COLUMN
自分が毒親にならないために 自分が毒親にならないために
自分は毒親なのではないかと思って不安になるあなたへ
こんにちは
カウンセラーの川島崇照です。
日々、子どもと接しているときにあなたはこんなふうに感じることはありませんか?
- 私の接し方は正しいのだろうか?
- 毒親になっていないか心配…
- 子どもにどこまで関われば良いか分からない
- 知らないうちに子どもの心を傷つけているかも
- 自分が親にされたことを、同じようにしていないだろうか?
子育てをしていると、
こうした疑問や悩みは誰もが経験します。
特に、親との関係に苦しんできた方ほど、
「あの親のようにはなりたくない!」
と強く思うものです。
しかし、どれほど
「子どもを守りたい」
「正しく育てたい」
と思っていても、
実際に自分が親からそうされたことがないと、
何が正しいかわからなくて
どうすれば良いのか分からず
悩んでしまうこともあります。
このコラムでは、
あなたが自覚のない毒親的な要素を
持っているかどうかを確認し、
今後どのように子どもとの関係を
より良くしていけるのかをお伝えします。
子どもとの適切な関わり方を考えよう
どうすれば、子どもと健全で良好な関係を築けるのか、一緒に考えていきましょう。
簡単チェックリスト:毒親的要素があるか確認
まずは、あなたの心の中に
毒親的要素があるのか、
簡単にチェックできるリストをご紹介します。
このリストは、
未成年のお子さんがいる方でも、
すでに成人しているお子さんを持つ方でも、
どなたでも受けていただけます。
子育てが終わり、
子どもが中高年になっている方でも
安心してご利用ください。
チェックリストを通して
多くの項目に該当したとしても
落ち込む必要はありません。
大切なのは、
「子どもを傷つけない」
「適切に守る」と決意し、
行動に移すことです。
新しい考え方や知識を学べば、
より良い親子関係を築くことができます。
- 子どもに自分と同じ価値観を持ってほしいと思い、それが叶わないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもには自分を支えてほしいと思い、それができないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもが自分の言うことを聞かないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもに自分と同じ人生を歩んでほしいと思い、それができないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもに親の愛情を理解してほしいと思い、それが伝わらないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもとこの先もずっと一緒に暮らし続けたいと思い、それができないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもに隠し事をせずにすべてを打ち明けてほしいと思い、それが叶わないと悲しい、寂しい、腹が立つ
- 子どもの考えや感情はすべて親として理解しているつもりだ
- 子どもには正しい判断ができないと思い、常に自分が守り続ける必要がある
いかがでしたか?
もし1つでも該当する項目があれば、
知らず知らずのうちに
子どもを傷つけている可能性があります。
あなたが悲しみや寂しさ、苛立ちなどの感情を
子どもに向けてしまっていると感じる場合、
早急にその問題を解消することが大切です。
子どもとの「境界線」、きちんと引けていますか?
子育てにおいて、
子どもとの「境界線」を
しっかり引くことが非常に重要です。
先ほどのチェックリストに
1つでも該当した方には、
特にこの情報が役立つでしょう。
親はつい「自分が正しい」と思うことを
子どもに押しつけがちです。
しかし、それは
子どもを傷つけたいわけではなく、
むしろ幸せになってもらいたいという
願いからくる行動です。
ですが、そうした行為の背後には、
子どもとの間に境界線が
引けていないという問題がある場合が多いのです。
境界線とは?
「境界線」とは、
親の人生と子どもの人生の間に引かれる
「心理的なライン」のことです。
この境界線が曖昧だと、
親は自分の不安や価値観を
知らず知らずのうちに
子どもに押しつけてしまい、
結果として子どもの
自由や自立を奪ってしまう
可能性があります。
境界線が引けていない親が感じやすいこと
親として境界線が引けていないと、
次のようなことを考えてしまうことがあります。
1. 「自分が正しいと思ったことは、子どもにとっても正しいはず」
親自身の経験や考えに基づき
これが正解だと思い込み、
子どもが異なる選択肢を
選ぶことに不安を感じてしまいます。
2.「子どもが不安を与えている」
実際は親自身の中にある不安を、
子どもの行動のせいだと誤解し、
過干渉になってしまうことがあります。
3.「子どもが間違った判断をしそうで心配」
子どもの判断を信じられず、
結果として口出しをしすぎ、
子どもの成長や自立の機会を奪ってしまいます。
境界線がないことで、子どもが感じること
親と子どもの間に境界線が引かれていないと、
子どもは次のような感情を抱きやすくなります。
1.「親の意見が気になり、自分で決められない」
親の評価を気にするあまり、
自分の意思を持つことができなくなり、
自己表現が難しくなります。
2.「親の期待に応えようと無理をする」
子どもは親の期待に応えようと、
自分の気持ちを押し殺し、
正直な自己表現ができなくなります。
3.「親が不機嫌なのは自分のせいだと思う」
親の感情を自分の責任だと感じ、
自己否定を繰り返し、
自己肯定感が低くなってしまいます。
子どもとの「境界線」を引くことの重要性
親として、子どもに
「正しいことをしてほしい」
と思うのは自然なことです。
しかし、親が考える「正しさ」は、
果たして子どもにとっても同じなのでしょうか?
人それぞれ価値観や考え方、
感じ方は異なります。
それは親子関係においても同様です。
親と子どもは、
異なる個性を持った別々の人間であり、
何を幸せと感じるかも違います。
親が正しいと信じていることが、
必ずしも子どもにとっても正しいとは限りません。
それにもかかわらず、
「これが正しい」「こうするべきだ」
と押しつけてしまうと、
子どもは尊重されていないと感じ、
自分に自信を持てなくなってしまいます。
確かに、親としては自分の経験から
「これが正解だ」と思っているかもしれませんが、
それはあくまでも親の経験であり、
子どものものではありません。
親が自分の正しさを押し付けることは、
子どもに親の人生を生きさせるようなものです。
それは、子どもにとって
非常に窮屈で苦しい生き方を強いることになります。
子どもとの「境界線」を引く理由
子どもを傷つけないためにも、
親は子どもとの間にしっかりと
「境界線」を引く必要があります。
この境界線は、
親の人生と子どもの人生を分ける大切な
「心理的なライン」です。
どんなに親子であっても、
超えてはいけない線が存在します。
子どもがまだ小さい場合は、
自分で判断できないときもあります。
そんなときは親が代わりに決めてあげたり、
子どもにとって良いと思うものを渡してあげたりと、
代わりにしてあげなければならないときも多いでしょう。
ただし、それも子どもの年齢によって変わります。
親ができるのは
子どもが選びやすいように
選択肢を示したり、
子どもの選択がもたらす影響を
伝えたりすることです。
子どもの年齢に合わせて
判断を委ねることが重要です。
子どもが自分の選択を通じて学び、
成長する機会を与えることが大切です。
子どもの人生は子どものもの
子どもの人生は、子ども自身のものです。
子どもは、
自分の人生をどう生きるかを考え、
決断し、その過程で自ら成長していきます。
大切なのは、
親が適切な境界線を引き、
子どもを対等な個人として尊重することです。
これにより、親子の関係は健全で
適切な距離感を保つことができ、
子どもは自立した人生を生き、
親も自立して生き、
心地よい関係となっていきます。
子どもとの「境界線」を引くために今からできること
「境界線」をうまく引くためにはどうすれば良いのでしょうか?
親と子どもの違いを尊重し、
お互いの領域を理解するためのトレーニングが重要です。
ここでは、
親子の適切な距離感を保つための
具体的な4つのステップをご紹介します。
1. 子どもの個性に気づく
最初のステップは、子どもの個性に気づくことです。
親が自分の価値観を押し付けてしまうと、
子どもの本来の個性や興味を
見落としてしまうことがよくあります。
境界線が引けていない親子関係では、
親が子どもの好きなことや嫌いなことを知らない、
または決めつけてしまうケースが多いです。
例えば、
「親が好きなものは、子どもも好きだろう」
という無意識の思い込みがあると、
親は子どもの好き嫌いを気にかけなくなるし、
子どもは親に対して自分自身の気持ちを表現しづらくなります。
そのため、
まずは子どもがどういう性格で、
何を好み、何を得意とするのかを
理解することが大切です。
この理解が、
子どもを一人の独立した存在として尊重し、
境界線を引く準備につながります。
子どもの個性を理解するために考えること
以下の質問を自分に問いかけてみましょう。
これにより、
子どもがどんな個性を
持っているかを見つけやすくなります。
-
※■■の中に入る言葉を考えてみましょう。
- この子は■■が好きだ
- この子は■■が嫌いだ
- この子は■■が得意だ
- この子は■■が苦手だ
- この子は■■に集中している
- この子は■■を続けている
- この子は■■に興味を示している
- この子は■■に興味を感じないようだ
これらの問いを通じて、
子どもの個性や興味を尊重し、
その独自性を理解しましょう。
子どもとの関係に適切な境界線を引くためには、
まず子どもの感情や特性に気づくことが大切です。
2. 子どもと親の違いを知る
親と子どもは、
当然ながら異なる存在です。
そのため、
親が「これが正しい」と感じることでも、
子どもにとっては「間違っている」
と感じることがよくあります。
ここで重要なのは、
親の価値観や考え方を
無理に子どもに押しつけないことです。
親が「自分はこう考えるけれど、子どもには違う意見がある」と理解するだけで、
子どもの視点も新たに見えてくるでしょう。
この違いを尊重し、
親子の健全な関係を築くためには、
互いの違いを理解することが非常に重要です。
「親子の違いを理解すること」は、
健全な親子関係を築くための大切なステップです。
子どもの成長を促し、
家庭内の調和を保つためにも、
親子間の違いをしっかりと認識しましょう。
子どもと親の違いを知るために考えること
以下の質問を自分に問いかけてみましょう。
これにより、
親と子どもの違いが見つけやすくなります。
- 私には難しくてできないけれど、この子は■■ができている
- 私はそう考えられなくて苦しかったけれど、この子は■■という考えを持てている
- 私は不安に感じるけれど、この子は物怖じせずに■■ができている
- 私は心配の感じるけれど、この子は楽しそうに■■に取り組んでいる
- この子は親の私と違う■■の感性を持っている
- この子は親の私と違う■■の価値観を持っている
- この子は親の私と違う■■の性格をしている
3. 子どもの立場で考える
子どもと接する際には、
親の視点ではなく
「子どもの視点」に立って
物事を考えることが非常に大切です。
たとえば、
子どもが失敗したり悩んでいるとき、
親として「こうすればいいのに」と
アドバイスしたくなることは自然な反応です。
しかし、重要なのは
親の正しさを伝えることではなく、
まず「子どもが何を感じているのか」を理解する姿勢です。
子どもは日々の成長の中で、
挑戦や挫折を繰り返しながら学んでいます。
その過程で親ができる最も効果的なサポートは、
すぐに解決策を提示するのではなく、
子どもが自分で考え、
行動できる機会を与えることです。
親が子どもの立場で考えることで、
本当に必要な支援やサポートが見えてくるはずです。
この「子どもの視点で考える姿勢」が、
健全な親子関係の基盤となり、
良好な親子関係をつくっていくための重要な要素となります。
子どもの立場に立って考えること
以下の質問を自分に問いかけてみましょう。
これにより、
子どもの視点で考えていること、
感じていることがわかりやすくなります。
- この子が■■と言った目的は何だったのだろう?
- この子が■■な態度を見せた理由は何だったのだろう?
- この子が■■を選んだ理由は何だったのだろう?
- この子は何を不安に思っているのだろう?
- この子は何を手に入れたかったのだろう?
- この子は何が不足していると感じているのだろう?
- もし私がこの子だったらどのように考えただろう?
- もし私がこの子の立場だったらどのように行動しただろう?
- 私もこの子と同じくらいの年齢だった時は何をしていただろう?
4. 子どもの課題と親の課題に分ける
親子関係において、
子どもの課題と親の課題を
明確に分けることは非常に重要です。
これは親子間の健全な「境界線」を
引くうえで欠かせないポイントです。
子どもが何か問題に直面したとき、
親は「こうすればいい」「こう言えば解決する」
と助けたくなることがあるでしょう。
しかし、
子ども自身が解決すべき課題に対して、
親が介入しすぎることは、
良好な親子関係をつくれないばかりか、
その関係を壊すことになります。
一方で、親の課題を子どもに押しつけるケースも少なくありません。
たとえば、
「子どもなんだから~するのは当然だ」
「親だから子どもに~してもらうのは当たり前」
といった思い込みから、
親が解決すべき問題を子どもに背負わせてしまうことがあります。
親子間の課題を明確に分けることで、
親も子どもも自分の責任範囲において、
自立した判断や行動ができるようになります。
子どもの課題は子ども自身が解決し、
親は親自身の課題に取り組む。
このようにして築かれた境界線は、
双方の成長を促します。
ただし、親が支援すべき場面も存在します。
特に、まだ自立が難しい年齢の子どもに対しては、
親が見守りながら、必要なタイミングで
サポートすることが重要です。
たとえば、幼児期には
親がほぼ全ての世話をする必要がありますが、
子どもが成長するにつれて、
少しずつ自分で選び、
決める機会を与えることが大切です。
10歳以上の子どもであれば、
親は子どもに「~してもいい?」
「アドバイスしてもいい?」と
判断を仰ぐ姿勢を持つことが理想的です。
こうして、
親と子どもの課題を明確に分けることで、
お互いの領域を尊重し合い、
健全で自立した親子関係を築くことができます。
子どもの課題と親の課題に分けるために考えること
以下の質問を自分に問いかけてみましょう。
これにより、
親の課題と子どもの課題が
見分けやすくなります。
- 私にとって■■は正しいことだけど、子どもにとって本当に正しいのだろうか?
- 私にとって■■は失敗するように感じるけれど、子どもにとって失敗だと感じるだろうか?
- 私の目には■■が不安に映るが、それは私の不安で子どもの不安ではない
- 私は■■が正しいと思って生きてきたけれど、その生き方は子どもにとって本当に正しいのだろうか?
- 私は■■しなければならないと思って生きてきたけれど、何をするかは子ども自身が決めることだ
- 私は■■が常識だと信じて生きてきたけれど、子どもが自分の人生で何を信じるかは子ども自身が選ぶことだ
- 私は子どもが不幸な人生を送るのではないかと心配してしまうけど、それは子どもに力が無いと思い込んでいた私の問題だ
- 私は子どもに正しい生き方をしなさいと言ったが、それは子どもの選んだ生き方が間違っていると決めつけていた私の問題だ
境界線を引くことのメリット
親子関係において「境界線」を引くことは、
子どもに親の考えや価値観を押しつけることを減らし、
子ども自身の生き方を尊重するための重要なステップです。
境界線を適切に保つことで、
親の不安が軽減され、
子どもを冷静に見守ることができるようになります。
あなたが無意識のうちに
子どもの心を傷つけてしまうような
『毒親』にならないための重要な知識です。
また、親子間に境界線が引けると
親が子どもの領域に
侵入してしまうことが少なくなるので、
子どもは自分自身で考え、
選択し、行動する力を養うことができます。
親から否定されることなく、
信頼されていると感じることで、
自己肯定感や自信を高めることができるでしょう。
このようにして育った子どもは、
挫折に強い心を持ち、
自分の力で幸せをつかみ取る
自立した大人へと成長する可能性が高まります。
さらに、親が境界線を意識することで、
親子間のストレスも減り、
より良好な親子関係が築けます。
子どもが自立する姿を見守ることで、
親も冷静に対応できるようになり、
お互いに自立した関係が生まれます。
親子がお互いに自立した関係を築くことは、
長期的に見て非常に有益です。
親が子どもに対して過干渉にならず、
子ども自身に任せることで、
親子関係の質が向上します。
今こそ、親子間に健全な「境界線」を引き、
より良い親子関係を築くための
第一歩を踏み出してみませんか?
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