COLUMN
コラム
依存してくる母親が重い
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照
依存してくる母親たち
せっかく離れることができたのに、母からの電話が絶えません。
辛い生活から早く抜け出したいと、逃げるように嫁いだのに、実家の母親からは「あれを買ってきてくれ」「ここを直してくれ」と毎日のように電話がかかってきます。精神的に追い詰められています…。
このように結婚などで一度、家庭の外に出たのにもかかわらず、依存してくる親に苦しめられているという方は少なくありません。
そして、そのほとんどが母親と娘のあいだでの依存関係となっています。
- あなたがいないとダメ 私にできるわけがないじゃない
- どうせ私はひとりだから…
- 私がどうなってもいいのね?
- なにかあったら、あなたのせいよ
親は自らを『弱い人間、非力な人間』とさげすんで、弱々しい存在であるとアピールして依存しようとしてきます。
罪悪感を植え付ける母親
依存してくる母親は、自分を弱々しく見せることで、娘を操縦しようとします。
『助けを求めてくる弱々しい母親を助けない自分はダメで、それをしないことは親不孝者である』のように罪悪感を植え付けようとします。
母親自身も本当に自分はかわいそうと思っているのですから厄介です。
そもそも依存的な考えの持ち主ですので、自分の責任を他人に押し付けがちです。
「あのとき、あなたがあんなことをしなければ…/上手くいかないのは、全部あなたのせいだ…」と責任転嫁をします。
いま自分が置かれているつらい状態は、すべて他者のせいで起きているというアピールをしてきます。
他人を見下す親は自分に自信がありません。
自分に自信がないので他人を見下さずにはいられないのです。
他人を見下すことで、自分をなぐさめようとします。
自分をなぐさめてやっと心を保っている状態です。
疲れ果てる子どもたち
依存してくる母親に付き合わされる娘たちは、そのために自分の生活の時間を割き、一生懸命に母親の世話をします。
そのため、自分の家庭の世話もできないほど振り回され続けてしまいます。
- 毎日、どこか不安を抱えている
- 自分の人生に制限をするようになってしまう
- 自分の思うがままに行動することができない
- 精神的に追い詰められているので心の余裕がもてない
電話の音にも恐怖を感じてしまってリラックスできません。
『母からの電話?!』とビクッとしてしまいます。
親に時間も精神力も奪われるので、自分や自分の家族のための時間が持てなくなります。
気付かないうちに自分の人生を親に奪われて、生活が崩壊へ進んでしまう方もいらっしゃいます。
依存を受け入れないための境界線を引いていく
自分を弱い存在であるとアピールしてくる親は、自らをさげすむことができるだけのタフさを持っています。
「弱々しさ」は、周囲を操縦するための演技であることが多いのです。
ですから、母親は演技ができるぐらいにタフな性格であると思いましょう。
依存してくる母親の呪縛から脱していくには、心の境界線を引いていかなくてはなりません。
母親が娘に依存してくる気持ちに線を引き、自立を促す方向へ誘導していくことが母娘関係を良い方向へ持っていくための、いちばんの方法です。
それにはまず、親の責任とあなたの責任を分けて考えることが大切です。
あなたは親の責任を引き受けていませんか?
親の力で解決できることまであなたが肩代わりしていませんか?
もし、過去を振り返ってみて、親の責任を引き受けていたことがわかったら、その責任を本来の持ち主に返しましょう。
責任は本来の持ち主が果たすべきことです。
母の責任は母が果たします。
あなたの責任はあなたが果たします。
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