COLUMN
コラム
なぜ、カウンセラーは「親に怒りを感じてもいい」と言うのか?

まず「怒り」という感情がどこからくるものなのかをお伝えしましょう。
怒りとは、人間に無くてはならない感情です。
誰かがあなたを傷つけ(心や体も含めて)ようとしているときに、「侵入された!」と感知するのが怒りの感情です。
暴力などの直接的侵入はわかりやすいですよね。
叩かれたりすれば「何で私が叩かれなければならないの?」と怒りが湧いてきます。
それがあるからこそ「叩かないでください」「やめてください」と言えるわけです。
精神的に傷をつけるものも侵入です。
そのときは心に土足で踏み入られたような感覚になるでしょう。
心ない言葉や嫌味や愚痴なども心を傷つける行為です。
怒りが湧いてきて「そんなことを言うのはやめてください」と言えるわけです。
侵入を受けた時に「怒り」を感じることはとても正常なことなのです。
正しく怒ることが大切!
親と自分の間に境界線を引いていくために「正しく怒る」ということが大切です。
「怒る」とは、やられたことをやり返したりすることではありません。
「私は怒っています」と毅然とした態度を表明することです。
これまで怒れなかった人とは、親から不健全に支配を受け、自由に行動したり、感情表現することもできなかった人だと思います。
ずっと親との争いに翻弄されてきた人かもしれません。
また、考えや価値観を押し付けられ、親の人生を歩まされて来た人もいるでしょう。
それは「自分を無くす」という自己喪失の状態をつくります。
親からの関わりの中であなたは自分を無くし、一生懸命に「親の価値観」を生きてきたということです。
だからこそ、いつも親を優先してきたのでしょうし、自分の心のケアなどは二の次になってしまったのでしょう。
親の要求をすべて引き受けてヘトヘトに疲れていたですから、自分の気持ちがわからなくなってしまうのもしょうがないのかもしれません。
大切なことは、、、
このような自己を喪失している状態を解消し、親との間に心の境界線を引いていくために正しく怒ることです。
「怒りのノート」でトレーニングする
「怒りのノート」は、怒りの感情を感じれるようにするためのノートです。
怒りは侵入を察知する大切なシグナルですから、ちゃんと感じられるようにしておくことが大切です。
そうすることで、あなたは土足で踏み込んでくるようなトゲトゲしい言葉を受け取らないようにすることもできますし、親が責任を押し付けて来ようとする時にはっきりと「NO」を感じれるようになっていきます。
「NO」と実際に言うかどうかは行動の話なのでまだ先かもしれませんが、まずは「NO」を感じれなければ口に出して言うこともできません。
怒りのノートは、心の侵入を受け入れないあなたになるためのものですし、
親との間に心の境界線を引き、健全な関係にしていくためのものです。
[ワーク]ノートに怒りを書き込む
1.新しいノートを用意してください。
2.ノートに日々感じた親への怒りを書き込んでいきましょう。
ア)親はどんなことをしてきたか?言ってきたか?
※実際には何もしてこない場合も考えられます。あなたが感じている怒りは過去の出来事に対してかも知れません。もしかしたらあるべきことが無いことへの怒りかもしれません。
イ)そのときあなたはどんな怒りを感じたか?
ウ)怒りを感じたあなたは本当はどうしたいか?
※人間は攻撃されると同じように攻撃して身を守ろうとします。しかしそれは争っているだけで健全な怒りの表現にはなりません。ここでは毅然とした態度でストレートに怒りを表現することが大切です。
3.1と2を繰り返し続けてみる。
※書き込む数はいくらでも良い。感じた怒りは大小にかかわらず書き込む。
※書くことをためらわないこと。自分が正しいか、親が正しいかは考えず、ただただ感じた怒りを書き込んでいく。
(例)◯月◯日
ア)母は、私に自分の勝手な都合を押し付けてきた。従わないと腹を立ててヒステリックに怒鳴った
イ)腹が立つ。自分ですればいいのに、私を利用して自分は楽をしようとするからだ。
ウ)「私の仕事じゃない。自分の仕事は自分でやってほしい」と言いたい。
(例)◯月◯日
ア)父は面白くないことがあるとすぐに私を殴った。
イ)腹が立つ。自分のストレスを私で解消しようとするのは理不尽だ。自分勝手だ。
ウ)「あなたのやっていることは人としておかしい。私は暴力には絶対に屈しない。」と言いたい。
怒り切ることが大切!
ちゃんと怒りを感じて、「怒りきる」ことが大切です。
そうすれば、いつかどこかで親の不健全な言動に冷静に対処できる自分が出来上がってきます。
もし、あなたが止めどなく怒りが湧いてくるのだとしたら、それはまだ怒りきっていないのかもしれません。
親が本当に不健全なことをしているのかどうかに迷いがあって怒りきれないのかもしれません。
そんなときはこのブログに書いてあるいろんな記事を読んでみてください。
そして、親がやっていることが不健全なのかどうかを確かめていきましょう。
そして正しく怒りましょう。
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