COLUMN
コラム 自分が毒親にならないために
毒親の連鎖を止めるために必要な基本の4ステップ
こんにちは
親子関係カウンセラーの
川島崇照です。
毒親に育てられた
多くの人たちが悩んでいることの中に
「自分も毒親になってしまうかもしれない」
というものがあります。
自分が親となって
自身の子どもを傷つけてしまうのではないか
という不安を強く感じている人はとても多いです。
だから、自分が親となることに
強い不安を感じてしまったり、
なかには子どもを生みたくないと
考えている人は少なくありません。
今日は、
毒親育ちで苦しんできた人たちが
毒親にならないためには
何に気をつけなければならないのか、
この先に何をしていけばいいのか
について解説をしていこうと思います。
これから親になるかもしれない人も
すでに親になっている人にも
有効な知識ですから、
ぜひ読んでみてください。
毒親になってしまうのは感情がコントロールできないから
まず、毒親にならないように
するために大切なことは、
「感情をコントロールすること」です。
これがすべてではありませんが
多くの毒親育ちの人が
怒りや悲しみの感情を
コントロールできなくて
悩んでいます。
感情というのは、
そもそも自分が感じたくて
生み出したものです。
すべては
自分のために感じている
感情なんです。
でも、感情のコントロールが
できていない人は、
自分が生み出した感情に
飲み込まれ、振り回されて、
自分も傷つき、
大切な人のことも傷つけている
なんていう状態になっている人がいます。
なぜ、こんなことになってしまうのか?
その理由は、
自分の感情に飲み込まれてしまって、
錯覚と現実を混同していることに気付けないからです。
たとえば、
こんなふうに感じた
ことはなかったでしょうか?
- 冷静になって考えてみたら、怒るほどのことではなかったと思い申し訳なく感じるけれど、また怒りを感じて相手を傷つけてしまうということをくり返してしまう
- 交際をするたびに相手から大切にしてもらえなかったと思って悲しく感じてしまうことが多くて、信用できなくなって別れるということをくり返している
- 自分は誰と関わってもバカにされるし、軽く扱われると感じて自信が持てなくなり、どうせ苦しくなるから誰とも深い関係にならないようにしている
これらはすべて
感情のコントロールができない人たちが
よく感じていることです。
どれも
錯覚が現実であるかのように感じていて、
周囲の人たちが
悪意を持っているように思ってしまい、
本当はそんなことはないのに
傷つけられているような気がして、
それによって
強い被害者意識を感じてしまい、
自分と相手の関係を
わざわざ複雑にして
解決できなくしている
ということがよくあります。
こういった状態にならないためには、
まず自身の怒りや悲しみの感情が
どのような理由で心の中で
湧き上がっているのかを
知る必要があります。
先ほどもお伝えしたように、
感情というのは、
自分が感じたくて生み出したものです。
すべては
自分のために感じている
感情なんです。
それなのに、
自分のためにならない状態に
なっているのであれば、
心の中で
何らかの不具合が起こっている
はずなんです。
[チェック]こんな状態になっていませんか?
怒りや悲しみというのは、
私たち人間が生きていくのに
とても重要な感情です。
人権を尊重してもらえず
理不尽な扱いを受けたり、
人格を否定されていたり、
他人の都合を押し付けられていたり、
そんなことをされれば
怒りを感じるのも自然なことです。
私たち人間は
問題を抱える人たちから
傷つけられたときに
いち早く自分自身の
心と身体を守るために
怒りや悲しみという感情を生み出すから
すばやく問題のある人たちから
距離を取ることが
できるようになります。
しかし、
感情のコントロールができなくて、
感情をうまく利用できない人たちは
たくさんいます。
1.思い通りにならないときの感情
価値観というのは人それぞれ違います。
価値観が違うのですから、
自分と相手の考え方や正しさ
というのも違ってきて当然です。
しかし、
自分が正しくて、
その正しさに従わない相手が
間違っていると考えてしまうと、
相手と自分の違いを認められなくなってしまいます。
そして、
相手が従わない姿を見ると、
思い通りの状況にならないことで
怒りを感じてしまったり
自分が否定されたような気がして
悲しく感じ
相手を強く責めるなどして
傷つけてしまいます。
2.大切にされていないと感じるときの感情
大切にされていないことに
怒りや悲しみを感じるのは、
依存心が強くなっているときです。
依存心というのは、
自分には生きる力がないと
無意識のうちに思い込んでいて、
だから誰かに支えてもらわなければ
生きていけないという切迫感があって、
支えてくれそうな人を探して、
支えてくれるはずだと思いこんで、
相手に頼ることばかりが
頭の中にいっぱいになっていて、
思い通りに
支えてもらえなかったりすると
強い被害者意識が湧き出てきて、
その被害者意識が
怒りや悲しみとなって
相手に向かいます。
3.バカにされたと感じるときの感情
実際に相手はそんなことを言っていないのに
バカにされたように感じて
怒りや悲しみが湧き出てくる人は
劣等感が強い人です。
劣等感が強い人は
自分の社会的な価値は低いと
無意識のうちに決めつけています。
いつでも他人と自分を比べて
相手よりも自分のほうが
上だったりすると嬉しくなり
下だったりすると落ち込んだりします。
上でも下でも
どちらだったとしても
自分に自信が無いことには
変わりありません。
そうやって、
いつでも自分がどの位置にいるのかと
気にしていると、
他人の発言や態度のなかに
自分をバカにしているような場面を
探してしまいます。
他人はそんなことを言っていないのに
バカにされているように聞こえてしまい
怒りや悲しみが湧き出てきます。
他人から何もされていないのに
見下されているように感じて
怒りや悲しみが止まらなかったりします。
感情をコントロールするための考え方
これから解説することは
感情をコントロールするための考え方
についてです。
【ステップ1】実害はあったのかと考える
実害とは下のような状態があったときです。
気をつけてもらいたいのは、
主観ではなく客観で考えることです。
誰が見ても相手に問題があったのか、
悪意はあったのか、
傷つけるような明確な
言葉や態度があったのかを
確認してみましょう。
<実害があるとき>
- 相手から身体を傷つけられたとき
- 相手から人権を侵害されたとき
- 相手から人格を否定されたとき
- 相手から責任を押しつけられたとき
- 相手から行動を制限・強要されたとき
誰が見ても相手に問題があり、
明確な言葉や態度が示されていて、
そのうえで上記のことが
あったのであれば、
あなたが怒りや悲しみを感じるのは
当然のことです。
しかし、客観的に見て
相手が問題行動をしているわけでは
ないということであれば、
じつは相手の問題ではなくて
あなたの捉え方の問題かもしれません。
【ステップ1】で実害があるかどうかと
考えてみたけれど、
見つからなかったときは
【ステップ2】に進みます。
【ステップ2】決めつけや思い込みは無かったかと考える
決めつけや思い込みを
しているときとは、
たとえばこんなときです。
<決めつけや思い込みをしているとき>
- 自分が正しくて相手が間違っていると決めつけていた
- 自分の要望に従ってもらえるものだと思いこんでいた
- 自分は約束をしていたと思いこんでいた(明確な合意が取れていないのに)
- 大切にしてもらえるものだと決めつけていた
- 気持ちや考えをわかってもらえるものだと思いこんでいた
決めつけや思い込みがあると、
被害者意識が生まれやすくなります。
「私は正しいのに、相手が従ってくれない」
と考えてしまって
怒りや悲しみが湧き上がってきます。
しかし、自分も相手も
それぞれ違った考え方を持っているのが
自然な状態です。
それに誰にだって
やりたくないこともあるはずです。
「自分が正しいはず」
「相手が間違っているはず」
「きっと〜になるはず」
という思い込みや決めつけが
なかったかどうかを確認してみましょう。
【ステップ3】何のために生み出した怒りなのかと考える
私たち人間は
幸せになるために生きています。
不幸になりたい人なんて
いません。
でも、あなたが
怒りや悲しみの感情を感じて
幸せに感じられていないのであれば、
そんなときは感情があなたに
必死に訴えているときです。
自分が正しくて相手が間違っていると決めつけていたとき
あなたの心は、
あなたが正しさにこだわるあまり、
自分と相手の違いを
楽しめなくなっていることを
教えてくれているのかもしれません。
あなたの心は、
もっと自分自身を認めても良いことを
教えてくれているのかもしれません。
自分の要望に従ってもらえるものだと思いこんでいたとき
あなたの心は、あなたが
他人に対して支配的に
なっていることを教えてくれて
いるのかもしれません。
もっと、
他人と自分の違いを知り、
お互いに尊重しあえる喜びが
あることを教えてくれている
のかもしれません。
明確な合意が取れていないのに、自分は約束をしていたと思いこんでいたとき
あなたの心は、
他人とのコミュニケーションが
希薄になっていることを
教えてくれているのかもしれません。
もっと会話を重ねて、
気持ちを確認し合ったり
できることを教えてくれて
いるのかもしれません。
大切にしてもらえるものだと決めつけていたとき
あなたの心は、
あなたの依存心が強くなっていること
を教えてくれているのかもしれません。
誰かに期待しすぎていると、
自分自身の力を使って生きる
ということができなくなっていきます。
もっと、自分の力を
信じて良いことを
教えてくれているのかもしれません。
気持ちや考えをわかってもらえるものだと思いこんでいたとき
あなたの心は、
あなたと他人が対等な関係を
結べていないことを
教えてくれているのかもしれません。
他人に理解を求めすぎているときは、
他人にわかってもらえないと
行動できないと決めつけている
ときであることが多いです。
もっと、自分の判断で
行動して良いことを
教えてくれているのかもしれません。
【ステップ4】自分にも相手にもOKを出せる新しい考え方を探す
相手に明確な問題行動はなかったし、
悪意もなかったということがわかったら
今度は自分にも相手にもOKを出す
新しい考え方を探してみましょう。
お互い様だと考える
- 自分もミスをしてきたことがあることを思い出す
- 自分自身もミスをしてきたから、今ちゃんと気をつけられていると考えてみる
- ミスをしない人間なんてどこにもいないと考えてみる
子どもの成長を確認する
- 子どもなりに努力していることに注目してみる
- 結果にこだわるのではなく、努力をしているという過程を認めるようにしてみる
- 子どもが親に従わなくなったり自己主張をするときは、ちゃんと親離れができていると考えてみる
相手の立場に立って考えてみる
- うまくいかなくていちばんに落ち込んでいるのは相手であるはずだと考えてみる
- 相手にもやりたいこと、やりたくないことがあって当然と考えてみる
- 相手の価値観は自分の価値観と違っているのが当然で、相手は相手の価値観に従って生きていくのが自然な状態であると考えてみる
自分にも相手にもOKを出すためには
今までの視点を反転させることが大切です。
足りていないと思いこんでいたことは、
すでにたくさんあったという意味付けを
していくようにします。
今まで相手の力を
信じていなかったのであれば、
今度は相手にも力があるという前提で
考えていくようにします。
自分の感情を相手に押しつけないと決める
このコラムを見て、
今まで自分がいかに
感情に飲み込まれてきたのか
ということがわかった人は、
今後、もしまた怒りや悲しみの感情を
感じるようなことがあったら、
まずは自分自身を疑ってもらいたいのです。
何でもかんでも
自分にダメ出しをしろ
ということではなくて、
今まで感情に飲み込まれていた自分だからこそ、
また飲み込まれているのではないかと
自分自身に意識を集中してもらいたい
ということなんです。
もちろん、客観的に考えて
相手に問題があるとわかったら
怒りを感じたこと、
悲しみを感じたことなどを
伝えてもいいでしょう。
ただし、
感情的にならないように
気をつけてみてください。
怒りや悲しみを伝えるというのは
自分が味わった痛みを
相手にも味合わせることではありません。
重要なことは、
あなたが大切に思っている人と
良好な関係をつくることです。
そして、あなた自身が
幸せに感じられる
人生を作っていくことです。
自分にも相手にも
OKを出しながら、
お互いの価値観の違いを
尊重し合いながら、
心地よい関係性を
目指してみてください。
少しづつでも良いですから、
毒親の影響を解放して、
毒親の連鎖を止められる
あなたになっていきましょう。
焦らず、
ゆっくりでいいです。
あなたのペースで
自由に生きられる
自分の人生をつくってきましょう。
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