COLUMN
コラム 親が考えを押し付ける
《毒親の特徴》お金を要求してくる親
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照(かわしまたかあき)
子どもは親を助けて当たり前
金を要求してくる親がいます。
金がなくなった頃にやってきて金の無心をしてくる親です。
働かないで生活費を頼ってくる親や遊ぶ金を要求してくる親もいます。
生活実態に見合わない買物でつくった借金の返済を子どもに肩代わりさせようとする親もいます。
お金のことばかりではありません。
「子どもなんだから親を助けて当たり前」と言って、本来親の責任で解決しなくてはならないことを勝手な都合で押し付けてきます。
こういった親は子どものことを所有物のように考えているので、親が子どもに要求することも、あなたがそれに応じることも、すべて「当然」だと考えています。
支配のパターンを探る −幼少期からの繰り返し
金の要求を含め、親がしてくる責任の押し付けなど、つらい親子関係が突然にはじまるということはありません。
ほとんどの場合、あなたが小さい頃から同じようなパターンが繰り返されてきたはずです。
下のリストは、親からの責任の押し付けが起こっている支配関係の6つのパターンです。
- 親は炊事洗濯など、家事をあなたに押し付けていた
- 親は働かず、あなたにアルバイトなどをさせて家計のやりくりを押し付けていた(※なかには盗みをさせている親もいる)
- 親はいつもふさぎこんでいたり、うつに落ち込んでいたりして、いつもあなたが親の役割を肩代わりさせられていた(またはあなたのほうから率先して肩代わりしていた)
- 親は他人の悪口や仕事の愚痴など言っていてあなたはいつも聞かされていた(またはあなたのほうから率先して聞き役になっていた)
- 「おまえのせいで私は不幸になった」などのようにあなたの責任であるかのように言っていた
- 「おまえのために私は我慢している」などのように、あなたに責任があるかのように言っていた
苦労する親を見て、あなたのほうから率先して手伝っていたということもあるでしょう。
親がたいへんそうにしていれば手助けしたいと感じるのも当然のことです。
しかし、親があなたに対して「やって当たり前」という態度になっていたなら、それは強制労働をさせられていたのと同じです。
本当は親の責任のはずなのに、あなたに押し付けて依存していたということです。
気づけば、親を支えるために自分の人生を捧げていたという人はたくさんいました。
もし、あなたがそんな親が言ってくることを断ろうとすれば猛烈な否定で恐怖心を感じさせたり、「私は死ぬ」などと生死に関わることを言ったりして、罪悪感を感じさせるのはよく見られるパターンです。
離れることに罪悪感を感じて、60歳を過ぎても親の奴隷のようになっている人もいます。
本当は一緒にいてつらいのに、そんな親から離れることを「親を見捨ててはならない」「親を見殺しにしてはならない」と考えてしまって支配を受け入れています。
支配のパターンを崩す
あなたはこれまで「わたしが親を助けなければならない」と思ったかもしれません。
しかし、その気持ちは親を思う愛情でしょうか?
それとも、親への罪悪感や恐怖心から生まれた気持ちでしょうか?
もしかしたら、本当はどこか重い足かせをはめられていたかのような、支配者と奴隷の関係だったのかもしれません。
長い間、親の責任を押し付けられていて、それが「当たり前」のように思い込まされてきた子どもは、大人になっても親の支配に気づかず、抜け出せていない方が多くいらっしゃいます。
親の支配を断ち切っていくには、支配のパターンを崩していかなくてはなりません。
例えば、、、
親は金がなくなると、万策尽きて困っているかのような表情で金の無心を依頼してきます。
そしてあなたは本当なら渡したくないけど、渡さなければ否定されたり、罵倒されたりするので怖い気持ちになります。
金を渡さなければ「わたしはもう生きていけない」「死ぬしかない」などの罪悪感を感じさせる言葉を言われてつらくなります。
結局、恐怖心や罪悪感から「これで最後にしてね」と言ってお金を渡してしまいます。
これは、植え付けられた恐怖心や罪悪感で心を支配されている状態です。
支配を断ち切るには、はっきりと「NO」と言うことです。
家に押しかけてきたら、「あなたに渡すお金はない」とはっきりと断りましょう。
電話をしてきても、「自分のことは自分で解決してください」とはっきり伝えます。
はっきりと断らなければこれからも親は自分のお世話をあなたに押し付けようとします。
いつまでたってもあなたは支配から抜け出せません。
親の要求を受け入れてしまうことは、相手に「いつでも来てください。またお金を用意しておきますよ」と言っているのと同じことです。
要求に応じると親の依存度は高まる
要求に応じることは、親の自立を妨げていることにもなります。
いつも頭の片隅に「困ったときはお願いすればいい」という考えがあるので、わざわざ苦労して働くこともありません。
お願いすればお金がもらえてしまうのですから、節約することもなく収入以上の生活をするようになっていくこともあります。
これまでだと、「お金がない」と言っていた親が外食の写真をたびたびSNSにアップしていたなんてケースもありました。
そのほかにも新しい服やバッグを着て自慢げにまちなかを歩いている姿を目撃して、愕然とした相談者ももいました。
このように、親が実態に見合わない生活をしていたら、それはあなたを財布がわりにしているサインです。
あなたのお金を自分のお金のように思っています。
まるで自分のお金をあなたにあずけてあるかのように考えています。
要求に応じていると依存はどんどんエスカレートしていきます。
これまでの支配のパターンを崩していきましょう。
そして、「私はあなたの責任の押し付けは受け入れません」と親に示しましょう。
明確に境界線を引き、支配されない心をつくっていくことが大切です。
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