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コラム 親が否定する

親との関係がしんどい時に必要な境界線の引き方-親から適切な距離を取る方法-

親との関係がしんどい時に必要な境界線の引き方-親から適切な距離を取る方法-

こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
 

あなたは親との関係で
こんなことを感じたことはないでしょうか?

「感情的な親の態度や言葉を思い出すと胸が苦しくなる」
「連絡が来るだけで緊張する」
「会うたびに疲れ果てる」

そんな思いを抱えている方は少なくないでしょう。
 

しんどく感じる親子関係の多くに
「境界線の曖昧さ」
という共通点があります。

境界線とは、
あなたの心理的領域と親の心理的領域を分ける線のことです。
 

今回は、
親との関係がつらいときに必要な
「境界線の引き方」についてお伝えします。
 

健全な親子関係には責任・感情・価値観に明確な境界線が引かれている

健全な親子関係では、
親は自分の人生に責任を持ち、
子どもに依存しようとしません。

「親と子の人生は別物」
という認識があります。

理想的な親は、
次のような特徴を持っています。

  • 自分の責任で生きようとする
  • 子どもに頼ろうとしない
  • 親と子どもの人生は別々だと考える
  • 子どもに八つ当たりをしない
  • 子どもの選択や行動を見ても悲観しない
  • 親の考えを子どもに押し付けない
  • 子どもの考えを否定しない

しかし心に問題を抱えている親との
不健全な関係性の中では、
このような境界線が
曖昧になっているケースが多くあります。

境界線が曖昧になっていると、
親が自分の感情や価値観を
子どもに投影し、
子どもが親の期待や感情に
振り回されてしまうという現象が起こりやすくなります。
 

親に乗り越えさせてはいけない基本的な境界線3つ

親との関係を健全に保つためには、
あなたが守るべき境界線があります。

ここでは特に重要な
3つの境界線について説明します。

1.責任に境界線を引く

●親の責任まで背負い込まない

「親の老後の面倒は子どもが見るべき」
「親を幸せにするのは子どもの役目」

というプレッシャーを感じていませんか?

しかし、親の人生の責任は
基本的に親自身にあります。

もちろん、できる範囲で
なおかつ、あなたが
「やってあげたい」と感じるのであれば、
サポートすることも良いことです。

ただし、
どんな親子関係であっても
親の人生の全責任を
あなたが背負う必要はありません。

親が経済的に困っているからといって、
あなたが自分の生活を
犠牲にする必要はありません。

親の人生と子の人生は別であり、
それぞれが自分の人生に責任を持つことが
健全な関係の基本です。

 

●親への責任感や義務感で関わろうとしない

「親孝行しなければ…」
「親を放っておいてはいけない…」

という責任感や義務感ばかりで関わり続けると、
親子関係はどんどん歪んでいきます。

責任感や義務感をもとにした関わりは、
やがて不満や怒りに
変わることが多いものです。

健全な親子関係は、
「関わりたい」
「やってあげたい」
のような自発的な気持ちから生まれるものです。

責任感や義務感ではなく、
自分の気持ちを大切にし、
自分が置かれている状況を優先しながら
適度な関わりにしていくことが大切です。

 

●親への罪悪感をもとに判断しようとしない

「親を悲しませてはいけない」
「親に申し訳ない」

という罪悪感に基づいた判断は、
自分の人生を犠牲にしがちです。

罪悪感は時に親から
意図的に植え付けられることもあります。

自分の選択に罪悪感を感じるとき、
それが本当にあなたの気持ちなのか、
それとも親から植え付けられたものなのかを
見極めることが重要です。

 

2.感情に境界線を引く

●親の「悲しい思いをさせられた」という言葉に迷わされない

「あなたのせいで悲しい思いをした」
「親にこんなに辛い思いをさせて」

という言葉を親から投げかけられると、
深い罪悪感を抱きがちです。

しかし、親の感情は
あくまで親のものであり、
あなたが全て引き受ける必要はありません。

親の感情に巻き込まれず、
「それはお母さん(お父さん)の感情であって、私の責任ではない」
と心の中で線引きすることが大切です。

 

●親の「期待していたのに裏切られた」という言葉に迷わされない

「こんなはずじゃなかった」
「期待していたのに」

という親の言葉に傷ついた経験はありませんか?

親の期待は親自身のものであり、
あなたがその期待に応える義務はありません。

あなたは親の期待を満たすために
生まれてきたわけではなく、
自分の人生を生きるために生まれてきたはずです。

親の期待とあなたの望みが
違うことは当然であり、
それはごく自然なことです。

 

●親の「子どもから見捨てられた」という言葉に迷わされない

「私を見捨てるの?」
「一人にしないで」

という親の言葉は、
強い感情的な反応を引き起こします。

しかし、自立することは
「見捨てる」ことではなく、
健全な成長の過程です。

親子関係は、
子どもが成長するにつれて
変化するものです。

親との適切な距離を保つことは、
健全な関係を築くために必要なステップです。
 

3.価値観に境界線を引く

●親から否定されても最終的には自分で判断して決める

「そんなことあなたには無理」
「うまくいかないからやめておきなさい」

と親に言われると、
自信を失ってしまうことがあります。

しかし、親の価値観は
あくまで親のものであり、
必ずしもあなたに当てはまるとは限りません。

自分の選択に自信が持てないとき、
「この決断は誰のためにしているのか」
と自問してみてください。

自分の心の声に耳を傾けることが大切です。
 

●親から考えを押し付けられても最終的には自分で判断して決める

「こうすべき」
「これが正しい」

と親から教えられた価値観が、
必ずしもあなたにとって正しいとは限りません。

親の考えを一度立ち止まって
検証する勇気を持ちましょう。

「この考え方は本当に私に合っているだろうか」
と自分自身に問いかけ、
自分なりの答えを見つけていくことが
あなたの自信と成長につながります。
 

●親の「常識・当たり前」という言葉に惑わされない

「これが常識だ」
「こんなの当たり前のことだ」

という言葉で片づけられることはありませんか?

しかし、「常識」や「当たり前」は
人によっても、時代や環境によっても
大きく変わるものです。

親の世代の「常識」や「当たり前」が、
今のあなたの生きる世界での
「常識」や「当たり前」とは異なることを認識しましょう。

あなたには、
自分の価値観を大切にする権利があります。
 

迷うときは境界線が引けていない時

「親を傷つけたくない」
「でも自分も大切にしたい」
と葛藤するとき、
それは境界線が曖昧になっているサインかもしれません。

境界線が明確であれば、
自分の選択に自信を持てるはずです。

迷いが生じたら、
「この決断は誰のためなのか」
「私は何を大切にしたいのか」
と自分に問いかけてみてください。

あなたの人生の主人公はあなた自身です。
 

境界線を引いて自分の人生を生きよう

境界線を引くことは、
親を遠ざけることではありません。

むしろ、
健全な距離感を保ちながら
関係を続けるための知恵です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、
少しずつ実践していくことで、
親との関係も、自分自身との関係も
改善していくでしょう。

「親のために生きる」のではなく、
「自分の人生を生きる」ことを選択してください。

それが結果的に、
親子関係を健全なものに
変えていく第一歩になります。

あなたには、
自分らしく生きる権利があります。

その権利を大切にしながら、
親とも適切な関係を築いていってください。

親との関係に悩んでいるあなたを
心から応援しています。

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