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ご相談事例 親が否定する

[相談事例]親から離れたいと思うのは間違いですか?

親から離れたいと思うのは間違いですか?

コラムテーマのリクエストをいただきました

一人暮らしを反対されることについて、聞きたいです。お金や準備を頼るつもりなどありませんでした。
 
自立したいと言っても理解されず、一人暮らしは人生の無駄な投資であり、結婚して実家を出ればいいと言われました。
 
結婚も頭ごなしに反対され、否定の言葉ばかり言ってくる両親から離れたいと思うのは間違いですか?

自立とは何か分からなくなっています。
 

ご質問にお答えします

こんにちは、親子関係カウンセラーの川島崇照です。
コラムテーマのリクエストをいただきありがとうございます。

親から自立することを反対されているのですね。親子関係が苦しくて実家を離れて自立したいと思うとき、多くの方が悩むものです。

何度説明しても否定されてしまいます。そんなとき、もう何が正しくて、何が間違いなのかわからなくなってしまうものです。
 

それでは、あなたのお悩みにお答えしますね。

自立したいけど親から反対されたとき、どう考えていけばいいかをお伝えします。
 

子どもの自立を反対する親の心の問題

まず、あなたに知っておいてもらいたいのは、そもそも実家から出て自立することは本当に親を傷つけることになるのか?ということについてです。
 
結論から言うと、あなたが実家から出て自分の力で生きていくことは悪いことではありません。

むしろ、そうすることはとても健康的な状態です。あなたが自分の力で生きていけるなら、何の問題もありません。

一人暮らしをすることも好きな人と一緒に暮らすことも結婚して実家を離れることもあなたの自由な意志でしていいことです。
 

それに、心が健康的な親というのは、自分の子どもが自立することを誇らしく思ってくれます。「あんなに小さかったあの子がこんなにも力をつけて親元から巣立とうとしているって素晴らしいことだね」って思えます。
 

そりゃあ、どんな親だって心配はしますよ。

「ひとりでやっていけるかな?大丈夫かな?」って思う親だっていっぱいいるはずです。でも、健康的な親は、あなたには親とは違う生き方があることを知っていて、あなたが選んだ生き方を尊重しようと努力するはずです。

だから、あなたが家を出て自立して生きていくことは何の問題もないんです。
 

その反対に、子どもの自立を反対する親というのはそのほとんどが心に問題を抱えています。

例えば、「あなたがひとりで生きていけるわけがない」と言っている親だったら、ひとり暮らしをしたあなたが悲惨な生活をするに違いないと決めつけて勝手に不安を感じているでしょう。

そして、あなたのひとり暮らしを反対して、いつでも家の中で監視しながら不安が現実にならないようにしています。

こういう親は、過保護溺愛をする親です。

口では「あなたが心配なの」と言いますが、本当はあなたに力があることが信じないんです。だから、いつでもあなたが失敗することを前提に否定を続けます。
 

その他、「親を捨てるんだね、こんなにも苦労して育ててきたのに」と言って、あなたの独立を反対している親だったら、親は親自身の力で生きていけるはずがないと決めていて、いつでもあなたに頼りたくなっている可能性があります。

そんな親は、自分が病気になっていることや年老いていることを理由に、「こんなに弱っている親を見捨てるなんてひどい」と言って責めますね。
 

あとは、育てるにかかったお金の話とか、苦労して育ててきた話とかをよくします。

とにかく、あなたに罪悪感を感じさせるようなことを言って、いかに家から出て、自立することが親を傷つけることになるのかとアピールしてきます。
 

そんな親は、孤独になる不安を抱えていて、あなたに依存していますよ。

依存をしている親は、精神的に未熟な場合が多く、わがままで自己中心的だったりします。人の気持ちを考えない発言や行動が多いですね。

だから、あなたが決めた生き方を受け入れられず、とにかく自分の都合ばかりを主張するかもしれません。

あなたに家を出て行かれたら親にとって不都合なことが起こるので自立を反対している可能性が大きいです。
 

心が健康的な親は、不安になることはあってもあなたの生き方を尊重しようと努力します。親の人生とあなたの人生を分けて考えようとします。

逆に、心に問題を抱えている不健康的な親は自分が生み出している不安をあなたが与えた不安だと錯覚します。そして、自分の不安が現実にならないようにあなたが決めた生き方を否定しようとします。

一口に、自立を反対する親と言ってもいろいろありますが、共通して言えることは、みんなある程度の心の問題を抱えていて、だから自立を認めたくないということになります。
 

自分の生き方を決めるときの基準

親から生き方を反対されたとき、どのようにして考えて決めたらいいのか?あなたが決めたことでこの先の人生とか親子関係が決まっていくわけですからけっこう大きい決断だと思います。

影響が大きいですから悩みますよね。こういうときは、その決断をすることによって どれだけのあなたの幸福が増えるのか、 どれだけの不幸が減るのかを考える必要があります。
 

人ってみんな幸せになるために生きてます。 だから、自分にとって、「うれしい!楽しい!」って、幸せを感じられる生き方を選ぶことがあなたにとっての良い決断です。

ですから、あなたが自分感覚で決めることが大事。自分の気持ちに正直なって、やりたいことをやって後悔しないことが大事です。
 

この先、親と一緒に暮らすことはあなたにとって幸せが増えますか?

もうすでに十分幸せに感じているとかであれば一緒に暮らしていけばいいでしょう。そうすれば、あなたは幸せになれますね。
 

でも、親と一緒に暮らしている現在がすでに幸せを感じていなくて、やりたいことも制限されていたり、いろんなことを我慢させられていたり、あきらめさせられているなど、むしろ不幸を感じているなら、

あなたは親と離れるほうがいいでしょうし、そうすることで不幸は減っていくでしょう。
 

心が健康的な親は、あなたが自分の意志で幸せになるための選択をし、後悔しないように生きることを望みます。

あなたにとって、今が幸せでないのであれば、後悔しないで生きるために今の環境を変えていく必要があるかもしれませんね。
 

正しいか、間違っているか、で決めると後悔する

正しいか、間違っているか、で決めると うまくいかないことが多いので注意してください。なぜなら、正しいか、間違っているか、という基準では幸せな人生を送れないからです。

『正しさ』という価値観は人それぞれです。

親の正しさもあれば、あなたの正しさもあるでしょう。みんな違うはずです。だから親がいくら「親と一緒に暮らすことが正しいんだ」と言っても、あなたにとっては間違っているかもしれません。

親が「一人暮らしは無駄な投資だ」と言っていても、あなたにとっては有益な投資かもしれないんです。

親と言っても他人です。他人の価値観に従って生きることは、他人の人生を生きるようなものです。それはもう、あなたの人生ではないかもしれません。
 

その他には、あなたの自立が『成功するか、失敗するか』で考えることもうまくいきません。

たくさん経験したことなら、「こっちのほうがうまくいきそうだな」って将来を予想できるけど、経験したことがないことだと、予想したってそのとおりにならないことだってありますから。

だから、自立したいと思って自分なりに納得できる準備ができたらあとは自分の感覚を信じて行動してもいいですね。親に許可を取る必要もないです。説得する必要もないです。
 

それに、反対し続ける親を説得するのにかかる時間の分だけあなたの自立は先延ばしにされてしまいます。それはとてももったいないことです。

あなたの生き方が成功するか、失敗するか、そんなのやって見る前から結果を予想するなんて誰もができないんです。

だからこそ、親の言葉じゃなくて、自分の気持ちを信じて生きてほしいです。人生を左右する決断こそ、幸せが増えるか、不幸が減るかという基準で決めてほしいのです。
 

自分の感情や感覚を信じてみましょう。自分がどっちを選びたいのかをしっかりと心の声に耳を傾けて聴くことです。 自分がどうなりたいかを念頭に決めないと 後悔してしまいますからね。
 

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