COLUMN
コラム
迷惑行為をやめない毒親への対処方法
FROM:親子関係カウンセラー川島崇照
前号のコラムで、執拗に追いかけてくる毒親にははっきりと感情を伝え、毅然とした態度で断るということをお伝えしました。
→ [相談事例]毒親や毒兄弟が、執拗に接触してこようとする場合どう行動すべきか?
しかしそれでも毒親が執拗に追いかけてきたとしたら?
そのときはいよいよ関係を断絶するときかもしれません。
あなたがいくら距離を保とうとしても相手が追ってくるときは一段高いレベルの対応が必要です。
人としてのルールを守らない相手にはそれ相応の対応をしなければなりません。あなたはいままでの親との関わりから相当に心を傷つけられていることでしょう。関係を断絶することで感じる罪悪感やその後に何が起こるかわからない恐怖心にさいなまれるかもしれません。
しかし、そんなときに頼れる専門家は日本にもたくさんいます。
あなたの辛い親子関係を理解してくれる人はたくさんいるのです。
今回は毒親との関係について活用できる3つの基本的なサポート体制をお伝えします。
カウンセラーに相談しよう 〜 一緒に戦う味方をつくる
あなたが今一人で親との関わりに悩んでいて、しかも答えが見つからずに困っているなら、問題解決型のカウンセラーに相談しましょう。
カウンセラーにもいろいろなタイプの人がいます。
心を癒す人、答えを見つけられるようにサポートしてくれる人、とさまざまです。
そんななかに抱える問題の解決をサポートしてくれるタイプのカウンセラーもいます。
親の心理背景に基づいた対策を考えてくれます。過去の解決事例もたくさん持っています。
こんなタイプのカウンセラーはあなたの良き理解者となり、参謀となってくれることでしょう。
毒親は両親ふたりで攻め込んでくるかもしれません。
もうすでに親というだけであなたは弱々しくなってしまうかもしれません。
そんなとき一人で戦おうとすることは、最初から勝ち目のない戦場にハダカで飛び込んでいくようなものです。
あなたには理論と実践に基づいた対策が必要です。
弁護士に相談しよう 〜 警告文を送る
それでも迷惑行為が止まない場合は弁護士に相談しましょう。
できればDV被害やモラルハラスメントなどの問題に精通している方をお勧めします。
なぜならば、そういった方であれば毒親の心理構造も理解できるからです。
過去の事例では、弁護士に依頼した相談者が毒親、毒きょうだいに対して迷惑行為をやめるように警告文を送ることもしました。
親の迷惑行為で損害を被っていることや今後同じようなことが起きたときは法的に訴える意思があることを書いた警告文です。
これらが記載された文書を内容証明郵便で発送しました。
これまでの私の経験ですと、全体の約8割がこの時点で関わりを止めます。
ただし、そこですべて安心しないでください。
一旦は止まりますが、その後数カ月から数年の期間をあけてまた関わりを再開することもあるので注意が必要です。
警察と行政に相談しよう 〜 住民票閲覧交付制限で対策する
いよいよとなったときは引越しも視野に入ってくるかもしれません。
住所を変えて行き先を知られないようにするといった方法を思いつく方も多いでしょう。
そこで気をつけたいのが転居先の住所をいかにして知られないようにするかです。
親であればあなたの転居先を簡単に知ることができます。
所定の手続きを踏めばすぐにでも手に入れる事ができます。
そうなってしまえばせっかく新天地で人生を謳歌しようとしていたのに、また迷惑行為で悩ましい毎日を送ってしまうことにもなりかねません。
そこでもし、あなたが親から虐待されていたことを証明できて、さらに今でもその危険性にさらされていることを分かってもらえたなら、あなたは『閲覧制限』という方法で新しい転居先を知られずに済む可能性があります。
日本では、家庭内の児童虐待、性的虐待で過去に被害者であった人にも適用する『住民票閲覧交付制限』という制度があります。
これは、過去の虐待にも適用されるので、あなたがいま成人していたとしても制度で守られるということになります。
(参考:http://住民票.com/?p=1812 ※平成28年現在)
まずは警察に行って相談してみましょう。
そしてあなたが今置かれているツラい状況と不安な精神状態、過去に親からされた虐待行為を伝えましょう。
制度への申請の必要性が認められれば、次は行政での手続きをしていくことになります。
ここまでくればあとはスムーズに進むことが多いでしょう。
まだあるあなたを支援する制度
その他にもあなたを支援する制度や組織はあります。
シェルター
ドメスティックバイオレンス(同居関係にある配偶者や内縁関係の間で起こる家庭内暴力)などから身を守るための施設です。
過去には親からの暴力を訴えて入所された方もいらっしゃいました。
保護の必要性が認められれば入所も可能です。
運営は行政がしている場合もあれば、民間がしている場合もあります。
独身寮のようなところだったり、母子寮の場合もあったりとさまざまです。
まずはお近くの警察、行政窓口に危険にさらされていることを相談してみましょう。
民間NPO支援団体
親からの暴力被害者や家に住めなくなった未成年者を支援するNPO団体も増えてきました。
有志からの募金などをもとに運営されています。
住む場所を提供してくれる団体や共同生活をしながら自立までをサポートしてくれる団体など、その形態はさまざまです。
※当相談所が支援団体を斡旋するものではありませんのでご了承ください。
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