COLUMN
ご相談事例
母親が結婚を反対する本当の理由は何でしょうか?
ご相談いただきました
お名前 : YUIさん
はじめまして。
いつもコラムを読ませてもらっています。
まるで母親と私のことが書かれているみたいで、なるほどそうだったのかーと、いつも感心させられています。
今まで母は一人で私を育ててきてくれました。
父親は私が中学生くらいのころに病気で他界し、そのあとは母がシングルマザーで働きながら私を大学院まで出してくれました。
そのことは今でも感謝しきれません。
でも、昔から教育に関することは非常に厳しく、常に学校でもトップクラスに入っていなければ怒られていました。
その点では母は怖い人であるという印象が強いです。
困っていることは母親から結婚を反対されていることです。
今までも何度か婚約者の学歴のことで結婚を反対されていて、そのたびに母親が感情的になるので、私があきらめて別れるということを何度かくりかえしていました。
でも今回の婚約者はいわゆる一流企業につとめていて、学歴も申し分なく、私もこの人だったら母は反対しないだろうと思っていました。
彼から実家に来てもらい母に紹介しました。
最初は和やかな雰囲気で話が進み、彼が有名な企業に務めていることを母もたいへんよろこんでくれたので、この雰囲気だったら問題はなさそうだと感じていました。
でも、彼が国内転勤も多い仕事で、この先は海外支社に行く可能性もあって、そのときは私にもついてきてほしいという話を始めたところ、母親に表情が急に曇り始めました。
なんだか嫌な予感がして、私が口を挟んで話題を変えようとしたのですが、そこから母親の質問攻めがはじまりました。
・国内の転勤は何県に行くことがあるのか?
・海外赴任はどこに何年間くらいするのか?
・転勤は絶対にしなければならないのか?
母は彼の説明を聞いて、
納得していたように相槌を打ちながら
その日は終わりました。
でも、彼が帰ってから母の否定がはじまりました。
「知らない土地に行って結婚するなんてうまくいくはずがない」
「外国に行っても苦労するだけだ」
「もし彼が転勤をしないのであれば結婚は認める」
「妻も大事にして、妻の親も大事にするのが、筋だろう」
「娘にこんな形で裏切られるとは思わなかった」
「私は一人娘から見捨てられてかわいそうだ」
こんなふうに言って私の言葉を聞いてくれることはありませんでした。
そして次の日から、彼が転勤をしないように説得しろ。それができないうちは結婚は認められないと言われ続けています。
私はとうとう心が折れてしまって、ついにはいつものように別れると言ってしまいました。
でも、今度は「別れろとは言っていない。そんなに良い人を逃してはダメだ」と言うのです。
とにかく、彼が転勤をしないで私と結婚しろとか、本当に私のことが好きなのであれば転職をしてでも結婚するはずだなどと言います。
私は母親の考えがわからなくなってしまいました。
結婚すると言ったら反対され、
別れると言っても反対され、
母親はなんで矛盾することを言っているのでしょうか?
母親の気持ちが理解できない私がおかしいのでしょうか?
私はどうしたらいいのでしょうか?
ご質問にお答えします
YUIさん
ありがとうございます。
母親から結婚を
反対されているのですね。
母親が認めてくれそうな
学歴も職業もステータスの高い人を
紹介したけど、
また反対されてしまったのですね。
・転勤のある相手との結婚は認めない
・転勤をしないように相手を説得しろ
・親から離れることは悪いことだ
こんなふうに言われて、
母親の矛盾している言葉を聞いて
迷うのですね。
わかりました。
あなたの母親が
今どのような心理状態にあるのか
について解説していきますよ。
そして、あなた自身が
すっきりとした気持ちで前に進んでいくためには
どうしたらいいのかについてアドバイスいたしますね。
母親が結婚を反対する理由
お話をうかがっていて思うことは、
母親はあなたに依存をしている
のではないかということでした。
いつまでも子どもをそばに置いておきたがる親。
遠くに行くことを反対する親。
これらは、依存的傾向の強い親が良くすることです。
依存的傾向の強い親は、
無意識のうちに一人で生きていくことへの
不安を強く抱えています。
一人で生きていくことへの
不安を抱える母親というのは、
自身に生きていく力がないと思いこんでいて、
だから誰かにそばにいてもらいたいと考えます。
自分の事なのに、
自分で考えて決めることをせず、
いつでもそばにいる人に頼ろうとします。
ただし、頼っても感謝はできません。
なぜなら、支えてもらって当たり前と考えるからです。
親は自分自身が弱い存在であり、
何をするにも苦労するはずで、
かわいそうな人間だと決めていることが多いです。
そして、そんなかわいそうな人間なのだから
支えが必要だと考えて、
支えてくれそうな優しい人に依存をしようとします。
しかしその反面、
他人を信じることができず、
周囲から距離を取っていることも多いです。
そうすると、
身近にいる子どもが依存対象になりやすく、
とくに母と同性である娘が
ターゲットになりやすくなります。
「この子だったら私と同じ女性だから、
母親としての苦しみを理解してくれるはずだ」
と考えて、
いつでもそばに置いておきたがります。
だから、困ったときは
いつでも娘を呼び寄せる
ことのできる状態をつくりたくて、
「遠くに行くな、近くにいろ」と言います。
その他には、
転勤の多い仕事に就いている男性と
結婚すると言ってみたり、
長男と結婚するなと言ってみたり
することもあります。
「娘が転勤の多い夫について
遠くに行ってしまったら、
私を支えてくれる人がいなくなってしまう」
とか
「長男のところに嫁にやったら、
相手の家に取られてしまって
私のことを世話してくれる人が
いなくなる」と考えるからです。
そうやって、
娘が遠くに行くことを許しません。
今まで、結婚を反対する母親の
心理分析を何度も行ってきましたが、
子どもが暮らす場所や結婚相手の転勤、
不妊を気にする親のほとんどが
依存傾向が強かったです。
子どもが自分のそばから
遠く離れていくと考えるだけで不安が強くなり、
感情的になって反対し始めます。
そして、親から遠ざかることが
いかに悪いことなのか、
親を支えていくことが
いかに大切なことなのかを
呪文のように言ってきます。
そうするのは、
母親が自分の支え役である娘を
そばに置いておけると、
不安が少なくなったように思えて、
安心できるかのような錯覚を覚えるからです。
できるだけ早く
この依存関係は解消しておきたいですね。
そうしないと、
依存をくり返す母親は
年齢の高まりとともに依存が強くなり、
ますます自分の力で生きなくなるので、
日に日に力が減っていくようになるでしょう。
そして、娘であるあなたも
弱い母親を見て離れることに
罪悪感を感じて、いつまでも
結婚できないという現象も
起こりやすくなるはずです。
母親が学歴にこだわる理由
親が学歴をこだわる理由で
いちばん可能性が高いのは、
劣等感が強いことです。
劣等感が強い親というのは、
心のなかで自身の能力や
社会的価値が周囲と比べて低いと決めていて、
恥の意識が強くて、
無意識のうちに自己批判をたくさんしています。
そんな親は、
自分で頑張るということをあまりしません。
なぜなら、自分の能力は低いので、
頑張っても成功しないし、
もしかしたら失敗して
恥をかくかもしれないと恐れて
行動しないからです。
そして、自分で頑張る代わりに
子どもを頑張らせます。
子どもに良い点数を取らせ、
高い学歴をつけさせ、
誰もが知っている大学に入れて、
世の中で大企業と呼ばれているような
会社に就職させることで、
まるで親の自分の価値まで
高まったかのようで嬉しく感じるので、
自信の無さを補えるからです。
こういうタイプの親は、
子どもの交際相手や
婚約者にも同じように高い学歴を求めます。
自分の子どもがより
高い学歴を持っている人と
結婚することを好む反面、
子どもの社会的地位が
傷つき下がりそうな
相手との交際や結婚は猛反対します。
もしかしたら、
あなたが今まで選んだ婚約者は、
母親にとっては不満足な人たちだったのかもしれません。
母親は、
学歴の高い人と結婚することが
幸せな人生につながるし、
そうではない人と結婚することは
不幸な人生を歩むことになると
言っていたかもしれません。
でも、母親が言っていたことは
母自身が安心するための思い込みであって、
本当にあなたの幸せを願って
言っていたことではないのかもしれませんね。
たしかに高い学歴を持っていて、
大企業にお勤めの相手と結婚したら、
経済的な安定は手に入れられるかもしれません。
しかし、あなたがそのお相手と
一緒にいて幸せを感じられるかどうかは、
また別の話です。
もちろん、
いくら好きな人と結婚したとしても、
今日食べるものもないほど困窮している
なんていう状態では、
幸せを感じられないかもしれません。
バランスが大事ですね。
幸せになることと、
学歴や経済力があることはまったく別の問題だけれど、
それぞれ適切な量みたいなものがあって、
バランスが取れていることが大事なんです。
まずは、お相手のことを信頼できていて、
一緒に人生を歩んでいきたいかどうか、
そして、あなたが手に入れたい生活スタイルを
そのお相手と一緒に作っていけるかどうかを
考えていきたいですね。
あなたがそれを考えてみて、
彼のことを信頼できているし、
彼とだったら協力して生活していける
と感じるのであれば、
母親の理解や許可を得る必要はないはずです。
あなたにとっての幸せというのは、
あなたが誰からも指図されず、
生きたい人生を生きたときです。
必ずしも高い学歴を持っていることや
大企業に勤めていることは
必要ないということになります。
母親の言葉で迷わされないための考え方
依存的で劣等感の強い母親の言葉で
迷わないようにするためには、
母は自身の不安を減らすために
娘をコントロールしようとしている
という前提を持つことです。
支え役がいなくてさみしいという不安と
恥をかきたくないという不安の2つを
母親が持っているということをもとにして考えてみることです。
そのようにして考えないと、
母親の矛盾した言葉を聞くたびに迷わされて、
何をしても母親が怒るので心は疲れていき、
そのうちに自分がどのように
行動していけばいいかがわからなくなってしまい、
ついには思考停止の状態になってしまうはずです。
思考停止の状態になってしまうと、
母親の言動がおかしいということにも
気づけなくなるかもしれないし、
母の言うとおりに従っていたほうが
傷つけられずに済むのではないかと考えるようになって、
望まない生き方を選んでしまうかもしれません。
それはあなたにとってとても不幸なことです。
母親は、
「私のさみしさを埋めてくれるのはこの子だけだ」
とか
「この子が早く結婚しないから私が恥ずかしい思いをするんだ」
と考えて、
今まであなたを
コントロールしようとしてきたはずです。
さみしい思いをしたくないから、
親から離れて結婚することが
いかに悪いことなのかを
何度も言ってきたかもしれません。
低い学歴の人と結婚することが
いかに不幸になることなのかと
何度も言ってきたかもしれません。
しかし、心が健康的で
自立心のある親は
子どもにそんなことを言いません。
結婚は子どもが幸せになるためにすることで、
いつ、どこで、誰と結婚するかは、
すべて子ども自身で考えて決めることだとわかっています。
子どもが選んだ結婚をわかろうと努力するし、
子どもが決めた相手を理解しようとします。
だって、
子どもの人生は子どものものであって、
親のものではないのですから。
まず考えておかなければならないのは、
自分の親が健康的な心理状態なのか、
それとも不健康的な心理状態なのかということです。
今日教えていただいたことからすると、
あなたの親が言っていることや見せている態度は、
健康的な心理状態の親とは違う可能性が高いです。
母親に矛盾している発言があるのは、
依存心と劣等感という2つの心の問題があって、
それぞれ違う目的で発言をしている
からということになりそうです。
あなたがおかしくて
母親の気持ちを理解できないのでは
ありませんから安心してください。
あなたは今まで一生懸命に
母親にわかってもらおうと思って説明してきたはずです。
なんとか許してもらおうと思って
話し合ってきたはずです。
頑張ってきたのだと思います。
でもそのたびに母親の言葉を聞いて迷い、
何度考えても理解できなかったのは、
母親の心の中に強い不安があったからです。
その不安は母親が生み出したものであり、
母親自身が依存心と劣等感を
解消することでしか消えない不安でもあります。
依存心と劣等感を持つ母親との付き合い方
この先、
あなたが親の言葉を聞いても迷わされず、
自信を持って自分の選んだ人生を生きていくためには、
この6つのことが大切です。
1.母親にも生きる力があると信じる
2.母に満足してもらおうとせず、母親がするべきことは母親自身に頑張ってやってもらう
3.嫌なことはハッキリと嫌だと言って断る
4.結婚は自分自身が幸せになるためにすることだと考えて、親に理解と許可を得ようとしない
5.否定や批判をされても母親の依存心と劣等感という問題が原因だと考える
6.結婚したあとに幸せになった姿を見せて、後から理解してもらうこともできると考える
あなたの母親は
自分に生きる力がないと思いこんでいて
あなたに依存しようとしていますが、
じつは力を持っているのに使おうとしていないだけです。
力というのは、使えば使うほど強くなっていきます。
逆に使わなければ弱くもなります。
もし、あなたが
母親にも幸せになってもらいたいし、
できることであれば子離れしてほしいと
考えるのであれば、
母親にはあなた無しでも
生きていけるように
練習をしてもらわなければなりませんね。
もし、母親が自分の力で
生きられるということがわかれば、
あなたが遠くに行ったとしても、
不安は出てこなくなるか、
不安だけどなんとか自分の力でやってみようと
考えられるようになるかもしれません。
大切なことは、
依存できるはずという
期待を持たせないことです。
母親があなたの
社会的地位が下がらないようにと
思っていろいろと要求してくるのであれば、
従わないようにしましょう。
そして、あなたは自分自身で
決めた生き方を正々堂々と見せていきましょう。
あなたが従い続ければ、
母親はますますあなたを
コントロールしたがるようになります。
娘のあなたをコントロールできれば、
不安を減らせるような、
安心を増やせるような気になるからです。
だから、あなたが従うのではなく、
嫌なことは嫌だとハッキリ伝えて断り、
さらに生きたいように生きて、
「これが私の生き方だ!」と見せてもいいですね。
母親がそんなあなたを見て、
コントロールできないとわかったとき、
今までのような要求は少なくなるかもしれません。
それに、
「学歴が低い人と結婚したら不幸になる」
と思いこんでいる親は、
自分が正しくて、
あなたが間違っていると
強く決めつけているはずです。
そんな親に理解と許しを求めていては
いつまでも結婚できないかもしれません。
だから、
結婚してから幸せになっている姿を見せて、
「ほら、お母さんが考えていたこととは違うでしょ。
私こんなに幸せだよ。」と
伝えてもいいですね。
決めつけている人は、
証拠を見せないとわかろうとしませんからね。
大切なことは、
コントロールできるはず
という期待を持たせないことと、
自分の人生をどう生きるかはあなた自身で決めることです。
結婚は自分のためにすることです。
あなたが選んだ相手と、心地よく感じるタイミングで結婚し、ここが自分たちの居場所だと思える場所で暮らしていくことはとても自然なことです。
あなたの人生はあなたのものです。
どうか、自分の本心に従って生きてみてください。
それが自然な生き方というものですね。
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