COLUMN
コラム 親が結婚や恋愛を反対する
親が結婚相手を否定する4つの理由
カウンセリングに申し込んでくれる方たちが抱えるお悩みのダントツ1位は「親から結婚を反対されている」です。
全体の約50%の人たちが結婚に関することで親から否定されて傷ついていました。
そして、ほとんどの人たちが親になんとか認めてもらおうとして説明や説得を繰り返すのですが、それでも親はわかってくれず、否定はますます強くなっていくので、最後にはどうしたらいいのかわからなくなって絶望状態になっていた人たちばかりでした。
ひとくちに結婚を否定され反対されると言っても、いくつかのパターンに別れます。
今日は、結婚を反対する4つのタイプの親の特徴を紹介します。
もし、あなたが結婚を反対されている人なのであれば、どんな理由で親が反対しているのかを思い出してみてください。
そして、これからお見せする親の特徴に合っているなら、あなたの親は心に問題を抱えている可能性が高いということです。
親が問題を抱えていることがわかったら、この先どういう順序で結婚をしていけばいいかも知りましょう。
今までに何度説明してもわかってもらえなかったり、何年も反対され続けてつらい思いをしていた人たちの手助けになれたら嬉しいです。
子どもをいつまでも自分の所有物にしておきたい親
結婚を反対する理由
- 結婚相手が自分たちに対して十分な敬意を示さないから
- 結婚相手のマナーや態度が悪いから
- 結婚相手が家業を継いでくれない・手伝ってくれないから
- 結婚相手の容姿や顔立ちが気に入らないから
- 結婚相手の趣味が気に入らないから
- 結婚に娘(息子)を取られるみたいで嫌だから
- 結婚する前に妊娠したから
このタイプの親は、子どもの結婚なのにまるで自分たちの結婚であるかのように考えます。
そして、自分たちが満足するかどうかという判断基準であなたの結婚を反対します。
とにかく、優しくされたいし敬ってもらいたいという欲求が強くて、自分たちの理想を結婚相手に押しつけます。
その理想から少しでも外れると、「態度が悪い、マナーがなっていない」と言って批判し続けるのが特徴です。
また、自分たちの子どものことを一番に考えることを結婚相手に求めます。
もし、結婚相手が遠方で働き暮らしているなら、仕事を辞めて引越しをしてこちらの地元に来るくらいでなければ結婚を認めないし、それぐらいの覚悟がなければ自分たちの子どもが不幸になるという考えを押しつけてきます。
さらに「授かり婚」を認めたくありません。
それをするのは、結婚相手が自分たちの子どもを大切に思っていないからと言いますが、本心ではまるで自分たちが裏切られて騙されていたかのように被害者意識を感じるからです。
こういったことは、子どものことを所有物だと思っている親の特徴的な思考です。
子どもに頼り続けたい親
結婚を反対する理由
- 結婚相手が長男だから
- 結婚したら遠方に行ってしまうから
- 結婚したら結婚相手の親と同居をするから
- 結婚相手の実家が自営業をしているから
- 結婚相手の家族に要介護者がいるから
- 結婚相手の家族に障害を持っている人がいるから
- 結婚相手が自分たちと同居をしてくれないから
このタイプの親は、依存心が強くて無意識に子どもに頼って生きていくと決めています。
自分たちには生きる力がなくて、誰かに支えてもらわなければ生きていけないと思いこんでいる親たちです。
あなたが結婚した後も依存できるかどうかという判断基準に結婚を反対します。
とにかく自分たちから子どもが物理的に離れることを嫌います。
結婚後も子どもと同居をしていきたいと求めて来る親もいますが、それがかなわなくても同じ町内、同じ市内、同じ県内に住むようにと、とにかく離れていかないように条件を課して制限しようとします。
また、「結婚をしたら子どもはもう二度と自分たちのところに戻ってこないのではないか」と考えて不安になり、そうなるリスクを排除しようとします。
だから、結婚相手が長男だとか、相手の実家が自営業をしているなどを理由に結婚を反対します。
相手が長男なら自分たちの子どもも一緒に後継ぎにさせられると考えるし、長男でなかったとしても相手の実家が自営業などをしていると、自分たちの子どもが無給で良いように扱われて囚われの身になるのではないかと考えて結婚を反対します。
そのほかには、介護や介助が必要な人が結婚相手の家族にいるなら、自分たちの子どもがこの先ずっと利用され、自分たちの老後を看てくれる人がいないのではないかと考えて結婚を反対します。
子どもの価値を下げたくなくて反対している親
結婚を反対する理由
- 結婚相手の学歴が不十分だから
- 結婚相手の職業が気に入らないから
- 結婚相手の収入が十分ではないから
- 結婚相手の家の格が低いから
- 結婚相手の出自が気に入らないから
- 結婚相手の親・兄弟姉妹の職業が気に入らないから
このタイプの親は、自分たちは社会的にステータスが高い人間で、特別な存在であると自負している人たちです。
自分たちの価値が周囲から高く見られるかどうかという判断基準で結婚を反対します。
ただし、自分たちのことを特別だと思っている人というのは、じつは自分に自信がない人たちです。
自分たちのことを特別な存在にしておかないと精神が保てないからそう思いたいということです。
自信満々な人、プライドが高い人など、いろいろといます。
だいたいが弱い自分をさらけ出せずに強がっている状態であって、どれも虚栄心が強い人たちです。
こういうタイプの親たちは、自分たちの子どもにも高いステータスを持たせようとしてきました。
誰もが知っているような有名校に進学することを求め、世間に名が通っている会社に入ることを良しとしてきました。
そして、結婚相手にも同じように求めます。
大学を卒業しているのは当たり前でどこの大学を出たのかが重要だし、職業は社会から一目を置かれるようなものでないといけくて、収入も平均よりは上でアッパーミドルクラス(500万円〜800万円)以上でないと認めたがりません。
子どものためにお金は惜しまずステータスを高めてきて、「自分たちは子ども思いな良い親だ、こんな良い暮らしをさせられているのは私たちのおかげだ」と自慢したかった親です。
そして、子どもが良い学校や良い会社に入るたびに、周囲から「すごいね!」と言われることで、褒められているようで嬉しく感じていた親です。
でも、それと同時に子どもの気持ちはあまり聞いていなかったかもしれないし、子どもの考えを尊重しようとはできなかった親でもあります。
ステータスの高い理想の結婚相手でないと反対するのは、子どもの結婚を認めたら価値が下がると決めているからであり、自分たちが今まで子どもにかけてきたお金や時間、労力がすべて無駄になってしまうと思って不安になってしまうからです。
恥をかきたくないから反対している親
結婚を反対する理由
- 結婚相手が再婚だから
- 結婚相手と年齢差があるから
- 結婚相手にすでに子どもがいるから
- 結婚相手が部落出身だから
- 結婚相手が片親だから
- 結婚相手に親がいないから
- 結婚相手の職業が自営業やフリーランスだから
- 結婚相手の家の格が高すぎるから
このタイプの親たちは、とにかく恥をかくことを恐れます。
世間体を気にして、周囲から変な目で見られないようにしたいと考えています。
子どもが結婚をしたことで、自分たちが恥をかかないかどうかという判断基準で結婚を反対します。
また、このタイプは『子どもの価値を下げたくなくて反対している親』と似ている精神構造をしていて、自分たちの子どものステータスが高くなることを好むことも多いです。
なぜなら、自分たちのステータスも上がったみたいで嬉しくなるからです。
でも逆に結婚相手や相手の実家のステータスが高すぎると怖くなって反対することもあります。
『子どもの価値を下げたくなくて反対している親』と似てはいるのですが、決定的に違うところは「自分たちの社会的価値は低くて、失敗するとさらに周囲からバカにされるはず」と無意識に自己否定をしていて、劣等感から恥をかかないようにしたいと考えているところです。
こういう親たちは自分の子どもに「普通=無難」を求めます。
恥をかかないように普通の結婚をさせたいからです。
結婚相手には自分の子どもと年齢差が少なく、初婚の人を選ばせたがります。
結婚相手の親の職業は自分たちと同じようなステータスクラスであれば安心します。
反対に、普通ではないこと、リスクが高そうなことを嫌います。
結婚相手が再婚だったとか、すでに子どもがいるからとか、結婚歴、出産歴を理由に結婚を反対する親はたくさんいます。
家庭環境や家族構成、出身地などが反対の理由になることもあります。
また、結婚相手の職業や収入が不安定だからという理由も多いです。
どの理由も、親である自分たちが世間から白い目で見られそうで、恥をかきそうだからという不安の心理状態で結婚を反対しています。
結婚情報誌には「しっかりと説明しましょう」と書いてあるけれど…
結婚情報誌や情報サイトを見ている方ならわかると思いますが、親は子どもが幸せに暮らしていけるかが不安で、心配になって結婚を反対しているから、何度も説明して不安を取り除いてあげましょう」と解説されていることがあります。
たしかに、親は自分の子どもが幸せになれるかどうかがわからなくて、心配して結婚に賛成できないという話は納得できます。
だから、なるべく情報を与えて安心させようという考えも理解できます。
でも、それが通用するのは心に問題を抱えていな親だけだということもわかっておかなければなりません。
なぜなら、先ほど紹介した4つのタイプの親は、あなたの心配をしているのではなくて、親自身の心配しかしていないからです。
じつはあなたが幸せになるかどうかは親にとってはあまり関係なくて、親は自分たちが不幸にならないかどうかで結婚を反対しているということです。
そんな人たちに結婚相手が誠実な人で、性格も良くて、と説明しても効き目はないかもしれません。
逆に、そんな親は結婚を認めないことをすでに決断していたりするので、情報を与えた分だけ否定の材料にされることがほとんどです。
まじめで良い人だと説明したら、「まじめで性格が良くても経済力がなければ不幸になる」と言われ、経済力があることを説明しても「この先の人生計画を示して証明してみろ」と言われ、言われたとおりに計画を示しても「ほら、やっぱりダメじゃないか」と一蹴されて終わるなんていうケースが実際にたくさんあります。
あなたが情報を与えていると、親は否定に否定を重ねることで、「やっぱり親の見立ては正しくて、子どもが間違っていた」と言って、ますます認めなくなっていくということです。
結局、自分たちが不幸になるからあなたの結婚を認めないと決めている親は、重箱の隅をつつくように結婚相手の粗探しをするので、情報を与えれば与えるほど結婚を認めてもらえなくなるという、情報誌に書いてあることとは違う方向に行ってしまうことになるわけです。
結婚してから認めてもらってもいい
大切なことをお伝えします。
これは、あなたが心に決めた人と結婚できるかどうかだけではなく、この先の人生全体においても重要なことです。
それは「あなたがどう生きるかはあなたが決めることだよ」ということなんです。
そして、結婚もあなたが決めた生き方の一部だということです。
そもそも、結婚とはあなたが幸せになるためにすることであり、親に認めてもらってすることではないし、親に認めてもらったからと言って幸せになれるわけではありません。
幸せになれるかどうかは、あなたが、どこで、誰と、どのように暮らしていくかをあなた自身の価値観で選んでいくことによって決まることです。
仮に親が安心する人を選べば結婚は認めてもらえるかもしれないけど、あなたがその人を好きだと感じられるかどうかは別の話です。
だから、親から認めたもらうことを目的にしないで、あなたが自分で決めたタイミングで結婚してから、幸せになっている姿を見せて、あとから認めてもらってもいいということなんです。
心に問題を抱える親は、自分の考えが常に正しくて、かならずその考えは現実になると信じて疑わない人たちです。
そんな親たちの考えを変えるには、現実を見せるしかないのかもしれません。
あなたが実際に幸せな結婚生活を送っていて、親の言うように不幸にはならなかかったという現実を見せるしか、認められないのかもしれません。
日々親子関係のカウンセリングをしていると、「これまで10年間、親を説得し続けてきたけどダメだった」なんておっしゃるご相談者様がいらっしゃいます。
それはとてももったいない…
あなたが結婚して幸せになって、その姿を親に見せたとき、「この子なりに頑張って幸せになったんだ」「私たちの理想を押しつけて申し訳なかったな」と思ってもらえたら、あなたは何年も説得し続けなくてよかったことになります。
しかし、もしそれでも認めてくれないときは、それだけ親が抱える心の問題が大きかったということです。
何が何でも自分たちの思い通りにならなければ気がすまないような支配的だったかもしれないし、子どもは親のそばで支え続けていかなければならないと強く考える依存的な親である可能性が高かったということです。
実際に、さきほど10年以上も説得を続けてきた人の親は重度の依存傾向がありました。
大切なことなのでもう一度お伝えします。
あなたの結婚は「あなた」が決めることです。
親に決めさせることではありません。
結婚とはあなた自身が幸せになるためにすることです。
親を安心させるためにすることではありません。
今回紹介した4つのタイプの親がどのような発現や態度で結婚を反対しているのかを知ってください。
そして、あなたの親がどのタイプなのかと考えてみてください。
あなたがもうこれ以上は無理だと思うところまでは結婚相手の性格や良いところについて、親に説明をしてみてもいいでしょう。
精一杯やってみないとあとで後悔するときもありますからね。
でもやっぱり認めてもらえなかったり、現実的には到底受け入れられないような条件を出されたりするなら、あなたの親は心に問題を抱えていると判断していいかもしれません。
もしそうなったら、結婚は自分のためにすることだと考えて、あなたのタイミングを大事にしてみてください。
あなたの人生はあなたのものです。
自分の本心に従って生きましょう。
それがあなたにとっての幸せな人生というものですからね。
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