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親の依存から脱出するためにやめるべき5つのお世話

親の依存から脱出するためにやめるべき5つのお世話

こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
 

あなたの両親はいつでも険悪な雰囲気だったり、事あるごとに喧嘩をしていたりしますか?母親が一方的に父親から責められたりしていて、いつでもそのストレスを愚痴や悪口としてあなたに聞かせていたりしますか?

そして、本当は聞きたくないのに、母親が不憫だからとか、ヒステリックになって厄介だからといってその愚痴を聞いていたりしますか?

それ、ぜんぶ親の問題を大きくしていることになります。なぜなら、あなたは親の心のお世話をしてしまっているからです。

そういうふうに、依存する人(親)と依存を受け入れる人(あなた)の関係を『共依存』と言います。
 

あなたは共依存に陥っていませんか?

きょうは、共依存に陥っている親子関係でよくある問題のケースを解説していきます。さらに、その共依存を続けているとどんな良くない状態になってしまうのかと、解決していくためには何をしていかなければならないのかもお伝えしていきますね。

この先、あなたが自由に生きていくために重要な知識ですから、自分がどのパターンに当てはまっているのかよく考えてみてください。
 

私と母は共依存

共依存の状態に陥っていると自分のことよりも親を優先していることが多くなります。いわゆる【自己犠牲】をしている状態です。

そして同時に、親のことよりも自分を優先することに恐怖を感じてしまう状態でもあります。これは【罪悪感】を感じている状態です。

共依存ってなかなか気づけないんです。なぜなら、被害者である子ども側が罪悪感を感じ、その感情で自分を責めるからです。

「お母さんがつらいのは私に原因があるからだ」とか、「私が悪いからお母さんがこんなにも苦労するんだ」と思い込んでいるから気づけません。

もしあなたも共依存の受け入れ側だったら、本当は母親と一緒にいて辛く感じているはずなのに、そう感じる自分も責めてしまうでしょう。離れたいと思っても、『離れたいと思っている自分』を責めてしまうんです。

こんなふうに、責任感がずっと自分側にあるので、まさか自分の親子関係が問題を抱えていたとは思えず、共依存に気づきにくいんですね。
 

それなら、共依存に気づけば罪悪感は感じないのでしょうか?そうではありません。気付いた頃には心の動きも反射的に反応してしまっていることが多いでしょう。

長年持ち続けてきた罪悪感なので、何かをしたからといってすぐに手放せるものでもありません。これがさらに共依存から抜け出しにくくしている要因です。
 

親だって自分が子どもに依存しているなどとは思ってもみないはずです。依存度が大きい親ほど、「あなたのせいで私は苦労している」とか「私はあなたがいなければ幸せになれたはずなのに」なんていうふうに考えているし、実際に言いますからね。

だからなおさら、あなたは罪悪感を感じてしまうし、自分が母親から依存されていることに気づけないんです。
 

5つのお世話をやめて親から自由になる

これからお見せするのは、共依存の母娘が陥っている代表的な関係を解説したものです。これをやり続けていると、あなたは人生まるごと奪われかねませんから気を付けてほしいのです。

気づいた頃には問題が大きくなりすぎて解決しようにも手のほどこしようがなかったなんてこともあります。だから、自分の親子関係に似ているパターンを見つけたら、解決に向けて行動を起こしてほしいのです。

共依存は日々どんどん進行していきます。そしてあなたの罪悪感もどんどん強くなって問題のある親と離れにくくなっていきます。

行動を起こすなら一分一秒でも早いほうが解決までの道のりは近いですからね。行動に起こさないのは問題の先送りですから、早め早めの行動を心がけてください。
 

1.愚痴を聞くのをやめる

あなたが母親の愚痴を聞いているなら、いますぐやめましょう。聞き続けていると、母親はどんどん解決しなければならない問題に向き合えなくなっていきますから。

愚痴はストレス発散をするのにいい方法ですが、それは自分自身が幸せになるために、過去の問題にとらわれずスッキリした気持ちで前進するための方法です。

しかし、あなたに依存する母親の愚痴は、問題を解決しないで済むための言い訳かもしれません。でも言い訳していれば、時間がすぎていくばかりで問題は一向に解決されていかないんです。

いつでも愚痴を言う母親の特徴は夫婦関係が悪かったり、心を開ける友人がいなかったり、近所付き合いが少なかったりと人間関係が希薄です。さらに、劣等感が強くて他人を見下しがちです。

そんな母親は自分がうまくいかないことをいつでも誰かのせいにしたくて愚痴を言っていますよ。愚痴を言えば、相手が悪くて自分が正しいように感じられるから、文句が止まりません。そして、その文句を誰かに聞かせて「そうだね」と言わせて安心したいんです。

ですから、愚痴を聞き続けることは母親が自分の力で努力して成長することを妨げることになってしまいます。
 

2.親の気持ちを代弁することをやめる

あなたの両親が夫婦喧嘩ばかりで、父親が一方的に母親を責めていたりするなら、あなたは母親のことが不憫でたまらなくかわいそうに感じているかもしれません。

そんなとき、あなたが母親の代わりに父親に対して文句を言っていたりするならそれも依存の受け入れになってしまいます。それをしていると、母親は自分の意見を言わなくて済むわけです。

「お父さんから責められたら娘が守ってくれるはず」と思っているかもしれないんです。だから、母親はいつまでたっても自分を守る力が備わっていきません。

嫌なことは嫌だって言わなければいけないし、父親から傷つけられているのであれば「そんなふうに言われて私は悲しいです」と言って家を出ていかなければならないかもしれません。

しかし、あなたが変わりに母親の気持ちを代弁しているから、母親は自分の言葉で断るとか、自分の言葉で考えを述べるとかをできなくなっていくんです。

これもまた母親の力をあなたが奪っていることになります。
 

3.お金の心配をやめる

あなたが親の将来を心配して、親の借金を肩代わりしているとか、あなたが働いたお金を必要以上に家計に入れているとかするなら、それも依存の受け入れをしていることになります。

お金をあげると、親はそのぶんだけ生活が楽になるでしょう。しかし、本当にそうでしょうか?もし、あなたがあげたぶんだけ親が贅沢をしていたり、節約がおろそかになっているのであれば、それは過剰にお金をあげていることになっています。

本来、お金というのは必要な人が準備しなければなりません。足らなければ収入を増やすか、節約をするか、どちらかの方法でやりくりしなければなりません。

それなのに、あなたが親の将来を心配して過剰にお金をあげていると、収入を増やす努力も節約をする努力もしなくなるんです。これも親の成長を妨げてしまうことになってしまいます。
 

4.病気の心配をやめる

あなたの親はいつでもさみしそうにしていますか?そんな親を見てあなたもかわいそうに感じてしまいますか?

そんな姿を見ていると心配になってしまいますよね。「私が離れたら親はさみしさのあまり病気になってしまうのではないか?」って。うつ病になってしまうのではないか、ボケてしまうのではないかって悩んでいる人はとても多いものです。

しかし、だからといって、あなたが自分が幸せになるために使うはずの時間や労力を親に捧げていたら、親はどんどん依存していきますよ。

こんな状態を続けていると、親もあなたがやってくれるのが当たり前になっていきます。最初は感謝してくれることもあったかもしれないけど、いつしか「なんでもっとやってくれないの?!」って責めてきますからね。

もし実際に親が病気になったとしても、それはあなたの責任ではありません。親がさみしさのあまり鬱になるんだったら、それは親の依存心が問題なんです。

子どもに依存しないように、ちゃんと心の自立を果たせていたらこういう問題は起きなかったんです。だから、いまからでも遅くはないですから、あなたが依存の受け入れを止めて、親に早く自立してもらわなければいけません。
 

5.縁を切られる心配をやめる

最後に、あなたが親の依存を受け入れていたことを知り、このままではいけないと思って行動を変えていったとしますよね。そうすると、親はもうあなたに依存できなくなるので都合が悪くなるでしょう。

そんなとき、依存的な親が言う言葉があります。それが「じゃあもう縁を切る!」です。それを言えばあなたがそばを離れていかないと感覚的に知っている親は必殺技のようにして言います。

もしかしたら、あなたも昔から言われてきた言葉かもしれません。それを言われるたびに強い罪悪感を感じてしまい、離れられなかったのかもしれません。

しかし、あなたが罪悪感を感じて、親の依存を受け入れ続けたらどうなるでしょうか?

生きていく力のない親は、この先もずっとあなたに依存をして、うまくいけば「子どもなんだから当たり前」と言い、うまくいかなければ「あなたが悪い」と言われ、結局最後は親子共倒れになってしまうんです。

結婚をするタイミングも逃して、自分の家庭をつくることもできないまま、80歳の親を50歳の子どもが世話をしながら、人生をあきらめていくなんてことになりかねないんです。
 

親の力を奪ってはいけない

親がかわいそうだから、不憫だから、あの人は被害者だから、と思ってあなたが依存を受け入れていると、親は生きていく力をどんどん失っていきます。

力を出さなくても生きていけるわけですから、親にとっては居心地のいい状態となってしまします。しかし、そういう親はあなた無しでは生きられなくなっているのです。

言い換えれば、あなたが親の力を奪っているとも言えるし、あなたが親の成長を妨げているとも言えます。じつはあなたが親を苦しめていたのかもしれないんです。

すなわち、共依存状態を作り出しているのは「あなた」です。

このまま親に言うとおりにして、お世話を続けるということは、共依存を解消するのではなく、自分の方から共依存に飛び込んでいる事になってしまいます。それをしている限り、あなたは親から自由になれません。
 

親も自立していいし、あなたも自立していい

でもね、だからといって「親を捨てろ」ということではないんです。全部投げ出すなんてことはしなくていいんですよ。

大切なことは、あなたが自分の生活を保ちながら、自己犠牲にならない範囲で親に関わっていけばいいということなんです。親がやることは親の責任でやらせて、あなたは今までの依存の受け入れになるようなお世話をやめて、親に自立してもらおうということなんです。

しかし、親も自分にとって都合の良い状態を手放そうとしないかもしれません。

だから、あなたに依存を受け入れさせたくて否定や批判を繰り返したり、さらに一層不憫な姿をアピールしてくるかもしれません。

でも、親がなんと言おうとも、あなたは依存を受け入れないという一貫した姿勢を見せることが大切です。親に対して依存を受け入れないあなたの姿を見せて、「娘に依存できない」と新しく学習させるのです。

まずは、自分が親から依存されていることと、自分がその依存を受け入れていることを認識することからはじめてみてください。
 

共依存は、依存をしている親も依存を受け入れているあなたも苦しい関係です。

あなたが親のお世話をやめたら、親もあなたに依存することから解放されていきます。あなたも、親に奪われていた時間や精神力を今度は自分の人生のために使うことができます。

自由な人生とは自分で決められる人生です。やりたいことをやり、やりたくないことはやらないという、誰もが当たり前にしている生き方です。

あなたも自由になる方法があります。そのために、“親のお世話”をやめることからはじめてみましょう。

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