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コラム 幸せな人生を生きるために

親が苦手だと感じるのはおかしい?その違和感に専門家が答えます

親が苦手だと感じるのはおかしい?その違和感に専門家が答えます

こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
親との関係で悩んでいませんか?

「親子だから仲良くするべきなのに…」

「親に苦手意識を持つなんて自分はおかしいのでは…」

そんな思いを抱えている方に向けて、
このコラムを書いています。

今日は「親が苦手」という
感覚について、カウンセラー
としての視点からお伝えします。
 

なぜか親といるとつらい ─それは「苦手」という感覚かもしれない

「親が苦手」

この言葉を口にするのは
勇気がいることでしょう。

日本人は、
古来からの文化や風習によって、

「親子は仲良くあるべき」

「親は無条件に敬うもの」

という暗黙のルールのようなものを
持っています。

でも実際には、
親といるとなぜか疲れるし、
緊張もするし、
自分らしくいられない…

そんな感覚を持つ方は
少なくありません。

「苦手」という気持ちの裏には、
これまで親との関係で積み重ねた
心の傷や違和感が隠れていることがあります。

 

それは例えば、自分の意見を
否定され続けた経験かもしれません。

あるいは、親の機嫌を
常に気にしなければならない
緊張感かもしれません。

自分でも説明しづらいけれど、
親といると息苦しい。

この感覚は決して
あなただけのものではありません。
 

本来、良好な関係には
「心の境界線」が存在していて、
安心して関われる親子関係にも
それは存在します。

その境界線を繰り返し
越えられていると、
心は防衛反応を示します。

それが「苦手」という
感覚になって表れるようになります。

親子関係であっても、
親が境界線を乗り越えて
子どもの領域に侵入しているなら、

子ども側が
「親を苦手に感じる」
というのは自然な心の動きです。

 

もしかして、こんな親の言動に苦しんできませんでしたか?

ここからは、
多くの方が親との関係で感じる
「苦手」の正体を見ていきましょう。

以下の例に思い当たる
ことはありませんか?

あなたの意見や選択を否定してくる

  • 「それは間違っている」
  • 「そんなの無理に決まっている」
  • 「あなたに判断できるはずがない」

こういった言葉で
自分の考えや選択を
日常的に否定されていませんか?

親からすれば「心配だから」
という理由かもしれませんが、

否定することは、
あなたの自立性を奪う
行為になっています。

最初は、
「親の言うことを聞くべき」
と思っていても、
否定が続くうちに
「苦手」という気持ちが芽生え始めます。

自分の意見を言うと否定される経験が
積み重なるほど、次第に親との会話を
避けるようになっていきます。
 

正しさを盾に、親の考えを押しつけてくる

  • 「私の言うことは正しい」
  • 「私の方が経験があるから」
  • 「世間ではこうするものだ」

このように親の価値観だけが
正しいとされ、あなたの
考えが尊重されない状況では、
心は傷つきやすくなります。

押しつけの背景には
親自身の不安や恐れが
隠れていることもあります。

不安を安心に変えたいから
あなたに親の考えを押し付けます。

親の「正しさ」が絶対視される家庭では、
徐々に親と話すことへの抵抗感が
高まっていきます。

あなたは自分の考えを
述べる機会が奪われるたび、
「この人とは分かり合えない」
と感じるようになり、
「苦手」と感じて
距離を取りたくなってしまいます。

 

「親なんだから当然」と都合を押しつけてくる

  • 「親孝行するのは当たり前」
  • 「私がどれだけ苦労したと思っているの」
  • 「子どもなんだから従うべき」

親という立場を利用して
一方的な要求をしてくることは
ありませんか?

関係は双方向のものなのに、
親だけが特権的な存在になって
しまっています。

親の都合が優先される状況が
くり返されると、
次第に「自分は大切にされていない」
と感じ始めます。

その失望感が積み重なるごとに、
「苦手」という感覚が強くなっていき
親との関わりを減らしたいという
気持ちが強くなっていきます。

 

親が自分の非をあなたのせいにしてくる

  • 「あなたがこうだから私はこうなった」
  • 「あなたのせいで親が苦労した」

親が自分の責任を
子どもに転嫁する行為は、
深い心の傷になります。

こうした言動を受け続けると、
罪悪感を抱え、自分を責めて
しまいがちです。

不当に責められる経験が続くと、
初めは親から言われたとおりに
自分を責めていた気持ちが、
やがて親への不信感へと変わります。

理不尽さへの怒りとともに、
親との接触自体がストレスになり、
「苦手」という気持ちはさらに強くなって
自然と距離を置くようになっていきます。

 

すぐ怒る・泣くなど、感情で支配しようとする

  • 「こんなに悲しませて」と泣く
  • 「こんなことをされたら怒るのは当然だ」と怒鳴る

親から感情的な反応で会話を
支配されると、あなたの気持ちは
置き去りにされます。

いつしか「親を怒らせないように」と
自分の感情を押し殺すように
なっていませんか?

親と話すたびに
感情の嵐に巻き込まれる経験が続くと、
次第に「親と話すのは疲れる」と
感じるようになります。

予測できない感情の反応に対する恐れから、
「苦手」という気持ちはさらに強くなり、
親との接触自体を避けたくなるのです。

 

親との過去を振り返ると、納得できないことが今も心に残っていませんか?

「もう過去のことだから」と
言われても、心の傷は
そう簡単に癒えるものではありません。

子ども時代のできごとは
大人になった今でも、
あなたの中に生き続けています。

なぜ、時間が経っても
モヤモヤした気持ちが
消えないのでしょうか。

それは、過去の出来事や経験が
適切に処理されていないから
かもしれません。
 

例えば、親があなたを
傷つけたことを認めず、
「あなたのためを思って」と
正当化し続けるとします。

すると、あなたの中の
「親の考えは変わっていない」という感覚と、
「親からまた傷つけられるかもしれない」
という感覚で、警戒心が減っていかないからです。

警戒心が減っていかない限りは
心は安定を取り戻せません。
 

心の傷は、無視すれば
するほど深く残り続けます。

「感じなければいい」と
思っても、心と身体は記憶しています。

それが親との関係で
緊張や不安、抵抗感として現れ、
「苦手」という気持ちはずっと続きます。

 

「親が苦手」と思う感覚は、ごく自然で正当なことです

「苦手」という感覚は、
あなたの心が発している
大切なサインです。

そのサインは、
「親との関係には何か問題がある」
と教えてくれています。

自分の感覚を否定したり、
「親なのに苦手と思うなんておかしい」
と責めたりする必要はありません。

むしろ、その感覚に
正直になることが、
健全な心の第一歩です。

我慢し続けることは、
あなた自身を傷つけ続ける
ことになります。
 

自分の感覚を信じて
大丈夫です。

そして、
その感覚を出発点にして、
関係を変えていくことも可能です。

それは、必ずしも親と
関係を断ち切ることではありません。

適切な距離を保ちながら、
自分を守る方法を
見つけていくことです。
 

例えば、
会う頻度や時間を調整したり、
話題を限定したりする方法も
あります。

また、自分の気持ちを
伝えてみることで、
親側の変化を促せる
こともあります。

重要なのは、
あなたが自分の気持ちを大切にし、
自分を守る選択をしていくことです。

「親が苦手」という感覚は、
あなたがこれまで我慢してきた
証でもあります。

その気持ちを受け入れることが、
新しい関係への
第一歩になるでしょう。
 

カウンセリングの場では、
このような感情と向き合い、
自分らしい選択をしていく
お手伝いをしています。

一人で抱え込まず、
必要なときは専門家に
相談してみることも
選択肢の一つです。

あなたの心の声に
耳を傾けてください。

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