COLUMN
過干渉で困る 過干渉で困る
母親の過干渉をあきらめさせる5つの行動
こんにちは
親子関係カウンセラーの川島崇照です。
今日は前回コラムの続きです。
過干渉な母親から執着されないために、あなたがどのように行動していったほうがいいのかを解説します。
あきらめさせることの重要性
とにかく不安であなたのことを信じることができないのが過干渉な母親です。
そして過干渉な母親は、あなたの気持ちを尊重しようとせず、自分の考えを押し付けようとします。しかも、あなたが従わなければ否定や批判を繰り返しますね。
そんな母親を見てあなたもどうせ理解してくれないだろうと思って気持ちを伝えることをあきらめたかもしれません。怒らせてしまうのではないかと思って怖くて何も伝えられなくなったかもしれません。腹が立って喧嘩ばかりを繰り返していたかもしれません。
しかし、それをやっていても母親の過干渉はいつまでも止まらないんです。
母の過干渉を止めるためには、『あきらめさせる』ことが重要。大切なことは、母に「あの子は私がダメって言ってもどうせやっちゃうし」って思わせることなんです。
母だって学習します。なんどもうまくいかないことは、「きっと次もうまくいかないだろう」と考えます。何を言ってもあなたから断られていれば、次もまた断られるだろうと考えます。何を言っても考えや行動を変えないあなたを見ていれば、次もまたうまくいかないだろうと考えます。
そうやって母親は何を言っても何をしても干渉させてくれないあなたの態度を見て学習していくんです。
過干渉な母親に学習を促すあなたの行動5つ
過干渉な母親に学習を促すあなたの行動は下の5つです。
1.やりたいことはやるし、やりたくないことはやらない
あなたは親に許可を取る必要はありません。許可を取ろうとすれば、母だっていつまでたっても許可を出しません。それに「私が許可を出さなければこの子は行動しないはずだ」という思い込みを強くさせてしまいます。
やりたいことはどんどん実行しましょう。そしてやりたくないことはやらないようにしましょう。
2.傷ついていることをはっきり伝える
過干渉な母親は、自分の考えが絶対に正しいと信じているし、その考えに従わせることがあなたのためにもなると信じています。だから自信満々にあなたに考えを押し付けるし、あなたの考えを否定するんです。
そんなことをしてくる母親に気持ちを伝えないということは「どうぞもっとやってください」と言っているのと同じです。母があなたを傷つけていることに気づけなければ、「私は正しいんだ、もっとやっていいんだ」と思い込みさらに心に侵入しようとしますからね。
ですから、あなたが母から傷つけられている感覚があるなら、それを言葉にしてはっきりと伝えましょう。母親に勘違いさせてはいけません。
3.わからせようとしない
いくらあなたの心を傷つける親だからと言っても、あなたにとっては世界にたった1人の親です。やっぱり「わかってもらいたい」「りかいしてもらいたい」「ゆるしてもらいたい」と思ってしまうのはしょうがないことですよね。
しかし、今までの経験で母に何をどう説明しても否定ばかりだったのはもう十分にわかっているはずなのに、またしても説明を繰り返していれば否定が増えていくばかりです。
あなたがこんなことを何十年も繰り返してきているなら、何かがおかしいと気づきましょう。過干渉な母親というのはわからないから否定しているのではありません。あなたが自分の思い通りにならないと不安を感じてしまうから否定したくなるんです。
言葉でわからせようとしてはいけません。あなたがやりたいことを実行に移して、自分で考えて決められることを態度で見せていくことが重要です。
4.曖昧に答えない
過干渉な母親は絶対に自分が正しいって信じています。あなたの考えが間違っているって最初から決めていて、だから自信満々に否定してくるんです。そういう心理状態の人は、なんでもすぐ自分にとって都合よく受け取ろうとします。
例えば母親があなたに何かの行動を要求したとします。あなたが「今日は仕事が忙しいからできない」と言いますよ。そうすると母親は「じゃあいつだったらいいの?」って言いますね。結局あなたは空いている日を探さざるを得なくなって、嫌なことをやる羽目になってしまいます。
こういうときははっきりと「やりたくない」と伝えましょう。「それはお母さんの仕事でしょ、私のやることじゃない」ってきっぱりと言いましょう。
考えを押し付けられたら「それはお母さんの考え方で、私の考え方ではないよ」とストレートに断ります。母親が「裏切られた、もう死ぬ」なんて言っていたら、「お母さんがそう判断するのは残念だけど、私の考えは変わらないよ」と毅然とした言葉で断ります。
5.喧嘩をしない
人間というのは怒りを感じた時に相手を攻撃したくなるものです。そういうときって親子喧嘩をしてしまいますよね。攻撃は最大の防御なんて言いますが、親子関係ではちょっと違います。
親と喧嘩をしているということは、喧嘩をしている間はあなたは自分のやりたいことをやれません。過干渉な母親はそのことを感覚的によく知っています。喧嘩って、あなたの貴重な時間も精神力もぜんぶ親のために使ってしまっているのと同じです。喧嘩してもスッキリした気持ちにはなりませんよね。
それよりも、ああ言ってやればよかったとか、今度はこうしてやるぞ!なんてふうにずっと親を負かすことばかり考えてしまいます。そしてひとしきり考えた後、心はヘトヘトに疲れているので自分のやりたいことに集中できなくなってしまうんです。
簡単な話です。母親があなたに行動させたくないなら喧嘩を仕掛ければいいんです。そうすればあなたも腹が立ってやり返してきます。そこに時間を費やさせればあなたは行動できなくなるって知っているんです。
過干渉な母親の心理変化
多くの過干渉な母親はヒステリックです。感情的になって怒ったり泣いたりを繰り返します。あなたもそんな母のそばで強い恐怖心と罪悪感を感じていたのではないでしょうか。
怒られたらどうしよう…
泣かせてしまったらどうしよう…
こんなふうに考えてしまい、正直な気持ちを伝える事はできなかったのかもしれません。そして今でも同じように感じて、母の都合の良い状態を作ってしまっているのかもしれません。
正直な話、母親が怒鳴っている姿とか泣いて不憫な姿を見たくないですよね。自分がとてつもなく悪いことをしているみたいに感じてしまうし、また次に何を言われるんだろうと考えると怖くて身がすくんでしまいます。
でもね、そんなことがずーっと続くなんてことはないんですよ。
過干渉な母親って、じつはとても心がタフにできていて、頭の回転が早い人。どんな姿を見せたらあなたが怖がって行動を変えるか、罪悪感を感じて心折れるかってよく知っています。
ようするに、母はあなたをコントロールしたくて、あなたに見せる態度をその都度変えていた可能性があるといいうことなんです。
もちろん、母だってあなたを操っているなんて意識はないんですよ。昔からあなたを見てきて、怒ったら従ったとか、泣いたら優しくしてくれたなんていう経験をしてきたから、今でも同じことをしているだけなんです。
そういったことが何十年も続いていたので、考えなくてもできるようになってしまったんですね。
第一段階
まずは怒る母親を見ても、冷静に毅然とした言葉と態度で対応することです。あなたが怒る母を見ても怖がらなかったり、従わなかったりすると、母はまたそれを学習して態度を変えていきます。
今までよく怒っていた親は、あなたが従わないともっと強く怒ります。しかしそれでもあなたが母親に従わず自分の思ったとおりに行動をしていると、怒ることをやめるんですね。「あれっおかしい、今までうまくいっていたのに。」って感じて、また別の方法を試してみようとします。
第二段階
次はだいたい泣き落とし作戦。あなたから傷つけられたとか、裏切られたと言って被害者を装います。不憫な自分を演じてあなたに罪悪感を感じさせようとします。
しかしそれでもあなたが心折れず従わないでいると、また同じように「あれっこれでダメ?」と思って態度を変えていきます。
第三段階
さらに次は、第三者を呼んで味方につけて一緒にあなたを責めようとします。母親はいかに自分が被害を受けていて、いかに子どもが悪いことをしているのかと、第三者に偏った情報を与えます。
あなたも敵が増えて怖く感じるかもしれません。複数の人たちから責められたら自分の考えが間違っているのだろうかと不安になることもあるでしょう。
でも心配いりません。母は自分の味方をしようとしない人には最初から声をかけませんからね。心に問題を抱えて子どもに執着する親は、自分と同じように心に問題を抱えている人たちと協力体制を作ろうとしているだけなんです。ですから、あなたも迷わず自分の考えに従って行動するのが正解です。
第四段階
そして最後は、「今までにあなたにかかったお金を返して」とか「苦労して育てたのに、育て方間違った」のような愚痴を言いはじめます。他にも「縁を切る」とか「もう死んでやる」なんてことを言うかもしれません。
でもこう言われて不安にならないくていいんですよ。お金をかけると決めたのは親であって、あなたが奪ったわけではありまえんからね。それに、縁を切るとか、死んでやるっていう脅しの言葉を言う親の心の中ではじつは正反対の事を考えているんです。
脅す人は、何を言えば相手に恐怖を感じさせられるかと考えています。でもそれって、自分が何を言われれば恐怖を感じるのかと考えているのと一緒で、じつは母親が恐怖を感じることでもあるんですね。
そう、母はあなたと縁を切りたいとは思っていないし、死にたいとも思っていないということなんです。
母の干渉を受け入れない態度を見せる
あなたはこのコラムを読んで何を感じたでしょうか。
もしかしたらもうできていたなんて人もいたかもしれません。そういう人は母から干渉されても受け入れていない人ですから、この先も同じように受け入れないように気をつけていけばいいでしょう。
しかし、気持ちも伝えていなかったし、従ってばかりだったなんてことになっていたならなるべく早い段階から親に見せる態度を変えていく必要があります。なぜなら過干渉って年々強くなっていくからです。母親がこのまま歳を重ねていくと、あなたに対する執着もつよくなっていきます。
そうなれば、もうあなたなしでは生きられなくなるかもしれません。ここで手を売っておかなければこの先もずっと過干渉に耐えながら生きていかなければならないのかもしれないんです。
過干渉のある親子関係とは、親ひとりだけで成立はしません。過干渉な母親がいるなら、必ず過干渉を受け入れる子どもという存在があるはずです。あなたがこの事実に気づいたとき、あなたは母親の過干渉から脱出する鍵を手に入れました。あとはその鍵で目の前の『自由』という扉を開けるかどうかです。
もし、恐怖心や罪悪感があって行動できなかったりするなら教えて下さい。もっと具体的な方法を知りたいときも教えて下さい。あなたはひとりではありません。一人で苦しまなくてもいいんです。
そのときは親の心の問題を分析して、親の執着心がより素早く減少していく対応方法を考えることもできます。怖くて身動きが取れないあなたに合わせた方法を考えてガイドしていくこともできますから。
一歩踏み出してみましょう。
抜け出せない支配なんてありません。すべてはあなた次第です。
あなたが自由を手に入れると決められたら、あとは行動するだけです。
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