが知っていることも知らなかったんだ」なんて自己否定を繰り返してしまうかもしれません。

そして何度も一般化の言葉が擦り込まれていると、「私はどうせ非常識で間違うから気をつけなければならない」とか「私が考えたことは失敗するだろうから、親の従っておくのがいちばんだ」なんて考えるようになってしまいます。

こうやって親の言葉に洗脳されるかのような心理状態になってしまいます。最初は親が子どもを支配するために使っていた言葉が、今度は子ども自身が親の支配を受け入れるための言葉に変わってしまうんです。

これが一般化の罠なんです。

一般化の罠に陥らないためには、常に疑問を感じられるようにしておくことが重要です。

・ホントにそれが常識なの?すべての人に聞いたの?
・「みんな」って誰?あなたが都合よく選んだ人たちだけじゃないの?
・あなたのように思う人もいれば、思わない人もいるよね?!
・私と同じ考え方の人もいるし、あなたの考え方と違う人もいるよ!
・私を従わせたいからそう言っているんじゃないの?!

価値感とは人それぞれが違うものを持っています。考え方は価値感をもとにした思考ですから、価値感が違えば考え方も違ってきます。考え方が違うのですから正解も違います。

親であってもあなたにとっては違う価値感を持った他人ですから、自分とは違う価値感を押し付けてくるような人とは仲良く付き合っていけませんね。ですから、常識、普通、当たり前、誰だって、みんな、、、こんな言葉を使っている人がいたら要注意です。

重要なことは何が正しくて何が間違っているのかではなく、他人に価値感を押し付ける人を見たら疑わなければいけないということなんです。

常識をルールやマナーと混同しない

常識なんて無い!というのはすでにお伝えしたとおりなんですが、ここで多くの方たちが迷うのが常識とルールやマナーの違いについてです。

特にこの日本では和を尊ぶという考え方が根強く、他人に迷惑をかけてはいけないと言われ続けていますよね。だからルールを守らなければいけないという規範意識が強いとされています。

ルールというのは簡単に言えば法律のことだと思ってみてください。法律は多くの方が社会生活を営んでいく際に安全安心に生活していけるようにした、すべての人が幸福を目指すための共通の決まりごとです。

この共通の決まりごとの中に、学校で学んだ憲法とか刑法、民法というようなさまざまな場面で適用されるルールが入っています。

マナーとは、自分が誠実に生きていくための配慮だと思ってみてください。マナーについての考え方は人それぞれ違うと思いますが、ここで解説するのは心理的なものです。

マナーは誰かのために守ることではなく、自分のために守ります。自分自身が心安らかに自分に自信を持って健やかに生きていくための行動規範です。

道にゴミを捨ててはいけない。捨てると街が汚れるし、みんなも迷惑するから。これはルールです。でも、道にゴミが捨てられているのを見たら嫌な気持ちになるし、自分もゴミを捨てるような人間にはなりたくない。こういうふうに考えるとマナーになります。

さて本題に入りましょう。心に問題を抱える親はルールとマナーを自分たちが都合の良い状態を作るために利用します。

親から育ててもらったんだから従うのが当たり前だとか、親が認めていない結婚をしてはいけないだとか、就職や進学で親を不安にさせるようなことをしてはいけないとか、そんなふうに言ってルールを押し付けてきますよね。

マナーも同じですよ。あの人はマナーが悪いから一緒に遊んではダメとか、あいつはマナーがなっていないから結婚は許さないとか、結局は親の都合の良い状態を作ろうとして利用されてしまいます。

そうなんです。心に問題を抱える不健全な親たちは自分たちが安心できるルールやマナーを勝手に作るんです。そして押し付けてきます。そして、あたかもそのルールやマナーを守れないのが悪いかのように言って、否定し批判してあなたを支配しようとします。

ルールはすべての人が幸福になるための決まりごとです。親のルールを押し付けられてあなたが不幸だと感じるのであれば、それはあなたのルールではありません。

親のマナーを押し付けられて、あなたが自分自身に誠実にいられないなら、それはあなたが守るマナーではありません。

自分の価値観を大切にする

あなたが幸せに生きていくためには自分の価値観を大切にしていくことが重要です。

幸せとは、自分の価値観に従って自分の好きなことをやり、向いていることに取り組み、一緒にいって安心できる人と生活していくから作られる幸福感です。

あなたの親はあなたの価値感を尊重してくれていますか?尊重されているのであれば、押し付けられることもないだろうし否定も批判もされていないはずです。

なかには「尊重しているけど、それとこれは別だ」みたいなことを言っている親たちもいるかもしれません。じつはこれも子どもの価値感を尊重してくれない親がよく使う言葉です。

親が不安に感じないところは認めるけど、不安に感じるなら反対するよということですので、結局は親の価値感を押し付けられているのと同じですね。

本当にあなたの価値感を尊重してくれる親なのであれば、「あなたの人生はあなたのものなんだから、公開しないように生きなさい。なんでもやってみなさい」と言うでしょう。

それに、そういうことを言う親も自分自身の人生を自分の価値観で決めてきたから、それが当たり前のように考えるものです。だから、あれしろこれしろ、あれはダメこれはダメ、なんてことは言いません。ただあなたを信じて見守るだけです。

親も他人です。他人の価値観で考えられて決められたことであなたが幸せになることは非常に難しいですし、できたとしても万に一つくらいの確率かもしれません。

しかも、親の価値観に従って生きた結果、それが自分に合わない人生になったとわかったとしても、親は責任を取ってくれることはありません。責任を取らなければいけないのは、その人生を生きるあなたです。

大切なことは、自分の幸せは自分の価値感で考えて決めるから手に入ると知ることです。

親の常識という言葉を疑ってください。そして自分の価値観を信じましょう。あなたの人生の幸せを作れるのはあなたが自分の価値観に従って考えて決めたときだけです。

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