COLUMN
コラム
親の過干渉から脱出し、人生の主導権を取り戻す方法
過干渉な親から脱出するために必要なこと
わたしはご相談者にいつもお伝えすることがあります。
それは、、、
「過干渉な親には、ガマンせずはっきりと自分の気持ちを伝えましょう」ということです。
なぜ、気持ちを伝えるのか?
それは、親に対して自分の気持ちを言わないことは、
親の行為を肯定することになってしまうからです。
何も言われない親はまたいつものように勝手な思い込みをするでしょう。
- 『何も言わないということは、わたし(親)の言ったことが正しかったからに違いない』
- 『何も言わないということは、わたし(親)の考えに異論がないからだ』
このように勝手に“親が正しくて、子どもは受け入れた”と思い込むのです。
ですから、『気持ちを伝えない』ということは、
あなたの気持ちがどうであれ親に対して“全面降伏”をしているのとそう変わりません。
気持ちを伝える方法
ここまでを見て「それなら今すぐにでも」と思えたあなたはこの先の文章は読まなくても大丈夫でしょう。
もしこの先、親がまたあなたを傷つけることを言ってきたときは、
はっきりとそのときの気持ちを伝えていくことを心がけてみてください。
つらい、悲しい、寂しい、、、
その時感じたことをその場で伝えるのです。
そして態度でも示しましょう。
立ち去ってもいいです。泣いてもいいです。
こういったことをしていくことで、
親に対して人を傷つけている感覚をもってもらいましょう。
もし、あなたが「怖くてそんなに簡単にできそうにない」と感じたなら、、、
気持ちを伝えていくためにはいくつかの方法が存在します。
例えば、『電話で伝える』『メールに書いて送る』『手紙に書いて送る』など。
わたしがオススメしているのは『手紙に書いて送る』です。
これは親を目の前にして気持ちを伝えようとすると、
恐怖心から言いたいことの半分も言えなかったという状態になりやすいからです。
さらに、売り言葉に買い言葉になってしまってまたいつものように言い争いになっている
なんて方も少なくないからです。
「それなら電話やメールもあるじゃないか?」と思ったら、、、
実は、電話という伝達手段はいちばんうまくいかない方法です。
電話は相手の顔も見えませんし、逆に自分の顔も相手から見られません。
お互い顔が見えないので“個人と個人の間にある境界線”を乗り越えやすくなるのです。
簡単に言うと“何を言っても痛みが少ないのですぐに攻撃してしまう”ということです。
お互いがののしりあって心を傷つけ合うのは“電話”という方法を採用したときに多く見られます。
メールも手紙とそんなに変わらない?と思うかもしれません。
若い方であればそうかもしれませんが、親はだいたいが六十歳代以上でしょうし、
メールの扱いに慣れていない方も多いでしょう。
それに、メールは次々と新しいものが溜まっていき、どこにあったかわからなくなってしまうこともしばしばです。
『手紙に書いて送る』の効果
手紙に書いて送るということは、親は何度も見返せるということです。
もし、あなたがこれまで言えなかった本当の気持ちを書いて送ったとき、
その手紙をはじめて見た親にとっては“青天の霹靂”のようなものでしょう。
当然、怒り狂うかもしれません。
これまで自分が正しいと思い込んできたことが否定されたのですからね。
しかしいつしか気持ちは落ち着きます。
実は手紙の効果はそのときあらわれます。
冷静になった親はあらためて手紙を見返し、
どれだけあなたを傷つけていたのかを目の当たりにさせられるのです。
長年正しいと信じてきた自分の行為に
はっきりと『NO』をつきつけられた瞬間です。
何度も何度も読み返し、
あなたの気持ちを知った親は“分かれ道”に立たされます。
それは、あなたが今後親と付き合っていけるかを見極めるための“分かれ道”です。
手紙を見た親の“分かれ道”とは?
手紙を見た親の“分かれ道”とはいったいなんでしょうか?
そのとき、親にはこんな反応があると予測できるでしょう。
手紙を読んだ親の代表的な反応は下の三つです。
1.これまでに親がしていたことをさらに強めてやってくる
- 電話を何度もかけてきては怒りを爆発させる
- 否定ばかりしていた親は更に強く否定する
- 怒りを爆発させていた親はいつもより強く怒鳴る
- わざわざ押しかけてきて強く否定する
これは手紙の内容を受け入れる事ができず、
攻撃して間違いを認めさせるなど、
自己を正当化したいという心理から出てくる行動です。
2.罪悪感を感じさせてくる
<じぶんのほうが被害者であるとアピールする>
- 「私は子どもから裏切られた」と言う
- 「あんなことを言われたらもう生きていけない」と言う
- 「あなたは私の人生すべてを否定した」と言う
- 「すべてあなたのことを思ってやったことだ」と言う
- 「あのときは私もたいへんだったんだ」と言う
- 「そんなことぐらいで、いつまで昔のことを言っているんだ。しつこい!」と言う
これは親が自分の立場を優位にして、
都合の良い状態をつくろうとする心理から出てくる行為です。
3.反省の態度を示してくる
- お前には悪いことをした
- お前がそんなに傷ついているとはしらなかった
こんなふうに素直に反省をする親は、全体から見るとほんの一握りですが存在しないわけではありません。
ただし、全面的に反省しているかどうかはまだこの時点ではわかりません。
これまであなたにしてきた心傷つける行為を“やめた”と判断できるまで数ヶ月は観察していくことが必要です。
あなたの気持ちを察する言動、反省の態度等を見て、
あなたが安心できると思えるまで警戒心を持ちながら観察してみましょう。
これら1〜3までで、親がどういったふるまいをするかで
あなたと親が今後親と付き合っていけるかを見極めることができます。
手紙を見た親から攻撃されたら
親からの反応があるとすれば手紙を見てからそんなに時間はかからないでしょう。
これまでのケースですと手紙を見た当日〜1週間程度が多かったです。
その他は一切連絡してこないこともありました。
これまで過干渉にしてきた親でもピタッと関わりをやめた親もいました。
もしそれでも親があなたを傷つけてくる場合は、
親と物理的距離、心理的距離をとっていくほうがいいでしょう。
物理的距離とは、交流頻度を出来る限り減らしたりすることです。
心理的距離とは、「もう親には期待しない」「この人たちと一緒にいても自分は傷つけられるだけだ」のように決めて、会ったとしても心を許さないということです。
このような状態にまでなると、
親が心に問題を抱えていることがほとんどです。
親が抱えている問題を解決しないかぎり、
あなたはいつも傷つけられてしまいます。
そのときは自分を守るために、
「親は心に問題を抱えている」と確信を持って
離れる選択をしてもいいでしょう。
あくまでもあなたに主導権があるということです。
『でもやっぱり何を言われるかわからなくて怖い』というあなたは、、、
これらの行為をする親への対応は、
あくまでも冷静に毅然とした態度を示すことです。
親が攻撃をしてきても反論する必要はありません。
ただただ、手紙に書いた内容のように、
自分は辛くて悲しい感情を抱いていて、
距離を置きたいと伝えるのです。
そして許可を取る必要はありません。
言ったとおりに実行に移すことが
親に対して『子どもはコントロールできない』と学習させることにつながります。
攻撃されればこちらも攻撃してしまいそうになるのが人間です。
しかし、相手が感情を高ぶらせているところへ、
自分も感情的に反応すれば争いはエスカレートするばかりです。
これには注意は必要です。
否定されても、罪悪感を感じさせてきても、言い訳されても、
手紙に書いた内容はあなたにとって真実であることには変わりありません。
親は論点をはぐらかしたり、子どもの勘違いであるかのように言ってくるかもしれませんが
そのことに対して反論したり、説明したりする必要はありません。
相手に話の主導権を持っていかれないことが大切です。
大切なことは「私はつらかったんだ」という気持ちを伝えることです。
そして、思ったとおりに行動していくことが大切です。
つらい親子関係で苦しんでいるあなたは、
自分の人生をコントロールできていないのかもしれません。
これまでの親との関係のなかで
すべて主導権を奪われている状態かもしれません。
自分の気持ちを伝えることは、
『もうあなたにコントロールされません』と宣言することであり、
あなたの人生の主導権を取り戻すための重要な作業です。
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