COLUMN
コラム 親がヒステリックで困る
ヒステリックな母親のタイプ5つと心を守るための基本原則
ヒステリックな母親とは?
ヒステリックという言葉、
現代心理学ではほとんど使われなくなっているのですが、私たちが普段会話をする際にはよく使う言葉だと思います。
- 感情の起伏が激しい人
- 怒りが爆発する人
- 被害者意識が強い人
- 怒り出すと言葉が乱暴になる人
- あとさき考えない発言や行動をする人
ヒステリックと聞いて、たぶんこんなイメージを持たれている人が多いのではないかと思いますがいかがでしょうか。
みなさんもこんな人とどこかで出会ったことがあるかもしれません。
もしかしたら、タイトルどおり、あなたの母親がこんな人なのかもしれません。
今日は、巷でよく聞かれる『ヒステリックな母親』と言われる人の解説をしていきたいと思います。
ヒステリックな母親の特徴を知り、どうしたら傷つけられないようになるのか、どうしたらそんな母親から執着されなくなるのかをお伝えしていきます。
今まで、ヒステリックな母親との関係で苦しい思いをしてきた人たちの心の救いになれたら嬉しいです。
ヒステリックになる母親のタイプ
ヒステリックな母親というのは、感情のコントロールすることができません。
また、被害者意識が強く、弱々しい自分をアピールして他人を巻き込んで味方につけて誰かを攻撃することもあります。
そして重要なのは、なんでそんな人になってしまったのかということです。
先に答えを言ってしまうと、感情がコントロールできなくなるのも、怒りが爆発するのも、被害者意識が強くなるのも、すべて「強い不安」を抱えているからです。
でも、母自身は自分が強い不安を抱えているという意識はありません。
それは無意識の話で、じつは「誰か」から傷つけられているように感じていて、その「誰か」に対して攻撃したり仕返しをしたりします。
これがヒステリックな母親の心理状態です。
事象には必ず原因があります。
その原因が何であるのかを知らないと、適切に対処できないし、どんなに頑張っても親子関係が悪化したままということもよくあります。
ヒステリックと一口に言っても、タイプはさまざまです。
これから紹介する5つのタイプのなかに、あなたの母親は入っているでしょうか。
これまでの母親との関係を思い出しながら確認してみましょう。
[タイプ1]子どもを生き甲斐にしていた母親
このタイプの母親には自分の意志があまりありません。
子どもを生き甲斐にしている母親というのは、自己喪失という心理状態になっていることが多く、心にポッカリと穴が空いていて、その穴を何かで埋めようとして子どもに依存します。
自分がどのように生きたいのか、どのような人生にしていきたいのかという目的はもっておらず、それよりも子どもをどういう人間に育てるかに執着しています。
子どものためだったら自己犠牲はいとわないです。
あなたが幼少の頃は、献身的に接してくれてとてもいいお母さんのように思えていたかもしれません。
しかし、成長して思春期に入り、大人に近づくにつれて母親を重く感じるようになったはずです。
あなたを生き甲斐にしていた母親は、思い通りにならないことがあると途端に怒り出し、「こんなにも愛情を注いであげているのに!子どもは私の気持ちをわかってくれない!!」という気持ちを抱いて被害者意識を感じます。
従わないと否定して、言うとおりにしないと激しく怒ってヒステリックに子どもを叱りつけます。
生き甲斐にしてきた子どもが従ってくれないと、自分が今までにしてきたことがすべて無駄になってしまいそうで強い不安を感じるからです。
だからヒステリックになって怒り出します。
あなたもそんな母親に恐怖を感じていたなんてこともあったでしょう。
だから、隠れて行動するようになったかもしれません。
もしかしたら、会話を少なくして気持ちを悟られないようにしていたかもしれません。
しかし、母親もあなたが隠し事をしているように感じます。
そして、さらに過干渉が激しくて日々の行動を監視されるようになったかもしれません。
友人づきあいを制限されたり、年齢に見合わない門限を強要されていたりしたかもしれません。
あなたもそんな毎日に窮屈な思いをしながら、母親を怒らせないように顔色を伺いながら生きていることが多く、家の中で自由に自己主張ができなくなります。
[タイプ2]いつでも誰かに頼ろうとする母親
このタイプの母親は、自分には生きる力がなくて、何も決められないし、難しいことは考えられないと思いこんでいる人です。
わからないこと、難しそうなこと、怖いことがあると、問題に向き合わずに逃げようとします。
そして、誰かに代わりに問題解決をするように頼ろうとします。
子どもが成長し、独自の生き方を選ぼうとするときにトラブルを起こします。
たとえばよくあるケースだと、進学、就職、恋愛、結婚などがあげられます。
自分には生きる力がないと決めている母親は、子どもが自分のもとを離れていこうとするときに強い不安を感じ、「何でこんなにも弱い私を置いて行くのか!!」という気持ちを抱いて、被害者意識が強くなっていき、ヒステリックになります。
自分には生きる力がないと決めている母親は、この先、誰にも頼れず、自分だけで生きていかなければならないのではないかと強い不安を感じるから、ヒステリックになって怒り出します。
また、親が歳を重ねると、子どもに病気の介護、老後の経済的世話、身体的世話を強く求めるのも特徴です。
「子どもが親を世話するのは当たり前」と言っては、有無を言わさず強要します。
そんな母親は弱い自分をアピールするのが得意です。
こういうタイプの母親は、相手にどんな言葉で話しかけ、どんな態度を見せればコントロールできるかを瞬時に察知できたりするので、子どもはいつも強い罪悪感を感じて母を世話していたなんていうケースはとても多いのです。
「かわいそうなお母さんを一人にはできない」「弱いお母さんを裏切ってはいけない」「私だけ幸せになってはいけない」のように思って親離れできない人はたくさんいるはずです。
そんな母親のために子どもが自己犠牲をしていて、気づいた頃にはまるで親の人生を生きていたなんていう人たちはたくさんいます。
[タイプ3]自分は価値の高い人間だと思いこんでいる母親
このタイプの母親は、虚栄心が強く、他人から高い価値の人間だと見られたいという願望の強い人です。
自慢話と苦労話が多く、他人に横柄な態度を取りたがります。
弱い立場の人をバカにして見下すこともあれば、自分よりもステータスの高そうな人にゴマをすって取り巻きになっているときもあります。
プライドが高くて負けず嫌いです。
なにがなんでも勝ちで終わらせないと気がすみません。
こういうタイプの母親は、とにかく自分が満足できる状態を作ろうとして、子どもに強要します。
子どもを名門校に進ませようとして受験をさせたがります。
成績の悪い友人、素行の悪い友人とはつきあわないように制限することもあります。
誰もが知っているような有名企業に就職させたがります。
学歴が低いからと言って、交際や結婚を反対します。
そうすることが親である自分にとっても、子どもにとっても幸せなことなんだと信じて疑いません。
しかし、子どものあなたにだってやりたいことがあれば、やりたくないこともあるはず。
友人と同じ学校に進学したかったかもしれないし、自分の適正に合った会社で働きたかったかもしれません。
そんなときに、あなたが反論をしたり、従わなかったりすると、母親の怒りは爆発してヒステリックになってとことんまで責めるでしょう。
「親がどれだけ子どものことを考えてやっているのかをわからないなんて自分勝手でワガママだ!」と言っては、あなたが考えを変えて従うまで責めるのをやめません。
自分の高い価値を守りたい母親は、子どものあなたにも高い価値を持つことを強要し、そうしなければ自分の高い価値は維持できないのではないか、もしかしたら周囲から見下されて惨めな思いをしながら生きていかなければならないのではないかと強い不安を感じるから、ヒステリックになって怒り出します。
長い間、そんな母親を見ていたあなたは、やりたいことがあっても母が認めてくれそうにないことは先にあきらめるようになっていたでしょう。
母親が許してくれそうなことしかできなかったかもしれません。
[タイプ4]自分に自信がない母親
このタイプの母親は、とにかく自分に自信がなくて、他人とコミュニケーションを取ることに強い苦手意識を持っている人です。
他人から悪く思われたくない、バカにされたくないという意識が強く、他者を遠ざけて孤立していることが多いです。
ご近所付き合いは少なく、昔からの友人もおらず、生活の中心が家庭だけになっているというケースもたくさんあります。
職業を転々としているなんてこともあります。
コミュニケーションが苦手なのでいつも人間関係でトラブルを抱えて辞職を余儀なくされていたり、被害妄想も強いので組織に馴染めないとすぐに退職を選んだりするからです。
こういうタイプの母親は、子どもに失敗しないほうを選ばせようとします。
なぜなら、失敗したら親の自分が恥をかかされると思っているからです。
だから、あなたが新しいことにチャレンジしようとすると「あなたにそんな事ができるはずがない」と言ってみたり、周囲の人とは違う行動を取ろうとすると「はずかしいからやめて!」と言ってみたりして、ヒステリックになって否定します。
さらに、価値観の古い母親が固い職業を選ばせようとすることもあります。
代表的なのが市役所職員や銀行員、それに教師や看護師などです。
『安定企業、倒産しない企業、資格が必要な職業=失敗しない』というイメージで子どもに職業を強要します。
自分に自信が持てない母親は、少しでもわからないこと、知らないことがあるとすべてが失敗してしまいそうに感じてしまいます。
だから、子どものあなたに無難な生き方、安全な生き方を選ばせていないと安心できません。
いつまた誰かからバカにされるのかと過剰に警戒し、まるで綱渡りをしているかのような心理状態で、自分にとって少しでもリスクがありそうだとと感じるとヒステリックになって怒り出します。
あなたも大人になって、安定した企業に就職できたことに感謝を感じることもあるかもしれません。
しかし、だからといって親をよく思おうとするとか、悪く思ってはいけないと感じて自分自身を制限する必要はありません。
問題点は、自分に自信のない親が恥をかきそうで不安になっていて、そんなときに自己努力をするのではなく、あなたを利用して安心を得ようとしたから、あなたの生き方が捻じ曲げられてしまったというところです。
[タイプ5]子どもっぽくてワガママで自己中心的な母親
こういうタイプの母親は、精神的未成熟で心のある部分が大人になりきれていない人です。
心のある部分というのは、『共感性や思いやり』です。
相手の身になって考えるということができません。
また、他人がどのように苦しんでいるのかという想定ができないので、不用意な発言で傷つけてしまったり、とにかく自分の都合ばかりを押しつけてしまったりすることが多いです。
あとは、親としての覚悟を持っていないのも特徴です。
子どもの心を支えるとか、努力をねぎらうとか、落ち込んでいる子どもに共感するということをしようとしません。
それよりも、精神的未成熟な母親にとっては、子どもはライバルであり、責任転嫁をするターゲットでもあります。
だから、母自身のことでうまくいかないことがあると、すぐにあなたのせいにされたかもしれません。
「金食い虫!」「親に苦労をさせるな!」「親に面倒をかけるな!」のように言ってはあなたに責任転嫁をして、ヒステリックになって怒り散らしていたなんてこともあったかもしれません。
または、「子どもが親の世話をするのは当たり前だ!」「今まで育ててやった恩を返せ!」なんて言われてヒステリックに当たられていたかもしれません。
子どもっぽくてワガママで自己中心的な母親は、面倒ごとを嫌い、楽をして生きたいと考えているから子どものあなたに依存しようとします。
でも、思いどおりにならない状況があったり、うまくいかないことがあったりすると、不自由な思いをさせられている、自由を邪魔されていると考え、強い不安を感じてヒステリックになって怒り出します。
人が人を育てるということは、育てる側としてある程度の自己犠牲も必要だし、お金もかかることは最初からわかっていたはずなのに。
子どもを育てるということを面倒に感じて、子どもに面倒をかけられていると考えるのは精神的未成熟な母親の特徴です。
苦労を嫌い、できるだけ楽をして生きようとしていて、子どもに経済的に依存をしようとするのもこのタイプの母親によくあることです。
ヒステリックは強化されてできあがる
母親がヒステリックな人になってしまった原因については、すでに5つの特徴をお見せしました。
ただし、それだけがヒステリックな性格を構成しているわけではありません。
それはあくまでもきっかけに過ぎないと思ってください。
大部分は、あなたの母親のヒステリックな性格はこれまで何度も「強化」されてきたということなんです。
そして、強化をしてきたのは「あなた」かもしれません。
強い不安を感じた母親は、なんとかしてあなたの考えや行動を変えようとしたはずです。
そんなとき、母親は自ら作り出した不安だとはわからず、あなたから与えられた不安だと思いこんで、被害者意識を抱いて怒り出しました。
まだ幼少だったあなたは親が怒る姿を見て「怖い」と思ったはずです。
そして、また怖い思いをしないために「従う」という方法で自分自身を守ってきたはずです。
そんなとき、母は「怒ればこの子を従わせられる」と学習しました。
怒って怒鳴れば子どもをコントロールできると学んだ親は、次の日も、そのまた次の日も怒り続けるようになります。
しかし、あなたも怒る親を見続けてきて耐性が強くなっていくはずですから、親にとってみれば日に日にコントロールしにくくなっていくでしょう。
そうすると、昨日よりも今日、今日よりも明日の怒りを強くする必要があり、それを日々くり返すことによって「怒ればうまくいく」という思い込みは強化され、現在のように怒りの爆発をともなうような強烈な母親ができあがったわけです。
母親のヒステリックを受け入れないことが大切
もし、あなたがまだ母親と同居をしているということであれば、これからお伝えすることについてハードルが高い印象を持つかもしれません。
まずは基本原則的な話をしますのでお聞きください。
大切なことは、あなたが母親のヒステリックを見ても考えを変えないで、思ったとおりの行動や態度を見せることです。
母親は、「怒ればあなたが従うだろう」と期待をしているので怒りを爆発させます。
ということは、怒りを爆発させている母親を見ても、あなたが考え、行動や態度を変えなければ、母親の期待はかなわないということになります。
怒ってもうまくいかず、怒鳴っても従わせられないという状況をつくることができれば、母親はヒステリックになるメリットがなくなります。
そしてヒステリックは少なくなっていきます。
ただし、これは理論上のお話です。
ヒステリックな母親というのは冷静に思考できないので、あなたが変わらなくてもしばらくは怒鳴り散らすことをやめはしないでしょう。
たぶん、ヘトヘトに疲れるまで怒りを爆発し続けると思います。
でも、わかっておいてほしいのは、永遠に怒り続けるなんてことはできないということなんです。
だから、あなたが母から何を言われても従わず、考えを変えずにやりたいように行動していたら、いつかは止まります。
しかもそんなに時間はかかりません。
多くのケースでは約1週間程度です。
でも、その1週間というのは、あなたが毅然とした態度できっぱりと断るし、淡々と自分のやりたいことをやり続けた場合です。
途中で曖昧な態度を見せてしまったり、怖いからと言ってまた従ってしまえば、母のヒステリックはさらに強化されてしまいます。
ほとんどの人は親のヒステリックが止まるということを経験していないし、小さいころから怒る母親を見続けていて強い恐怖心を感じてしまうので毅然とした態度を取れるものではありません。
しかしそれでもわかってもらいたいのは、ヒステリックは止められるということなんです。
この事実を知っているのと知らないとでは、明らかに親への対応が違ってきます。
ポイントはこの6つです。
- 親にわからせなくてもいい
- 親に勝とうとしなくていい
- 親に許可をもらわなくていい
- 自分で決める
- 決めたとおりに行動する
- 親に期待を持たせずにあきらめさせる
具体的にどのように対応していくのかはまた別のコラムで書いていきたいと思っています。
そのときはまた是非読んでみてください。
あなたの人生はあなたのものです。
もう従って生きる人生はやめてもいいと知りましょう。
自分の人生を生きてもいいと知りましょう。
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