COLUMN
コラム 親と良好な関係をつくるために
親との関係を改善できるのか?間違いだらけの関わり方を解説
間違いだらけの親との関わり方
皆さんは関係の良い親子関係というものが
どういったものなのかを
考えてみたことがあるでしょうか?
もしかしたら、
すでに親との関係が良い人は深く考える必要はなくて、
とくに疑問を持つこともなく普段と変わらず
いつものように親と関わってきたのかもしれません。
でも、親との関係を苦しく感じていて、
なんでいつもこんなにも辛いのだろうと
悩んできた人たちは、
どうしたら親との関係を
良くできるのかと
日頃から考えていたのだと思うのです。
しかし、考えても答えが見つかる人はそう多くはないはずです。
それに、思いついたことを
あれこれをやってみたかけれど、
何をやっても親との関係は改善せず、
苦しい毎日が続くばかりだったという人たちは少なくないと思うのです。
あなたはいかがでしたか?
じつは、親子関係を良くしようとして、
間違いだらけの方法で
逆に問題が悪化している人たちはとても多いです。
たとえば、あなたは今までこのようなことをしていませんでしたか?
よくある親との間違った関わり方
- 波風を立てないように親の機嫌をうかがってきた
- 親に喜んでもらえたら仲良くできるのではないかと考えて親が喜びそうなことをしていた
- 親から何を言われても愛情があってしてくれていることだからと考えて本心を伝えずに受け入れていた
- 親と関わっていて苦しく感じるのは自分が親の気持ちを理解できないからだと考えて親の考えを優先していた
- やってみたいことがあっても親とトラブルにならないように事前に許可を取ろうとしていた
- 親には悪意はないし、良かれと思ってやっているのだからある程度は我慢しなければならないと考えて従っていた
- いつかは親もわかってくれるはずだと考えて努力を続けていた
ここに書かれている項目で共通していることは、
どれもが親とトラブルになることを
避けようとしているところです。
たしかに、この方法だったら大きなトラブルを避けることはできるかもしれません。
でも、親との関係を改善していくという意味では間違った方法です。
それをしているとますます問題を悪化させてしまうことになります。
関係が改善するどころか、
さらに親との関わりが重苦しいものになってしまっていて、
長年苦しんできたという人がたくさんいるのではないでしょうか。
そもそも、関係が良いとはどんな状態なのか?
そもそも、良い親子関係とはどんな状態なのでしょうか?
良い親子関係と一口に言っても、
何を良いとするのか、
人それぞれの価値観で変わってくるはずです。
ここでは心理的な観点からお伝えすることにします。
心理的な観点とは、
簡単に言えばあなたが幸せな気持ちに
なれることを目的として考えるということです。
親との関係で幸せな気持ちになれるかどうかは、
以下の条件が揃っていることが大切です。
良好な親子関係をつくる5つの条件
1.対等な関係で本音を言い合えるような安全安心なコミュニケーションができていること
親子であっても対等な関係となっていて、節度は守りながら本音を言い合えるようなコミュニケーションができていることが大切です。
片方が強くて片方が弱いというような上下関係ではなく、互いの気持ちや考えを率直に伝えあって、理解と信頼が深めていけるようなフラットな関係が良好な状態です。
2.親子でも違う価値観を持っているということをお互いに認め合えていること
親子であってもお互いの価値観の違いを認め合うことが大切です。
別々の人間なのだから価値観が違っているのが自然な状態であり、価値観が違えば何を正しいと考えるのか、どのように生きれば幸せになれるのかという感覚についても違っていて当然です。
3.プライバシーが守られていること
親子であっても侵入されたくない領域というのは必ずあるものです。
それが自分の部屋だったり、友人との交流だったり、恋愛の話だったりと、プライバシーが守られなければ安心して関係を続けていくことはできません。
親と子どもそれぞれのプライバシーが守られてこそ、安心して関わっていくことができます。
4.親子であっても別々の人間であり、別々の人生を生きていくことをお互いに受け入れていること
親子であっても別の人生を生きる一人ずつの個人であるという考え方を持っていることが大切です。
この考え方が持てていないと、親が子どもの生き方を否定してしまうとか、なんとか親の思う生き方にしようとコントロールしたくなるということがよく起こるからです。
5.親に好きな部分を感じていて信頼感を持てていること
「親と良好な関係をつくることができれば不安なく過ごすことができるのではないか」
このように考えて良好な親子関係を目指そうとする人たちが一定量いらっしゃいます。
そんなとき
「もし親が親ではなく、どこかの誰かだったら関わっていきたいですか?」
と質問すると首を横に振る人は多くいて、
じつはすでに親に対して好意を感じられなくなっていて、
さらに信頼も持てなくなっていたというケースがたくさん見られます。
よくよく考えたら親から傷つけられないために
関係を変えようとしていたと気づく人は少なくありません。
苦しい親子関係を変えて良好な関係をつくろうとするときは、
さまざまな困難を乗り越えていかなければなりません。
そのときには親と仲の良い状態で
関わり続けていきたいという
前向きな気持ちを持っていることが重要で、
不安の解消を目的にしている人は
なかなかうまくいかないものです。
もしあなたがトラブルを回避しようとして
親との良好な関係づくりを
目指そうとしているのであれば、
一旦立ち止まって冷静な状態で
考えてみることをおすすめします。
*
これらの条件が揃っている親子関係は、
対等で風通しの良いコミュニケーションが
取れているでしょう。
親子であっても侵入的な態度を取らず、
節度のある関わり方ができている状態になっているはずです。
程よい距離感で
心地よい関わり方ができている
可能性が高いです。
好きだと思えているし、
信頼感で結ばれているし、
一緒にいて安心できるので
自然と関わりたい気持ちが湧き出てくるはずです。
自分の親子関係が抱える問題に気づくことが大切
親との関係を改善していくうえで、
まずは良好な親子関係を作りたいのに
つくれていない原因を探さなければなりません。
そのためには、
自分の親子関係がどんな問題を
抱えているのかをしっかりと知ることです。
親子関係を苦しく感じるときの
代表的な問題点は下の7つです。
今までの親子関係を振り返ってみてください。
自分自身に思い当たるところはあるでしょうか?
苦しい親子関係をつくる7つの問題点
- 1.親が上で子どもが下のような主従関係になっていて、子どもは親を怖がって本心を言えずに我慢して従っている
- 2.親が自分の考えが正しいと信じていて子どもの考えを尊重せず、子どもは否定されることと怖がって我慢して従っている
- 3.親に感情的な発言や態度が多く見られるので子どもは厄介な状態にならないように我慢して従っている
- 4.親が子どもを信じようと努力せず心配してあらゆることに口や手を出しているが子どもは申し訳なくて断れない
- 5.親が自分の力で生きようと努力せずにあらゆることで子どもに頼ろうとしているが子どもは申し訳なくて断れない
- 6.親が弱い人で子どもは自分が気持ちを伝えたら親を傷つけてしまうのではないかという罪悪感で本心を言わないようにしている
- 7.親にはどうせ何を言っても無駄だと思ってなるべく関わりを避けようとしている
この7つの問題点に共通していることは、
どの親子関係も上下関係や主従関係のような
偏った関わり方になっているということです。
親が強すぎ、子どもが弱すぎ、というアンバランスな状態です。
弱い子どもが強い親の顔色をうかがって、
言いたいことを言えていなかったり、
やりたいことがやれていなかったりします。
上となっている親が
恐怖心や罪悪感を煽るような言葉や態度を見せていて、
下となっている子どもが我慢して従っているような状態がたくさん見られます。
そうやって親ばかりが意見を言い、
子どもは我慢しているばかり。
子どもの考えは尊重されず、
親の考えばかりが優先される関係。
これでは、
幸せを感じられるような
良好な親子関係をつくることは
非常に難しいでしょう。
顔色をうかがって気を使って
我慢して従っているから
トラブルが起こりづらいというだけで、
良好な親子関係とは言えません。
良好な親子関係に修正するための新しい対応
いちばん重要なことは、
親との対等な関係をつくり、
信頼感でつながっている関係性に修正していくことです。
そのためにあなたがやらなければいけないことは下の3つです。
良好な親子関係に修正していくための対応
- 1.はっきりと自分の意思を伝える
- 2.やりたくないことは断ってやらないし、親に自分の意見や考えを合わせようとしない
- 3.自分で考えて決めて行動する
これは良好な親子関係を
つくれている人たちが
当たり前のように
日常的にやっていることです。
実際は親に合わせた気持ちの伝え方とか、
効果的な断り方や行動の見せ方などがありますが
基本はコレ。
じつは、そんなにすごいことではありません。
ごく自然に見られる
当たり前の親子関係なんです。
そして、
これができる親子は
いつでも本音を言い合って、
意見や考えが違っていても否定することもなく、
それが親であり子どもであると
感じています。
親が子どもに生き方を
強いることもありません。
子どもが親を
説得しようとか許可してもらおうとは
していません。
なぜなら、
親も子もそれぞれに人生があって
それぞれが違う生き方をすることが
当たり前だと考えているからです。
しかし、
問題のある親子関係は
どれもが上下関係や主従関係のような
偏った関わり方になっています。
そうなる理由はいくつか考えられます。
一般的によくあるのが
子どもが親に従うことで
親を強くしてしまっている
という状態です。
また、子どもが自分の意思を伝えておらず
親が子どもの考えや気持ちを知らない
という状態になっているケースも多いです。
親が許してくれるまで行動しないとか、
否定されたくないから
事前に許可を取ろうとしているとか、
どうせ否定されるから自分の気持ちを伝えないとか、
そんなことを続けていると、
親は自分の考えが正しくて
その考えに従わない子どもが悪いと思うこむようになります。
そうやって
ますます勘違いをして
自信をつけて
子どもをコントロールしたくなる
という悪循環が起こります。
もしあなたにも
こんな親子関係があったのであれば、
早くその悪循環から
脱出してもらいたいのです。
親が感情的になるのは離脱症状
ただし、
新しい対応をしたからといって
すぐに親が変化して良好な親子関係が
つくられていくわけではありません。
今まで無意識のうちに
子どもを傷つけてしまっていた親は
変化することを嫌いますから、
まずは親に離脱症状というものが出てくることになります。
親に見られる離脱症状は以下のようなものがあります。
良好な親子関係に変化していく経過で親が見せる離脱症状
- 子どもの考えや行動を批判するようになる
- 怒ったり泣いたりと感情の起伏が激しくなる
- まるで被害者であるかのように振る舞って罪悪感を煽るようなことを言って責めてくるようになる
- 子どものせいで今までの親子や家族の関係が壊れるかのような言葉で脅してくるようになる
- 兄弟姉妹や親戚知人の話を引き合いに出して比較差別をするようになる
- 目線を合わせないとか話しかけないなどして無視をするようになる
- 子どもまるで他人のように扱ったり、絶縁を匂わせる態度を取ってくるようになる
親が感情的になって否定をしたり
考えを押し付けてくるのは、
親自身が子どもをコントロールしながら
安心を得ていた時間が長いからです。
本来、安心というのは自分自身の手で作り出さなければならないものです。
親が不安を感じるのであれば、
その不安は親自身の手によって解決されるはずでした。
しかし、
無意識のうちに子どもの心を傷つけてしまう
問題を抱える親というのは、
自分の問題を子どものせいにしていたとか、
代わりに子どもに押し付けていたとか、
子どもをコントロールすることで
解決したかのように思い込んで
安心を得ていたというケースがたくさん見られます。
そうやって、
子どもをコントロールして安心を得ていた親は、
あなたが今までとは違う生き方を始めようとするときに
また不安になり、
その不安が子どものあなたから与えられたかのように感じて
被害者意識を感じ、
だから否定をしたくなったり
怒りをぶつけたくなったり
冷たい態度を取りたくなったりしてしまいます。
そういったことをする親は
今までもその方法で子どもを
コントロールできていたのかもしれません。
以前にできたから
今回もできるはずだと考えて
また同じことを繰り返しているのかもしれません。
そんなときに
あなたが以前と同じように
我慢して従ってしまったら、
また親を勘違いさせてしまうことになるし
変な自信をつけさせてしまって
ますますコントロールは強くなっていくし、
ますます良好な親子関係から離れていってしまいます。
親子関係が改善できるかどうかの分かれ目
親子関係が改善できるかどうかの分かれ目は、
親がどれだけ子どもであるあなたを尊重しようとするか、
どれだけ子どもの独自の考え方や価値観を認めようとするか、
どれだけ子どもを一人の人間として見ようとするか、
親にそれらの態度が見られるかどうかです。
そのためには、
あなたが親に従うのではなく
自分で考えて決めて、
嫌なこと、できないことは
きっぱりと意思表示をして、
あなたにも独自の価値観があって
独自の考えや気持ちがあって
親とは違う生き方があるということを
示してもらいたいのです。
そしてこれもお伝えしておかなければなりません。
じつは良好な親子関係をつくれないケースもあります。
親が子どもと良好な親子関係をつくるつもりがなかったり、
何が何でも自分が正しいと信じてやまない親とは
良好な親子関係を築けないことがほとんどです。
そんな親は自分のことしか考えられなくて、
子どもの気持ちを想像してみるとか、
子どもの心が傷つかないように配慮するということが
できませんし、しようとしません。
もしあなたの親がそのような人であったなら、
どこかで区切りをつけていく必要もあるでしょう。
「良好な親子関係」とは、
お互いが相手を思いやったり、
尊重し合ったりすることが大切です。
でも、それをしようとしない親なのであれば、
あなたがどんなに努力をしても
それに費やした時間も精神力も
無駄になってしまうかもしれないのです。
実際に親が変わるかどうか、
すべての結果を見通すことはできないし、
必ずうまくいくとも、うまくいかないとも言えないし、
だからこそやってみないとわからないことです。
ただし、はっきりとしていることは、
あなたの人生はあなたのものであって、
誰かの顔色や機嫌を気にすることなく
自分で決めたように生きても良い権利が
あるということです。
親と良好な関係をつくれることに
越したことはありませんが
それよりもあなたがあなたの人生を生きる
ということのほうがはるかに重要です。
まずは今までの
親子関係を振り返ることから
始めてみてください。
自分の親子関係の問題は何だったのか?
自分は親の前でどんな言葉を使い、どんな行動を見せていたのか?
親に勘違いをさせていたり、変な思い込みををさせてはいなかったか?
今までの親子関係を再確認してみましょう。
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