COLUMN
ご相談事例 親が結婚や恋愛を反対する
[相談事例]母親から結婚相手を否定されて悲しい気持ちになります。
母から結婚相手を否定されています。
はじめまして。
いつも川島さんのブログを読ませてもらっています。
私は、よしこ(仮)と言います。
28歳で会社員をしています。
相談させてください。
先日、母からこんなふうに罵倒されました。
私が彼と結婚をすることは
親不孝なことなのでしょうか?
==============
「なんであなたはいつも私をさみしい気持ちにするの?
こんなにも傷ついている母をひとり置いて
あなたはあんな男と結婚してしまうんですね。
私があなたを育てるのにどれだけ苦労してきたことか。
あなたは親の気持ちをまったく理解していません。
私がこんなにもあなたのことを思って言っているのに、
そんな親よりもあの男を選ぶなんて、
そんな結婚絶対に不幸になります。
あなたは親不孝です。
親に死ねと言っているのと同じです。」
==============
母は彼氏と会ってくれようとしません。
彼氏と結婚することを
許してもらいたくて、
何度も話をしました。
しかし、良くも知らないのに
全否定するんです。
・学歴がダメ
・会社がダメ
・収入が低い
・家柄がうちと合わない
表面的な情報だけで
彼と結婚すると私が不幸になると言います。
これまでも何度も付き合っている彼のことを否定されてきました。
今回と同様に結婚を破談に追いやられたこともありました。
こんなことを言う母の心理は一体何なのでしょうか?
もう私一人ではどうしたらいいかわからなくなってしまいました。
どうぞよろしくお願いいたします。
こんにちは、川島崇照です。
よしこさん
ご相談いただきありがとうございます。
拝見いたしました。
母親があなたが結婚することを良く思っていないのですね。
そして、あなたから傷つけられていると言っているのですね。
いただいた文章を見ていて伝わってきたことは、
母が「自分の気持ちが正しくて、
それに背く娘が間違っている」と
決めているということでした。
母は不満を感じています。
だから、一生懸命に結婚を否定し、
彼氏さんを否定し、
さらに、親がどんなに子ども思いなのか
をわからせようとし、
「親不孝」と
傷つけられていることを
アピールをし、
と、いろいろな方法で
その不満の解消をしている可能性が高いです。
親の本当の目的は何なの?
人は必ず言葉や行動に目的を持っているものです。
自分にとって都合の良い状態にしたかったり、
逆に自分にとって都合の悪い状態を
排除したかったりするので、
行動します。
ということは、親が言っていることや
やっていることの心理背景を読むには、
「何を求めてそれをする(言う)のか?」と
「何を恐れてそれをする(言う)のか?」を
考えてあげれば良いということになります。
さらに、心に問題を持った親には
特徴的な心理背景があることも
知っておく必要があります。
心に問題を持った親は
そのほとんどが依存的です。
自分のコンプレックスを
他人を利用して解消しようとしたり、
自分の責任なのに誰かの
せいにしたりということをよくします。
下の例は心に問題を持った親の
求めと恐れをまとめたものです。
これを参考にあなたの親が
どんな心理背景を持っているかを
考えてみましょう。
〈心に問題を持った親の心理背景〉
【求め】
安心したい
知りたい
欲しい
価値を上げたい
賞賛されたい
敬ってもらいたい
成功を見たい
世話をしてもらいたい
理解してもらいたい
勝ちたい
言う通りにさせたい
思ったとおりにやりたい
楽しみたい
【恐れ】
不安を現実にしたくない
わからない
失いたくない
価値が下げたくない
バカにされたくない
見下されたくない
失敗したくない
孤独になりたくない
否定されたくない
負けたくない
我慢したくない
邪魔されたくない
余計なことをしたくない
あなたの母が、
あなたが結婚しようとしている彼氏さんの
ことをあまり知らないのにもかかわらず、
いろいろと決めつけて「あんな男」と
言っていていたり、
学歴、会社、収入、家柄、、、
色んな理由をつけて結婚を反対
しているのであれば、
母の求めは「娘が欲しい」です。
そして、恐れは「娘を失いたくない」です。
この求めと恐れをもとに考えると
母はあなたが離れていくことが
受け入れられないのですね。
簡単に言うと、
母はあなたに『依存』をしているようです。
母はあなたを依存先にしているなら、
あなたは今まで根掘り葉掘りと
質問攻めにされてきたのでは
ないでしょうか。
・どこに行くの?
・誰と行くの?
・いつ帰ってくるの?
依存をする母にとって、
依存先である娘が
離れていくことは
とても不安です。
そんなときの求めは、
「娘を知りたい」です。
そして恐れは、
「娘がわからない」です。
だから、一生懸命に
不安を少なくしようとして
根掘り葉掘りと
質問してきます。
そうやって、
離れていかないかどうかを
探っています。
また、その不安が現実に
ならないように否定したり、
考えを押し付けたりします。
そんなときの求めは、
「安心したい」です。
そして恐れは、
「不安を現実にしたくない」です。
だからいつでも否定的です。
「〜するべきだ」と考えを
押し付けてきます。
母の依存を受け入れなくていい
不満というのは自分の力で
解決しなければなりません。
なぜなら、
自分で解決しないと
自力を失っていくからです。
健康的な親は、
『娘の人生は娘のものだ』
と考えて否定も考えの押しつけもしません。
そうすることが
とても自然なことだと
思っています。
しかし、依存的な人は
不満を他人を利用して
解決しようとします。
母が言う「なんであなたはいつも
私をさみしい気持ちにするの?」は、
親が作り出している感情なのに
あなたのせいにしているんです。
「私があなたを育てるのに
どれだけ苦労してきたことか」は
そもそも子どもを育ているのは
親の義務のはずだし、
子どもを生むと決めたときから
ある程度の苦労は予測できていたはずだし、
それなのに親の責任を
あなたに転嫁しているんです。
「あなたは親不孝です。
親に死ねと言っているのと同じです。」は、
親が自分の人生を自分の力で
より良くしていくことをせず、
あなたに幸せにしてもらいたい
と思い込んでいるということです。
じつはこれ全部、
依存者がよく言う
特徴的な言葉です。
私のところに相談に来てくれる女性、
とくに結婚や恋愛を親から否定されて
悩んでいる方たちの相談内容そのものなんですよ。
依存を受け入れ続けていると、
被害者意識がどんどん強くなっていきます。
「私の不満が無くならないのは
あなたのせいだ」と言って
なんでもかんでも責任を
押し付けようとします。
あれやこれやと理由をつけては
あなたのせいにするんです。
それが依存する人の特徴です。
だから親の不満が解決するどころか、
どんどん大きくなっていくんです。
母は自分が不満を作り出していて、
依存的な考え方がその不満を大きくしているとは思っていないのでしょう。
すべてをよしこさんのせいにして
自分が努力しないことを
正当化しようとしているのですね。
まとめると、、、
あなたの母は依存者である可能性が非常に高いです。
依存者は本人が依存をしていることを気づかない限りその行為をやめません。
外部から依存をやめるようにと言っても、
頑なに否定して自分を正当化しようとするからです。
あなたが母親の依存を
受け入れていると
事態は一向に解決しません。
しかももっと深刻になっていきます。
わかったもらわなくてもいい
あなたはこれまで何度も説明してきました。
でも、誠実に伝えてもわかろうとしなかった親です。
そんな親には「わかってもらわなくてもいい」
と考えましょう。
もし、わかってくれる健康的な親であれば
もうとっくの昔にわかってくれているはずですからね。
誰と一緒に生きていくのか、
誰がよしこさんの人生に必要な人なのか、
あなたの正直な気持ちで決めてください。
でも、もしあなたが親の許可なく
結婚することに罪悪感を感じてしまうなら
こう考えてみてください。
「私が親の依存を受け入れないと
親は幸せになる」って。
実は依存をしていると苦しいんです。
だって四六時中、よしこさんの
ことを考えて不安になっているんですよ。
母ももっと自分のために
時間を使えばいいのに。。
生き甲斐を自分の中に見つけられず、
娘に見出してしまった可哀想な人なんですね。
だから、依存を受け入れないことは
母のためになるんです。
裏切るんじゃなくて、
親も子もお互いが自立して
健全な関係をつくるという、
普通だったらどこの家庭にも
あるような自然な形に戻るということですね。
あなたが自分の人生を生きることは、
母も自分の人生を生きるということです。
カウンセラー
川島崇照
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