COLUMN
コラム
親の感情の押しつけに気をつけて!(とくに母親)
こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
あなたは親から
こんなことを言われたことがあるでしょうか?
- 「不安にさせているあなたが悪い」
- 「あなたが私を怒らせたんだ」
- 「あなたに傷つけられた」
- 「あなたには裏切られた」
- 「あなたにはがっかりだ」
- 「なんで私の気持ちをわかってくれないの」
- 「なんであなたは私を不安にばかりさせるの」
こんなことをされたことがあるでしょうか?
- 『かわいそうな親』を演じて助けが必要であることをアピールしてくる
- 親が関係のない他人に子どもから傷つけられたなどと言って被害を受けたことを言いふらす
- 親が一方的に都合の良いことだけを言い、くわしく事情を知らない人を味方につけて一緒に責めてくる
あなたも親からこのようなことを
言われたり、されたりして、
罪悪感を感じていたかもしれません。
もしかしたら、
本当に自分が親を傷つけていたように感じて
苦しくなっていたかもしれません。
「私は親の言うように自分勝手でわがままなのではないか・・・」
「だから私は親を傷つけてしまったのではないか・・・」
こんなふうに思って
自己否定をしていたのかもしれません。
でも、そう思ってしまうのは、
多くの場合は『錯覚』なんです。
親が感じている感情はあなたが与えたものなのか?
感情というのは、
その時に感じる心の浮き沈みを
喜怒哀楽であらわしたものです。
感情とは感じている本人が心の中に生み出したもので、
他人が感じさせられるものではありません。
しかし依存的な傾向のある親は
自分が感じている悲しみや怒りを
子どもが感じさせていると錯覚します。
子どもを見て不安に感じているのは親自身なのに、
不安に感じさせる子どもが悪いと思い込んで
被害者意識をふくらませます。
そして、
子どもから傷つけられたと訴えて
一生懸命に子どもを
コントロールしようとします。
そうやって、
子どもを親にとって
都合の良い状態に変えることで
安心を得ようとするのが
『感情の押し付けをする親』です。
先程見ていただいたいくつかのリストは
『感情の押し付けをする親』が
日常的によく言っていること、
よくやっていることを
まとめたものでした。
親が自身の力で問題を解決せず、
最初から子どもを頼ろうとしていたり
努力をしようとしない親が
子どもになんとかしてもらおうと
大きな期待を押しつけていたり
しかも、それらが
「自分は親だから子どもがやって当たり前」
と考えていたりすると、
強い依存心となって子どもに向かってきます。
しかし、子どもにも子どもの生活があります。
子どもの都合もあります。
だから、
親の依存をすべて受け入れるなんてことは
非常に難しいです。
でも、
「自分は親だから子どもがやって当たり前」
と考えている親は、
「やってくれない子どもが悪い」
と考えます。
そして、
「当たり前のことをやってもらえない私は被害者だ」
と考えて、
「子どもに傷つけられた、裏切られた」
と言って責め始めます。
人の心の中で起こっていること
さきほど、感情というのは、
自分が感じているものであって
他人が感じさせているものではないとお伝えしました。
私たちに人間が感じる感情というのは、
すべてそれを感じている人が感じたくて
生み出したものです。
私たちがどんなに頑張っても、
他人になにかの感情を感じさせるということは
できないと思ってみてください。
だから、親が
「あなたに裏切られて悲しい」とか、
「親を怒らせたあなたが悪い」なんてことを言っていても、
それは事実ではないということになります。
でも、疑問に感じた人もいると思います。
楽しいとか嬉しいという感情だったら
自分で生み出しているということもわかるけど、
悲しいとか怒りの感情を
自分自身で生み出しているなんてことはあるのだろうか?と。
我々人類が最初に持った感情は
「恐怖」だと言われています。
その恐怖は生き延びるために重要でした。
猛獣に食べられないように、
怪我をしたり病気にかからないようにと考えるのは、
「死への恐怖」があるからです。
だから、日が沈んでから
なるべく群れで行動するようにしたり、
火を焚いて外敵から身を守ろうとしていたわけです。
それは現代でも同じです。
恐怖心というのは
あなたに危険が迫っているということを
教えてくれている感情として
今でも機能しています。
もしあなたが親と関わっていて恐怖という感情を感じるなら、
それは「早くその人から離れたほうがいいよ」と
心がシグナルを発していたということなんです。
でも、現代に生きていると、
そのシグナルをうまく受信できなくなっています。
猛獣に食べられるようなこともなく、
社会のルールも環境の整備も整っているので
死に直面するようなことは
少なくなっているはずです。
そのかわりに、
小さい子どものころから親から心を傷つけられ、
従わないと烈火のごとく怒る親から叱られていたり、
冷たくされたりしながら成長すると
親のことが怖くても離れられなくなります。
離れるよりも
逆に近づこうとしてしまいます。
怖いという感情は、
本来相手から離れるときのサインなのに、
親子関係では怖く感じてしまうと
我慢して従ってしまうという状態の人がたくさんいます。
感情は他にもたくさんあります。
もし親に憎しみを感じているなら、
本来は自分自身を幸せにするために使う精神力を
親のために捧げて無駄にしていることを
心が教えてくれているときです。
親を見て悲しく感じるときは、
親に期待できないと薄々気づいているのに
それでもまた期待をかけて関わりながら、
心が傷だらけになっていて危険なことを
心が教えてくれているときです。
親を見てさみしく感じるときは、
愛情を注いでくれない親に愛情を求めてしまっているか、
もしくは理想の親へのあこがれを現実の親に見ていて危険であることを
心が教えてくれているときです。
恐怖も悲しみも、さみしさだって、
ぜんぶそれを感じている自分自身が
生き抜いていくために
心の中に生み出していた感情だったということです。
しかし、感情の本来の使い方を
忘れてしまった現代人は、
相手が感じている感情を
自分が感じさせたものだと思い込み、
自分が感じている感情は
相手が感じさせたものだと
思い込んでしまっています。
これが、
親から「あなたのせいで傷ついた」と言われると
強い罪悪感が出てきて、
思ったとおりに行動できなくなってしまう
原因です。
感情の押しつけを受け入れないために
大切なことは、
親が感じている感情は
親自身が生み出したものであり、
あなたが与えたものではない
ということを知っておくことです。
これが理解できていないと
親の言葉を真正面から受け取ってしまいます。
親はあなたから傷つけられたと
錯覚しているから言っていることなのに、
あなたまでその言葉に迷わされてしまって、
まるで自分が加害者のようで申し訳なくなり、
被害者である親をいつまでも
世話し続けてしまうなんてことが起こります。
親の感情はあなたが与えたものではありません。
親の感情は親自身が感じたくて生み出したものです。
なぜ親はそれを感じたかったかと言うと
自分自身が被害者だと思いこんでいるからです。
感情の押しつけをする親は
自身の不安を子どもを利用して解消するために、
罪悪感を煽るということを良くします。
少しでも思ったとおりにならないと
悲劇のヒロインを演じて
あなたを責めるのは
感情の押しつけをする親がよくやることです。
感情の押しつけをするのは【依存傾向の強い母親】
今までにたくさんのカウンセリングを行ってきましたが、
感情の押しつけをする人の多くが【母親】でした。
自身が被害者だと思い込み、
弱い自分をアピールして悲劇のヒロインを演じて
子どもの罪悪感を煽ってくるのは、
【依存傾向の強い母親】の特徴です。
そんな母親の言葉や態度に罪悪感を覚え、
本当はやりたくないことを我慢してやっていたり、
本当はやりたいことなのに我慢してあきらめていたりすると、
【依存傾向の強い母親】は、
「この方法なら子どもに依存できるんだ!」
と学習することになり、
ますます悲劇のヒロインを
演じる度合いが強くなっていきます。
ですから、
本当にあなたが親を傷つけているのか、
それとも、
親が子どもを依存できなくて感じている
被害者意識が原因なのかを
見極めることがとても大切です。
見極める基準については
また別のコラムで解説をしていきますから
少し待っていてください。
まとめ
感情はその感情を感じている人が感じたくて生み出したものである
親が生み出した感情は
本来親自身が幸せに生きるために
使うはずだったもの。
しかし、その感情を使って
あなたを傷つけるなら、
それは間違った使い方である。
あなたが親に対して、
否定も押しつけもしていないのであれば
あなたが親を傷つけた事実は
なかった可能性が高い。
他人に感じさせることのできる感情は存在していない
あなたが親に感情を
感じさせることができないのだから、
親だってあなたに
感情を感じさせることはできない。
もし、親があなたの態度を見て被害者意識を感じているなら、それは錯覚
もし、あなたが親の言葉を聞いて罪悪感を感じるなら、それも錯覚
これからは親の感情と
自分の感情の間に境界線を引き、
親から批判されても
「私が感じさせた感情ではない」
とすばやく考えるようにする。
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